水素分子 — 最適な抗酸化物質?

水素分子

早分かり -

  • 水素分子(H2ガス)はバランスが崩れるまではフリーラジカルを解消しない強力な抗酸化物質です
  • H2分子は、宇宙で最小の物質であり、血液脳関門や細胞内の区画を含む全細胞膜を通り、ミトコンドリアに入るほど拡散することができます。水素分子には電荷も極性もありません。このため卓越した生体利用能があります
  • H2は体内で最も反応性があり酸化力がある基である有毒な水酸基と反応して無害な水に変えます
  • H2は心臓発作や脳卒中が発生したとき、再灌流中に生じる水酸基による酸化損傷から非常によく保護します
  • 水素はオートファジー、mTOR、IgF1を適度に調節することもでき、必要なときに増やしたり、過剰になると減らします
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Dr. Mercolaより

科学研究に基づくNPOであるMolecular Hydrogen Instituteの創設者タイラー・W・ルバロンは、水素分子とそのメリットについて最も知識が豊富な人の一人です。同氏や世界中の大学の多くの研究者から多くのことを学べます。まず、H2は効能が強く、選択的に作用する抗酸化物質です。ビタミンCやE等多くの抗酸化物質が選択的ではなく、摂りすぎるとよくない反面、水素分子にはこうした害がない点は重要なことです。

水素はこうした不利な点がないのは、私が気に入っている理由の一つです。さて、水素分子というときは、水素ガス、つまりH2の分子を指しており、これは二つの水素原子が結合した物質です。

H2分子は、宇宙で最小の物質であり、血液脳関門や細胞内の区画を含む全細胞膜を通り、ミトコンドリアに入るほど拡散することができます。水素は担体たんぱく質が要りません。

水素分子には電荷も極性もありません。ルバロンの説明によると、電荷を帯びた分子は細胞膜を通りにくく、この点は重要です。電荷を帯びた分子は、たんぱく質のチャンネルを通らざるを得ません。このため卓越した生体利用能があります。

H2の健康的メリット

H2の多くの健康的メリットのなかでも特に過度の酸化ストレスや炎症、代謝異常を軽減する機能です。ある程度の酸化ストレスやリーラジカルは実際には必要なので、この「過度の」という点が重要です。例えば、食物が体内で酸化され、代謝される際の酸化は、生命機能として必須のものです。

つまり、過度の酸化ストレスや酸化による損傷を防止する機能こそ健康のために必要です。ルバロンはここで取り上げたインタビューの中で、この点についてさらに詳しく説明しており、詳しくはインタビューを全てお聞きになるか、その原稿をお読みください。

一例までに挙げると、生体光変調、運動、サウナ等の一部のセラピーは体内で酸化を若干盛んにし、この酸化は、熱衝撃たんぱく質(HSP)を誘発するなどいくつもの有益な効果を生みます。このプロセスをホルミシスといいます。

ルバロンによると、「…水素分子のメリットに関して、ホルミシスと同じプロセスによって機能するとみられるので、このホルミシスは重要な概念です。」

H2は選択的抗酸化物質

酸化ストレスに関しては、ホメオスタシスの回復こそ必要なことです。つまり全てのフリーラジカルを中和する必要はないのです。多くの抗酸化物質には無差別にフリーラジカルを中和し、多くの種類の基や酸化物質と反応して中和する多くの電子が存在します。しかし水素分子は選択的に作用し、過剰な部分にしか作用せず、ホメオスタシスを回復できます。

「抗酸化物質はフェントン反応サイクルと酸化還元サイクルを高め、強力な酸化促進剤として作用することになるので、時としては酸化ストレスを悪化させることがあります。このため、非常に複雑なので、よく注意しなければなりません。」(ルバロン)さらに:

「H2が安全なのは、過酸化水素やスーパーオキシド基、一酸化窒素等、必須のシグナリング酸化剤に対する還元力や中和力あるいは反応作用がないからです。試験管内で混ぜて見てもこれらの物質とは反応しません。二者を攪拌しても反応しません。」

しかし、H2は、体内で最も反応性があり酸化力がある基である有毒な水酸基と反応して無害な水に変えます。いくつもの研究が示すようにH2は、心臓発作や脳卒中が発生したとき、再灌流中に生じる水酸基による酸化損傷から非常によく保護します。このため、心臓発作や脳卒中が起きたら、直ちに水素分子を導入するべきであると、私は考えています。

リスクが無く、比較的安価で、よい結果を得やすくなります。ルバロンは、Journal of the American Heart Associationに掲載されたある研究が、H2の投与で心不全後症候群での生存率が対照群で43%だったが、H2被験者群では92%に上ったことを示したことを取り上げています。フリーラジカル発生を防止する低体温処置と組み合わせたとき、100%が生き残りました。つまりこれ以上よい結果が出ようがありません。

H2は体内で最も反応性があり酸化力がある基である有毒な水酸基と反応して無害な水に変えます。H2は心臓発作や脳卒中が発生したとき、再灌流中に生じる水酸基による酸化損傷から非常によく保護します。

ルバロンによると、すでに日本政府はH2ガスを心不全後症候群の処置用の先端薬剤として吸入させることを認可しました。ルバロンは現在、心臓の手術やその他の症例で水素分子吸入のメリットを調査している研究を何件か検討中です。

H2の投与法

最も簡単な全身への水素ガス導入方法は、水素分子錠剤を水に溶かして飲むことです。インタビューの中で、ルバロンは電気分解装置については、必要な濃度を得られないので疑わしく、注意すべきであると言います。

研究によると、H2を溶かした水は食生活が元で発生する病気である非アルコール性脂肪肝やメタボリックシンドロームを改善することがわかっています。メタボリックシンドロームについてのある最近の研究によると、高用量のH2を水素発生錠剤により使用しました。

その研究は60人の被験者を対象に6カ月行った結果、「血中コレステロールと血糖が大きく減り、血清ヘモグロビンA1cを軽減し、炎症やレドックスホメオスタシスのバイオマーカーを改善しました。」さらにその研究によると、「体格指数(BMI)とヒップ対ウェスト比が若干減少しやすくもなりました。」

ルバロンによると、「目を見張るべきよい効果が得られ、以前の研究と比較して、はるかに効果的なことがわかり、少なくとも一部の症例では、高用量ないし高濃度の水素は低用量や低濃度よりはるかに効果的です。」

ポイントは濃度と投与頻度

十分高濃度にするほかにも、連続的投与では効果が薄れるので、間をおいて水素を取り込むことが重要です。また、ルバロンによると:

「例えば、水素を6 mg摂り込むとして、全6 mgを24時間中おしなべて取り込むとします。つまり終日水素水をすすり飲みしている状態です。

こうすると、細胞レベルの変化を起こすために必要な細胞中濃度を得るために十分な体内水素用量を得ていないので、メリットは得られません。

反対に、この6 mgを一度に取り込めば、終日飲むよりはるかに効果的だと考えれれます。したがって、水素を飲んでメリットを得たかったら、一回にできる限り高用量を取り、これを一日に数回に分けて行うとよいです。

しかし、一日のうち一回で6 mgや10 mgの水素を飲み干すのがよいのか、これを六回で飲むのがよいのかについては、私は存じません。一日に6回や10回で取ることで、ピークのリズムがあるので効果が上がるまたは一回に飲むのと同じ効果があるでしょう。しかし、それでも同様の効果がないことも考えられます。」

明らかに、以上の諸研究は最適頻度を特定するためにさらに行う必要がありますが、それまでは、用量を自分の事情に合わせて変えるのが適切かもしれません。したがって、自宅で正常かつストレスのない状況で運動しないとすると、一日に一回で取り込むのがよいかもしれません。

しかし、よく運動する場合、一日に数回で取り込むようにするほうが効果的かもしれません。飛行機で旅行する場合、機内で二時間おきに飲むのがよいでしょう。H2はとても安全で、副作用等の害がないことはとてもよいことです。

水素錠剤を使うとよいメリットにはさらに、生体利用能が高い遊離マグネシウムイオンも含むことです。錠剤一つに80 mgのマグネシウムイオンが含まれ、これは推奨日量の約20%に相当します。

他のセラピーとの相乗効果

H2ガスを他のサプリメントやセラピーと一緒に取り込むと、相乗効果を期待できます。例えば、サウナ中に飲むと、両者とも熱衝撃たんぱく質を発生させるし、ケト食生活や外生的ケトン補完と合わせても効果がよいでしょう。もう一例としては、高圧酸素療法があります。

同様に、H2ガスは身体のニーズに合わせ、mTOR活性を増減することができます。IgF1についても同様です。つまり、絶食中や時間制限的食生活をしている場合、オートファジーが起きているので、ここで水素分子を入れるとオートファジーが最適になるほか、逆に過度のオートファジーが起きていればこれを抑制もします。このためもっと長い断食も安全にできるようになるでしょう。さらに:

「水素を取り込むと、胃中グレリンの分泌が増えます。グレリンは空腹ホルモンです。絶食や断食したとき最初に起きる現象は、グレリンの増加です。グレリンは極めて神経保護効果が高く、抗炎症性であり、いくつものメリットがあります。

さらに、水素もグレリンを増やします。つまり、いくつものしかたで、水素はオートファジーからグレリンまで、活性化されるその他多くの経路を模倣しますが、その作用は状況次第で変わります。」

基本的用量

通常の用量は適度に高用量であると考えられている錠剤一個を水500 mLに溶かします。これで得られる濃度は約10 mg/LのH2となり、すなわち、この半分ですから、5 mgを得られます。錠剤が解けたら直ちに、H2ガスの泡が拡散してしまわないうちに、水がまだ泡で白いうちに一気に飲み干しましょう。

この解ける速さは水温しだいで一分から三分に及びます。凍るほどの水に混ぜれば、さらに長くかかります。最適なのは、室温水に解かすことで、水温が下がるほど、解けるまで時間が掛かるので、完全に解けた頃は先に解けたガスが抜けてしまいます。

また、CO2が解けている炭酸水ではなく、清水を使うことで、炭酸水ではH2ガスが速く拡散してしまいます。錠剤が解けて白い泡でいっぱいのうちに飲み干してください。白い雲は水素の懸濁状態を表します。水が澄むまで待ってしまうと、水素ガスが抜けてしまいます。身体のストレスが高いとき、一日に4~5錠飲むこともできます。それ以外の場合は、一日一錠で十分でしょう。

水素分子研究についてさらに詳しく調べるには国立衛生研究所(NIH)のライブラリで水素分子を検索してみてください。また、水素分子研究所のウェブサイトも是非ご覧ください。