Dr. Mercolaより
世界で11億3000万人以上は高血圧になっています。高齢者を中心に特定の人口では高血圧率が50 %を超えており、高血圧は心臓発作や脳卒中とならんで冠動脈疾患、脳血管、抹消血管の病気になる大きいリスク要因であるため、かなり重要な公衆衛生への負荷になっています。
薬剤投与は旧来の医療では高血圧のための第一線治療法ですが、こうした薬は「負担が大きい副作用があり、このため人々は飲むを止めてしまうと、The Journal of Alternative and Complementary Medicineで研究者らが指摘しています。さらに — 重要な点として — ライフスタイルの修正や心身への介入措置は少なくとも薬剤処置と同じほど効果的であり、概して副作用がないと説明されています。
その研究から瞑想等の身体のリラックス応答を起動する心身の練習は近年識別された遺伝子の組と生体経路に有利な影響があり、血圧が下がるために主な機能をすることが判明しました。
瞑想すると心身が落ち着く経路の一つは、リラックス応答が起動することで、この応答はストレスに起因する闘争逃避応答の対極にあります。
一つの単語や語句への集中、反復する祈りの言葉や日々の雑念を無くすことで、よく注意を向ける瞑想、超越瞑想、その他の瞑想の実践中に起きるのと同じプロセスであるリラックス応答が活性化すると言われます。
リラックス応答が引き起こされると、生化学的変化が起きることはわかっており、これには酸素消費の減少、血圧や心拍数、呼吸の低下、脳の皮質や皮質下領域の変化を含みます。
2013年に、リラックス応答の練習はエネルギー代謝、ミトコンドリアの機能、インスリンの分泌に関連している遺伝子の発現を促すと同時に、炎症とストレス関連の経路に関連する遺伝子発現を削減し、体内に深淵な力を及ぼすことが研究で示されました。
さらにその研究で初めて、身体のリラックス応答を起動する練習に取り組むと、長期的に行う場合特に、「ミトコンドリアのエネルギー生産と利用度が改善し、これによりミトコンドリアの靭性が高まることで下流への健康的メリットを呼び起こす …」ことがわかりました。
血圧に関連するので、ベス・イスラエル・ディーコネス病院(BIDMC)とマサチューセッツ総合病院(MGH)およびMGHのベンソン・ヘンリー心身医療研究所の研究者らは、瞑想が血圧にそれほどよく効く理由を解き明かしうる、リラックス応答に関連している特定の遺伝子を解明しました。
「この研究で発見されたことは、リラックス応答によって薬を服用していない高血圧患者の血圧が下がりやすい」と、その研究の執筆者であるMGHのDr. ランダル・ズスマン高血圧部長がニュースリリースの中で述べていました。
その研究には高血圧段階1の58人が参加しました。この段階の定義は収縮期血圧が140~159mm Hg、拡張期血圧が90~104mm Hgとしました。
2017年に、全米心臓学学会(ACC)と米国心臓学会(AAA)は高血圧の新たなガイドラインを公表し、「高」血圧とみなされる公式値を変更し、このガイドラインによる限り、血圧が140/90 mm Hg以上では段階2の高血圧症とみなすことにした点を付記しておきます。
参加した患者はその研究開始時には血圧制御のために誰も高血圧薬を服用しておらずその間参加者はリラックス応答が生じるように設計された心身介入措置セッションを八週間受けました。
これにはよく注意を向ける瞑想とマントラの復唱、腹式呼吸を併用しました。参加者は案内付きオーディオCDも利用して在宅中に一日一回リラックス応答を起こしやすくしました。
八週間の処置期間を完了した24人の参加者のうち13人の血圧が高血圧段階1とはもはや見なされなくなるほど下がりました。
次に研究者らは遺伝子発現解析を行い、心身介入処置に応答した人と応答しなかった人の遺伝子発現の格差を調べました。二つのグループで1,771個の遺伝子の発現が異なり、その研究から血圧が下がるのは次の機能に関与している遺伝子に関連することを解明しました:
免疫系に関与している遺伝子は血圧低下のために特に重要なことを研究者らは指摘し、執筆者Dr.ジョン・デニンガーによると:
「この研究結果からリラックス応答が—少なくとも部分的に—特定の組の生体経路において遺伝子発現を変化させ血圧を下げることが示された。
重要な点として、こうした降圧に関連する遺伝子発現の変化は高血圧の治療に成功した患者さんにおいて観察できることを予期し望むはずの血圧および炎症マーカーの物理的変化と整合的である。」
瞑想が血圧に効果があり落ち着ける効能があることはいくつもの研究からすでに解明されてきました。2019年、Journal of Human Hypertensionに掲載されたある研究は、よく注意を向ける瞑想の血圧だけではなく不安やストレス、抑うつ状態にも効能があることを評価しました。
八週間患者さんたちは一週間に二時間だけよく心するトレーニングに参加し、対照群の患者さんたちは健康情報提供セッションに参加しました。瞑想したグループは介入後に血圧値が下がっており、対照群より判断し去る態度がなくなり、受容性が高まり、抑うつ状態が減っていました。
「よく注意を向けること」の練習とは、今この瞬時に能動的に注意することを意味します。この状態では想念に左右されず、今この瞬間を生きており、気が散る想念から心を素通りさせ、想念にとらわれないように心することです。
別の研究者グループは血圧の健康に及ぶ瞑想とヨガに関する13件の研究に関するメタ分析を行いました。血圧は瞑想にもヨガにも応答して下がり、瞑想は特に60歳以上の被験者の降圧効果がありました。
別の事例で、瞑想の練習、特に気功が拡張期血圧が高い人を中心に拡張期血圧が下がる効果があり、一方では研究が瞑想は三カ月練習するだけで血圧を下げる効果があると同時に、若年成人において心理的ストレスを軽くし対処能力を改善することを示しました。
瞑想は身体のリラックス応答を促すのに加え、ストレス軽減経路を介してストレスを下げることを含み、いくつもの追加的メリットがあります。プレスリリースで以下のように説明しています:
「人はストレスを感じると、意識的思考や計画を統括する前頭前野皮質の活性が減り、偏桃体、視床下部、前帯状皮質背側部(身体のストレス応答を即座に活性化する野)が活性化する。
よく注意を向けるとストレス下にあるときこの応答パターンを逆転させ、前頭前野を活性化するので、調節が効き、生体のストレス応答を軽減する。生体のストレス応答が過剰に活発化すると、ストレスによって影響を被る病気(うつ病、HIVや心臓病等)の発症リスクが高まる。
ストレス体験を軽減すると、よく注意を向けることで肉体的ストレス応答の調節が効き易くなり、結局、ストレスに関連する疾患リスクや重度も下がる。」
高血圧はこうしたストレス関連の一つの病気にすぎず、瞑想はほぼいつでも場所を問わず練習できるストレス管理を助ける安価で簡素な手段です。
ストレス以外にも瞑想でペインがよく治まり、National Center for Complementary and Alternative Medicine (NCCAM、米国国立補完的代替的医療センター)の研究も、瞑想が一種の精神的運動として機能し、健康を維持すると同時に注意力や情緒の調節が効くようになることを支持していります。
瞑想で感情処理に関連する脳野である偏桃体が変化することが以前発見されました。そのときの研究は、瞑想後もこうした有益な脳の変化が持続し、精神的機能の改善を継続できることを示唆しています。
瞑想は初めてという方は、よく注意を向ける瞑想と自己誘発型超越瞑想という二形態のいずれかを選んで始められるとよいでしょう。よく注意を向ける瞑想に関しては、リラックスできる曲でも流して静かに単に座って、リズミカルに呼吸し、自分の呼吸とか花、画像、ろうそく、マントラ等の対象に集中するか、単に現時点存在することだけに集中します。
これと同時に集中を外さず、邪魔になる想念を通り過ぎさせます。超越スタイルの瞑想はもう一つの形態で、私の友人であり瞑想の先生@zivameditationのエミリー・フレッチャーさんによると左右脳の中間にある橋渡し部分である脳梁を強化します。
左右脳野のつながりを強化することによってより創造的な問題解決法を考えつけるようになったり、ストレスが加わらずに生産性を高めることができます。
フレッチャーさんの著作「Stress Less, Accomplish More: Meditation for Extraordinary Performance」(ストレスを下げより多く実現する:抜群の成果を上げるための瞑想)は心が落ち着く暇がないほど忙しく、多忙な生活をする人のための優れるガイドで、長期的に瞑想を継続できるようになりますが、この長期的継続こそ血圧の制御を助けるために利用する限り特に意義があります。瞑想は肉体のリラックス応答を起動させるためにも重要です。あるインタビューでフレッチャーさんによると:
「瞑想のポイントは心に想念を浮かさないことではありません。瞑想のポイントは、ストレス解放の手段とすることであり、このスタイルで瞑想を行う方法は、秩序を生む神経系の励起を解除し、身体を深淵に休息させることです。身体はこうするとありがたがり、ストレス解放というかたちで謝礼してきます。」
瞑想は健康的な血圧を維持する唯一の構成要素です。インスリンやレプチンのレベルが上昇すると、血圧も上がるので、インスリン抵抗性ももう一つの問題です。結局インスリン抵抗性やレプチン抵抗性の体になってしまいます。
インスリン抵抗性に関して、間歇的絶食は高血圧を下げるために必須の要因であるインスリン媒介グルコース吸収率の増加によって血糖管理を改善できることを研究が示しています。
その目的のためにケト絶食:は周期的なケト食と間歇的絶食に周期的部分絶食を組み合わせ、血圧を最適にするための重要な戦略であり、瞑想やその他のリラックス応答と組み合わせて行い、最適な健康状態を実現する助けになります。
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