種子油は今世紀の病気の大多数の原因なのか?

油

早分かり -

  • 眼科医Dr. クリス・ノブは心臓病やがん、高血圧、脳卒中、糖尿病、肥満、メタボリックシンドローム、アルツハイマー病、黄斑変性等大半の慢性病は精製種子油の消費が原因であると考えます
  • ノブ医師によると、オメガ6種子油を日々多く消費する西洋式食生活は、「インフォームドコンセント無しの世界的人体実験である」ほど危険だそうです
  • 多価不飽和脂肪酸(PUFA)はサラダオイル、食用油、種子油、トランス脂肪、植物油に含まれ、石臼技術を置換し、栄養素を除去した「ローラーミル技術」で生産されます
  • 多くの人は一日に80 gのPUFAを食べており、これは720カロリー、一日カロリー摂取の三分の一に匹敵します
  • 部族や動物の研究結果から食事に含まれるPUFAが有害なことが判明しました
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Dr. Mercolaより

現代社会において心臓病、がん、高血圧、脳卒中、糖尿病、肥満、メタボリックシンドローム、アルツハイマー病、黄斑変性、その他の慢性病に共通するものは何でしょうか? 過去数十年間にこうした病気は劇的に増加しました。これら全てに共通するのは種子油の消費です。

最近シェラトン・デンバー・ダウンタウン・ホテルで開催された、「文明病:種子油の過剰摂取が共通するメカニズムか?」と題する講演の中で、Dr. クリス・ノブが、現代の食生活に普及し定着した種子油こそ今日の慢性病の大部分の原因であることを明らかにしました。

眼科医のノブ医師は非営利団体Cure AMD Foundation(AMD治癒財団)の創設者で、この団体は老化による黄斑変性 (AMD)による視力喪失の予防に専念しています。ノブ氏はテキサス・サウスウェスタン大学医療センターの元学外名誉臨床教授です。

同氏の研究によると、日々消費されている大量のオメガ6種子油こそ現代文明の慢性変性疾患に共通する主な原因だそうです。西洋式食生活に溢れかえる有害な種子油の消費のことを同氏は「インフォームドコンセント無しの世界的人体実験」と呼んでいます。

多価不飽和脂肪酸(PUFA)の普及

サラダオイル、食用油、種子油、植物油に多いトランス脂肪や多価不飽和脂肪酸(PUFA)は比較的最近発明されたもので、綿シード、菜種、ヒマワリ、サフラワー、米糠、大豆、トウモロコシ、その他普及したオイルがこれに含まれます。PUFAは1880年頃、それまで麦を砕いて製粉に使用されていた石臼技術を置換した「ローラーミル技術」により発生することになりました。

ローラーミル技術により穀物の糠や発芽を完全に除去しやすくなり、栄養素を除去された精製生産物である胚乳のみを抽出するようになりました。

アメリカの食生活の63%を占めるに至ったPUFAは米国農務省(USDA)による推奨食品の基礎を成し、今日米国で売られている600,000品目の加工食品に使用されています。1909年、アメリカ人は一日に2 gのサラダオイルしか取っていませんでしたが、ノブによると、2010年までに一日に驚くべき80 gものサラダオイルを食べるに至りました。

ノブ氏によるとPUFAが有害なのにはいくつかの理由があります。獣脂とは異なり、ビタミンA、D、Kが無く、栄養素が無いのです。これらの油は現代文明に関連する大部分の慢性病の原因になりました。さらに、PUFAは肥満の蔓延にもつながりました。今日アメリカ人が一日に消費する80 gのPUFAは720カロリーに匹敵し、すなわち、一日分のカロリーの三分の一が「工場産」であると、ノブは言います。

PUFAにより慢性病が増加

糖尿病、肥満、がん、心臓病、メタボリックシンドローム、その他の異常は今日より20世紀初頭にはあまり見られなかったことは多くの人が知っています。しかし、こうした病気の発生率増加は多くの人が気づいていないほど劇的です。ノブ氏によると:

  • 1900年に、アメリカ人の死因の12.5%が心臓病だったが、2010年には32%になった
  • 1811年にはがんで死んだ人は118人に1人だったが、2010年には3人に1人ががんで死んでいる
  • 80年間で、2型糖尿病の発生率は25倍になった
  • 19世紀、アメリカ人の1.2%が肥満だったのが、2015年には39.8%が肥満だった
  • 1930年には黄斑変性の症例は高々50例だったが、2020年には1億9600万症例になった

こうした慢性病の増加はPUFAの消費と相関しているのでしょうか? ノブ氏は講演の中でまったくその通りであると言っていました。その説明は:

「心臓病をはじめアテローム硬化、2型糖尿病、黄斑変性、さらにがんは全て共通の原因を持つ。それはミトコンドリア機能障害である。電子伝達系に支障が起きるとまず発生するのが、反応性酸素種の放出であり、これらは水酸基とスーパーオキシドである。

こうしたフリーラジカルが細胞核のミトコンドリアDNAに変異を起こし、これがさらに心不全や黄斑変性、アルツハイマー病、パーキンソン病につながる。つまり有毒なアルデヒドを発生させる有害な脂質の過酸化が多重発生する。」

ノブによると、種子油が起こす有害な生化学反応の根本にあるのは、リノール酸すなわち、18炭素のオメガ6脂肪です。リノール酸はPUFAに含まれる主な脂肪酸で、全サラダオイルの約80%を占めます。オメガ6脂肪が無害であるためには、オメガ3脂肪と均衡していなければなりません。

ノブ氏によると「このリノール酸の大部分は、酸化して脂質ヒドロペルオキシドを発生し、これが急速に「リノール酸の酸化代謝産物に変性」します。

リノール酸の酸化した代謝物は猛威を振るいます。細胞毒性のほか、遺伝子毒性があり、変異を起こし、発がん性があり、アテロームを生成し、血栓を形成します。アテローム硬化症や血栓形成反応は脳卒中や血栓を起こすので特に懸念要因です。

PUFAはインスリン抵抗性を生む

糖尿病、インスリン抵抗性、メタボリックシンドロームは、アメリカの食生活がPUFAをベースにしてきたことが原因で蔓延しました。推計ではアメリカ人の約70%が体重過剰か肥満であり、大多数は健康な代謝機能をしていません。

このためインスリン抵抗性に関連する2型糖尿病等多くの慢性病、がん、アルツハイマー病のリスクが高まりました。ノブ氏は講演の中でこうした異常の発生プロセスについて説明しました:

「オメガ6を過剰に消費すると、水酸基等の反応性酸素種と結合して有害な脂質の過酸化反応を次々と起こします。こうした多価不飽和脂肪は細胞や膜に蓄積し、ミトコンドリアに溜まり、過酸化反応を起こします。」

ノブ医師によると、反応性酸素種が多くなりすぎると、細胞にインスリン抵抗性が発生し、肝臓では脂質の滴下物が発生します。

「このため有害な脂質の一部が発生するか、脂質を過酸化するフィードバックが起きるので、脂肪を正しく代謝してエネルギーにできなくなっており、体重が増え、この観点で発病する人は今や炭水化物に依存しています。解糖機能はしていても、脂肪が溜まり、このため肥満になっていきます。」

ポドキャストで語っているように、医師でありジャーナリストのポール・サラディーノ氏も、リノール酸こそこの有害なプロセスの主な原因であると考えます。リノール酸は「脂肪細胞のインスリン感度を壊し、」さらにインスリン感度を高めますが、脂肪細胞は遊離脂肪酸を放出して身体のインスリン感度を制御するので、インスリン抵抗性になってしまうのです。

ラットの実験と部族研究からPUFAの害が明らかに

動物実験でPUFAの有害な作用がはっきりと実証されました。ノブが引用したある研究で、ラット二群を同じ餌で実験し、一群には綿シードオイル 5% 、別の群にバター脂肪1.5% を与えました。

ノブ氏によると、米国心臓学会やその他の医学会はこうした研究を逆説的であるとして評価したがらないと考えられるけれども、人間の健康に飽和脂肪や獣脂はよい作用をする例が実際に存在します。

例えば、ハワイとオーストラリアの間の南太平洋に居住するトケラウ人はほぼココナッツと魚、でんぷん性の根菜、フルーツしか食べていません。彼らのカロリーの54%から62%はココナッツオイルから得ており、これには飽和脂肪を含むと、ノブ氏は指摘しています。

しかし、40歳から69歳のトケラウ人男性についてのある研究では、心臓発作も肥満や糖尿病もないことが判明しました。彼らは「すばらしく健康である」と、ノブ氏。

動物研究でも西洋人以外の人々についての研究でも、西洋諸国における少なくとも80%の肥満や慢性病は加工食品が原因であるという結論 に、ノブ氏は至りました。「サラダオイルとトランス脂肪が原因で起きており、ファストフードレストランはほぼ全てが大豆油やカノーラ油で調理しています。」

他の専門家もノブ氏と同じ見解

上記のサルディーノ氏のポドキャストを引用した以前のニュースレターの中で、サルディーノ氏とジャーナリストのニナ・テイチョルズが現代の食品系統に含まれるPUFAの蔓延と人気を嘆き、飽和脂肪の健康的な効果を確信していることを私は取り上げたことがあります。

そのときのポドキャストで、サラディーノ氏とテイチョルズは飽和脂肪とコレステロールを悪者扱いする歴史が、飽和脂肪は心臓病の原因であるとする1960年から1961年の間違った仮説をもとに始まったことを指摘しています。

この仮説は、1980年に導入された初のDietary Guidelines for Americans(アメリカ人の食生活ガイドライン)に定着し、飽和脂肪とコレステロールを控えるように促し、PUFAによりますます製造されてきた炭水化物食品を全面的に認めてきました。その仮説と食生活ガイドラインが肥満の急増や心臓病等の慢性病増大の原因であったことは想像がつきます。

ポドキャストでサラディーノ氏とテイチョルズは、科学的根拠があるにも拘わらず、この神話が一貫して通用した理由について話しています。

動物性飽和脂肪がヘルシーで、工業精製サラダオイルや穀類が不健康とされると、サラダオイルや穀物に依存する主な加工食品とファストフード業界の不利になるからでした。さらに、スタチン薬およびその他の製薬大手の利潤にも傷がつくことになるからでした。大手の食品メーカーや製薬企業は本物の食品の健康的メリットを覆い隠し続ける金銭的動機があるのです。

ノブ氏と同様に専門家は工業サラダオイルと加工食品に共通して普及したことでリノール酸の莫大な消費増加が肥満、心臓病、がんやその他の慢性病の主な代謝面での促進要因であることを確信しています。

「悪玉」コレステロールと呼ばれる低密度リポタンパク質(LDL)は心臓病のリスク要因であるとか、LDLを削減すると心臓発作リスクが下がるという考えが誤っていると専門家は強調します。科学的にこのことは成り立ちえないそうです。その理由は必ずしも全てのLDL粒子が同じではないからです。

赤肉や飽和脂肪を減らし、サラダオイルを増やすとLDLは下がるかもしれませんが、前者のLDLは酸化されないと、サラディーノ氏は言います。心臓病を含むインスリン抵抗性や関連する問題を起こすのはLDLの酸化によるからであり、ここまでLDL検査ではわかりません。

一方、飽和脂肪を食べるとLDL,が増えるが、これらのLDL粒子は大きくふわっとしており、動脈を損傷しないと、サラディーノ氏は言います。

ノブ医師とサラディーノ医師によると、種の油は現代病の大半の原因であり、これらのオイルを避けるのが健康のために最善の対策だそうです。