心臓は一晩に6時間以上の睡眠が必要

睡眠中 無呼吸症 心臓 病

早分かり -

  • 睡眠不足は無症候性アテローム性動脈硬化という動脈硬化・狭窄化の初期段階にもつながります
  • 一晩に6時間も寝ない人は7~8時間寝る人より無症候性アテローム性動脈硬化になる確率が27%高いことがわかりました
  • 睡眠中途中で目が覚めたり寝つきが悪いといった断片的睡眠では、これより長い時間寝れる人より34 %も無症候性アテローム性動脈硬化リスクが高まりました
  • 一晩に7時間以下しか寝ない人も心臓病リスクが高く、心臓の健康に影響する年齢や体重、喫煙、運動習慣等その他の要因に関わらず、あてはまります
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Dr. Mercolaより

心臓の健康をよくする方法をお考えなら、食生活と運動について思い浮かぶはずですが、睡眠こそもう一つの重要な要因です。毎晩よく寝る、しかも高い質の睡眠を取れば心臓血管リルリスクが低下し、最近のある研究でも、睡眠が無症候性アテローム性動脈硬化リスクを下げることが特定されました。

アテローム性動脈硬化は冠動脈疾患として現れる慢性進行性炎症疾患です。動脈硬化とか動脈狭窄ともいうアテローム性動脈硬化では動脈の中にプラークが堆積して血流を制約するので、血栓や心臓発作、脳卒中の原因になります。

無症候性の段階でアテローム性動脈硬化は初期段階にあり、症状は出ません。この段階では心臓病を防止できるほど進行を逆転させられます。このために適切な睡眠は決定的に重要です。

睡眠不足で無症候性アテローム性動脈硬化リスクが高まる

スペイン、マドリッドの国家心臓血管研究所の研究者らは、冠動脈超音波検査とCTスキャンを用いて、中年ほぼ4,000人の動脈の状態を測定し、睡眠時間と質に関して解析しました。

一晩に6時間も寝ない(非常に短時間)人は7~8時間寝る人より無症候性アテローム性動脈硬化になる確率が27%高いことがわかりました。

睡眠中途中で目が覚めたり寝つきが悪いといった断片睡眠ではこれより長い時間寝れる人より、34 %無症候性アテローム性動脈硬化リスクが高まりました。しかし、睡眠不足でも寝すぎでも心臓のリスクに関連するので、最適な時間があるようです。

具体的には、一晩に8時間以上寝ていた女性の場合、7時間から8時間寝ていた人より無症候性アテローム性動脈硬化のリスクがほぼ二倍でした。別の観点で見ると、平均年齢46歳の被験者はその後10年から30年後に心臓発作または脳卒中が起きるリスクはそれぞれ5.9 %と17.7 %高くなっていました。

しかし、6時間以下しか寝なかった被験者の場合、このリスクは10年後では6.9 %、30年後では20.9 %にアップしていました。

「この研究では、私たちが毎日妥協している要因である睡眠を心臓病と闘うための手段の一つに取り上げる必要があると強調しています」、その研究の執筆者ホセ・M・オルドバス博士があるリリースで述べていました。さらに、「これは睡眠だけでも心臓だけではなく全身のアテローム性動脈硬化と相関することを客観的に示した初の研究でした。」

アテローム性動脈硬化はよく心臓病と関連づけられていますが、全身の動脈のどこにも発生しうるもので、その症状はどの動脈に生じるかにより決まります。脳内のアテローム性動脈硬化があると脳卒中等につながり、腎臓の異常があれば高血圧や腎不全につながり、四肢のアテローム性動脈硬化があれば抹消動脈疾患につながります。

適正な睡眠がアテローム性動脈硬化リスクを下げるということだけでも病気の予防のために重要な働きがあるとみられます。その影響は確認のための追加実験をすれば、睡眠は「食生活と運動とならんで健康なライフスタイルの必要条件」として位置づけられるほど重大であると、その関連の編集部注記にあります。

一晩に7時間以下しか寝ないと心臓病リスクが高くなる場合がある

睡眠と心臓の健康の関連性は新しいことではなく、7時間でさえもすれすれで十分な睡眠と不足の境界線です。一晩に7時間以下しか寝ない人も心臓病リスクが高く、心臓の健康に影響する年齢や体重、喫煙、運動習慣等その他の要因に関わらずあてはまります全米睡眠財団(NSF)によると:

「45歳以上の3,000人から得たデータを調べたある研究は、一晩に6時間以下しか寝ない人は、6時間から8時間寝る人より脳卒中あるいは心臓発作のリスクが二倍高いことがわかっています。

睡眠不足が心臓の健康を害する理由は不明ですが、研究者ら の把握している限り、睡眠不足が基本的な健康の状態やブドウ糖代謝、血圧、炎症等の生物学的プロセスを阻害するからではないかとみられます。」

夜間頻繁に目が覚める睡眠中無呼吸症に苦しむ人は心臓病もありがちです。睡眠中無呼吸症の女性は心臓損傷マーカーであるたんぱく質トロポニンTが多い傾向があり、心臓病のリスク要因である心臓肥大になる確率が高いです。

おそらく睡眠不足が原因で長時間シフト勤務者は心臓病リスクが高いです。ドイツのボン大学の研究者らは、被験者が3時間程しか寝なかった24時間シフト勤務前後の心臓X線画像を調べました。

睡眠不足により心臓障害の初期現象である心臓への無理が大きいことが確認されました。一晩に7時間以下しか寝ない人も喘息や抑うつ等その他の健康の異常も伴いつつ心臓発作リスクが高いです。

睡眠不足で高まる健康に悪い心臓病リスク

極めて睡眠不足になるとアテローム硬化だけではなく、体内の炎症が増大することなどいくつもの経路で心臓を害します。

「睡眠障害の人はストレスホルモンや、炎症マーカーといった心臓血管病の主な原因が高くなります。たとえ一晩でも睡眠不足すると、全身に悪影響があります」(ハーバード大学医学校睡眠医学部のスーザン・レッドライン博士)。

睡眠不足は以下のように心臓の健康に悪いいくつもの健康の問題リスクが高まります:

血圧 — 寝ているとき、血圧は「夜間低下」という自然な現象を経ます。睡眠不足がこの自然な降圧を弱め、心臓病死のリスクが少なくとも20 %高くなります。

睡眠不足で夜間血圧が高くなることは周知であり、夜間の高血圧は日中血圧より心臓病リスクをよりよく反映します。

2型糖尿病 — 極度の睡眠不足、質の悪い睡眠、さらに不眠症や睡眠中無呼吸症等の睡眠障害はいくつものメカニズムにより糖尿病のリスクを高めます。

「インスリン抵抗性、レプチン増加、グレリン増加、炎症等の生理的問題および、過食や決定能力障害等の行動上の問題、さらに喫煙や着座が多いライフスタイル、飲酒等その他の行動上のリスク要因が糖尿病と肥満(これだけでも糖尿病リスク要因)になりやすい体質にする」と、研究者らはCurrent Diabetes Reportsで指摘しています。さらに、糖尿病で心臓病リスクも高まる。

肥満 — 研究によると、睡眠不足は肥満を含む代謝疾患リスク増大につながる。夜間に平均6時間だけ寝た人は9時間寝た人よりウェストサイズが3cm以上多いことがある研究でわかっています。体重過剰や肥満の人は心臓病リスクが高いです。

睡眠障害は心臓も害する

米国連邦厚生省(疾病管理予防センター(CDC))のデータによると、アメリカ人の1/3は推奨されている一晩7時間の睡眠ができていません。睡眠障害はなかでも睡眠中無呼吸症が静かな夜間の休息ができずに苦しむ多くの人がいる原因の一つです。

推定2200万人のアメリカ人は睡眠中無呼吸症特に最も多いのが閉塞型睡眠中無呼吸症(OSA)による気道の睡眠中閉塞で、気流減少または阻害に苦しんでいます。OSAがあると、前期のように、肥満や高血圧、糖尿病といった心臓病にもつながる病気と関連します。

さらに、米国の睡眠中無呼吸症学会(ASAA)によると、中度から重度の閉塞型睡眠中無呼吸症の症例の80 %が診断されていないので、処置せずにおくと、この異常から高血圧や心不全、心房細動、脳卒中、その他の心臓病のリスクが高くなるほど危険になります。

不眠症はアメリカ人の10 %から15 %に発生しており、蔓延しています。不眠症で心臓病になりやすいだけではなく、心臓発作、脳卒中、心臓病死のリスクも高くなります。

「睡眠と心臓血管病の相関性が明らかになるに従い、睡眠障害を改善可能な第10位の心臓血管リスク要因として含めるべきであると主張うる人もいる」と、全米心臓学学会が指摘しています。

さらに、睡眠不足で害悪があるのは心臓に限りません。実際に、睡眠阻害あるいは質のよい睡眠の欠如は全体的な健康に害があり、以下の異常につながります:

自動車事故のリスクの増大

職場での事故のリスクの増大

課題を行う能力の低下

学習や記憶の能力の低下

職場での生産性の低下

職場や他の活動での創造性の低下

身体的能力の低下

2型糖尿病、肥満、がん、高血圧、骨粗鬆症、 心臓血管病のリスク増大

うつ病にかかるリスクの増大

認知症やアルツハイマー病にかかるリスクの増大

免疫機能の低下

反応時間の遅延

感情や感情的知覚の調整の減少

学校の成績悪化

胃潰瘍になりやすくなる

アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症(MS)、がんの悪化

一晩で睡眠時間を1時間減らすと、炎症、免疫亢進、肥満、がんのリスク、ストレスに関連する遺伝子の出現が増えます

通常なら、深い眠りの間に脳下垂体から放出される成長ホルモンの産生が阻害されることにより、早期老化につながります

不眠症ですか? 対策をいくつか挙げます

成人は平均一晩に7~9時間寝る必要があり、ほとんどの場合約8時間で順調です。これだけの睡眠時間を達成しにくい人または夜間頻繁に眼が覚める人は、寝室から始め、睡眠衛生をよくするために手順を踏んで行い始めましょう。

光は(夜間照明や目覚まし時計のでさえ)生物時計とメラトニンとセロトニンの分泌に悪影響し、睡眠を妨害するので、完全な暗闇の中で寝るようにしてください。

朝、明るいブルーライトが豊富な日光は身体に起きる時間であるという信号を送ります。夜、太陽が沈み暗くなると、体は寝る時間になったという信号を受け取ります。室温を涼しく約15~20℃に維持し、電磁場(EMF)を解消する。最適には、電気を消し、寝室への電力をブレーカーで切断して就寝し、WiFiは夜間オフにしましょう。

これは単なる初めの諸策にすぎません。睡眠を改善する他の方法には中立的睡眠姿勢、早寝、パートナーが睡眠の邪魔になる限り寝室を別にすることが挙げられます。これらの課題にすでに対処したことがあり、未だに睡眠に悩まされる人は、私の33個の健康的睡眠のヒントをご参照ください。そこにはよく眠れるようになる、さらに心臓と健康改善のための網羅的リストを掲げています。