トリクロサン:決して使ってはならない石鹸成分 — しかし世帯の75 %が使用

石鹸

早分かり -

  • はみがきやデオドラント等のパーソナルケア製品に滅菌剤として使用され、大量生産されている成分トリクロサンは心臓病や心不全につながることをある新研究が証明しました
  • トリクロサン一回の用量をマウスに暴露させたところ、心筋機能が25 %、握る力が18 %減りました
  • 個々の人の筋肉細胞(心筋と骨格筋から取った)を日常生活の暴露量と等量のトリクロサンに暴露させたところ、これも筋肉の機能に障害を発生し、心筋と骨格筋ともに機能しなくなりました
  • またトリクロサンはホルモン機能阻害にもつながることがわかっています
  • トリクロサンは製品の成分表示に記載されているので、買う前に含まれているかを容易に確認できます
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Dr. Mercolaより

はみがきやデオドラント、抗菌石鹸等のパーソナルケア製品に滅菌剤として使用され、大量生産されている成分のトリクロサンは心臓病や心不全につながることをある新研究が証明しました。

しかし、米国の食品医薬品局(FDA)は、「トリクロサンは現在人間に危害があることは現在確認されていない」という声明を発表しています。

すなわち、トイレタリ-製品からこの共通添加物を除去するための行動が実施されるまで、毒性が証明された化学物質を一日に何回も塗ったり接触させていることになります …

トリクロサンは筋肉機能に干渉する

トリクロサンは筋肉の機能や骨格筋の収縮能力に障害を与えると、研究者はカリフォルニア大学デイビス校で実施された新研究で説明しています。この研究はマウスについて実施されましたが、この化学物質の心機能への影響は「実に劇的」だっと研究者らは言っています。

トリクロサン一回の用量をマウスに暴露させたところ、心筋機能が25 %、握る力が18 %減りました。魚に野生の魚に一週間で蓄積するはずにほぼ等しい量のトリクロサンを接触させたところ、泳ぐ能力が落ちました。

個々の人の(心筋と骨格筋から取った)筋肉細胞を日常生活の暴露量と等量のリクロサンに暴露させたところ、これも筋肉の機能に障害を発生し、心筋と骨格筋ともに機能しなくなりました。

この研究の主執筆者は次のように指摘しています:

「トリクロサンはほぼ誰の自宅にも存在し、環境の至るところに含まれている。こうした事実はこの化学物質が人間にも環境の健康にも懸念であることの強力な証拠である。」

トリクロサンはホルモン調節も変性する

この至る所に存在する化学物質は塩素化芳香化合物で、細菌汚染の削減や防止を助けるために使用されています。この物質は多くの抗菌石鹸やボディーウォッシュ、歯磨き、特定の化粧品のほかにも家具、台所用品、衣類、玩具にも一般的に添加されています。

すでにご説明した新たな筋肉機能に関する所見のためばかりではなく、ホルモンへの潜在的影響のためによっても、成分表示にトリクロサンが含まれているいかなる製品でも買うことは真剣に疑問に付すのが賢明です。

Toxicological Sciences誌のある研究はトリクロサンがエストロゲン媒介応答に影響することを特定し、エストロゲンを模倣した多くの化学物質は乳がんリスクを高めることがわかっています。トリクロサンはラットの甲状腺ホルモンも抑制し、しかもこれはこの化学物質が強力な内分泌かく乱物質であることを実証した研究の蓄積に関する唯一の研究です。

過去の研究からもすでに判明した事実:

  • 低濃度であっても(トリクロサン暴露率0.15 ppbでカエルのホルモンシグナリングシステムに障害を生むために十分)トリクロサンへの暴露はカエルの甲状腺ホルモン関連の遺伝子発現を阻害します
  • トリクロサンはラットの甲状腺ホルモンチロキシ(T4)の循環濃度を減らします

FDAでさえ、「動物実験からトリクロサンはホルモン調節を変性させることは証明された。他の細菌に関する研究からはトリクロサンが細菌の抗生物質耐性を発生させる可能性が高まった」としています。トリクロサンが人間に危害があることがわかっていないと当局は依然として主張していましたが、この化学物質の精査を実施し、その結果は2012年冬に公表されました。

トリクロサンを農薬として規制する環境保護庁(EPA)も2013年にトリクロサンの網羅的精査を実施し、「継続中の内分泌研究をよく注意し、科学研究の結果以上のような変化が裏付けられれば規制面の決定を修正する」と説明していました。

残念ながらこの化学物質を手洗い石鹸、ボディーウィッシュ、歯みがきから除去するための措置は何も行われませんでした。

トリクロサンは最初に農薬として登録された

トリクロサンは歯磨きのためや脇の下に塗り込むのにはおそらく最適な成分ではないことについてさらに根拠が必要な方は、この物質が1969年にEPAに初めて登録されたときは … 農薬であったことを考えてください。

この物質は今でも農薬として登録され、この事実やパーソナルケア製品に使用されてはいますが、工業用に一般的に使用されており、例えば、コンベヤベルト、消火ホース、染色槽または製氷装置に抗菌殺虫剤として成分の一部に使用されているほか、接着剤、布地、ビニール、プラスチック(玩具、歯ブラシ)、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、床ワックスの乳剤、繊維品(履物、衣類)、水漏れ防止化合物、シーラント、ゴム、カーペット、その他たいへん多くの製品に添加されています。

トリクロサンはアメリカ人の75 %から検出されている

判明したように、この化学物質はアメリカ人口の3/4の尿からすでに検出されており、すなわち、緊急な対策が必要なことは明らかです。2011年に、下院議事運営委員会のルイーズ・M・スローター委員長と二名の委員は「トリクロサンは人間の健康に明らかな脅威である」と説明し、FDAにトリクロサンの禁止制定を求め、禁止提案に以下の理由を挙げています:

「人体内部のトリクロサンの存在と『身体への負荷』に対する影響

抗生物質や抗菌クリーナーへの細菌の耐性

体内のトリクロサン生体蓄積の結果として内分泌かく乱の危険性

排水汚染

生態バランス破壊の脅威

トリクロサンは石鹸と水より効果的ではないという事実

トリクロサン等の抗菌製品を手洗い石鹸に添加する「メリット」は、さらに多くのばい菌を殺すはずであり、理論上は健康をよりよく維持するはずのものであるため、最後の点は重要です。その反面、これらのトリクロサン含有抗菌製品は石鹸と水で洗うといった古き良き方法より効果があるという根拠はほとんどありません、あるいは全くありません。しかし、抗菌物質より普通の石鹸がより効果的であるという根拠はあります。研究者の説明:

「トリクロサン含有の消費者向け石鹸を使うことに関連する普通の石鹸よりさらに高い健康的メリットの欠如に加え、薬剤耐性が発生することを選択する潜在的リスクを証明した実験データと合わせると、抗菌製品の主張と宣伝に関する政府規制当局によるさらなる査定が必ず必要である。」

トリクロサン含有製品を止めるのは簡単

トリクロサン含有製品を使うのを止めるように決めるのがご自分と家族の健康によい効果がある簡単な方法です。トリクロサン含有製品を買う根拠は単に存在しません。トリクロサンは明らかに製品の成分表示ラベルに明記されているので、買う前に確認するのは簡単です。この化学物質が石鹸だけではなく、ボディーウォッシュ、歯磨き、シャンプー、その他140種類以上のパーソナルケアや家庭用製品にも含まれることを忘れないでください。

残念ながら、トリクロサンは今や農地に使用される河川や沢、排水溝のヘドロも汚染しているので、環境源からも暴露を受けている可能性があります。

成分表示を読むほかにも、製品が「抗菌」であることを主張していれば、トリクロサンを含む可能性が高いので、この化学物質を避けるつもりであれば、こうした表示を警告として参考になります。