Dr. Mercolaより
自分の健康にはよいと思っているため、まだ小麦粉主体で焼いている場合、多くの利用可能な小麦粉代替粉物が存在することに気づいていないでしょう。中には試す価値があるものもあれば、コーンフラワーや大豆粉等他のものはたいてい遺伝子組み換え食品なので避けるべきです。
以下に挙げる小麦粉代替品20例はグルテンフリーです。セリアック病の人やグルテン不耐性の人、あるいは他の原因でグルテンフリーを選ぶことにした人の場合、以下の例の一部はすでによくご存じかもしれません。ところで、グルテンは、水と混ざると弾力性の強い結合体になるグルテニンとグリアジン分子から成る一種のたんぱく質で、この作用でパンやケーキがその形を維持でき、ふわっとした質感を生みます。
グルテンは食物を消化して栄養素を吸収する身体機能に干渉するので懸念物質です。グルテンは、正常な消化に支障がある便秘を起こす糊状塊を腸内に形成しやすいです。
未消化グルテンに対して免疫系が反応し、小腸内壁に出ている指状の突起、絨毛を攻撃し、腹痛や下痢、便秘あるいは吐き気をもよおします。グルテンを取り込むと炎症が起きやすくなり、栄養素の吸収不良や欠乏さらにその他の健康の問題につながりやすい体質になります。
私の考えでは、下記に取り上げる8つの粉物なら、今回取り上げた小麦粉代替品20例のなかでも特に健康的だと思います。みなグルテンフリーで小麦フリーです。私お気に入りのものはアーモンドパウダーとココナッツパウダーです。ただ、自分にはどれが最も合うかを見るため少々異なる粉物をお試しになるとよいと思います。よくわからない場合、各種の粉物から少量を選び、そこから始めて増減していくようにします。
アーモンド — アーモンドは漂白アーモンドを細かい粉にすり潰してろ過して製造されています。(アーモンド粉とかアーモンドミールはよく同義で使われていますが、同じものではありません。アーモンドミールはアーモンドを皮ごとすり潰し、最終製品は粗目になります。)アーモンドは木の実なので、アーモンド粉は自然にグルテンと小麦粉がありません。
アーモンド粉は他の粉物より甘く、炭水化物が少なく、たんぱく質と繊維質が豊富です。銅やマグネシウム、マンガン、リン、ビタミンEが豊富に含まれます。アーモンド粉は小麦粉と等しい量を代替して使用できますが、そうすると普通より焼き上がりが高密度で平らになりがちです。
アマランス — アマランス粉はアマランスの種を微細な粉にすり潰して作るグルテンフリー、小麦フリーの粉物です。アマランス粉には9つの必須アミノ酸がすべて含まれるだけではなく、カルシウムや鉄、マグネシウム、リンも豊富です。アマランス粉は技術的には穀物ではありませんが、穀類状の粉で、大地のナッツ的味がすると言い表されます。
高密度な粉物なので、アマランス粉には他の粉を混ぜると結果がよくなります。最初はアマランス25%で始め、調整していきます。パンケーキや速焼きパンに最適ですが、ルーやスープ、シチュー、ホワイトソースのとろみをつけるのにもよいです。
クズウコン — クズウコンの根が原料のクズウコン粉物(クズウコンスターチともいう)は、味がなく、無臭な粉で、増粘剤に適します。
通常は遺伝子組み換え品であるコーンスターチよりはるかに卓越しています。魚や肉だんご等のお料理にも使えるほか、グルテンフリー/小麦フリー粉物と混ぜれば焼き物を作れます。
クズウコンはビタミンB群、鉄、カリウムが豊富ですが、たんぱく質はなく、優れる増粘剤として利用価値があります。このため、酸性の成分や冷凍に耐える完ぺきに透明なゲルになるので、ケーキ類にしばしば使われます。このため、クランベリーソースやスィートソース、サワーソースを含む、フルーツジェルやフルーツソースの増粘剤としてしばしば使われます。
ココナッツ — ココナッツパウダーは、新鮮なココナッツをプレスしてココナッツミルクを搾り取り、オイルが大部分抽出された後に残る、乾いた新鮮なココナッツの果肉からなります。従来の粉物の代替品として使用すると、マイルドなココナッツ風味が加わり、リッチな質感とナチュラルな甘味が生まれます。
ココナッツパウダーには粉物のなかでも食物繊維が最も多く(48%)、栄養価が高いです。たんぱく質も豊富で炭水化物はとても少ないです。しかも自然にグルテンフリー、小麦フリーです。
小麦粉の代わりにココナッツパウダーを使い玉子を加えて、普通の焼き物をとてもおいしいグルテンフリーの低炭水化物パレオおやつにできます。平均して、ココナッツパウダーだいたい30g弱に対して玉子1個を混ぜます。こうすると成分が焼いたときに結合した状態を保ち易くなります。しかも、高密度なので、ココナッツパウダーを使うときは少々水を多めに加えることも必要です。
原則的に粉物の1/5をココナッツパウダーに代えることで、出来上がりの味も質感もそう変わらずに調理できます。とてもおいしい朝食には、私のココナッツパウダーアーモンドミールパンケーキのレシピをご参照ください。
麻 — 麻の粉(ヘンプパウダーとも)は麻の種を砕いてオイルを抽出した後に残る残骸をすり潰してろ過して作ります。麻の粉もグルテンと小麦フリーで、焼き上がりにマイルドなナッツ風味が加わります。約33%がたんぱく質で、アミノ酸が豊富に摂れます。繊維質や鉄、マグネシウム、亜鉛も豊富です。
この高密度の粉物は他の小麦粉代替品と混ぜて焼き上げるととてもよく出来上がります。粉物ミックスの25%までに麻の粉を限ることで、特にパン焼きの場合、軽い質感にできます。油分が多い麻は冷蔵しないと腐ってしまいます。
キビやアワの穀粒 — キビやアワは古代から使われてきた干ばつに強い穀類の草類であり、中国やインド、西アフリカのサハラ砂漠周辺国で広範囲に栽培されています。たんぱく質の構造は小麦に似ていますが、グルテンフリー、小麦フリーです。甘く、バター風コーンミールのような風味が特長です。
キビやアワはビタミンB群が豊富で、適量の銅、マンガン、マグネシウム、カリウム、亜鉛も含みます。しかし、キビやアワには甲状腺とヨウ素の代謝に支障がある食物物質ゴイトロゲンも含みます。
キビやアワを主食とする国では、甲状腺腫が発生しやすいです。このため、適量にしておくのがよいです。
ソルガム — グルテンフリーで小麦フリーのソルガム粉はソルガム穀をすり潰して製造します。これは世界で900万人ほどの人々にとっては必須の主食であり、アフリカやインドでしばしばポリッジや平らなローフに膨らませないパン類に使われます。インジェラというエチオピアの平らなパンやインドのロティのなかでも特殊なものは、ソルガムが食材です。
ソルガム粉は抗酸化物質やビタミンB群、繊維質、鉄、リン、たんぱく質が豊富です。マイルドな若干甘味があり、粉物ミックスにはよい具になります。普通の小麦粉の代替品として全量入れかえるには適しません。
タピオカ (カッサバ) — タピオカの粉は カッサバの根から製造し、きめの細かい白い粉物として グレイビー、ソース、スープ、炒め物のとろり感を出すのに有用です。タピオカはグルテンフリーで小麦フリーの焼き物に歯当たりを付加し、長時間室温保存できます。
味気ないので、タピオカには他の粉物を混ぜたほうが焼き物がおいしくなります。グルテンフリーの粉ミックスにタピオカ25%から始め、好みに合わせて調節するとよいでしょう。ソルガム粉を焼き物に使う際、液体を若干増やすか、玉子をさらに加えて水分を増やすと効果的です。糖尿病や前期糖尿病の場合、タピオカを消化されにくいでんぷんとして添加すると、糖尿病患者のための推奨されるスーパーフードの一種になります。
さらに今回取り上げたい二つの粉物にはカリフラワーとマカダミアナッツから作るものがあります。カリフラワーの「フラワー」は私の考えでは、単に米状にしたカリフラワーのことを指し、スパイスを加えておいしい平らなパンやピザベースを作ります。生の洗ったカリフラワーの砕いた片をフッドプロセッサ-に入れ、微細で米くらいの大きさになるまで混ぜ合わせて米状カリフラワーを作れます。
カリフラワーが好きな方なら、栄養満点のゴールデンカリフラワーフラットブレッドとカリフラワーピザベースのとてもおいしいレシピをご利用ください。これらのレシピで穀類の粉ではなくカリフラワーを使うことで、でんぷん炭水化物を自然食品の栄養分に置き換えられ、カロリーを減らし、パンに対する食欲が満たされます。
アーモンド粉と同じく、マカダミアの粉もフッドプロセッサで作れ、生の全粒マカダミアナッツを微細な粉にできます。マカダミア粉は甘いナッツ風の味があり、ヘルシーなグルテンフリーの低炭水化物食品として利用できます。マカダミア粉はアーモンド粉より炭水化物もたんぱく質も少ないです。新たな味の工夫をしたければ、マカダミア粉をアーモンド粉で代えることもでき、これには前記のココナッツアーモンドパンケーキのレシピも含みます。
小麦粉代替品を使うには辛抱強くなる必要があり、ある種のチャレンジになるでしょう。セリアック病やグルテン不耐性、小麦不耐性、あるいは単に個人的好みでグルテンフリーなライフスタイルの方の場合、望む結果を得るには幾分実験してみる必要があります。グルテンフリーの焼き物を作る努力と報いは、数種類の粉を混ぜ、玉子を加え、液量を調節することで得られます。
しかし、最も調節が必要なのは出来上がりに対する自分の期待感です。どれ程多くのテクニックや工夫を使っても、ほとんどの焼き物特に酵母パンの持つグルテンの弾性を全く出すのは実際には無理です。しかし、そのうちヘルシーな小麦粉代替品の一つや複数を使って作った高密度で平らなおやつが好きになるでしょう。
炎症促進性の食品であることが主な理由で、小麦をより少なく食べるか全く小麦を避けるという意識のある選択をするなら、幸福度が増し、健康になれます。レクチン含有の小麦粉代替品についても避けるか適量までにしておくのがよいと思います。レクチンが多いので避けたほうがよい小麦粉代替品には、大麦、ソバ、チーアシード、ひよこまめ、ルーピン、燕麦、ジャガイモ、キノアシード、米、ライ麦、スペルト小麦、テフがあります。
グルテンフリーの料理や焼き物について新たなアイデアを求めていれば、私のヘルシーなグルテンフリーレシピをご覧ください。
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