免疫系について把握しておくべき全てのこと

免疫 系

早分かり -

  • 免疫系はウィルスと闘う高度な経路を持っていますが、ウィルスには免疫系を騙して細胞を侵略する高度な経路があります
  • COVID-19に対する一国の「集団免疫」は検査の結果しばしば特定ウィルスに対する抗体があることがわかった人のパーセントに基づいていますが、これは正確ではありません
  • 「変性した」あるいは「バリア形成後」のCOVID-19症例では免疫応答が発生しなかったので、おそらく検査から抗体は見つかりません
  • ウィルスは、スパイクたんぱく質を使って宿主細胞を侵略し、これがウィルスの被膜から発芽を開始させます
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Dr. Mercolaより

人の免疫系の機序は注目に値するほどすばらしいもので、特に、コロナウィルス勃発の間には重要です。免疫系の幹細胞、ヘルパーT細胞、細胞傷害性T細胞、その他の対抗因子からなる必要な道具一式は、目を見張るほどのものですが、ウィルスが細胞に侵入して複製する工場として利用するために使う道具一式も入り組んでいます。

快活で楽しめるビデオ「The Amazing Immunology of our Viral Issue — and Herd Immunity Revelations!」(ウィルス問題の素晴らしい免疫学 - 今明かす集団免疫の本当の話!)は、免疫系とCOVID-19を起こすような、ウィルス侵略に対する継続的な闘争について説明しています。このビデオは最近、健康系ウェブサイト「The Fat Emperor」(脂肪皇帝)を運営している化学工学士イボール・クミンズさんが作成しました。Planet Labsの主任科学者クレオン・レビットさんがゲストで登場します。

最先端の免疫学者と協業してきたレヴィットさんは応用物理学者で、35年間NASAで航空宇宙エンジニアとして勤務したことがあります。Planet Labsは民間の衛星データ会社で、地球低軌道上の300個を超す画像処理衛星を運用しています。

「The Amazing Immunology of our Viral Issue — and Herd Immunity Revelations!」で、レヴィットさんは免疫系がCOVID-19等の病気を起こすウィルスと闘うことを可能にする、多くの複雑に入り組んだ細胞のシグナリングやCOVID-19を起こす物も含め、ウィルスがいかにして反撃するかについて、わかりやすい図やビジュアルを使って特集しています。

レヴィットさんとクミンズさんが答えようとしている、特に熱い疑問点は、COVID-19に対して集団免疫が実現しうるかどうかということと、いかに実現しうるかについてです。その結果、驚くべき事実がわかりました。

(ビデオは英語のみ)

抗体検査ではCOVID-19を判定できない

クミンズさんによると、COVID-19に対して免疫力ができた人は、検査で抗体反応がある人のみであると一般に考えられている、そして一国の「集団免疫」はしばしばこうした検査の結果に基づいています。例えば、一国の人口の7%から8%に抗体がある場合、その国の集団免疫率は低いと判断されがちです。ビデオで両者は、この認識は誤っていると言っています。

科学研究により、抗体反応が無くても人間には事実上のあるいは有効な有意な量の免疫力があることがわかっています。例えば、「変性した」あるいは「バリア形成後」症例では、ウィルスに接触したはずでも、周囲の他の人とは異なり、発症しませんでした。レヴィットさんによると:

「…こういた人々は幸運にもあるいは健康的代謝のおかげで、ウィルスが粘膜やその他の何らかの物に阻止され、実際に細胞に感染することがない。…従って免疫応答さえ発生せず、再度ウィルスと接触すると感染するリスクがある。

しかし、ウィルスと接触しても発症しない人が一部におり、その理由は従来式の免疫応答によるからではなく、身体の粘膜にと一種の非特異的プロセスによって阻止されるからである。」

クミンズさんによると、こうした人がウィルスを「移されて」も、ウィルスに再度接触したとしても、「はるかに大量のウィルス負荷でも負わない限り、他の人に移らない。」レヴィットさんによると、こうした人は集団免疫それ自体には寄与しないが、発症するほど「弱くない」のです。

その他の人にも事実上の免疫力がある

現行の抗体検査によっては、しばしば検出されないことがあるその他の人も地域的集団免疫に寄与できます。レヴィットさんによると、こうした人の中には「先天的」あるいは「クリアされた」状態になったと考えられる人がおり、すなわち:

「…免疫系の特定の機能、特定の抗体、その他特定のシグナリングプロセスは、これまで特定のウィルスに接触したことがなくても、- 免疫学的記憶がなくても - ウィルス感染を阻止あるいはクリアできます。」

レヴィットさんによると、以前接触したことがないウィルスを識別し、防止できるこのような一般的免疫応答は、動物界全体で見られ、特に原始的動物やさらに微生物にも見られる。

「彼らの唯一の免疫系はジェネリックな系であり…無差別に全細菌、全ウィルスを標的とし、一種のウィルスに対する特異抗体しかないのではなく、むしろ、ウィルスに感染した細胞が特定の機能をするシグナリングが発生します。次に、免疫系は近辺の細胞を一種の抗ウィルスモードにし始めます…

…必ずしも発症することなく、おそらく先天的免疫系を使って感染しない人がおり、適合型あるいは後天的免疫応答が発生する。…彼らは実際に免疫的闘争を経た人です。こうした人々は事実上の集団免疫貢献者になっても、自分たちには抗体ができません。」

免疫力におけるT細胞の機能

上のビデオによると、ほ乳類の免疫系は、特定のウィルスあるいはウィルス属を標的にするよう進化してきたもので、全てはT細胞 — 胸腺が生産するあるいは処理する白血球細胞 - を基にしています。

人がウィルスに感染すると、特に免疫学的記憶がある場合、身体はその特定のウィルスと感染した細胞を標的にしたT細胞応答を発生します。免疫学的記憶は周知の用語です。レヴィットさんによると:

「私たちは皆この用語を耳にしたことがあり、何かに対して免疫が一度できれば、何年もまたは生涯通して免疫が維持されるかもしれません。現在のウィルスとは同一でなくても類似しているウィルスから免疫学的記憶は得られます。」

SARSや普通の風邪のようにその他のコロナウィルスに以前感染した場合、こうした事前免疫と免疫学的記憶が得られる、とレヴィットさん。T細胞系は反応して身体から同類のしかし同一ではないウィルスによって起きた感染を治します。レヴィットさんによると、注目すべきは、この現象は「たくさんの抗体を生成しなくても」起きます。

さらに、レヴィットさんによると、COVID-19の抗体検査は、「COVIDに対して考えうる抗体の小さい断片しか検査しません。」

T細胞はいかに機能するか

「The Amazing Immunology of our Viral Issue」で説明されている最も印象的な免疫系の構成要素の一つは、T細胞です。侵略してくるウィルスと闘うために、この細胞の有する直観と適合力は、ほとんど奇跡的です。レヴィットさんによると:

「…数百種類や数千種類あるいは数百万種類のT細胞が存在し、T細胞間の相違点は、一つずつがMHC [主要組織適合遺伝子複合体]分子に保持された特異のペプチド断片を標的として識別するようにできています。

病気になったときにしかできない物、そして正常な時に体内の循環器系に存在する唯一の物は、非自己たんぱく質を標的とするT細胞です。

自己たんぱく質を標的にする全てのT細胞は未熟なうちに胸腺で破壊されるので、非自己たんぱく質を保持しているMHCを標的にするT細胞のみ体内を循環しています。[この種のT細胞]はこの特定の一種の非自己ペプチドのみ識別する特殊な種類のT細胞です。…この細胞はSARS-CoV-2等全く新型の物を識別します。」

その他の免疫応答では抗体ができない

レヴィットさんによると、B細胞、胸腺が処理しない白血球、T細胞、主な抗原をコード化するMHC (主要組織適合遺伝子複合体)遺伝子も免疫応答を発生させることができます。

「このことは基本的に、全く新型のウィルスが侵入し、T細胞とMHCから開始される免疫応答が発生したとすると…いくつもの種類のメカニズムを使って身体から感染が解消されます。…このことは必ずしも抗体検査の対象である抗体を生むシステムを活性化するようなケースではありません。…

感染は原則的に、細胞傷害性T細胞等の抗体検査でわからないT細胞が介入する経路の一つによって解決されると考えられます。」

こうしてCOVID-19から治った人は、「社会の集団免疫にこうした検査が不要でも寄与しています」と、クミンズさんはまとめています。コロナウィルス抗体が実際にはできているのにCOVID-19抗体検査を受けても「疑似陰性」だった人も集団免疫に貢献します。レヴィットさんが賛成するように、このケースが発生する頻度は不明です。

ウィルスが免疫系を騙す

ウィルスの「アジェンダ」は宿主の細胞内で自己増殖することです。細菌とは異なり、ウィルスは独自に増殖できません。レヴィットさんによると、千個のウィルスが他の人のくしゃみが原因で体内に入ったとしてもり、細胞には侵入せず複製できない限り、無害です。「千個が浮遊しているだけで、どこにも到達しません。」

ウィルスが増殖して他の細胞に感染するために必要な多くのたんぱく質は、「ウィルス内に埋もれているので抗体に見えない」ため、このようにして「ウィルスが浮遊しているとき」では応答が出ないと、レヴィットさん。

しかし、これが大きな「しかし」で、ウィルスは籠型をしており、スパイクたんぱく質を使って宿主の細胞を侵略しますと、レヴィットさんは説明します。

「ウィルスは細胞を腐敗させ、結局、細胞が自己の細胞膜からウィルスを放出し始め、実際に、細胞自体がほとんどウィルスの結晶のようになります。ウィルスにこのように乗っ取られると細胞は機能しなくなります。…ウィルスは[細胞]核にさえ感染したとも考えられます…従って、細胞はもう助からなくなります。」

最適なのは身体の免疫系がウィルスを侵入させないことであると、レヴィットさん。

「ウィルスを除去できる正しい抗体がある限り、身体に可能な一つのことは、…ウィルスを抗体が完全に包囲することです。こうなるとスパイクたんぱく質が露出しなくなるので、機能が止まり、細胞に侵入できません。

また、ウィルスが一度抗体に包囲されると、免疫系の他の部分には抗体に包囲された物質があることが見え、その物質を消化して除去すべきことが伝達されます。…ウィルス自体は球体として識別されるたんぱく質があります。記憶力があり、抗体ができると…ウィルスは標的として直接攻撃されます。」

免疫系はすごい

このよくできているビデオの最後に、COVID-19等のウィルスやその他の病原体に対して、いかに免疫系が防衛力を結集できるインテリジェンスを持つかに感心せざるを得ません。

侵略してくるウィルスを免疫系が識別する微妙な方法からして、COVID-19に対する集団免疫は公衆衛生担当官が推定するよりはるかに高率であることもわかります。ビデオの最後でレビットさんがこうまとめています:

「… COVIDに感染しても抗体ができない人はいるはずで、おそらくこの種の人の、その他の免疫機構やT細胞あるいは先天的システムあるいは両者ともに、多量の抗体を生産し始める前に効果的に侵略者を壊滅できるからだと思われます。

また、この逆に、COVIDの感染者は、過去すでに同種のウィルスに感染したので、COVID対策に特化した何らかの免疫機構がすでにあるといった、別の現象が見られます。」

ビデオを見た後に至る一つの結論は、計画されている集団免疫の根拠として抗体検査では無効であるということです。すでに感染したかもしれない人が、発病が検出されなかった無症状の人を含め、必ずしも抗体を持っているとは限りません。

ビデオの最後に、クミンズさんは、健康を維持し集団免疫を促進するようにできている人間の免疫系の多面性には畏敬の念が湧くと言っています。

「[人間の免疫系は]全宇宙の中で最もエキゾチックな免疫の仕組みであると思います。…説明してきたこの全系統は抗体系統ではなく、発生した全T細胞系統であり、何百万年の進化を経た、極めて効果の強いものであると思います。」