Dr. Mercolaより
ペースが速い社会にあって、生産性が休憩やリラックスより価値ある物と評価され、睡眠は見過ごされる商品になってしまいました。しかし科学研究から睡眠が最適な健康のために不可欠であること、長寿の基盤となる主要な柱の一本であることがわかっています。
科学者らは長年の研究や解析の結果、睡眠中体内で特有の変化が生じ、脳や全体的健康を保護することも発見しました。遺憾ながらCOVID-19流行病や閉鎖措置によって睡眠の量と質に悪影響が及びました。その結果生じた睡眠障害を睡眠神経学者らが「COVID不眠症」と呼んでいます。
Neurology Todayは2020年2月16日から3月15日までに、睡眠障害のために処方された薬が2019年同期比で14.8 %増加したと伝えています。これは2020年3月17日にカリフォルニア州が米国初の閉鎖措置を開始するより前のことでした。言い換えると、ありうる事象の発生予期が不安を高め、睡眠を困難にしたのです。
ジョンズホプキンズ睡眠研究所の専門家は睡眠障害に伴う、日々の予定が狂う、朝の日光に当たることが減ったこと、昼寝の増加、夕方以以降のデジタルメディアの過度な使用等、課題が新たに増加した他の要因を挙げています。
ジョンズホプキンズ神経学助教授レイチェル・サラス医師がNeurology Todayにこうした状況について説明しています:
「ここに来る患者さんは皆ウィルスに感染する不安による睡眠パターンの変化、他者と社会的接触を持ていないことに苦しんでいます。
中には三か月以上週に三回以上30分以内に寝付けないという慢性不眠症の診断基準を満たす人もいます。就寝しますが、脳が覚めており、失業が心配になったり、家族が生き残れるか、文字通り寝付けないのです。」
自分で行える少々のことを見つけるのに加え、睡眠の質を大きくよくするには健康を自己管理できる方法を身に着け、また懸念事項を減らすことにも有用です。
2016年にBedTimes Magazineに掲載されたある研究は、スペシャルティー寝具は消費者の約30 %が購入しており、このうち16 %は発泡剤のみのマットレスを買っていることを伝えています。 CNBCのレポートでは、オンラインの約175社が箱入り発泡剤ベッドを宅配します。
さらに、CNBCは2018年に国際寝具工業会が行ったアンケートを紹介し、同年購入されたマットレスの45 %がオンライン購入であったことを伝えています。発泡剤マットレスは最初1950年代に登場しましたが、当初は内部バネ式マットレスの売上高にほとんど影響しませんでした。
1960年代までに米国宇宙計画が飛行士のシートクッション用に現行のフォーム製品を改善しようとしました。フォーム材が体形に合うのは体温によるものです。こうしたマットレスの人気が高まっているため夜間涼しく寝れる新製品開発の競争を促しました。
伝統的な内部バネ式マットレスは自然に製品を通気できるので、身体の温度調節がしやすくできています。しかし、形状記憶フォーム材マットレスの設計は身体から体温を吸収して寝心地がよくなると多くの人が思うような体形フィット効果があるため、気流は減ります。
発泡剤マットレスで「寝るのが暑い」懸念に対処しようと各種製品が売られています。湿気を吸い取り涼しく維持するストレッチニットの上敷き付き発泡剤マットレスや有機綿カバー付きの発泡剤上敷き付伝統的バネ式マットレスが挙げられます。形状記憶発泡剤専用上敷きで湿気の吸収と熱調節を補助する製品を開発した会社もあります。
マットレスの耐用年数が延びる、パートナーやペットの動きから遮断する、疲れた関節を楽にする等の上敷きを使った追加的メリットを企業は宣伝します。材質、硬さ、サイズ、費用からいろいろ選べます。もう一つの方法は、水冷上敷きシステムで、これは熱制御ユニットでマットレスの温度を調節するものです。
クリス・マスタージョン博士等一部の人は冷却マットレスに満足しています。しかしあらゆる冷却マットレスで誰でも満足できるとは限りません。一つお試しになるなら注意すべき点が二三あります:
冷却マットレスは形状記憶フォームが周囲温度と相殺して熱を生じることから市場を形成したようです。睡眠中の寒冷と熱は睡眠の質そして健康に影響します。熱が多いと睡眠初期に影響し、自然に寝付きにくくなり、目が覚めた状態が強くなったり、レム睡眠が減ります。
米国で765,000人から回収した主観的データによると、夜間の温度が上がると寝不足だと言う人が増えます。別のデータも温度が上がると睡眠のいろいろな面に悪い影響があります:
その反面、寒冷への暴露は睡眠後半に影響します。実生活設定で実験した研究では、室温が13 ℃から23 ℃で寝ると、観測される睡眠パターンに格差は出ませんでした。
寝付くと体幹温度が下がり、目が覚めると上がります。しかし、これは皮膚への血流を調節することで体幹温度を維持するために機能する末梢皮膚温度には影響しません。
体幹と末梢皮膚温度は寝着や周囲室温、掛物の数等睡眠環境から影響を受けます。皮膚の温度がたった0.4 ℃上がるだけで夜間の覚醒感が無くなり、深く眠れます。
睡眠の質と量ともに健康のために重要です。毎晩少なくとも7時間寝ることを専門家は勧めます。睡眠の質を改善するための第二の方法は重い毛布です。
ある研究で、スウェーデンの研究者らは不眠症で精神障害のある人は重い毛布を使ったら睡眠が改善され、日中眠気も減ることを特定しました。
この研究の執筆者らは120人を募り、無作為に二つのグループに分け、重いブランケット毛布か軽量合繊のブランケット毛布で四週間寝てもらいました重い毛布についての結論:
「…重篤なうつ病、双極性障害(躁うつ病)、全般不安症(GAD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)の患者において不眠症に効果的であり、安全な方策であるほか、日中の症状や不安の程度もよくなった。」
重い毛布は神経系の興奮を抑える圧力刺激を深く印加して効きます。こうした毛布では交感神経系の活性が減り、同時に副交感神経系の活性が増します。
このため心拍数と血圧が減り、リラックス感が増し落ち着けます。さらに、重い毛布で睡眠を調節するセロトニンや痛みとストレス軽減効果があるオキシトシンの分泌が増えます。
Journal of Sleep Medicine and Disordersに2015年掲載されたある研究の執筆者らは慢性不眠症を訴える33人を募りました。.研究は四週間実施され、参加者は自分が対照群となり、基線の前後試験として計測を受けました。
毛布は「客観的にも主観的にも計測したパラメータともに、感知される不眠症の人の睡眠の質がよくなる効果が」ありました。別のある研究で、注意欠陥多動性障害(ADHD)の子供を対象に客観的と主観的パラメータを計測しました。
その結果は、「ボール」毛布(端に玉がありベッドから垂れ下がる毛布)は寝付くまでの時間が短くなり、夜間睡眠中に目が覚める回数も減り、さらに、毛布は子供たちが寝付くまでに30分以上を要した夜の日数が19 %からゼロに減りました。ハーバード医学校の精神学助教授クリスティーナ・キューシン医師がHarvard Health Publishingのレポーターに説明したところによると:
「重い毛布は、特に自閉症や行動障害のある子ども向けにすでに長年売られてきました。これは精神科でよく利用される感覚ツールの一つです。」
寝着を着ないといくつかのメリットがある根拠が存在します。その健康的メリットの多くは暖かすぎる家で寝ることによる過熱防止によるものです。
もう一つのメリットには、身体の褐色脂肪が活性化することもあります。この脂肪は熱を出して体温を調節しやすくします。褐色脂肪が多い人は安静時代謝率が高く、血糖調整力に優れ、インスリン感度が高いです。
ある研究では冷凍室で寝た参加者の褐色脂肪が二倍になりました。夜間身体が涼しいと、「ストレスホルモン」ともいうコルチゾールの分泌も減りやすくなります。このため睡眠の質がよくなるほか、不安やストレスも減ります。
全体的健康にとてもよいので睡眠ルーチンに自分でできる僅かな変化をいくつか実行するように気を遣うことが重要です。例えば、ロチェスター大学医療センターの研究者らは、脳のよい健康のためには特に、睡眠が必須な理由を解くカギを発見したと考えています。
深い睡眠中、脳はアルツハイマー病等神経変性疾患につながる有害なタンパク質を含む有毒老廃物を除去する固有の経路を利用します。さらに、深い睡眠中に細胞間隔が60 %多く開き、老廃物の排出効率が増すこともわかりました。
その記事の主執筆者によると、「実際に睡眠の回復効果は覚醒中に溜まる神経活動の副産物を積極的に廃棄する結果であるよう」です。
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