オレンジよりはるかにビタミン Cが多いフルーツである一種の野菜

Fact Checked(事実確認)
赤 ピーマン

早分かり -

  • ビタミン C は免疫系を強くし、心臓病から保護し、目の健康を維持し、フリーラジカルによる酸化ストレスを解消するのに役立ちます
  • 植物学上は野菜ではなく、果物に分類される赤ピーマンは、ビタミン Cが最も豊富な天然のソースの一つで、一日必要量を超えるほど含みます
  • 有機ピーマンは従来方式の品種よりはるかに多いビタミン C やその他の抗酸化物質を含みます
  • リポソームビタミン C等の高品質なビタミン C サプリメントで代替することも可能ですが、健康的な食生活に代わるものにはなりえません
文字サイズ:

Dr. Mercolaより

ビタミン C は常に免疫力のために必須のものでしたが、 COVID-19が大いにこのビタミンをハイライトさせることになりました。柑橘類を貯めこもうとして誰もが奔走している一方、赤ピーマンは他のどのフルーツよりもビタミン C を多く含みます。

確かにその通りです。赤ピーマンは野菜として分類されるこが多く、煮て食べられることが多いですが、種子を含むので植物学的にはフルーツに該当します。もちろん、赤ピーマンがビタミン C の摂取量に貢献でき、その他の健康メリットも提供してくれることをあまり気にかけていないかもしれません。

赤ピーマンのビタミン C

「ビタミン C」と聞けばオレンジやオレンジジュースがすぐ思いつくかもしれませんが、ピーマン - 特に甘い赤ピーマン — のほうがはるかに豊富に含んでいます。

スライスした赤ピーマンワンカップに117 mgのビタミン Cが含まれ、これは実際に一日の推奨必要量(RDA)を超えています。比較までに、同量の緑ピーマンには約 74 mg含まれます。Journal of the Science of Food and Agricultureの2012年9月号に載っていたある比較研究によると、有機ピーマンにはさらに多く含まれます。

その研究では、有機栽培されたピーマンと従来方式で栽培されたピーマンに含まれる生体活性化合物の量を分析したところ、有機物には従来栽培品よりはるかに多いビタミン C とベータカロテン等のカロテノイド、フェノール酸、ケルセチン等のフラボノイドが多く含まれることがわかりました。

赤ピーマンの健康メリット

赤ピーマンのの健康メリットの多くは、これに含まれる生体活性化合物の組み合わせがよいことのおかげです。スライスした赤ピーマンには 30 種類の抗酸化物質が含まれており、最も栄養価の高いフルーツの一つです。

抗酸化物質は心臓病を防ぎ、がん予防に効き、肝臓病から保護し、酸化ストレスおよび炎症を防ぎます。赤ピーマンの成分のなかで注目に値するのが、ケルセチンで、これは多くの健康的効能があります。ケルセチンは炎症をやわらげ、鎮痛効果があり、血圧を下げ、学習と記憶を改善する効果があることがすでに証明されています。

当然のこと、赤ピーマンの効能のいくつかは豊富なビタミン C成分のおかげでもあります。ビタミン Cは、よく強力な免疫力増強作用があるので高く評価されますが、心臓病や早死にを防ぐ保護効果もあります。

American Journal of Clinical Nutrition の2015年6月号に掲載されたある研究の研究者らは、97,203 人の食生活と健康状況を調べました。その結果、最も多くフルーツと野菜を食べていた人は、これらを最も少なくしか食べなかった人より、心臓病になるリスクが低く、さらに、早死にリスクも低いことがわかりました。

その結論として、血漿ビタミン C 濃度が最も高い人は、最も大きな効能を得ていたことから、このメリットはフルーツと野菜には高濃度のビタミン Cが含まれることにより促されることがわかりました。

ビタミン C は目の健康をよくすることにも関連しています。酸化ストレスは加齢性黄斑変性症(AMD)と白内障という高齢者の視力喪失の二大原因に関連します。

Journal of the American Medical Associationの 2005年12月号に掲載されたあるコーホート研究で、ビタミン Cのほかにもベータカロテン、ビタミン E と亜鉛を豊富に食べると、AMD 発症リスクが 35%下がることが判明しました。

ビタミン C は神経系とも深く関わっています。ニューロンを支持し、神経パルスの伝達を調節し、ストレスレベルの制御を補助するカテコールアミンやホルモンのドーパミンノルエピネフリン、ノルエピネフリンの体内生産を促します。

Journal of Critical Careの2018年2月号に掲載されたある研究は、標準治療に加えてビタミン C を投与すると、敗血症や敗血症性ショックのある患者の炎症が緩和され、心拍数を安定化させることが判明しました。これらの病気は院内の全死亡者数のうち 30% から50%を占めるほどの緊急事態であり、重症のCOVID-19感染症における重篤な合併症や死亡症例の基本的原因になっていると考えられています。ビタミンCはさらに以下のような効果もあります:

UV損傷から保護

皺とコラーゲンの損失をを防止

火傷や創傷の治癒

湿疹の削減

ドライスキンの緩和

アンチエージング

ビタミンCの消費すべき量は?

ビタミン C は水溶性なので、つまり水に溶けるので、体内を運ばれて細胞まで行きすぐに利用されることができます。細胞は必要な物を摂り込み、それ以外は尿から排泄されます。油溶性ビタミンとは異なり、後のために体内に貯蔵されません。人体はビタミン C を生産することができません。つまり、毎日の食事から十分な量を摂り込む必要があります。

当面はビタミン C の推奨必要量が成人の女性で 75 mg、成人男性で 90 mg といわれています。多くの人にとって一日に数百ミリグラム取り込むほどでも有意義ですが、一日に1,000 mgを超えるほどの高用量は普通の風邪ウィルスと闘うためやエプスタイン・バール病やがん治療の一環としてはより効果があるというエビデンスが存在します。

ビタミン Cのその他のソース

1カップのスライスした赤ピーマンからは、ビタミン Cの現在のRDAより多く摂れますが、もっと増やしたいなら、ビタミン Cの優れるソースであるその他の果物や野菜はたくさんあります。

最もビタミン Cが豊富な果物の一つはアエロラやバルバドスイチゴで、1カップに1,644 mgのビタミン Cを含むほど多いです。これを中ぐらいのオレンジと比べると、同量でビタミン Cを69.7 mgしか含みません。その他のこのビタミンが特に豊富な果物と野菜を以下に列挙します:

ブロッコリ

さつまいも

グレープフルーツ

トマト

カリフラワー

ケール

唐辛子

パパイヤ

カンタループ(マスクメロン)

芽キャベツ

トマト/トマトジュース

キウィフルーツ

アーティチョーク

キャベツ煮

ビタミン C サプリメント

サプリメントは選択肢として可能ですが、多種多様な果物と野菜から必要なものを摂り込むほうが最適です。果物と野菜を食べると、天然の吸収されやすいビタミン Cを摂れるだけではなく、慢性病と闘い、炎症を軽減し、発がん物質を解消するのを助ける抗酸化物質と植物性化学物質等のその他の超栄養素も豊富に摂れます。

しかし、食事だけから必要量が摂れない場合、他の経口ビタミンCより生体利用能が高いリポソームビタミン Cを健康的な食事に補足することはできるでしょう。

Nutrition and Metabolic Insights の2016年6月号に掲載されたある小規模な研究は、リポソームビタミン C サプリメントと他の経口ビタミン Cを比較したら、リポソームサプリメントのほうが他のカプセル入りでないタイプのものより血中により多くのビタミン C を効果的に補うことが判明しました。

その理由は、Journal of Liposome Researchの2019年7月号に掲載されたあるレポートによると、リポソームのカプセルで包まれたビタミン Cは消化管内で過酷な環境から保護されて吸収性がよいからです。これでビタミンがサプリメントからゆっくりと放出されるので、吸収量が増えます。