亜鉛がじゅうぶん取れていますか?

亜鉛

早分かり -

  • 亜鉛は全身の器官、組織、体液に含まれる必須ミネラルで、健康でい続けるには、亜鉛を毎日食品やサプリメントから摂り込まなければなりません
  • 亜鉛は血栓、細胞分裂、免疫機能、甲状腺の健康、臭覚、味覚、視力、傷の治癒等体内の重要なプロセスを支持します
  • 亜鉛が欠乏すると酸化ストレスによる遺伝子損傷の修復能力が落ちます。食事からじゅうぶんに亜鉛その他の抗酸化物質を摂れれば、身体はフリーラジカルと効果的に闘うことができます
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Dr. Mercolaより

風邪とインフルエンザの季節だけ亜鉛について考えるかもしれませんが、この必須ミネラルは全身の器官、組織、体液に含まれます。さらに、亜鉛は体内に鉄の次二番目に最も豊富に存在する微量ミネラルです。

亜鉛は多くの生体プロセスで重要な機能をするので、身体が亜鉛を備蓄できないことは想像しにくいかもしれません。亜鉛は食品や高品質のサプリメントから毎日摂り込まなければなりません。

亜鉛は血栓、細胞分裂、免疫機能、甲状腺の健康、臭覚、味覚、視力、傷の治癒等体内の重要なプロセスを支えています。亜鉛の豊富な食品には乳製品、ナッツ、肉、海産物があります。アスパラガス、豆類、グリーンピース、ほうれん草などの植物系食品は亜鉛を含みますが、肉や動物性たんぱく質から摂る亜鉛のほうがよく吸収されます。

身体に亜鉛が必要なわけ

風邪またはインフルエンザから守ることはほんの一つのメリットにすぎず、亜鉛はまだ他に多くの体内機能のために必要です。実際には、亜鉛はこれ以外の全微量元素を合わせた以上の生体機能に係わっています。

例えば人体には亜鉛がないと正常な機能ができない300種類の固有な酵素が存在します。さらに、人体の約100,000種類のうち約3,000種類のたんぱく質は、主に亜鉛から基軸として成り立つと研究者らは推定しています。亜鉛が必要な人体の機能:

血栓の形成、傷の治癒

遺伝子転写(細胞が遺伝子の指令を解釈できるようにするためのプロセス)

臭覚、味覚

血糖のバランス

免疫系の支持

甲状腺の健康

細胞の分裂と成長

気分

視力

亜鉛は酸化ストレスからも保護し、DNA修復を助けます。一定レベルの酸化ストレスは(呼吸や消化等)生体プロセスの一環なので正常ですが、大気汚染や放射線、感情的ストレスから肥満等多くの要因で体内のフリーラジカルが増えます。

亜鉛の免疫力、気分、甲状腺への効果

前記の通り、亜鉛は免疫系、気分、甲状腺に影響します。それぞれの効果についてさらに掘り下げます。

免疫系 — 亜鉛トローチを風邪かなと思ったとき、風邪やインフルエンザまたは感染症を早く治すために取る場合、亜鉛の免疫系強化という効能をすでに認識しているからです。亜鉛は感染した細胞を破壊する機能をするT細胞や特定の白血球を活性化するために必須です。

頻繁に細菌感染症または風邪に罹るなら、亜鉛不足が考えられます。免疫強化特性があるので、亜鉛サプリメントは湿疹や体臭、フケ等の細菌による問題に対処するためにも有用です。

気分 — 抑うつになったら、亜鉛不足の兆候です。抑うつな人の血清亜鉛濃度が異常に低いことは研究からわかっており、亜鉛の欠乏により慢性的なうつ状態になりやすいことを示しています。抑うつで感情や記憶、学習中枢の一部である海馬が小さくなります。

亜鉛は感情的ストレスによる炎症から海馬を保護するので、抑うつ治療のために必須であると考えられています。さらに、亜鉛は脳の炎症や抑うつに対抗するために必須の代謝要素である、脳由来神経栄養因子(BDNF)の生産を促します。

甲状腺 — 甲状腺の健康に関連している亜鉛は。甲状腺に脳内へホルモンを分泌させ、これにより脳下垂体に甲状腺刺激ホルモンを作る信号を出します。亜鉛の不足は、T3の不足やT4がT3に変換されにくくなることに関連しており、この変換にはセレンが十分備蓄されていることも必要です。

亜鉛欠乏の4つの兆候

亜鉛欠乏は先進工業国では一般的で、少なくとも20億人に欠乏していると考えられます。さらに、米国人口のおよそ12%、高齢者の40%も亜鉛欠乏していると考えられます。

この欠乏の一部は従来農法やラウンダップ等の有毒農薬の使用による土壌枯渇が原因です。

土壌の問題を超え、亜鉛が豊富な食品を食べる人が少なく、しかも亜鉛は吸収率があまりよくありません。亜鉛濃度は必ずしも検査されるわけではないという現実、さらに利用可能な検査法が不正確なことが問題をさらに困難にしています。亜鉛検査を考える前に、欠乏しているかを知る最適な方法は以下の亜鉛欠乏でよく起きる兆候に注意することです:

  • 食欲不振
  • 抑うつ
  • 味覚や臭覚障害
  • よく風邪やインフルエンザまたは感染症に罹る

以上の他の子供における亜鉛欠乏の兆候

子供に亜鉛が欠乏すると成人によくあるのとは異なる症状が出ます。ボストンのマサチューセッツ小児総合病院小児・思春期精神科ティモシー・ワイレンズ部長による子供の亜鉛不足の主な症状:

  • 異常なフケの発生
  • ささくれ
  • 毛穴の炎症
  • 発赤

亜鉛不足を判断するための3つの普及している検査法

肉体の症状に注意するほかにも、亜鉛欠乏の判断に普及している検査法:

  • 血液検査
  • 髪の分析
  • 味覚試験

味覚試験で面白い点は、亜鉛液10 ccを口の中10秒含むことです。亜鉛液は味が強いので、亜鉛濃度が正常なら長い間強すぎる味を口内に持ちこたえられなくなるはずだからです。とても苦い味がするはずです。実際には、口に含んだとたんに吐き出したくなるはずです!

亜鉛と銅のアンバランスは健康を害しやすい

亜鉛濃度を最適にするために、医者に相談するとよいもう一つの理由は、体内で他のミネラルとの相互作用です。

人体が微量鉱物のバランスを維持するための複雑な機能をしていることに気が付いていない方が多いと思います。これらのミネラルの一部を挙げると、クロムや銅、鉄、亜鉛があります。本物の食品からなら、これらの適正バランスを維持しやすいです。

食品のミネラルは体内でバランスがとりやすく、サプリメントで取るミネラルは身体が管理しにくいです。 例えば、亜鉛過剰は銅の欠乏につながりやすいので亜鉛と銅の比に注意する必要があります。胃腸の中で両者の吸収パターンが同じだからです。

銅欠乏の症状と原因

銅欠乏は吸収不良や栄養失調、亜鉛過剰が原因で起きます。オレゴン州立大学の研究者らによると、亜鉛を摂りすぎると何種類かの金属と結合して吸収を阻害する腸内の細胞たんぱく質、メタロチオネインが生成されることがあります。

メタロチオネインは亜鉛より銅と親和性が強いので、亜鉛過剰で発生したメタロチオネインが多いと銅の吸収量が減ります。

逆に、銅を摂りすぎても亜鉛濃度に影響しないことがわかっています。銅不足のよくある症状の一つは貧血です。このため身体は従来の貧血対策である鉄を増やしても効き目はありませんが、銅を補完すると改善します。

亜鉛はADHDの症状管理に役立つか

注意欠陥障害 (ADHD)のある子供は他の子供より亜鉛欠乏である場合が多いことがいくつもの研究からわかっています。

注意力散漫や衝動的反応、精神的集中力の障害が特徴のADHDは、米国では就学年齢の児童の3~6%に発生していると推定されます。ADHDにはよく刺激性のある薬が勧められますが、亜鉛が行動を正常にするため有用であることが判明しています。

本物の食品で摂る亜鉛が最も健康的

亜鉛欠乏の症状が出て、医者にサプリメントを勧められた場合、優良製造法で品質保証している定評ある企業のものを選んでください。原材料の中立的検証は品質確保、製品に鉛その他の重金属が入っていないことを確実にするために必須です。

生態利用能をよくするには、異なる亜鉛化合物を含むサプリメントをお勧めしますが、私のよく使うのはアミノ酸と結合しているグルコン酸、クエン酸、錯体です。医療従事者から異なる方法を勧められない限り、一日の亜鉛摂取量を30~40 mgまでに限るのが最適だと思います。

亜鉛が豊富な食品:

アラスカキングカニ

ケフィール

牡蠣

アーモンド

小豆

放し飼いの鶏肉

カシュー

子羊

ポークチョップ(ロースカット)

チェダーチーズ、スイスチーズ

肝臓

カボチャの種

ひよこまめ

イセエビ

ほうれん草

草で育てた牛肉

きのこ

タヒーニ

グリーンピース

オートミール

ヨーグルト

亜鉛は朝食用穀類や栄養強化パッケージ食品に添加されていますが、お勧めできません。加工食品には栄養素が極めて少なく、上に挙げたような自然食品から亜鉛を摂り込んでください。

ベジタリアンやベーガンのための亜鉛摂取アドバイス

ベジタリアンやベーガンの場合、亜鉛濃度の最適化が難しいです。これは主として、穀類や植物系の亜鉛摂取源にはフィチン酸が含まれているからです。フィチン酸塩は豆類、穀類、ナッツや種等あらゆる植物系食品に含まれる天然の化合物です。フィチン酸は亜鉛と結合し、生体利用能が下がります。

亜鉛の吸収性をよくするには、豆や穀物、ナッツ、種は調理する前約3時間くらい60℃以上のお湯に漬けておくのがよいです。

これより高温でも低温でも効果があまりないようで、60℃前後にするのがコツです。こうしてお湯に漬けておくとフィチン酸が半減します。芽が出るまで漬けておけばフィチン酸はさらに減少します。

亜鉛: 推奨日量

MedlinePlusは普通の風邪の治療にはグルコン酸亜鉛または酢酸亜鉛のトローチを起きている間に2時間おきに取ることを勧めており、これで一日に9~24 mgの元素亜鉛が得られます。トローチを口の中で溶かし、風邪の症状がなくなるまで続けましょう。酢酸亜鉛はこのために使う最適な亜鉛化合物です。

風邪の症状対策以外にも、亜鉛を適量摂ることは大人にも子供にも必要です。子供の場合特に、亜鉛が少しでも不足すると成長が遅くなり、下痢、感染、呼吸器疾患リスクが高くなるので、十分に亜鉛を摂り込むことが大切です。亜鉛の年齢別推奨日量:

性別/年齢 推奨日量

1歳から8歳(男女)

3~5 mg、年齢に応じて増える

9歳から13歳の女子

8 mg

14歳から18歳の女子

9 mg

19歳以上の女子

8 mg

妊婦、授乳期

11~13 mg、年齢による

9歳から13歳の男子

8 mg

14歳以上の男子

11 mg

食事で推奨日量を摂るための目安までに、いかに普通に手に入る食品の亜鉛含有量を挙げます:

ローストビーフ厚切り、脂肪を落とした蒸し煮、84 g — 7 mg

アラスカキングカニ、煮物、84 g — 6.5 mg

牛ひき、脂身無し、84 g — 5.3 mg

イセエビ、煮物、84 g — 3.4 mg

脂のない豚ロース、煮物、84 g — 2.9 mg

野生の米、炊、1/2 カップ — 2.2 mg

グリーンピース、煮物、1 カップ — 1.2 mg

プレーンヨーグルト、224 g — 1.3 mg

ピーカン、28 g — 1.3 mg