Dr. Mercolaより
ボトル水の売上高は主に、ソーダに代わるより健康的代替物資として2010年以来増加の一途でした。
2016年にはボトル水の売上高はソーダの売上高を初めて超し、それ以来この状態が継続しています。ソーダ等の砂糖入り飲料ではなく、水を選ぶことが賢い健康的選択である一方、健康を意識している消費者はボトル水が最善の最も清水であると誘導されています。
多くの場合には、ボトル水を買えば割増金を払っているほか、重金属やペルフルオロアルキル及びポリフルオロアルキル類(PFAS)等の有毒化学物質(PFOAとPFOSを含む)等の有毒化学物質も含むという代価を払わされています。
健康を大切にしたいのであれば、自宅で自分の水をろ過して再使用可能なプラスチック以外の携帯容器に入れて持ち運びましょう。これなら健康にも環境にもよりよい費用効果的な方法です。
ボトル水の純度に関しては少なくとも2009年以来疑義が持たれてきており、環境作業グループ(EWG)が公表している「Bottled Water Scorecard」(ボトル水スコアカード)では、ほぼ全ボトル水ブランドが汚染物質を開示していないことを明らかにしました。
2011年に行われたある追跡調査でも、18 %のボトル水は水源を開示せず、32 %は処理法と水の純度について開示していませんでした。
一方、2008年に遡ること、EWGは人気のあるボトル水10ブランドに38種類の汚染物質が含まれること、これには市販薬から工業用薬品まで含まれ — 中には水道水のレベルと同程度の物まであることを暴露しました。それ以来、この状況はよくなっておらず、ボトル水を純粋だと思って買っている方は、ほとんどそう思い込まされているだけです。
2020年に、Consumer Reportsは非炭酸水と炭酸水ともに含む47ブランドのボトル水を検査して、重金属 (ヒ素、カドミウム、鉛、水銀)と30種類のPFAS化学物質を検出しました。
非炭酸水の中では1つの試料以外重金属濃度は連邦限度値未満でした。Whole Foods社のブランドStarkey Spring Waterにはヒ素が9.53 ppb(10億分の1単位)含まれ、連邦限度値は10 ppbですが、Consumer Reportsの推奨値は3 ppb以下です。
PFASは検査したほぼ全ての非炭酸水から検出され、Tourmaline SpringとDeer Parkの二ブランドには1 ppt(1兆分の1単位)を超えて検出されました。検査した炭酸水ブランドは全て重金属については法定限度未満でしたが、PFASは超えていました。
1ブランド以外全てからPFASが検出され、7ブランドにはPFASが1 ppt以上ありました。Topo Chicoというスパークリングミネラルウォーターの(アメリカでは)流行りのブランドの場合、PFASが最も多く、9.76 pptもありましたConsumer Reportsに反応した会社は「今後より厳格な基準に向けて準備するよう改善を継続する」と応えました。
ボトル炭酸水には特にPFAS濃度が高い傾向がある理由は不明ですが、炭酸化工程に原因があるか水源が汚染されているあるいは処理で有毒化学物質を効果的に除去できていないかです。
しかし、米国政府が飲料水中のPFASを強制しうる限度に制限しておらず、除去の試みは自発性に委ねられているのが現状です。Consumer Reportsによると:
「連邦政府はPFAS類の二種類について合計濃度が70 ppt未満とするとしつつ、PFASに関して自発的ガイダンスのみしか公表しなかった。業界団体アメリカン・ウォーター・ワークスによると、二三の州はこれより低い限度12~20 pptを規定した。
別の業界団体国際ボトル水協会によると、PFASの連邦規制値を支持しており、ボトル水はPFAS濃度がどの単一の化合物についても5 ppt未満であること、二つ以上の化合物については10 ppt未満であることを規制条件とすることを支持している。PFAS合計濃度の規制値を1 ppt未満にすべきとする専門家もいる。」
PFASはかつてはフッ化炭素(フルオロカーボン)と呼ばれていました。略語は若干混同しやすいでしょうが、覚えておきたい重要な点はこうした化学物質(PTFEやPFAS、PFOA、PFOS、PFC)は健康に害毒があることです。
PFOAとPFOSは環境と健康に重大なリスクであることが明らかにされたのでほぼ全ての企業は製造を終了しましたが、これらの化学物質は環境中に永久に残留するので、「永遠の」化学物質とよく呼ばれています。
有毒物質疾病登録簿を管理する米国保健社会福祉局によると、水中でも土壌でも分解されず、風や雨により長距離移動します。
米国疾病管理予防センターのデータによると、PFASはアメリカ人の98 %以上の血中に含まれ、PFOAはDuPontに対する3,500件の人身傷害訴訟の訴因となっています。PFOA汚染水を飲んでいたため腎臓がんになったある女性は160万ドルの賠償金を受けました。
2015年5月に40カ国の科学者200人がマドリッド宣言に署名し、PFAS化学物質の害悪について警告し、暴露による以下のような健康への害を文書化しました:
肝臓への毒性
脂質代謝、免疫系、内分泌系の障害
異常神経行動
新生児毒性及び死産
複数の器官系統における腫瘍
睾丸がん、腎臓がん
肝不全
甲状腺機能低下症
高コレステロール
潰瘍性大腸炎
誕生時体重減少、身体の小型化
肥満
ワクチンへの免疫応答低下
ホルモン濃度低下及び思春期遅延
PFASに関しては問題が多いのはボトル水に限られません: 2016年、ハーバード大学によるある研究は、1650万人のアメリカ人の体内には飲料水由来の少なくとも一種類のPFASが検出され、ほぼ600万人はEPAの現行安全基準以上のPFASを含む飲料水を飲んでいることを特定しました。
ボトル水を飲むと、地球全体の水系に浸透したマイクロプラスチック粒子も飲むことになります。
「プラスチックがマイクロプラスチックに、後者がさらにナノプラスチックになっても、全てプラスチックであり、単にサイズが小さくなっていくだけで、より容易に体内に入り、おそらく胃腸壁を通過し、生物の全身を搬送されることになった」と、Frontiers in Chemistryで研究者らがプラスチックがますます小さいサイズに分解して環境に入ることを挙げて説明しています。
2018年にニューヨーク州立大学フレドニア校化学部で研究者らはボトル水11ブランドを9か国の19地点から購入しました。検査したのは259本で、93 %からマイクロプラスチック汚染が検出されました。
試料によっては1 ℓに10,000個以上のマイクロプラスチック粒子が検出されましたが、「粒径100μmを超えるマイクロプラスチック粒子が処理したボトル水1 ℓ当たり10.4個検出された」としています。マイクロプラスチックの一種マイクロファイバーはビールや水道水、海塩試料から検出された、主なマイクロプラスチックであることがわかりました。
「消費者向けガイドラインに基づくと、この研究結果から平均的な人は一年にこれら三つのソースから合成残骸物5,800粒以上を飲んでおり、なかでも水道水(88 %)が最も多い」と、PLOS Oneで研究者らが報告しています。ボトル水が商品によっては実は水道水をボトルに入れたものであることを考えると、この事実は重大な懸念事項です。
こうした微小なプラスチック粒子によりどのような健康へのリスクが生じるかはまだ不明ですが、マイクロプラスチックは重金属や残留性有機汚染物質、ポリ塩化ビフェニル(PCB)あるいは病原体等の汚染物質を保持するスポンジ様の作用をすること、さらに細胞レベルあるいは細胞内要素の損傷につながる可能性があることは周知です。
このほかにも、ミズーリ大学生物学のフレデリック・フォンサール上席名誉教授がTimeにこう説明しています:
「動物モデルと人体の疫学研究においては、プラスチック暴露と健康への害に相関性があることはすでに把握しています...プラスチック粒子は蔓延する肥満や糖尿病等の代謝疾患、心臓病等に加えがん、生殖障害、注意欠陥障害等の神経障害の原因です。
世界中の非伝染性疾患の趨勢線を見ると、これらの[プラスチック]汚染物質への暴露との間に相関性があることがわかります。」
ボトル水がしばらく暑い車内や貯蔵設備に置いてあったとすると、プラスチックから汚染化学物質が水に加速的に溶出し、健康へのリスクが高くなります。
例えば、ペットボトルの素材ポリエチレンテレフタレート(PET)の製造に使う有毒化学物質アンチモンが水に溶出することは周知であり、ある研究によるとボトルを高温な場所に保管しておくと、溶出量が増えることが特定されています。
具体的には65.5 ℃程度で38日間放置しておくとボトル水に連邦安全推奨基準を超えるアンチモンが含まれていることがわかりました。「夏のアリゾナ州では、車やガレージ、閉鎖した保管場所の中の気温は65 °Cを超すことがあり、PETボトル水から溶出するアンチモンが増えるおそれがある」とその研究者らは注意しています。
ミズーリ大学でプラスチック研究を行った科学者ジュリア・テイラー氏がNational Geographicで、「原則的に熱はプラボトル等のプラスチック内の化学結合を解き易く、こうした化学物質は容器内の飲料に溶出します」としています。一つの方策はガラス瓶入りの水のみ買うことですが、これよりよい清浄な飲料水を得る解決策はあります。
ほぼ全ての市販ボトル水はそもそも水が汚染物質入りであることと容器であるプラスチックボトルの汚染があるので信頼できません。無味無臭のPFAS等の化学物質やその他の物質が飲料水に含まれるため、私はだれでも高品質の炭素ろ過システムで飲料水をろ過するようにお勧めします。
水の純度を自分で確認できなければ、可能な限り純水を得るため、水を取水部と使用口の二か所でろ過しましょう。次にろ過後の水を再使用可能なガラス瓶や金属ボトルに入れます。
SodaStream等の製品を使って自宅でろ過した水道水から炭酸水を作ることもできます。これなら健康を守れる費用効果的で環境を傷つけない解決策です。
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