Dr. Mercolaより
皮膚がんは米国で最も蔓延しているがんであり、最もよくあるのが基底細胞がんと扁平上皮がんです。こうしたがんで死亡することは稀ですが、治療すると外見が醜くなります。
日射を避けることやサンスクリーンの使用が推奨されているけれども、現在の推定ではアメリカ人が生涯のうちに皮膚がんになるリスクは20%程度です。毎日約9,500件の皮膚がん症例が診断されています。しかし、適度に日光に当たりつつ、日焼けは避けるようにするのが、ビタミン D濃度を最適にするには最適です。
都会に住む子供の85%、成人や高齢者の半数はビタミン Dが欠乏していると研究者らは推計します。アメリカ人は強化食品をよく食べているにもかかわらずこうした結果になっています。
皮膚科医が皮膚がん症例の増加を抑えようとして日射を避けるように勧めることも、ビタミンD欠乏の原因のひとつです。研究者らは皮膚がんにつながる皮膚の損傷はUVA光線によることをすでに特定しました。UVA光線には屋内でも屋外でも暴露されます。
扁平上皮と基底細胞を含む非悪性腫瘍性の皮膚がんは、毎年約300万人のアメリカ人に発生しており、より効果的な防止策が必要なことは明らかです。
Journal of the American Medical Associationに掲載されたある最近の研究によると、研究者らが、ビタミン Aは扁平上皮皮膚がん発生率の低下に寄与するかを解明しようとしました。研究チームは男女123,570人を募集し、26年以上も追跡調査し、食事でビタミン Aをどれくらい摂取しているかを評価しました。
皮膚がん発生率は病理学レポートによって確認されました。ビタミン Aを食事でもっと摂ると扁平上皮がんリスクが減ることをデータが示していると研究者らは考えています。ブラウン大学のユニャン・チョーさんが代表のこの研究チームは研究結果についてコメントしています:
「本研究は健康的食生活で多くのフルーツや野菜を食べるとよいもう一つの理由を示した。扁平上皮がんなどの皮膚がんは予防が難しいが、本研究からは日よけを着たり日射暴露を減らすことに加え、ビタミン Aが豊富な健康的な食生活でがんリスクが下がると考えられる。」
研究者らは髪の色、参加者に発生したと考えられる重症な日焼けの回数や家族の既往歴等の要因を考慮に含めました。日中の日射暴露については参加者に質問しませんでした。
最も多くビタミン Aを食べた参加者は毎日大きいニンジン二本分を摂取していました。最も少ない人は小さいニンジン一本で、これは米国の推奨日量の範囲に含まれていることに研究者らは注目しました。
データから、一日に最も多くビタミンAを食べた人は最も少ない量しか摂らなかった人と比べ、皮膚がんリスクが17%下がっていることがわかりました。食生活の内容を評価した結果でも、最も多く食べた人たちのビタミン A摂取源は動物性食品やサプリメントではなくフルーツや野菜からでした。
ビタミン Aは細胞の成長と分裂の調節で重要な機能をします。つまりこのビタミンはがん発生率の低下に寄与し、加齢にともなう黄斑変性や視力低下を軽減します。米国では全く欠乏しているケースは稀ですが、ビタミン Aが豊富な食品が不足がちな開発途上国では珍しくありません。
皮膚がん予防のために重要なもう二つのビタミンは、ビタミン B3 (ニコチンアミド)と日射に当たると皮膚の代謝作用で生産されるビタミン Dです。非悪性腫瘍性皮膚がん患者に対するビタミン B3の効果を評価したあるオーストラリアの研究の第三段階で、五年以内に少なくとも二回非悪性腫瘍性皮膚がんが発生した参加者を募集しました。
ビタミン B3 500 mgを一日二回またはプラセボのいずれかを食べる参加者に分け、12か月この摂取を続けました。データからはプラセボでもビタミン B3でも副作用は見られませんでした。12カ月後、ビタミン B3を取っていた人は新たな皮膚がん発生率が23%低下しました。しかし、ビタミン B3を止めると継続的なメリットはなくなりました。
幼少の場合、特に日焼けは黒色腫リスクを高めます。しかし、黒色腫は日射をめったに受けていない部位に頻繁に発生します。また注目すべきことは、日射に当たる量が不足すると黒色腫を予防するビタミン Dが減ることです。Lancetに掲載されているある研究によると:
「逆説的だが、屋外労働者は屋内労働者より悪性腫瘍リスクが低く、長期的な日光への暴露が保護効果があることを示す。さらに黒色腫のなかには日射に暴露された部位に発生するものがあったり、それ以外の部位に発生するものもある。黒色腫のなかには既存の色素性母斑(ほくろ)が基になるものもあるが、多くは新発である。」
皮膚をなるべく多く露出して保護せずに日射を適度に浴び、皮膚がピンクになってきたら止めるのが賢い方法であることには根拠があります。次に日焼けから保護するため皮膚を薄手の衣服で覆います。長時間屋外にいる人の場合、顔の皮膚は日焼けしやすいわりにはビタミンDをあまり多く生産しないので、広い淵のハットを被るとよいです。
あるスウェーデンの研究が実証したように、日光を避けるのは健康にとって危険です。その研究者らは20歳以上の女性29,518人を20年間追跡して全原因死亡率のリスク要因としての日光回避を調べました。日射暴露の回避は全原因死亡率のリスク要因であり、日射が弱い国で日射を避けるのは有害であるという結論に至りました。
全米皮膚科学学会は日焼けベッドを避け、「日陰を求め、保護衣服を着て、スペクトル範囲が広く耐水性のSPF 30以上のサンスクリーンで」皮膚を保護するように勧めています。
日射への暴露についての推奨を考えればわかるように、まったく避けるのでは数種類の体内がんのリスクが高くなり危険です。この点は過去の私の記事「皮膚がんリスクが下がるビタミン」でご説明したことがあります。
大切なのは日焼けを避けることで、日射を受けすぎると細胞が損傷し、皮膚がんリスクが高くなるからです。ビーチで一日過ごしたり屋外活動を長時間する計画があれば、何等かの日光保護は必要です。薄手の衣服は最適ですが、たいていの人はサンスクリーンを使用します。
残念ながら、多くのサンスクリーン製品には有毒成分が含まれています。Consumer Reportsに掲載されていた2018年のSunscreen Buying Guideでは多くの製品がラベルに記載されているほどUVAから保護しないことに注意しています。
その結果、有毒化学物質に接触し、おまけに日焼けしてしまう結果となります。サンスクリーンに含まれる同素についてとその効果について掘り下げた話は、以下の私の過去の記事をご参照ください:
ビタミン Aの摂れる食品をもっと食べるのが最適な濃度にするために最適です。ビタミン Aが豊富な食品には、さつまいも、ほうれん草、ニンジン、マスクメロン、マンゴが挙げられます。その他野菜で豊富なものにケールやからしの葉、コラードグリーン、カブの葉があります。
ビタミン Aは動物性食品のレチノイドと植物性食品のカロテノイドという二つに分類される栄養素の群を指します。これら二種類は化学組成が異なり、健康へのメリットも異なりますが、最適な健康のためには両方とも必要です。
ほとんどのカロテノイドは抗炎症性、抗酸化性物質として機能し、レチノイドは赤血球の生産のために必須です。これらは特に妊娠中や身体が感染症と闘うために必須です。
アスタキサンチンはカロテノイドの一種で、最も強力な抗酸化物質の一つです。これは微細藻類が日射の紫外線やその他の環境的ストレス要因から保護するために生産します。皮膚を内側から保護しやすくする独特の分子構造をしています。
特にアスタキサンチンは紫外線による細胞死を阻止します。局部の日光阻止とは異なり、紫外線を阻止しないので、ビタミン Dが皮膚の中で生産されるのを阻害しません。さらに、この物質は皮膚の弾力性を増やし、小じわや皺の発生を減らします。
アスタキサンチンは神経保護効果がある強力な抗酸化物質です。心臓血管系にメリットがあり、視力を保護します。運動後の回復が早くなり、痛みが減り、NASAは宇宙空間での放射線暴露による損傷を打ち消すために検討しています。研究からますますわかってきたアスタキサンチンによる多くのメリットについては以下の3つの記事をご参照ください:
ビタミンAは大腸がんの予防を助けます
新研究から判明したビタミンK2の炎症予防効果
ビタミンB12のメリットはいかにして得られるでしょうか?
COVID-19第二波前に達成すべきビタミン D 濃度
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