Dr. Mercolaより
コリンは見過ごされがちな栄養素で、1998年ようやく医学研究所が正式に必須栄養素と認めたほど見過ごされていました。コリンは人体の代謝では多くの機能をしており、細胞組成から神経伝達物質の合成まであらゆるプロセスに必要です。
コリンは細胞膜のシグナリング、脂質の輸送、メチル化合物の代謝という解毒に関わるプロセスのために必須です。コリンは胎児の発生中に脳と記憶力のために必須であり、神経管の欠陥リスクを下げます。
コリンの欠乏は肝臓病、アテローム硬化症、神経障害につながることがあり、成人期を一貫して死ぬまで継続的に必須です。
コリンは様々な食品に含まれますが、成人でも子供でも摂取量が最適量よりはるかに低いと考えられ、公衆の健康がリスクに晒され、先端の専門家はコリンが豊富な食品をよく食べるように勧めています。とりわけ固有のリン脂質があるオキアミ油が卓越しているようです。
ノルウェーの研究者らは、オキアミ油から取れるフォスファチジルコリンを利用して、トライアスロン選手にありがちなコリン減少を補償することを研究しました。コリンは正常な筋肉機能のために機能し、遊離コリンの濃度は長距離高強度運動中に減少しやすいことは周知です。
オキアミ油には人体の細胞膜の必須構成要素であるフォスファチジルコリンを合成するのに必要なコリンを含む69種類のリン脂質が含まれます。有機塩のコリンの60 %は腸内細菌がコリンを代謝産物トリメチルアミン(TMA)に変換すると失われるので、コリンのソースとしての重要なメリットです。
酵素の働きでTMAはトリメチルアミン-N-オキシド(TMAO)というインスリン抵抗性と心臓の異常の生体マーカーに変換させます。しかしオキアミ油にはフォスファチジルコリン(PC)という形で脂肪酸が含まれ、トリグリセリド形態で含む魚油とは異なります。
その研究者らによると「PC形態のコリンはオキアミ油の単一用量研究からTMAに相当変換されにくいことが実証され、おそらくコリンをより効率的に放出するはずである」としています。例えば、健常な若い成人に28日間オキアミ油サプリメントを投与したらコリン濃度が増加しました。
Frontiers in Nutrition誌に掲載された研究で、オキアミ油から取れるフォスファチジルコリンをトライアスロンの協議前に補完すると、競技中に予想されるコリン減少を防げるかを研究者らが特定しようとしました。この研究には24人の選手がオキアミ油4 gか植物油4 gを競技前の五週間に飲みました。
コリンとその代謝生成物を評価するための競技の前、直後、翌日に採血しました。選手たちのコリン濃度は競技前から競技後にかけ大きく減りましたが、オキアミ油グループは植物油グループよりコリン濃度が大幅に高く、競技完了後もコリン濃度がはるかに高く増加していました。
その研究者らは「オキアミ油は循環中のコリン濃度が耐久戦競技中に制限されるのを阻止しやすくする」という結論に至っています。しかし、特に米国のNational Health and Nutrition Examination Survey(全国健康栄養調査)で米国人口の90 %にコリンが不足していることを考えると、オキアミ油から取れるコリンのメリットは選手だけにあるのではありません。
コリンは生涯必須の栄養素です。コリンが欠乏している成人男性の77 %、閉経後の女性の80 %に脂肪肝や筋肉損傷(器官の機能障害の兆候)が発生し、閉経前の女性でも44 %に発生していました。コリンの増分量を食事に添加したら、正常な器官の機能が回復しました。Nutrition Reviews誌で研究者らが次のように説明しています:
「細胞の組成から神経伝達物質の合成まで、人体の代謝で広範囲の機能をするため、今やコリン欠乏は非アルコール性脂肪肝や(リポたんぱく質分泌による)アテローム硬化症、おそらく神経障害にも影響するものと考えられている。従って、食事から適度な量のコリンを取るのが一生最適な健康を維持するために必須である。」
コリン不足による症状には記憶障害、無気力、持続的脳霧が挙げられます。コリンはさらに、血中のホモシステイン増加を阻止し、これが増加すると心臓病やがん、認知力低下、骨折につながるので、重要です。
コリンは慢性炎症も削減し、研究によるとコリンが豊富な食事はC反応性タンパク質(CRP)やホモシステイン、インターロイキン6、腫瘍壊死因子等の炎症マーカーが下がります。一方コリン欠乏はDNAの損傷や細胞死につながり、コリンを多く食べた女性の乳がんリスクは24 %下がりました。
コリンは認知症リスクにも関連し、認知力を改善しうること、さらに、不足すると不安が高まることに関連します。コリンはニューロンの構造的完全性を支持すると考えられ、高齢者の脳機能にメリットがあり、アルツハイマー病患者の認知症進行さえ遅くしうると考えられます。
さらに、コリンが欠乏すると人体の代謝プロセスに悪い影響が及びます。米国国立衛生研究所によると:
「人体は細胞膜のために必須の二つの主なリン脂質、フォスファチジルコリンとスフィンゴミエリンを合成するためにコリンが必要である。このため全ての植物と動物細胞は構造的完全性を維持するためにコリンが必須である。
さらに、コリンは記憶力や気分、筋肉制御、その他の脳や神経系の機能のために必須のアセチルコリンの生産に必須である。コリンは遺伝子発現の調節、細胞膜シグナリング、脂質の輸送と代謝、発生期の脳の発達のために重要な機能をする。」
コリン欠乏は非アルコール性脂肪肝(NAFLDつまり脂肪肝)を含む肝臓の損傷にもつながります。コリンは脂肪の代謝に必要なので、これが不足すると肝臓に脂肪が蓄積しすぎます。
NAFLDリスクはコリン摂取が減るにつれ増えること、NAFLDのリスクはコリンが最も少ない人より最も多く取り込んだ人のほうが女性では32 %、男性では25 %低いことがその研究で判明しました。
コリンについては一日推奨栄養摂取量(DRI)が確立していませんが、医学研究所は男性、女性、子供の目安日量を定めました。コリン欠乏を予防し、器官損傷リスクを防止するための日量は少なくとも女性が425 mg、男性が550 mg、子供が250 mg必要です。
しかし、個人別の全体的食生活や遺伝子組成、その他のライフスタイル要因により異なります。コリン欠乏リスクが特に高い人には、妊婦、持久競技選手、閉経後の女性、ベーガン、よくアルコールを飲む人が含まれます。国家衛生研究所による明細データ:
0~6ヶ月
125 mg/日
7~12ヶ月
150 mg/日
1歳から3歳
200 mg/日
4歳から8歳
250 mg/日
9歳から13歳
375 mg/日
14歳から18歳
550 mg/日
400 mg/日
450 mg/日
19歳以上
425 mg/日
肝臓は自然に少量のコリンを生産しますが、身体の必要量をカバーするほど合成されません。つまり規則的に食事から取る必要があります。
Nutrients誌に掲載されたある研究によると、米国成人のたった8.03 %(たった8.51 %しか適正量を摂れていない妊婦を含む)しかコリンをじゅうぶんに摂れていません。オキアミ油は一回の用量でコリン濃度が上がる簡単な解決策です。
オキアミ油に含まれるフォスファチジルコリンさらに、酒石酸水素を比較したある研究で、他のコリン源と比べてオキアミ油のほうが重要な代謝生成物ベタインおよびジメチルグリシン(DMG)が増え、健康の異常につながるTMAOが減ることがわかりました。研究者らによると:
「オキアミ油はすでに確立しているオメガ3脂肪酸EPAとDHA以外にもフォスファチジルコリンの有用な摂取源としてますます認められている。以前のある研究では、フォスファチジルコリンは塩化コリンとしての遊離コリンを摂取するよりコリン濃度を高くすることがわかった。」
オキアミ油以外には、玉子 — 特に卵黄 — がもう一つの優れるコリンのソースです。玉子を食べない人では2.4 %とは対照的に、玉子を食べる人のうち57 %が適正レベルのコリンを得ていました。
実際に、確かに、可能な限り食事から栄養素を得るのが優先されますが、コリンは玉子やサプリメントを摂らない限り、十分に摂るのが「極めて困難」であることが研究から判明しています。その他のコリンが豊富な食材:
草で育てた牛のレバー
有機の放し飼い鶏
タイセイヨウダラ
アラスカサーモン
小豆
キノア
芽キャベツ
ブロッコリー
椎茸
カリフラワー
オキアミ油はコリンとともに他の追加的栄養素も提供してくれるので卓越した食材である理由となっています。コリン以外に、オキアミからはエイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)という心臓の健康のためになり、降圧効果があり、全身の炎症を下げ、リウマチ性関節炎やうつ病の影響を減らし、アルツハイマー病の進行を遅延するのを助けることもわかっています。
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ご自身もおそらくコリンが欠乏しているでしょう
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