シナモンは血糖調節と糖尿病の発病停止に効果がある

Fact Checked(事実確認)
シナモン

早分かり -

  • シナモンは「インスリンに似た」香辛料で、血糖を減らし、糖尿病が起きつつある段階で阻止うる作用があります
  • シナモンで糖尿病患者のA1Cレベルが下がると同時に、血圧が下がる効果があることを近年の研究が証明しました
  • シナモンは胃や神経を保護し抗炎症性があることにともないある程度の抗がん作用もあります
  • 食料品店に並ぶシナモンのほとんどすべては実際には本物のシナモンではなく、桂皮(Cinnamomum cassia)種に属する種類がほとんどであり、別名カッシア・シナモンと呼ばれるものです
  • スリランカ原産のCinnamomum verumはセイロン・シナモンといい、こちらが「真のシナモン」を意味し、「よりリッチな香辛料」と考えられています
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Dr. Mercolaより

シナモンの「インスリン様」作用について研究者らは調べてきた結果、確かにそれが有りという判定になりました: シナモンは糖尿病との闘いのために実証された候補です。シナモンで糖尿病患者のA1Cレベルが下がると同時に降圧効果があること、その他いくつもの効能があることが近年の研究から判明しました。

シナモンはスパイス、香料、薬として数千年以来使用されており、古代には金と同じほど価値がある貴重な商品であったし、皇帝や王、女王のために相応しい贈呈品として通用していました。

エジプト人はミイラにするために利用し、中世欧州では、咳や関節炎、口臭、歯痛、喉荒れのための薬としてだけでなく、宗教儀式にも使われていました。

商品としてこの香辛料はインドの藩王やエジプトのスルタン等の王室向けに10世紀にはすでに販売されていました。14世紀までには輸出商品として確立して定着していました。今日シナモンの木の樹皮から葉、花、実、根を含めほぼ全部が利用され、いくつかの効能がある特性を含んでいます。

シナモンのいくつもの健康へのメリット

シナモンを食生活に含めるとよい多くの理由を挙げる前に、シナモンといっても約250品種存在することについてはまだご存じでなかったかもしれません。また、健康に関してこれらがすべて同じ効果があるとは限りません。

食料品店に並ぶシナモンのほとんどすべては実際には本物のシナモンではなく、桂皮(Cinnamomum cassia)種に属する種類がほとんどであり、別名カッシア・シナモンと呼ばれるものです。

シナモムム・ベルムというスリランカ原産の品種はセイロン・シナモン、といい、こちらが「真のシナモン」を意味します。カシア・シナモンより稀少財であるため高価な傾向がありますが、「よりリッチなスパイス」とみなされており、重要な点としては、クマリンという潜在的に発がん性や毒性がある強力な凝集阻害剤がより少ないです。

カシア・シナモンは最大で1 %のクマリンを含みますが、セイロン品種は通常の場合、微量(約0.004 %)しか含みません。そうはいっても、シナモンに含まれる生体活性抗酸化物質は、豊富なフラボノイド成分とともに、以下のように、健康な代謝の促進、その他の効能があることがわかっています。

抗炎症効果と抗酸化効果

コレステロールやトリグリセリドを削減する抗高脂血特性

2型糖尿病の人の場合、血糖値を大きく削減しうる抗糖尿病効果

胃を保護する効果

片頭痛やアルツハイマー病につながるタウたんぱく質の集約を阻止する神経の保護効果

降圧効果

抗腫瘍特性と頸部のがん、大腸がん、乳がん、肝臓がんを含むさまざまな種類のがん細胞を阻害する能力

抗菌剤や抗真菌剤としての作用

シナモンが血小板の機能を阻害し、心臓血管系をよくすることも近年の研究からわかっています。しかし、シナモンの効能は確実に証明されていますが、研究は継続しており、さらに多くの健康的メリットがあることが発見されており、これには、月経困難症の症状(生理痛)や多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状管理に有用です。

高血糖と高血圧に効く効能がある

シナモンが糖尿病を軽減することを示すその他の研究もあります。血糖濃度が正常より高いと、前期糖尿病という異常に進行することがあり、これが次に、2型糖尿病へ進行する場合があります。これらの病気は推計1億人のアメリカ人が罹っているいると見られます。

炭水化物が多い食生活は前期糖尿病につながりやすいです。シナモンのサプリメントを炭水化物がとても多い食事後に前期糖尿病の参加者に投与したところ、異常に高い空腹時血糖値が下がりました。

ある別の研究で、シナモンティーを飲んだ後、血糖値が平均15.95下がりました。A1Cとトリグリセリドの濃度も大幅に減りました。

これと関連する別の研究では、前期糖尿病の人がシナモンを摂取したところ、高血糖値が下がり、グルコース耐性が改善され、前期糖尿病から2型糖尿病への進行が遅延する傾向を示しました。

血糖と血圧の低下に加え、シナモンは虫歯の主な原因ストレプトコッカス・ムタンス菌を阻害することも証明されました。また、パーキンソン病を緩和することや脳の実力を改善して学習能力さえ改善することも研究で示されています。

カシアとセイロン: どこが違いますか?

冒頭で述べたように、シナモンにはカシアと真のシナモンであるセイロンの二種類があります。カシアあるいは桂皮は後者より暗めで、より風味が強いです。セイロン・シナモンのほうが通常ははるかに高価で、市販品は見つけにくいです。色はカシアより薄目で、風味は柑橘系にほとんど似ていると表現する人もいます。

セイロン・シナモンに含まれる強力な種類のポリフェノールはプロアントシアニジンといいます。分子量からして、プロアントシアニジンは通常胃から吸収されないほど大きく、小腸の中でしか生物利用能が出ません。

サプリメントで入手可能なように、シナモンを発酵させると、プロアントシアニジンが胃の中から生体利用能を発揮し、はるかに多くの効能が得られます。

重篤な副作用はありますか?

シナモンを食事で香辛料として使って安全ですが、サプリメントの場合、高用量や長期使用の場合は特に、注意すべき副作用があります。38件の治験のうち、5件については最も頻繁に出た副作用として胃腸障害やアレルギー反応が伝えられています。

セイロン品種はカシア・シナモンより毒性が少ないです。これはカシア・シナモンには肝臓障害につながりうる多くのクマリンが含まれるためです。ある研究では粉シナモンの場合、クマリンはカシアからはセイロンより63倍、スティックではセイロンの18倍が検出されました。カシア・シナモンには手を付けず、高価であってもその替わりにセイロン・シナモンを使うほうがよいのはこのためです。

十分な用量は?

シナモンの多くの効能はシナモン(粉末)を一日小さじ1/4から1程度だけ食事や飲み物に混ぜて摂ることで得られます。想像するより簡単ですが、大さじのシナモン粉を飲み干すのは避けるべきです。粉は喉に詰まる場合があり、上部気道や肺の小管に吸い込んでしまうリスクもあります炎症反応を起こす場合もありえます。

替わりに少量使うようにしましょう。シナモンの粉を料理にふんだんに振りかけたり、コーヒーや紅茶に一つまみ程度を加えます。多くのコーヒーショップはこの目的専用にセルフサービスカウンターにシナモンのスパイス容器を置いています。

シナモンの日量を得る簡単な方法はシナモンティーを一杯飲むことです。シナモンのスティックを一本だけ(または二本)水に入れて数分沸騰させるだけで、二三の効果を上げるだけでも抗菌性、抗酸化性、抗炎症性の効能を得られるスパイシーなお飲み物ができます。

少々の生蜂蜜、約3.75 cmの新鮮な皮を剥いた生姜または有機リンゴの剥いた皮を混ぜても変化があって良いでしょう。シナモンは貧粗な食生活や運動不足を補える万能薬ではなく、食生活に追加するのがプラスの一歩です。

シナモンから効果を得られる他の利用方法シナモン、クルクミンウコン、クロム、アルファリポ酸(ALA)のミックスから成るサプリメントを健常人が飲むと、血中脂質によい効果があり、脳のパフォーマンスも改善する相乗効果があることを研究者らは特定しました。シナモンの味が嫌いな方は、発酵サプリメントで取るのが多くのメリットを受けるには一つの代替手段です。

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