Dr. Mercolaより
食生活特に食事に豊富な抗酸化物質を取り込むと、アレルギー疾患やアレルギー反応を防止するのに有用なことが研究から判明しています。
2017年2月Clinical and Experimental Allergyに掲載されたある研究は、抗酸化物質の摂取量と花粉等の吸入アレルゲンに対する感受性が反比例することを特定しました。
2013年3月Allergy, Asthma & Immunology Researchに掲載された別の研究は、抗酸化物質が豊富な食事とアレルギー疾患の相関性を6歳から12歳の韓国の児童に関して調べました。抗酸化作用が強いビタミンCを多く摂る子供はアレルギー症状が少ないことが研究でわかりました。
概して、抗酸化物質の効果については研究されてきましたが、2020年7月Nutrientsに掲載されたある研究は、ブラックラズベリーがアレルギーに関連する皮膚炎を抑える効能について調べました。
ブラックラズベリーを多く食べると発赤や腫れ、炎症を起こすアレルギー性皮膚炎である接触過敏症による炎症を軽くすることがその研究で判明しました。
その研究ではマウスを処置群と対照群に分けました。両群に同じ餌を与え、処置群にのみ一つ違う物を与えました:人間が食べるブラックラズベリーの一食分を与えたのです。
三週間後、マウスの片耳を接触過敏症およびこれに関連する腫れを発生させるアレルゲンに暴露しました。その後数日間、二群の間で腫れの引き具合に相違が出るかを観察しました。
ブラックラズベリーを食べたマウスでは腫れが対照群よりはるかに引きました。ブラックラズベリーに含まれる抗酸化物質が炎症に関して特に免疫系に作用するか作用しないかを伝達する抗原を処理している樹状細胞に作用して、炎症を阻止するという結論に至りました。
その研究の主任スティーブ・オグム氏によると、皮膚を接触過敏症などのようにアレルゲンに暴露すると、免疫系が炎症を起こす細胞を送りだし、このため痒くなったり、発赤や腫れが生じます。
オグム氏は、ステロイドクリームやその他有害な局部処置の後、対症療法を行うのではなく、ブラックラズベリーやアンソシアニンと抗酸化物質が豊富な物を食べることでこうした反応を軽くできるとしています。
その他の研究者らは、抗酸化物質が酸化ストレスおよびその細胞に及ぼす損傷に関連する別の機序で作用するのではないかと考えています。Allergy, Asthma & Immunology Researchに掲載された例の研究によると、食事に抗酸化物質が不足すると酸化ストレスが増え、炎症性のアレルギー反応が起きます。
一方、抗酸化物質を豊富に取り込むと脂質を過酸化するすなわち脂質を分解し、結局細胞膜やDNAを損傷するフリーラジカルが発生しにくくなります。これらの事実は両者ともアレルゲンや刺激性物質への感度を減らします。
皮膚アレルギーによる炎症の抑制に加え、ブラックラズベリーには以下のような効能もあります:
ブラックラズベリーはエラグ酸という抗酸化性フェノールも豊富で、これはインスリン抵抗性や2型糖尿病、非アルコール性脂肪肝、脂質異常等の慢性代謝疾患の症状を減らします。
ブラックラズベリーのエラグ酸はさらに、発熱作用を促し、白脂肪を褐色脂肪に転換することで肥満を防止します。脂肪はエネルギーを貯蔵しており、肥満の主な原因ですが、褐色脂肪は熱としてエネルギーを放散し、実際に、エネルギー収支を増やす、つまりもっとカロリーが燃えるようになります。
ブラックラズベリーはブラックベリーによく似ていますが、外見に小さいながら明確な違いがあります。その名が示すように、ブラックラズベリーは赤いものより暗い色をしており、サイズは同じで細い毛で覆われています。また、普通のレッドラズベリーと同じくブラックラズベリーも中が中空になっています。一方、ブラックベリーは細胞が大きく大粒で、白い緻密な芯があります。
レッドラズベリーとブラックラズベリー、ブラックベリーは共通してアンソシアニンやフラボノール、フェノール酸、エラジタンニン、ビタミンC、ビタミンE、葉酸といった抗酸化化合物が豊富です。しかし、ブラックラズベリーは特に植物性色素が多く、フェノールも多いです。
2015年、Open Chemistryに掲載されたある研究によると、ブラックラズベリーにはレッドラズベリーやブラックベリーよりはるかに多いアンソシアニンを含み、このため抗酸化作用がはるかに高いです。
アレルギー性皮膚炎を抑制すること等ブラックラズベリーの健康的メリットの多くにこの抗酸化作用が寄与しています。
レッドラズベリーはブラックラズベリーやブラックベリーほどのアンソシアニンやその他の抗酸化物質が多く含まれていませんが、健康にとてもよいです。
レッドラズベリーはビタミンC、ケルセチン、没食子酸といった抗酸化物質が豊富で、これらが心臓病、循環器疾患、老化による衰弱やがんを防止します。ラズベリーオイルには日光保護要素があり、皺を防止します。
エラグ酸も豊富なレッドラズベリーは細胞膜の損傷を効率的に防止すると考えられます。レッドラズベリーに含まれるその他のフラボノイド分子と組み合わさって、こうした固有の抗酸化物質には抗菌作用もあります。
ベリー類は栄養価が高いので免疫系を強くし、病気から治りやすくなります。肥沃な健康な土壌で栽培する限り、マンガンやビタミンCの卓越したソースであって、酸化ダメージから保護してくれます。
ある動物実験の結果、ベリー類のフラボノイドと抗酸化物質の組み合わせが記憶力をよくし、認知力低下を防止すると考えられています。ブラックラズベリーに含まれるベリー類の繊維質と水分は便秘も防止します。
ベリー類は栄養価が高く、商店で少量入りの容器を買うのではとても高くつので、自分で栽培する価値があります。裏庭でとても簡単にラズベリーを栽培できます。自分で栽培すれば殺カビ剤や殺虫剤が噴霧されていないので健康の害になりません。
自分でベリー類を栽培するなら、水はけのよい場所で日当たりがよいか半分日陰程度までの場所に植えましょう。暑い気候の地域に住んでいる場合、午前中陽に当たるが午後は日陰になる場所を選びましょう。ブラックラズベリーは自家受粉植物なので、不要であってもあえて複数の株を植え付ける場合は、株どうしを少なくとも75cm程度は離してください。
実が成るまでは週一回水やりして、直に水を掛けずに土壌を水で満たします。実ができ始めたら、毎週深さ2.5cmから3.75cmの水をやります。この時期の水やりが不適切だと、種が多い小さいベリーしか成りません。
ブラックラズベリーの旬は短く、7月初旬から2~3週間続くので、手間をかけた甲斐があるように収穫のタイミングをよく見計らってください。ブラックラズベリーを食べきれない場合、BPA非含有容器に入れて冷凍し、後からスムージーで食べるか乳製品を使わない自製のシャーベットにも使えます。
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