ココアフラボノールのメリット

Fact Checked(事実確認)
ココア フラボノール

早分かり -

  • ダークチョコレートは多くのココアフラボノールを含むため苦く、この成分が脳の酸素化速度と容量を増大させ、ベースラインより脳の回転が11 %速くなります
  • ダークチョコレートをウルソル酸とオレアノール酸の投与メカニズムとして食べた参加者は減量でき、ウェストサイズが減りました
  • 「生」チョコレートとは焼いていないカカオ豆から作った製品を意味しており、糖分が多くフラボノールは微量しかないミルクチョコレートよりダークチョコレートには多くの健康的効能を発揮するフラボノールが豊富です
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Dr. Mercolaより

フラボノイドとフラボノールは似た名前で、人によっては同義に使っていますが、別の物質です。フラボノイドは植物化学物質の類概念であり、フラボノールはその一部です。フラボノイドはフルーツ、野菜、ティー、お茶、チョコレート、ワインに含まれます。フラボノールが豊富なダークチョコレートこそ認知機能と気分をよくすることはすでに証明されています。

フラボノールの化学的特性がこの化合物の生体利用能によい影響を与え、生体活性の決定に役立っています。フラボノイド類には糖尿病予防効果、抗炎症性、抗がんおよび神経保護作用があります。

オレゴン州立大学の報告によると、フラボノイドによっては認知機能低下や認知症のリスクがある人のリスクを削減するのに役立つかは不明ながらも、認知機能をよくするものが存在することを示す根拠はあります。

少なくとも4,000年以上、チョコレートは贅沢と財産、権力の象徴でした。お菓子類の中でチョコレートは世界で最も人気が高いものであり続けています。しかし、ダークチョコレートに健康的効能があることはわかっていますが、ミルクチョコレートにはこれがありません。

フラボノールで脳の酸素化と認知機能が増す

2017年に、Frontiers in Nutritionに掲載されたあるメタ分析は、ココアフラボノイドと認知機能の相関関係を評価しました。ココアとココア製品はフラボノールの主要な摂取源です。ココアは特に認知力低下リスクがある人においてはその防止効果があることを科学研究が示しています。

ココアフラボノールの投与によって認知機能がよくなり、健康な人が睡眠阻害の際でも認知機能を保護すると考えられています。Scientific Reportsに掲載されたある研究はこの仮説をさらに掘り下げました。

健常な若年成人について無作為化二重盲検を行い、ココアフラボノールが二酸化炭素の投与に応答して脳の酸素化速度と容量を増大させることが証明されました。

さらに、被験者は酸素需要が高い時期にベースラインより脳の回転が11 %速くなりました。ZME Scienceはこの研究を主導したバーミンガム大学のカタリーナ・レンデイロ氏と会見しました。

研究者は18人の健康な人を募り、二回試験を行いました。初回試験ではフラボノールを多く含むココアを使い、二回目にはフラボノールが少ないココアを使用しました。被験者も治験者も試験中にいずれの種類を使ったか知らない状態で行いました。

二時間後、被験者は脳への血流を増やすため、濃度5 %の二酸化炭素(CO2)を吸入しました。通常の場合、呼吸している空気には0.04 %のCO2が含まれます。CO2により脳内で血管が広がり、変化して血流が増えます。被験者が吸入した空気は通常の空気の100倍の濃度のCO2を含みました。

次に、脳への血流増加量と酸素化量を被験者毎に調整したヘルメットを使って測定しました。フラボノールが多いココアを飲んだ被験者の酸素化されたヘモグロビンはフラボノールが少ないココアを飲んだ人より三倍多いことがわかりました。

興味深いことに、数人の参加者においてはフラボノールによる効能は見られなかったものの、酸素化応答は最も健康的であることでした。

チョコレートは天然トリテルペンをおいしくする

ココアの二番目の研究では、70 %ココアチョコレートをウルソル酸とオレアノール酸の投与メカニズムとして使用しました。これらは薬理効果が知られているトリテルペノイド化合物で、その効果には実験動物に薬品で損傷を誘発した肝臓の保護効果や人間を病原体から守る抗菌活性が挙げられます。

オレアノール酸は中国で肝臓障害薬として売られており、実験動物に対し試験した限り、抗炎症性と抗脂質異常症の効果があります。ウルソル酸の健康的効能としては「抗炎症性、抗酸化性、抗アポトーシス活性、抗がん作用」が含まれます。

ある動物実験では、ウルソル酸がカロリー消費を促進し、減量に関連する骨格筋や褐色脂肪の増加、さらに体力増強につながることがわかりました。グルコース耐性の改善効果もありました。

その研究目的は、Mansoa hirsuta DCという植物から分離したウルソル酸とオレアノール酸を注入したカカオ70 %のチョコレートを食べる効果を評価することでした。この研究では、最初に一般に通用している微生物学的および感覚機能特性を組み合わせることを目指しました。この「受容度分析」には100名のボランティアが参加しました。

健康への効果を評価するため、45人のボランティアを募り、処置グループと対照群、プラセボ群に分けました。処置グループはトリテルペンを含むチョコレート調製材を食べ、プラセボ群はトリテルペンを含まないチョコレート、対照群は研究中一切チョコレートを食べないようにしました。

処置グループはトリテルペンを添加した70 %ココア入りチョコレートを(一日)25 g四週間食べました。全員とも日常の活動と食生活を維持してもらいました。この処置の前後に参加者は体重、身長、ウェストサイズの測定を受けました。脂質検査と空腹時の血糖値も測定しました。

誰もチョコレートを食べなかった対照群は、人体計測面でも検査室での分析でも大きな変化はありませんでした。ウルソル酸とオレアノール酸入りチョコレートを食べた処置グループの半数の人は体重が約2 kg (4.4ポンド)減り、73.3 %の人はウェストが細くなりました。普通のチョコレートを食べたプラセボ群では86.6 %の人が肥りました。

適度に食べる限りダークチョコレートに健康的効能がある

前記の研究によって実証された通りで、適度であればダークチョコレートには健康的効能がありますが、食べ過ぎれば肥りやすくなり、その結果インスリン抵抗性が生じるおそれが高まります。ココア豆は脂肪(54 %)が豊富なほか、繊維質(16 %)、タンパク質(11 %)、炭水化物(31 %)から成ります。

生体活性がある化合物を最も多く摂れるのがフラボノイドで、中心血管系抹消血管の機能をよくします。適度であれば、フラボノールが豊富なダークチョコレートによって身体の酸化ストレスが減り、内皮機能がよくなるためインスリン抵抗性が改善します。このことは、フラボノールが豊富なダークチョコレートは食生活にメリットがある追加項目になることを意味しています。

ダークチョコレートには健康的効能があっても、ミルクチョコレートにはありません。残念ながら、市販のチョコの大部分はミルクチョコレートキャンディータイプであるため、砂糖が多く、健康的なココアは微々たる量しかありません。また、ある研究からわかっていることとしては、添加乳タンパク質はチョコレートキャンディーに含まれる抗酸化作用があるフラボノイドの一種エピカテキンの生体利用能を低下させます。

フラボノイド以外にも、健康によい効果があるテオブロミンやその他のミチルキサンチンがダークチョコレートから見つかっています。例えば、ある動物実験ではテオブロミンで記憶力がよくなりました。しかし、自然界で見つかるほとんどの食糧について言えるように、健康的効果は食糧に含まれるポリフェノール類の組み合わせによって得られるのであり、単一の成分では効果がありません。

聴覚損失がチョコレートの消費量と反比例することを示した根拠がありますが、耳鳴りには効果がありません。別のある文献レビューが13件の治験を分析した結果、運動選手はココアを食べると酸化ストレスが減りましたが、運動の成果や回復に効果があるかについては明快な結論を導き出すことはできませんでした。

2013年にThe Netherlands Journal of Medicineに掲載されたある論文は、カカオの健康的効能について検討した結果、カカオに次の成分があるため、中には「完全食品」であると評価する人もいました。

  • 健康に良い脂肪
  • 抗酸化物質
  • タンパク質、ミチルキサンチン・テオブロミン、カフェイン等の窒素系化合物
  • カリウム、リン、銅、鉄、亜鉛、マグネシウム等のミネラル
  • 刺激剤が存在するにも拘らずストレス軽減剤として機能するバレリアン酸

苦いチョコレートは気分をよくするのに役立つ

サンディエゴで開催された2018年実験生物学会年次会議で発表されたロマ・リンダ大学の人体実験データは、チェコレートでストレスレベルや炎症、気分、記憶力、免疫機能が改善しやすくなることを示しました。これには但し書き付きです。カカオが70 %以上含まれ、有機甘蔗糖で甘味が添加されたものでなければなりません。

その他いくつもの研究でも、カカオが心臓や血管、脳、神経系に効能があり、炎症が元で起きる糖尿病その他の病変予防に役立つことは確認されてきました。

Oxidative Medicine and Cellular Longevity誌に掲載されたある論文によると、「ココアには約380種類の既知の化学物質が含まれ、うち10種類は向精神効果がある化合物であり、緑茶や紅茶、赤ワインよりフェノール類が豊富で、抗酸化活性がより高い」ことがわかっています。

カカオにはこのほかにもフェニルエチルアミンという物質も含まれており、これは体内でセロトニンに変換されるトリプトファンと類似の経路で気分をよくすることがわかっています。ココアには気分をよくすることが判明している化合物も含まれています。ダークチョコレートドリンク混合液に含まれるポリフェノールは不安を和らげ、一か月間毎日飲んだ場合精神鎮静効果があることがある研究でわかりました。

その実験を完了した72人の被験者は、ポリフェノール500 mg、250 mg、ゼロ mgに標準化したチョコレートドリンクを飲みました。ポリフェノールを多く含むチョコレートドリンクを飲んだ被験者は自己評価での落ち着きと満足感がプラセボチョコドリンクを飲んだ人より増えたことがわかりました。

実験室で24時間ココアエキスで培養した直腸結腸細胞群の遺伝子発現の増減調節に効果がありました。このため研究者は、その結果が「有効性確認研究を実施しさえすれば、この研究での抗がん剤としてのココアの健康的効能に関する将来的臨床研究のための貴重なカギを提供している」と考えます。

カカオからチョコレートへ — 食べるとよいのは生ダークチョコレート

以上の研究結果から、健康的効能を得るためにフラボノールが豊富なダークチョコレートを食べることの意義が明らかになりました。上の短編動画で私がお見せしているように、甘口を満足させられる自家製のとてもおいしく健康的なチョコレートを作ることができます。

人によってはこれらの用語を同義に使いますが、ココアとカカオは違います。ここで取り上げた研究の多くはココアを材料とする製品を使用しましたが、違いを把握しておくと役立ちます。カカオとは常緑の樹木と乾かした種子を指し、これからチョコレートに加工します。生のカカオニブに最も多くのポリフェノールが含まれます。

最適なのは自然のままの全体の実を買ってきて自宅ですりつぶすことです。このためにはコーヒーグラインダーを使用できます。また、チョコレートチップと同じく噛んでもおいしくいただけます。一日に約15 g から30 gまでが健康的な量でしょう。私は自分で生カカオニブを一日二回一回に大さじ1杯をすりつぶしてスムージーに入れています。

カカオの豆を焼き、すりつぶして粉にしたのがココアで、これまでに脂肪分はほとんど失われています。健康食品店や一部の食料品店で買えるココアバターとは豆から抽出した黄色い脂肪です。

チョコレート製品として店舗に並ぶまでカカオ豆は14段階の加工処理を経ます。チョコレートを焼いていないカカオの種子から加工すると、「生チョコ」といいます。

チョコレートを選ぶとき、カカオ成分が多く、砂糖が少ない製品ほど健康的効能が高いことは根拠が示していまです。カカオは苦いため、カカオ成分が多いチョコレートはより苦いです。

ポリフェノールこそチョコレートの苦みの素なので、メーカーはよくこの成分を除去していますが、ポリフェノールこそ健康的効能の多くを生むものなのです。このため、健康的効能のためにはカカオ成分70 %以上のチョコレートを選ぶのがベストです。

その一方、「ホワイトチョコレート」にはカカオ豆から抽出したバターしか含まれず、チョコレートの名に値する成分であるココアが無いです。むしろホワイトチョコレートは健康に悪い滅菌乳とバニラ香料、精製糖の混合物そのものです。