血圧検査は通常誤り

血圧

早分かり -

  • 一般的な血圧測定法は身体の姿勢や、活動、神経質であるかどうか、バンドのサイズやバンドの位置などの要因が検査結果に影響するので、不正確であることを最近のある研究が実証しました
  • 標準的治療はリスクがないわけではないので、一酸化窒素ダンプ、糖分/果糖の削減、加工食品の回避、間歇的絶食等で血圧を管理するライフスタイル戦略を利用してください
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Dr. Mercolaより

血圧とは酸素化された血液を循環させるため心臓から動脈に血液を押し出すために必要な力です。血圧測定値は高いほう(収縮期)と低い値(拡張期)があります。

通常、高いほうの収縮期血圧が動脈硬化度と血液循環のために必要な圧力の尺度です。これが心臓血管病の主なリスク要因です。しかし、個別にみれば、収縮期あるいは拡張期血圧が高いだけで高血圧診断はできます。

40歳から89歳の人において、心臓病と脳卒中による死亡リスクは収縮期血圧が20 mmHgごとまたは拡張期血圧が10 mmHgごと上がるにともない二倍になることを近年の研究が明らかにしました。

収縮期血圧が140 mmHg以上で拡張期血圧が90 mmHg以上のとき、高血圧あるいは高血圧症と診断されます。しかし、高血圧症なので治療が必要という判断に至るためには医者がまず血圧を正確に測定しなければなりません。

一般的血圧測定法は不正確

一般的血圧測定法は1881年に発明され、1905年にロシア人外科医Dr.ニコライ・コロトコフが収縮期と弛緩期血圧の相違を発見したときその測定法が高度化しました。

今日でも血圧計でコロトコフ音という動脈内の音の出現と解消の間の差を測るのが標準的血圧測定法となっています。

血圧バンドは通常上腕動脈圧力を測定しますが、大腿部の大腿動脈でも測定できます。

しかし、中枢動脈圧(CBP)測定値のほうが心臓血管病をよりよく予測できるマーカーであり、脳や腎臓などの器官に掛かる圧力をよく示します。CBP測定法の不利な点は侵撃的な方法であることです。

中枢動脈圧と末梢(腕や脚)圧測定の間に存在する差異が高血圧症の治療や薬の処方判断の決定を左右するので、二つの測定法の差異を比較するためある研究が行われました。

1950年から2016年までの2,500人以上のデータを使用し、血圧バンドによる測定値と侵撃的中枢動脈圧法の測定値を比較しました。

その結果、血圧が120/80より低いか160/100より高い限り、末梢バンド測定法は侵撃的CBPの基準値と比べてうなずける精度があることがわかりました。リスクの最大最小範囲で精度は最大80%でした。

しかし収縮期が120から159 mmHgで拡張期が80から99 mmHgの中間領域にある他の人々の場合、測定精度は50%から57%の間に劇的に減少しました。

不正確さはいくつかの要因による

その研究は遡及的に行われたので、血圧測定値の不正確性の原因はわかりません。しかし測定値が可能な限り正確であるため、血圧精度に影響するいくつかの注意すべき要因が存在します。

バンドのサイズ — バンドのサイズによって血圧測定値は大きく異なってきます。バンドのサイズはバンドに印字されている腕周囲の範囲に適合します。サイズが小さすぎると収縮期の値が10 mmHgから40 mmHg高く出ます。

バンドの位置 — バンドは腕に直に巻かなければならず、縁を心臓の高さに揃え、肘から約2.5cm程度上の位置にしなければなりません。シャツの袖を腕から抜き取り、巻き上げてはなりません。

聴診器を使うときの聴覚 — 今日病院やクリニックで使用される血圧装置の多くは自動化されており、上腕動脈のコロトコフ音を人が聞く必要がありません。

しかし、今でも多くの人が上腕動脈の音の変化を聞きながら血圧を測定しています。聴覚障害がある人は音の変化を正確に聞けないと、異常な測定値を記録する傾向があります。

装置の校正 — 自宅で測れる装置や自動装置は正確な値を得るため正確に校正されていなければなりません。ある研究は自宅用測定製品の中には、患者の15%まで不正確なことを実証しました。こうした装置の測定値は治療推奨に影響します。

体の姿勢 — 体の姿勢は末梢血圧測定値の精度に大きく影響します。正しい姿勢は床に両足を着けて、背中を椅子に寄り掛け、両脚を少なくとも5分組まずにいて、座っている間腕を置いていることです。

活動 — 測定中に血圧を計っている人と話すと収縮期血圧が10 mmHg上がり、膀胱がいっぱいでも収縮期の値が10 mmHg高くなる傾向があります。血圧を計るまでに、3分から5分安静に座り、測定前少なくとも30分前には運動をしていないことが前提です。

水増し高血圧症 このケースでは、血圧が一定して140/90 mmHg以上でも自宅ではいつも低く出ます。人によっては血圧が一時的に高く出るので医者に行くこと自体がストレスの多い体験です。高血圧で記録されている人の推定15%から30%は水増し高血圧症です。

ニコチン、カフェイン、アルコール — 血圧を測定する30分前までにこれらをすべて摂らないことが必要です。

高低両方の値ともに健康リスクを示す

健康の損害を予防し、血圧を適切に監視するには、血圧測定が正確でなければなりません。異常に高くても低くても健康リスクを示します。また、低血圧が以下のような症状につながっていれば医者は懸念をいだきます:

めまい

吐き気

失神

異常な渇き

集中力の欠如

かすみ目

冷たくじとじとした皮膚

速く浅い呼吸

倦怠

低血圧は長時間ベッドで安静にしていたり、妊娠や血液損失、内分泌の異常あるいは栄養失調による場合が多いです。高血圧は心臓血管病、腎臓病、視覚喪失、脳卒中、性的機能の潜在的リスクを高めます。

低血圧症状を体験している間、高血圧の直接的症状はあまり出ません。このため初期症状は脳卒中や心臓発作になりうるのでサイレントキラーと呼ばれます。

血圧測定せずに高血圧症リスクを評価できる

医者の診断を受けずに、高血圧症リスクを測る非侵撃的方法は胴回り対ヒップサイズ比を測ることです。研究では、ウエストのサイズが肥満関連の高血圧の危険を評価するための有効な手段となりうることが示されています。

ウエストとヒップの比率が高い場合、つまり、股関節部より、ウエストのまわりのより多くの脂肪がついている場合においては、肥満関連の高血圧の危険が高まります。

ウエストとヒップの比率を計算するには、お尻のまわりの一番広い部分の股関節部と、ちょうどおへその上で自然なウエストの最もくびれている場所を測定します。次に、ヒップの測定値でウエスト測定を割ってください。

マヨクリニックは以下の胴回り対ヒップサイズ比を基に健康リスクを評価しています:

胴回り対ヒップサイズ比の基準

性別 たいへんよい よい 平均 リスク領域

<0.85

0.85~0.89

0.9~0.95

>0.95

<0.75

0.75~0.79

0.8~0.86

>0.86

高血圧症は通常インスリンとレプチン抵抗性の症状

通常の場合、高血圧はインスリンとレプチン抵抗性の症状です。つまり、大多数の人は、高血圧症薬の副作用を避け、食生活やライフスタイルを変えることで血圧を正常にできることを意味します。

しかし、今薬を飲んでいれば、血圧を正常範囲に戻しつつ脳卒中や心臓発作リスクを下げるために食生活を変えつつ薬は続ける必要があります。

高炭水化物、加工食品が多い食生活の主な帰結はインスリンとレプチンの過剰生産です。これらが増えると、血圧も高くなります。尿酸値上昇も高血圧症に関連します。つまり選択するプログラムはインスリン感度と尿酸値を正常にすることも目指す必要があります。

面白い点は、過剰な糖分と果糖を一切無くすとこれらの問題が早く解決します。

高血圧症の標準的治療はリスクがないとは限らない

ベータ遮断薬は高血圧症によく使われる薬ですが、心不全や心筋梗塞(心臓発作)、じん不全、抑うつ状態、虚血性大腸炎などの多くの副作用があります。利尿剤は体内の過剰な液体を減らすのに役立ちます。これにはスティーブン・ジョンソン症候群、聴覚障害、腹痛、動脈痛などの副作用があります。

カルシウム チャネル阻害剤は一種の高血圧対策に使われる薬の一つですが、水腫や眩暈、鼻血、発赤、耳鳴りなどの副作用があります。血圧管理のために処方される薬はすべてなんらかの副作用を伴います。

一酸化窒素ダンプこそ有用

運動は血圧を正常にするために大切なライフスタイル戦略です。一酸化窒素ダンプ運動はたった3分ででき、一日に2回から3回すると効果的で、少なくとも間に2時間間を置くことです。

以前の記事ではHIITについて説明してきましたけれども、私は今やこの優しい戦略が不利なことがなく、HIITの効果を得られる健康的戦略であると確信しています。

もっと早くこの効果的な方法を知っていたらよかったと反省しています。この種の運動は血管の内皮細胞に貯蔵されている一酸化窒素 (NO)の放出を刺激して以下のような効果があります:NOは効果的に:

  • 血管を弛緩させ広げるので、血圧が下がる
  • 免疫機能を刺激してよくする
  • 血液の粘度を軽減し、血小板凝集を軽減し、脳卒中や心臓発作リスクを減らす
  • 強力な同化的刺激があるので正味体質量が増える

血圧管理はライフスタイルの変化から始める

血圧を正常化するために最も効果がある方法は健康的なライフスタイルを実践することです。高血圧は通常インスリン抵抗性と関連しています。インスリンは体内にマグネシウムを貯蔵するのを助け、これで筋肉が弛緩できます。細胞はインスリン抵抗性が出ると、マグネシウムを貯蔵できなくなり、血管収縮や血圧増加につながります。

トランス脂肪はアテローム硬化(動脈硬化)の原因であることは今や明白です。これはもう一つの高血圧症の原因なので、トランス脂肪あるいは水素化脂肪を一切とらなくするとアテローム硬化を予防できます。マーガリンやサラダ油、バター状のスプレッド、焼き物がこれに含まれます。

血圧が高い場合は、インシュリンおよびレプチン感受性を回復する必要があります。また、次の5つの戦略がその最も有効なもののです:

加工食品を避ける(ほとんどに糖分/果糖、穀類、有害な脂肪、人工成分を含む)。

本物の食事をする、最適なのは有機で地元産を食生活の基本にする。

炭水化物ではなく健康によい種類の脂肪を摂り込む。食事に加えるべき健康的な脂肪の供給源は、以下のとおりです。

アボガド

バター(生の草で育った有機乳からから作ったもの)

草で育てた乳製品

有機的解放飼育で育った鶏の卵黄

ココナッツ、ココナッツオイル

非加熱有機ナッツオイル

ピーナツやマカダミアなどの生のナッツ類(たんぱく質が低く、健康な脂肪を多く含んでいます)

草で育てた食肉や放し飼いで育てた鶏肉

間歇的絶食は、インシュリン/レプチン感度を標準化するうえで、私が見つけた最も有効な方法のうちの1つです。それは、従来の意味の治療食ではなく、むしろ効率的なエネルギー消費を促進するように食べる方法です。

要は、間歇的絶食とは一日分のカロリーをすべて狭い時間枠で摂ってしまい、後の時間は何も食べずにいることです。食事する時、体はインスリンとレプチンの上昇に反応します。

でんぷん系炭水化物はタンパク質よりインスリンをはるかに増加させますが、これは脂肪は消化のためにインスリンが不要だからです。日常糖分の多いスナックを食べ(飲む)ていれば、インスリン/レプチン濃度が慢性的に高止まりになり、高血圧になりやすいです。

インスリン/レプチンに感度がよいほど、食品を効率的に利用する可能性が高く、このためインスリン抵抗性が改善し、減量したり筋肉をつけることが可能になります。絶食後にインスリンやレプチンに対して最も感受性が高まります。(絶食すると成長ホルモンの分泌も促され、これは減量や筋肉成長のためのもう一つの重要な要素です。)

日常の運動運動の間には鼻で呼吸をしてください。運動の間に鼻呼吸ではなく口呼吸をしてしまうと、心拍数と血圧が上がり、疲労とめまいが起こることがあります。これについて詳しくはビューテイコ呼吸法についての以前の記事をご参照ください。