風邪やインフルエンザを打ち負かすなら...にんにく

にんにく 健康

早分かり -

  • にんにくは風邪やインフルエンザ等の感染症を中心として癒しの効能があることで歴史的に重宝にされてきました。新鮮なにんにくには免疫力を高める効果があり、強い抗菌、抗ウィルス、抗真菌効果があります
  • にんにくには心臓病や高コレステロール、高血圧、さらに脳や肺、前立腺等の様々ながんのリスクが下がる150以上の効能があることは研究からすでに実証されてきました
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Dr. Mercolaより

食事の闘病効果を高めるための簡単な方法をお望みの方は、高品質のハーブや香辛料を豊富に使いましょう。この点は通年に当てはまりますが、風邪やインフルエンザの季節が近づくにつれ、普段より香辛料をよく使うことを考えてもよいと思います。

ハーブや香辛料は消費しうるもののなかで最も健康的なことを示す研究はいくらでもあります。にんにくはほぼ誰も予算を問わず利用できる「秘密の武器」でもあります。

にんにくは特に、風邪やインフルエンザ等の感染症を中心として癒しの効能があることで歴史的に称賛されてきました。

これはにんにくの持つ免疫力強化の効能によるものであるようです。新鮮なにんにくは強力な抗菌、抗ウィルス、抗真菌効果もあります。しかしその治療効果はこれだけではありません。

にんにく — 全体的に健康を増進するハーブ

Medical News Todayに掲載されていた今回取り上げている記事には自然薬としてのにんにくの歴史的利用法についてなるほどと思わせる一覧が掲げられており、このほか古代からの効能を伝える知恵を裏付ける最新研究も挙がっています。Green Med Infoにはにんにくの150以上の効能を示した研究一覧もまとめてあります!例えば、いくつもの研究は(普通の生の)にんにくを日常食べる効果を示しています:

  • 薬剤耐性細菌に対して効き目があると考えられる
  • 心臓発作や脳卒中を含む心臓病リスクの削減
  • コレステロール濃度と血圧の正常化を助ける
  • 脳や肺、前立腺等のがんを含むがんからの保護
  • 骨粗鬆症のリスク軽減

ニンニクの治療効果の多くはその独特の臭いの元でもある、アリシン等の硫黄含有化合物によるものと考えられています。にんにくのその他の健康によい化合物には、オリゴ糖、アルギニンが豊富なタンパク質、セレン、フラボノイドがあります。

成分のアリシンが消化されると、他の既知の化合物より急速に危険なフリーラジカルと反応する化合物であるスルフェン酸を生成します。

この点は、私がにんにくを上位7種類のアンチエイジング食品に含めた理由のひとつです。にんにくは抗菌、抗ウィルスさらに抗真菌特性もある感染症にとって三重の脅威です。

にんにくはMRSA等の抗生物質耐性細菌を殺すだけではなく、酵母感染、ウィルスや寄生虫退治にも効能があります。しかし最適な健康的メリットを得るにはにんにくが新鮮でなければいけません。

新鮮なにんにくの粒を必ず潰すかみじん切りにしてアリシンの生成触媒として機能する酵素アリイナーゼの放出を刺激します。次にアリシンは急速に分解して、いくつもの異なる有機硫黄化合物に変わります。にんにくの薬用効果を「活性化」するには、新鮮な粒をスプーンで潰してから食べるか、ジューサーに加えたり、野菜ジュースといっしょに飲みます。

たった一個や二個の中くらいの大きさの粒で十分効能があり、ほとんどの人は容易に耐えられます。有効成分アリシンは潰してから一時間以内に分解してしまうので、にんにく錠剤は事実上意味がありません。

にんにくの健康的効能のすべては瓶入りや粉、乾燥品を使う限り得られません。これより最悪なのは、PreventDisease.comに掲載された最近のある記事によると、中国から輸入されたスーパーマーケットに並ぶ少なくとも二つのブランド品のにんにく粉に高濃度の鉛、ヒ素、添加された亜硫酸塩を含むことが判明しています。

社交的に不愉快な臭いが出る人の場合、臭いが出なくなる程度まで食べるにんにくの量を減らしましょう。にんにくで気分が悪くなる方の場合、食べないほうがよいことを身体が伝えています。

風邪とインフルエンザ - ビタミンD欠乏の症状

風邪とインフルエンザはウィルス感染が原因ですが、根拠のある研究からこうした感染症を「引き寄せてしてしまう」能力は実はビタミンD欠乏が根底にあることがわかっています。ビタミンDはバクテリア、ウィルス、真菌を殺す200~300種類の異なる抗菌性ペプチドを体内で生産する効能に優れる抗菌剤です。

ビタミンD濃度が不足していると、免疫応答に大きく支障をきたし、風邪、インフルエンザ、その他の呼吸器系感染症に罹りやすくなります

約19,000人のアメリカ人を被験者として行われた今までに最大規模の最も全国を代表するこの種の研究から、ビタミンD濃度が最低の人はより多く風邪やインフルエンザに罹ったことを伝えており、そのリスクは喘息等の慢性呼吸器疾患がある人ではさらに大きいことがわかりました。少なくともその他5本の研究からも下部呼吸器管感染症とビタミンD濃度の逆比例関係がわかっています。

ビタミンDの最適な摂取源は日光浴です。冬に十分日光を浴びるのは難しいですが、UVB光線を浴びてビタミンDを得るためには、この方法からはビタミンD以外にもさらに多くのメリットを受けられるので、どんな努力でもすべきです。最後の頼みとしてビタミンD3サプリメントを使用してもよいでしょう。しかし、サプリメントを飲むなら次の点にご注意ください:

  • 適正なビタミンDサプリメントを飲むようにしてください。必要なのはD3で、D2ではありません。後者では百害あって一利なしになります。
  • GrassrootsHealthによる最新研究によると、血中ビタミンD濃度約40 ng/mlを得るには毎日約8,000 IUのビタミンD3サプリメントが必要です。体重1kg当たり約70 IUのビタミンDが必要であるという点に研究者らの見解は一致しています。
  • 血清ビタミンD濃度を定期検査して、健康の保護効果がある範囲50~70 ng/ml内に収まるように適正な用量を必ず得るようにしましょう。
  • 高用量のビタミンDサプリメントを飲むときは必ずビタミンK2もいっしょに飲む必要があります。野菜によく含まれビタミンDと合成できないK1とは異なります。ビタミンK2欠乏が実際にはビタミンD毒性症状を発生させる原因で、これには不適切な石灰化が含まれ、動脈硬化につながります。

免疫系を弱くする四つの要因

繰り返すと、風邪も様々な種類のインフルエンザも細菌によるのではなく非常に多くの種類のウィルスが原因で生じることを忘れないことが大切です。従って風邪やインフルエンザに抗生物質を飲んでも何ら意味はありません。抗生物質は副鼻腔、耳、気管支炎や肺炎を含む肺の感染等の細菌感染にしか効きません

気管支炎と肺炎は風邪やインフルエンザがひどくなると発生する潜在的な二次感染であるため、こうした細菌感染の兆候や症状によく注意したほうがよいです。

この記事の最後に医者の診察を受けたほうが賢明であると思われるタイミングについていくつかの目安を挙げました。

さて、風邪やインフルエンザウィルスの最も普通の感染経路は手の接触であるため、リスク削減のために最も容易な方法は手を頻繁に洗うことです(下記の節を参照)。しかし覚えておくべきポイントは、風邪ウィルスに暴露されたからといって風邪を引くわけではないことです。

繰り返すと、病気に実際になってしまうかは主に免疫系の機能性に依存します。免疫系が最適に機能していれば、病気にならずにウィルスを阻止するのは極めて容易です。

前記の通りでビタミンD欠乏は免疫機能を弱める主な要因であり、ウィルス侵入の扉を開くことになります。単独であるいは組み合わさって、免疫系を弱くするその他のライフスタイル要因:

砂糖/果糖や穀類の食べ過ぎ — どのような糖分でも免疫系に大きく悪影響します。その影響にはまず腸内フローラのバランスを崩すことが挙げられます。糖分は病原菌や酵母、真菌の「肥料」で、免疫系は呼吸器系ウィルスによる攻撃を受けやすくなります。忘れてならないのは、免疫系の80 %が胃腸管に存在することで、免疫系の最適化のために糖分を控えることがいかに決定的であるかの理由です。

睡眠不足 — 元気を取り戻す睡眠を十分にとっていなければ、敵対的なウィルスにやられる確率が高くなります。免疫系はさらに睡眠不足でないときに最も効果的でもあるため、よりよく休むほど回復がより速くなります。

運動不足 — 定期的な運動は病気への抵抗力を増すために欠かせない戦略です。定期的に適度の運動をすると免疫系が強化され、呼吸器疾患に罹るリスクが下がることが証明されています。

定期的に運動する人(一週間に5日かそれ以上)ほぼ50%も風邪に罹りにくいことがある研究で実証されました。さらに、こうした人々が風邪を引いても、症状は運動不足の人よりはるかに軽いことがその研究からわかっていまです。

ストレス対処のために効果のない戦略を使用すること — 感情的ストレスの要因も感染しやすくし、風邪の症状が悪化します。日常的なストレスや、自分で手を尽くせない状況に対する反応をコントロールする方法を見つけておくと、強くて回復しやすい免疫系につながります。効果的戦略には感情解放テクニック(EFT)を含むいくつものエネルギー心理学的手法が挙げられます。

病原体を寄せ付けないその他の自然な戦略

頻繁に手をよく洗うのがばい菌やウィルスを洗い流して病気になるリスクを下げるためのいちばん簡単な方法です。濫用が抗生物質が効かない耐性細菌あるいは「スーパーバグ」の菌種に寄与するので、抗菌クレンザーを使用するという過ちを犯さないようにしましょう。

さらに、抗菌石鹸やクレンザーを使う人でも咳が出たり、鼻水や喉荒れ、発熱、嘔吐、下痢、その他の症状が、普通の石鹸と水を使う人と同程度に発生することはいくつもの研究からすでに判明しています。普通の石鹸のほうが安全で同様の効果があるのに、抗菌石鹸を使うことは正当化できません。

多くの人がうまくいくと伝えているもう一つの戦略は、耳に3 %の過酸化水素水(H2O2)を数滴落とすことです。この方法で12時間から14時間以内に風邪やインフルエンザを治すことができたとする人は多くいます。数滴を耳に落とすだけです。泡の音と刺すような感覚が消えるまで(通常は5~10分)待ち、ティッシュに流し出し、次に反対側の耳に同じことを行います。

風邪やインフルエンザに効くいくつものサプリメントや簡素な対策もありますが、これらは健康的な食生活とライフスタイルを補助するものとしてのみ利用すべきだと思っています。

亜鉛 — 亜鉛に関する研究によると最初に症状が出てから一日以内に亜鉛を飲むと風邪を引いている期間が約24時間短くなるそうです。亜鉛には症状の重さを軽くするとてもよい効果があることもわかっています。一日50 mgを限度に服用するとよいです。亜鉛は免疫機能低下や喘息、慢性病がある等基本的に病気がある人には推奨されていませんでした

ビタミンC — とても効能がある抗酸化剤ですが、関連微量栄養素も含むアセロラなど、天然の形態のものを摂りましょう。下痢症状に似たようにならない限り、回復するまで1時間毎に数グラムを摂っても構いません。

オリーブの葉の抽出物 — 太古のエジプトや地中海圏ではさまざまな健康上の目的に利用され、免疫系を高める自然で無毒な材料として広く知られています。

プロポリス ミツバチの樹脂で世界で最も多くの種類の抗菌性化合物である、プロポリスはカフェイン酸やアピゲニンが最も豊富で、これらは免疫応答を助けるる重要な2つの化合物です。

オレガノ油 — カルバクロール濃度が高いほど効き目があります。カルバクロールはオレガノ油に含まれる最も活性の高い抗菌物質です。

椎茸や霊芝、瓦茸等の薬用キノコ

エルダーフラワー、ノコギリソウ、藤袴、菩提樹、ペパーミント、生姜を混ぜたティーを熱く飲むとよく風邪やインフルエンザに効きます。発汗を促し、体内のウィルス根絶に役立ちます。

エキナセアは風邪やインフルエンザから守るため欧州で最も普及している薬草の一つです。700件以上の研究に関するあるレビューからはエキナセアで風邪を引く確率が58 %下がることがわかっています。