デオドラントの危険な5種類の成分

デオドラント 発汗防止剤 成分 危険

早分かり -

  • 発汗防止剤とデオドラントは体臭と発汗を抑制する日用品になりました
  • アポクリン汗腺から出た汗が脇の下の細菌と接触すると、代謝物が体臭を放ちます
  • この臭いは、食事の内容を変え、ストレスを減らし、利用している薬を見直し、わきの下用に自然の製品を使用すると減ります
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Dr. Mercolaより

発汗防止剤とデオドラントはほとんどの人にとって当たり前の日用品になりました。広告主はバランスのよい自然な体臭を悪いものだとするセールストークを展開し、つきあう異性が見つかるとか自信がつくなどあらゆる文言で約束して発汗防止剤やデオドラントを買わせるように説得してきました。

こうした約束をかなえられるパーソナルケア製品は存在しません。体表面と体内にいる細菌と身体との関係から生まれる力については最近研究が掘り下げ始めたばかりです。こうした関連性のすべてが健康的なわけではありませんが、皮膚細菌を身体がいかに利用しているかは未だに科学研究が解明中なのです。

FDA(食品医薬品局)と広告主はデオドラントや発汗防止剤が全く安全であると信じ込ませようとしていますが、各製品に記載されている成分の化学物質安全データシート(MSDS)を確認すれば事実は逆なことがすぐにわかります。

なぜ体臭が出るのか?

身体には二種類の汗腺があります。エクリン汗腺はほぼ全身表面にあります。これは体温が上がると皮膚の表面に汗を出します。汗が蒸発すると体幹温度が下がり身体を冷ます働きがあります。

体臭の原因はもう一つの汗腺から出る汗です。アポクリン汗腺がそれです。この汗腺は脇の下や股間等体毛が密集している場所にほとんど集中しています。アポクリン汗腺は皮膚直下の毛根内に汗を出します。

エクリン汗腺は透明な塩っぽい液体を出しますが、アポクリン汗腺はストレス要因に応答して乳液状の物質を出します。この液体自体は無臭ですが、脇の下の細菌と混ざるとすぐに臭いが出ます。

脇の下は暗く温かい湿気の多い細菌の繁殖と繁栄によい環境です。細菌がアポクリン汗腺から出た液体を分解するとチオアルコールという物質を生産します。この臭いが強いチオアルコールが脇の下から蒸発して悪臭を放ちます。

脇の下に普通にいる細菌のどの種類が最も多くのチオアルコールを生産するかを把握するため、ヨーク大学の科学者らは様々な細菌が生産した濃縮物を計測しました。

その結果スタフィロコッカス・ホミニスが最も多くチオアルコールを生産する最悪の臭いの元であることがわかりました。

体臭を出す要因

体臭の原因にはいくつかあります:

ストレス — 不安は体内に闘争逃走ホルモン、コルチゾールを発生させます。これがアポクリン汗腺から発汗させます。脇の下の細菌と混ざるとこの汗から臭いが出始めます。

医薬品 — 薬の中には体臭の元になる汗を多く出させるものがあります。

この副作用がある薬には非ステロイド抗炎症薬、ルプロン(抗がん剤)、トパマックス(ひきつけ、てんかん薬)パキシルやウェルブトリン等の抗うつ剤があります。

食品 — 硫黄を含む食品を中心として、玉ねぎやにんにく、カレーは体臭を変えます。肉は脇の下の臭いを変え、アルコール代謝生成物は呼吸器(吐息)と汗腺から放出されます。

精製糖 — 精製糖や正味炭水化物が多い食品は体臭に影響します。その理由は糖分は細菌の餌になりますが、自然食品を代わりに食べれば身体の自然なデオドラントのような働きをするからです。

デオドラント — デオドラントこそ腋臭を悪くする原因であるといえます。毎日使うと、細菌増殖を抑え臭いが減ると思うでしょうが、実際には臭いを出す細菌がリバウンドで増殖しやすい環境を作っているのです。

ベルギー・ゲント大学の小規模研究は、発汗防止剤が脇の下の細菌を実際に増やすことを証明しました。

脇の毛の成長 — 脇の下を剃らないでいると臭いが増えることに気づいたことがあるはずです。

臭いの増加度は増殖期間が7日と6週から10週とでは微妙に異なります。しかし、研究の参加者は剃りたての脇の下の臭いと1週間伸びた後の臭いを区別することができました。

病気や肉体の状態 — いくつかの病気や肉体的状態、例えば糖尿病、妊娠、甲状腺障害、低血糖症、心内膜炎、心臓発作、白血病、閉経、肥満、アルコール中毒のときなど、普段より汗が増えます。

デオドラント、脇の下の細菌、皮膚の関係

発汗防止剤とデオドラントは別の製品です。デオドラントの主な機能は皮膚にいる細菌を殺し、体臭を減らします。発汗防止剤は二重の用途のために働くことが多いです。これらは両方とも細菌を殺して臭いを減らし、毛穴をアルミニウムで塞いで発汗を減らします。

最近のある研究で、発汗防止剤を使った被験者の細菌コロニーは、デオドラントを使った人より大きく変性したことが発見されました。さらに、二つのうちいずれかを使用した人と何も使用しなかった人の間にも大きな違いがありました。

デオドラントまたは発汗防止剤を日常使用する人は、スタフィロコッカス科のバクテリアコロニーが多く、こうした製品を日常使用しない人はスタフィロコッカス・ホミニスのように脇の下の臭いを出すコリネバクテリアが多いです。

発汗防止剤を使用する人の脇の下には特定のバクテリア属コロニーが多いことがわかりました。そのため研究者らは、発汗防止剤は前世紀から使われ始めたにすぎないので、人間の脇の下に歴史的に共通して存在していた物とは異なる細菌であると想定しました。

発汗防止剤で腋臭が悪化する

2014年に公表されたある研究は興味深いことに、デオドラントや発汗防止剤が実際には腋臭を悪化することを特定しました。この研究では、発汗防止剤ユーザーは悪臭の腋臭の原因であるさらにもう一種類の細菌アクチノバクテリアが多いことがわかりました。

基本的に、発汗防止剤のアルミニウムは臭いを出さない細菌を全滅し、悪臭を出す細菌の繁栄を促すことが発見されました。

一部の参加者においては、発汗抑制剤を控えたら、アクチノバクテリアがほぼなくなることがわかりました。以上からの教訓:発汗抑制剤は腋臭をさらに強烈にしうるもので、発汗抑制剤を止めれば臭いが弱くなる。

デオドラントや発汗防止剤の成分が健康のリスクである理由

残念ながら、脇の下のフローラ変性は、発汗防止剤やデオドラントを日常使用していると起きることがある最悪の事態ではありません。これらの製品に含まれる成分こそ警戒すべき真の原因です。デオドラントは体表面に作用するように作られている一方、皮膚を通して体内に入る化学物質を使用しています。皮膚は浸透性がないように見えますが、実は浸透性があります。

製薬企業は皮膚を通して薬物を投与する経皮パッチをよく使用します。この理由だけでも、化学物質を皮膚に塗ると、服用するより危険です。ノースカロライナ州立大学のヘザー・パティソール生物学助教授がTime誌で説明しています:

「食べた物は肝臓と消化系によって分解されます。しかし皮膚に何かを着けると、代謝されずに血流に侵入することがあります。」

5 デオドラントと発汗防止剤の有害成分

皮膚に化学物質をこすりつけることとがただちに、血流に入ることを意味しません。しかし血液検査からデオドラントの多くの化学物質は皮膚を通り、血液中から検出されています。次に健康のリスクになりうる5種類の発汗防止剤/デオドラントに共通の成分を挙げます:

アルミニウム — 発汗防止剤に使用され、汗腺を閉じ、発汗量を減らす。体から出る汗が減るのではなく、毛穴から出る量が減るだけ。前記のように、アルミニウムは強い体臭を発生しない脇の下の細菌を何種類か全滅しますが、悪臭を出す細菌は殺さずに栄えさせます。

アルミニウムは乳房組織の遺伝子を不安定にする金属です。この不安定性が原因で腫瘍の発生を促す変性に関連すると考えられます。このためアルミニウムが原因物質ではありませんが、アルミニウム含有製品を使用すると乳がん発生率が高いことはわかっています。

パラベン — パラベンは保湿剤やデオドラント、サンスクリーン、シェービングクリーム、シェービングジェル、ヘアケア製品、コスメ等多くのパーソナルケア製品に含まれる保存料です。パラベンは皮膚から体内に入り、弱いエストロゲンのような働きがあるので、エストロゲンその他のホルモンの生産と調節を変性します。

アメリカがん学会(ACS)と国立がん研究所(NCI)は健康へのリスクがあるとは結論づけていませんが、リーディング大学の実験データからすると、様々なパーソナルケア製品を使うことで混ざり合う異なる種類のパラベンはエストロゲンのような作用を強くしうることはわかっています。

フタル酸類 — これらの化合物はパーソナルケア製品が皮膚や髪に付着するための成分です。つまり香料の安定性を増すため、もちのよい香りがある製品にはフタル酸が使用されています。ヘアシャンプー、ローション、香水、デオドラント、ボディースプレー、発汗防止剤、ボディーウォッシュ、石鹸にはすべて、時間をかけて体内に蓄積していくフタル酸が含まれます。

この化合物はアンドロゲンの機能を阻害すると考えられています。アンドロゲンやテストステロンは厳密に男性ホルモンであるとしか思わないでしょうが、女性もこのホルモンを利用して筋肉を作り維持しており、エネルギー維持のためにも働いています。

フタル酸は男女とも生殖器に対する毒性があります。胎児の発生にも影響し、この化合物により知能指数低下と喘息発生に関連することが研究からわかっています。

トリクロサン — この化学物質は、アメリカ人の75 %の血液中に検出されトリクロサン濃度、蓄積している製品によく使用されています。抗菌石鹸には共通に含まれる成分ですが、化粧品メーカーはこの物質を湿疹クリーム、デオドラント、発汗防止剤などの製品に使って皮膚の滅菌に利用しています。

動物実験からトリクロサンにはホルモン活性に異常を起こすことがわかっており、経皮的に吸収されると腸内細菌の増殖を阻害します。パティソール氏によると:「両生類と魚類の実験から、脳の発生のために必須の甲状腺機能をトリクロサンが阻害することが判明している。自分の知る限り、腋臭製品に使用して何ら明白な効能があるとはいえない。」

香料 — 香料に含まれる化学成分は貿易法の下で秘密扱いされ保護されています。デオドラントおよび発汗防止剤に含まれる香料によるアレルギー反応や皮膚炎が発生する場合があります。

デオドラントと発汗防止剤を止めましょう

毎朝の化学物質による洗礼を絶つのは想像するより容易です。自分固有の細菌コロニーに効く組み合わせを見つけるために自分で試せる自然な方法がいくつもあります。

何も使わない — 毎朝のみだしなみから発汗防止剤やデオドラントを無くし、1、2週間は体臭が増えるでしょうが脇の下で細菌の増殖は安定化します。毎日のシャワーを減らすか止めるだけでも、自然な皮脂のバランスを保てるのと全く同じで、デオドラントを一切止めると身体の自然な臭いのバランスがよくなります。

レモンまたはライム — レモンやライムのクエン酸は臭いを出すバクテリアを殺します。レモンかライムを半切りにして脇の下を擦ります。使ったらガラス容器に入れて冷蔵庫に保管すれば再使用できます。食事に使ってしまわないようにラベルをお忘れなく!

白酢またはリンゴ酢 — 白酢もリンゴ酢も細菌を殺します。どちらも冷蔵保存は不要です。白酢またはリンゴ酢をアトマイザーに満たし、浴室に常備します。

重曹と水 — 冷蔵庫の中と同じく、重曹は体臭も中和します。容器をキッチンに保管し、浴室の高湿度による影響を受けないようにしましょう。掌に少々噴霧して粉の中に濡れた指を二三本入れます。脇の下に塗り広げます。

過酸化水素 — 過酸化水素は細菌の被膜を破壊し、細胞内のカタラーゼと反応して滅菌作用があります。このためオキシドールを使うと泡が出るのです。3 %水溶液小さじ3杯と水約250 ccを混ぜます。過酸化水素の量は必要に応じて増やしても構いません。布でぽんぽんと叩くかアトマイザーで着けます。

ティーツリーエッセンシャルオイルとココナッツオイル — これらのオイルは自然な抗菌剤です。ティーツリーエッセンシャルオイル2、3滴を水約30 ccに薄めます。ココナッツオイルは脇の下を剃ったら保湿剤として利用できます。ティーツリーエッセンシャルオイル一滴を少量のココナッツオイルに混ぜて脇の下に塗ってもよいです。

+ 出典および参考資料