Dr. Mercolaより
米国では心臓病で死ぬ毎年約610,000人は米国での全死亡者数の25 %に当たります。毎年735,000人に心臓発作が発生しており、そのうち525,000人については初めて起きた心臓の異常でした。アメリカ心臓学会によると、心臓血管病と脳卒中の年間医療費は2014/2015年度で3512億ドルと見積もられます。
さらにアメリカ心臓学会によると、1億1640万人のアメリカ人は高血圧があり、3.7分に一人が脳卒中で亡くなっています。高血圧や糖尿病の患者、肉体的に不活発であったり、体重過剰あるいは肥満な人が心臓血管病と脳卒中のリスクが最も高いです。
疾病管理予防センター(CDC)によると、米国人口の10 %は糖尿病になっており、うち95 %が2型糖尿病です。症状は数年かけて進み、気が付きにくいです。膵臓がインスリンを生産しても、細胞が反応せず、このため血糖値が上がります。
診断される人の多くは45歳以上ですが、子供の肥満率が増加するに伴い、2型糖尿病は若者にも増えています。米国の10大死因のうち心臓病と糖尿病は上位二位か、上位5位の死因に対して最も寄与率が高い要因です。これまで数十年の間にこうした病気の予防法について研究されてきました。
二件の研究が毎日発酵乳製品消費量と心臓病の発症の間に逆比例関係があることを実証しました。同様の相関性は男性と女性の食生活の影響を分析した研究でも発見されました。
それらの研究は二つのチームが実施しました。最初はイースターン・フィンランド大学で行われ、2018年央にBritish Journal of Nutritionに掲載されました。この研究では発酵乳製品が心臓血管の健康を保護するかを調べました。
発酵乳製品と未発酵乳製品をクオピオ虚血性心臓病リスク要因研究(Kuopio Ischemic Heart Disease Risk Factor Study)の被験者男性1,981人について比較しました。被験者の誰も研究登録時には心臓病がありませんでした。そこでは追跡観察の平均20年間、致死と非致死心臓の事象と発酵乳製品と未発酵乳品を含む食生活を記録しました。
発酵乳製品を最も多く食べた人は心臓病リスクが27 %低く、未発酵乳製品を最も多く食べた人では心臓病のリスクが52 %高いことと対照的でした。この研究では、牛乳が最もよく消費されていた未発酵製品でした。ここで多量の牛乳とは毎日0.9 リットル(3.8 カップ)以上としました。
The Journal of Nutritionに近年掲載され、オーストラリアの人口におけるある研究の執筆者らも発酵乳製品と心臓血管病の関係を分析しました。Australian Longitudinal Study on Women's Health(オーストラリア女性の健康に関する長期研究)を利用して、心臓病がない7,633人の女性を募り、15年間追跡調査し、食生活の内容と自己報告結果を取得しました。
ヨーグルトや発酵乳製品が多いと心臓病のリスクが低いことがわかりました。以前の研究でリスクに関するこの逆比例関係が検出されなかったことをその研究者らは認めました。しかし、過去、計測した結果は死亡率であって、現在の研究が新規に診断された心臓血管病が計測対象であるのとは対照的でした。
その調査に取り上げられた未発酵乳製品には全脂乳、低脂肪乳、脱脂粉乳、豆乳、風味つき牛乳等の異なる乳製品を含めました。
女性の健康に及ぶ発酵乳製品と未発酵乳製品の効果を評価したオーストラリアの研究は、2型糖尿病に注目しました。研究開始時に糖尿病がなかった女性の9.2 % — 701人 — が追跡期間の15年中に糖尿病になりました。
ヨーグルトを最も多く食べた女性は最も少ししか食べなかった女性より2型糖尿病になる調整後確率が最も低いことがわかりました。しかし、データを他の食生活変数に関して調整したら、この関係は有意でなくなりました。
最も多くヨーグルトを消費した人は平均一日114 gを食べました。これを把握しやすくとらえると、ヨプレブランドのヨーグルト一カップには170 g含まれます。ラベルにはこのブランドの一食分として100 gと記載されています。
しかし、ハーバード大学の研究チームによれば、「… より多くヨーグルトを食べると2型糖尿病リスクが低いことに関連している」といいます。こちらのチームは194,458人の男女をのべ3,984,203人・年追跡し、ヨーグルトでは2型糖尿病のリスクが高くならないが、一日一カップ食べるとこの病気のリスクが減ることを特定しました。
オーストラリアの研究では未発酵乳製品を最も多く消費した女性は心臓病になる率が高いことがわかりましたが、私がすでに指摘したように、このデータは全脂肪から低脂肪、豆乳を含めたいくつかの種類のミルクを日常飲んだ女性に基づいていたものです。この目的のためには、The Lancetに掲載された都市村落部の予測疫学調査(PURE、Prospective Urban Rural Epidemiology)の研究が豊富な異なる結果を明らかにしています。
PUREの研究は五大陸21ヵ国から被験者を集めた大規模な国際比較研究でした。全脂乳製品の消費量と心臓血管病発生率および死亡率と比較しました。15年間にわたるデータを収集し、全脂乳製品しか食べない人は、死亡率が低く、重大な心臓病の事象が低いことがわかりました。
しかし、全ての全脂乳製品が同じく製造されているわけではありません。米国のFDA(食品医薬品局)や農務省等の政府機関は未滅菌乳を飲むと病気や死亡のリスクが高くなる可能性があると正当化します。
しかし、乳製品が滅菌および加熱殺菌されている理由は、過密家畜給餌事業体(CAFO)で飼われ、牛乳を生産する乳牛の置かれたひどい条件の結果として細菌が牛乳に侵入することがよくあるからです。米国のほとんどの牛乳はCAFOで生産され、滅菌されています。
牛は普通なら草を食べて消化するのですが、CAFOでは遺伝子組み換え穀物や大豆飼料を食べており、日光にも当たっていないことが多いです。個体相互の排泄物に露出されており、そこで作業員が清掃するまで立たされているのです。牛は搾乳前に消毒工程を経るとはいえ、抗生物質を投与されて感染症を防止しており、牛乳は滅菌されています。
しかし、細菌の屍骸のタンパク質は牛乳に残り、除去できません。こうした異物が体内に入ると、アレルギー反応が起きます。その一方、草で育つ牛は高品質の牛乳やホェイたんぱくを生産でき、一部の人が体験するようなアレルギー反応は少ないです。
滅菌工程で牛乳の中の貴重な栄養素がほとんど破壊され、中には製品の消化のために必須のものもあり、その結果牛乳を飲んだりチーズを食べると消化の異常が起きることがあります。生乳の使い方や購入方法について詳しくは、私の以前の記事「生乳が違法なのはなぜか?」をご参照ください。
オーストラリアとフィンランドの両方の研究は発酵乳製品が心臓病予防につながることを確認しました。これらの製品には生きた細菌が存在するケフィアとヨーグルトが含まれています。イースターン・フィンランド大学の栄養疫病学ユルキ・ヴィルタネン非常勤教授はNewsweekにこう説明しています:
「ここでの研究結果およびその他の研究結果に基づいて、発酵乳製品は未発酵乳製品より健康のためによいことが示されました。従って、ヨーグルトやケフィール、クアーク、サワーミルクなどの発酵乳製品を食べる量を増やすのはよいと思います。発酵乳製品のメリットは腸内フローラへのよい影響に関連しているようです。」
米国で市販のほぼ全てのヨーグルトは砂糖で甘味やフルーツ風味が添加されますが、他の国では、ヨーグルトがレモンやニンニク、クミン、オリーブオイルと並んで売られます。ソースや野菜のベースに利用されており、グリークヨーグルト ディップやサラダドレッシングがよく見られるようになるほど人気が高まってきました。
腸内細菌叢の最適化のためにヨーグルトを食べるなら、健康食品ではなくキャンディーとより多く共通する市販ブランドのヨーグルトを避けましょう。低脂肪や脱脂粉乳製ではなく、100 %草で育ったか放牧した生乳で作った有機ヨーグルトを探してください。また、自分でヨーグルトは作れます。
以前記事にしたようにヨーグルトは腸内細菌によい効果があるので炎症と闘う最適な食品です。自家製ヨーグルトを食べれば成分を自分で管理でき、健康によい特性をさらに増すことができ、好みに合わせて風味を自分でつけられます。
ヨーグルトが食べられる状態になったら新鮮なベリーやお好みのジュースを少々加えることはすぐにできます。滅菌された市販品より生乳で作るヨーグルトはとろみが優れ、クリーミーで栄養価が高いです。
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