関節炎再発と気象条件の関連性

関節炎

早分かり -

  • 今まで気象パターン変動と関節炎症状の関連性を実証できた科学研究はほとんどありませんでした
  • 大気条件(気温、気圧、湿度)と関節炎症状の重度に潜在的相関性があることを新研究が発見しました
  • 関節炎薬は感染症、肝臓毒性、腎不全、がん、死亡を含む副作用がある薬のなかで最も有毒なものに含まれます
  • 食生活の見直し、ビタミンD濃度アップ、運動、薬を使わない鎮痛や炎症軽減を含む私の包括的関節炎療法を今回は要約してお伝えします
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Dr. Mercolaより

嵐が来るとき関節が痛みますか?自分が歩き話す気象庁のような感じがしますか?気圧が下がると関節炎の痛みがひどくなると確信しているかもしれませんが、このことを科学で実証しようとして多くの科学者は頭が痛くなるほどひねってきました。

大多数の研究は天気のパターン変動と関節リウマチ症状の間に科学的相関性を実証できずにいました。

科学的根拠がなくても、関節炎に苦しむ方々やリウマチ医は天気に誘発される痛みの突発が一般的に伝えられることを取り上げ、この関連性にはおおいに臨床的な裏付けが存在すると主張します。

変形性関節症患者の六割以上は、症状が気象条件しだいで変動すると伝えています。線維筋痛症の患者さんも、関節炎と同じく科学的根拠はつかまえどころがないにもかかわらず、痛みが天気によって変動することを伝えています。

今や、臨床医も患者さんもその主張の真実性が裏付けられたようです!数件の最近の科学研究が数十年以来患者さんも医者も伝えてきた天気が実際に関節炎の痛みの強さに影響することを「ある程度裏付ける」根拠を見つけ出しています。

結局、天気は関節炎症状に影響しうる

オランダの研究者らは、股関節変形性関節症の患者さんの痛みの強さを二年間追跡し、次に遡及調査して症状と日々の天気記録を照合しました。

その結果、患者さんの痛みの強さは、変動は確かに大きくないとはいえ、湿度が上がり気圧が下がるときに悪くなり、関節が少々凝ることがわかりました。

ペインスコアは湿度が10 %上がるごとに1点悪くなりました。気圧が10 hPa (10ミリバール)下がる毎に関節の機能スコアが1点ずつ下がりました。

こうした変動は「臨床的に有意」とみなすには僅かすぎますが、その痛みが真実でなかったわけではありません。別の近年の欧州での数本の研究も同じような結果に至っていますが、変動は実に部妙で、この事実が今まで科学的にこの相関性を実証できなかった理由のようです。

二種類の関節炎—両者ともひどく痛みやすい

二種類の関節炎には変形性関節症と関節リウマチが存在します。両者の唯一共通項は関節の痛み、炎症、凝り、腫れが特徴であることですが、それぞれ全く別個の疾患で、原因と発症状況が異なります。

以下に主な違いを挙げます:

変形性関節症(OA) — OA(変形性関節症)は通常高齢者に発生しますが、反復的応力が掛ったり、急性の外傷の結果としても生じることがあります。

通常の場合OAは遠位関節すなわち指や足指の中間関節ではなく先端の関節に起きます。さらに、OAは非対称的で、典型的には片側の関節のみに発生するか、片方の手あるいは足に起き、反対側の手や足には発生しません。

関節リウマチ(RA) — OAよりはるかに深刻なRAは自己免疫疾患であり、免疫系が関節を覆う膜組織を攻撃するものです。RAは何歳でも発生することはありますが、若年者RAは比較的稀です。

RAは対称的で左右両側に発生する傾向があります。RAは中間関節にも発生し、手関節や指関節を中心に変形を生じます。RAで死亡する患者さんもいるので、軽視できません。

関節炎薬は薬の中で最も危険

OAとRAともに関節痛と炎症を起こすため、治療のアプローチは共通しています。非ステロイド抗炎症薬(NSAID)およびチレノール等の鎮痛剤など抗炎症薬アプローチは両者の関節炎に通常使用されています。

こうした薬を使う問題は関節炎薬の日常的長期の服用が肝臓や腎臓を損傷する場合があることです。鎮痛薬の使用は米国での腎臓病(鎮痛薬腎症)の非常に蔓延している原因です。

アセタミノフェンは実際には急性肝不全の第1の原因です!しかしRA治療において痛みの管理は重要な要素であり続けます。重症になるので関節リウマチは市場に出回っている最も危険な数種類の薬でしばしば処置されます。

比較的最近のRA薬は「生物学的」製剤とも言われるTNF-アルファ阻害薬です。これらの薬は医療産業や製薬業界が熱心に販促しますが、安全性についていまだに懸念があります。起きる可能性が高い重篤な副作用には感染症やがんが挙げられます。三種類のTNF-アルファ阻害薬フミラ、エンブレル、レミケードについては安全性分析が実施されました。

結論は、こうした薬による死亡リスクが非常に高くなる点に関し、三種類に差は無く、同様に危険であるということでした。

関節炎の痛みはとてもひどくなりやすく、典型的に、自然療法を採用待ちの間はある種の形態での薬による緩和によりほとんどの患者さんはメリットを受けられます。このため薬を使うのであれば、最も安全な薬を使うようにし、最終的な目的は薬無しでの痛みの管理です。最も安全な鎮痛薬にはやサリチル酸ナトリウム、サリチル酸マグネシウム(品名はサルフレックス、ヂサルシド、トリリセート)、サルサレートなどの非アセチル化サリチル酸があります。

薬には副作用がいくつも起きるおそれがあるだけでなく、根本原因を処置せず単に症状を和らげるだけです。問題の原因を標的にすることが長期的緩解のためにはるかに効果的です。

以上を基に、この記事後半は科学的に安全であり問題の原因に対処する「実績がある真の」自然療法で関節炎を効果的に処置することに焦点を当て、特にRAの管理に注目したいと思います。

まず食生活を見直す

アメリカでは150万人が関節リウマチに罹っています。大多数は女性で、女性発生率は増加傾向にあります。私のクリニックで3,000人の関節リウマチの患者さんを自分が担当しましたが、この数は典型的家族の主治医が生涯のキャリアのうちに処置する患者数の10倍をはるかに超えているので、私はこの分野では相当よく経験を積みました。

私の関節リウマチ療法により何千人ものRA患者さんが緩解し、その主な要因の一つは食生活の変更です。

私のプログラムにおける食生活面の意義をどれほど強調してもまだ不十分なほど意義があり、私のRA治療計画の根幹をなしています。こうした全般的ガイドラインに従うとRAか他の炎症性疾患かを問わず慢性炎症をとても軽減できるようになります:

  1. 全く食べないようにすべきは糖質/果糖とほとんどの穀類(つまり加工食品を事実上全て食べないこと)です
  2. 一日に130 gから170 g程度まで発酵野菜を食べる量をだんだん増やしていくようにして、自然に発酵させた野菜を食べ、腸内フローラを最適化すること
  3. 未加工の高品質の食品、有機の、地元で栽培されたものをできるだけ食べましょう
  4. 食品の大部分を生で食べる
  5. オキアミ油のような高品質の、動物性オメガ3脂肪を豊富に食べる

私のRA治療計画の主な要素

長年私は、最初にリューマチ学者トーマス・ブラウンが開発したブラウン療法を採用してきました。年月が過ぎるうちに先端科学から得た新たな情報や自然医療における自分の経験を取り込んでこの方式を修正していきました。この方式を使うと患者さんの六割から九割がよくなりました。私のRA治療計画の全てをこちらでご参照になれますが、下表に多くの主な要素をまとめました:

私のRA治療計画の主な要素

低用量ナルトレキソン(LDN) — ナルトレキソンは従来薬物依存症やアルコール依存症の治療に使用されている薬理学的活性があるオピオイド拮抗薬です。

しかし、非常に微量であれば安価で無毒かつ免疫調節効果があり、危険な関節炎治療薬を患者さんが服用せずに済むようにするために効果的であると医者の間で定評があります。

アスタキサンチン 鎮痛効果が非常に優れる強力な抗炎症抗酸化物質です。

ある研究では、 8週間アスタキサンチンを摂取しただけでもRA患者さんの35 %で痛みの強さが減り、日常活動能力は40 %改善しました。

用量を一日4 mgのアスタキサンチンとすると、アスタキサンチンが白内障や加齢性黄斑変性症を予防するので、特にプレドニゾン投与中の患者さんならだれにも効果がありました。

ビタミンD ビタミンD欠乏はRAの悪化と強く関係しています。最適なのは、日常的に適度の日光に当たること(あるいは代替手段としてはビタミンD3のサプリメントを服用)と、自分の濃度を測ってよく監視し、濃度範囲を治療効果がある40~60 ng/mlに通年でキープするようにしましょう。

運動 — 関節炎による機能衰弱を防止するために日常の運動は欠かせません。RAで筋肉の質量がだんだん減っていき、力が衰えていき、関節の物理的損傷と同じくとても苦しむ結果になります。

過度にやらないよう注意し、炎症のある関節をいたわり、運動前後に必要に応じて氷で冷やすとよいです。

運動プログラムにはウェートトレーニング、高強度集中運動、カーディオ、ストレッチ、体幹運動を組み合わせたいくつもの動作で構成するのがよいです。

ウォーキングと水泳もヨガや太極拳と同様に(塩素非含有プールに行ける限り)とてもよいです。

痛みと炎症を薬無しで解消する

クルクミン (ウコン) — クルクミンは急性および慢性の痛みに対する効能がすで示されているほか、抗炎症性に優れ、炎症性酵素を阻害し、さらに700種類の遺伝子に影響する炎症経路を阻止することも知られています。

ボスウェリア — ボスウェリアは、「インド乳香」としても知られ、関節炎の痛みと炎症に特に効き有用なことを私が発見した薬草です。

生姜 抗炎症作用があり、痛みを和らげます新鮮な生姜は沸騰したお湯に煎じてお茶として、または、すりおろして野菜ジュースにして飲むとよい効果があります。

EFT RA患者にとって長引く感情面の外的損傷は一般的です。このために私が気に入っているツールは「針を使わない鍼」と呼ばれてきた感情解放テクニック(EFT)です。

EFTは自宅で気軽にできるため自分で習えますが、よい研修を受けた本職のサポートを得るほうがよいでしょう。

まとめとしての考察

OAやRAがある人の場合、いくつか基本的なライフスタイル項目を変えると関節の痛みやこわばり、腫れを起こす炎症を抑えるのに役立つでしょう。季節に伴い痛みやこわばりが変動する関節炎に苦しむ方や一年365日間問題の多い症状を管理せざるを得ない方なら、今回ご説明してきたガイドラインで快方に向かいやすくなります。私は関節炎にお悩みの何千人も治療してきたので自信をもって言えます!

関節リウマチ薬は処方薬のなかで最も危険なもので、問題解決どころか問題が増えるので、早く自然療法を取り入れて薬依存を減らすことができるほど、よいです。鎮痛剤をときどき使う限り、毎日服用するよりはるかにリスクが少ないです。そのうち回復して薬を一切使わずに済むようになるでしょう!