Dr. Mercolaより
食事から摂る鉄分はタンパク質や酵素の主要成分、エネルギー生産や細胞の成長や分裂の調節を中心に重要な機能をし、最適な健康のために必須ですが — 体内に鉄が多すぎると深刻な影響が生じます。鉄の最も重要な機能の1つはヘモグロビン(赤血球細胞内のタンパク質)を供給することで、このメカニズムによって鉄が酸素と結合して組織全体に通わせます。
正常に酸素化されないと細胞は正常に機能しなくなり、結局死にます。鉄不足のよくある症状には倦怠感、免疫力低下、鉄欠乏貧血などがあり、放っておけば重大な問題につながります。
しかし、身体から排出できる鉄の量は限られており、組織や器官に溜まります。鉄は強力な酸化剤なので血管や脳等の組織を損傷するため心臓病や認知症ともにリスクが高くなり、問題が多いです。
アルツハイマー病が脳内のアミロイドβプラーク蓄積と関連していることはおそらくよくご存じでしょう。オランダの最近のある研究によると、鉄蓄積は脳内に錆を発生させ、重要な機能をし、ほとんどのアルツハイマー病患者に共通します。
このため余分な鉄に対処するのは効果的な処置方法です。従来の治療では、アミロイドタンパク質を解消することに注目してきましたが、このアプローチは論理的でしょうけれども、成功はごく限られました。今や、研究者らは過剰な鉄分の解消が損傷を減らし、アルツハイマー病の進行を遅くするあるいは予防するために、効果的方法であることを示しました。
鉄欠乏あるいは貧血はよく検査されてきましたが、多くの医者は鉄過負荷の危険性について誤った情報をいまだに持っており、実際にはこの事実のほうが一般的な問題なのです。実際に、ほとんどの男性と閉経後の女性は、鉄を減らすために血液を失うことが主な方法なので、鉄過負荷のリスクがあります。以下のことも過剰な鉄につながったり悪化させます:
体に、過剰で危険なレベルの鉄が蓄積する血色素症と呼ばれる遺伝病があります。米国で推定1億人、3.5人のうち1人は血色素症の一つの遺伝子があります。およそ100万人が両方の遺伝子変異体を持っています。これは肝臓病合併症になる遺伝子型と考えられます。
血清フェリチン検査は蓄積された鉄を測定します。ほとんどの成人は、血清フェリチン検査を年一回は受けて多すぎず不足もしていないことを確認することを真剣に考えるべきだと思います。(その他多くの検査サービス同様)血清フェリチンの「標準」範囲は全く最適な濃度ではありません。一部の検査会社では、鉄濃度200から300 ng/mLが女性と男性それぞれについて正常範囲としますが、これは最適な健康のためには高すぎます。
成人男性や閉経後女性の最適濃度は40~60 ng/mLの範囲です。20 ng/mL未満や80 ng/mLを超えないように維持しましょう。健康な鉄濃度の維持は妊娠中にも非常に重要です。60~70 ng/mLあると妊娠の結果がかんばしくない確率が高まります。しかし、妊娠中の鉄欠乏も同様に問題が多いです。臨床検査で鉄欠乏の判断基準としてよく使われるのは12~15 ng/mLです。
もう一つ行う価値がある検査は血清中肝臓酵素γグルタミルトランスペプチダーゼ(GGT)テストです。肝臓の損傷を見るため通常利用されていますが、この検査は過剰な遊離鉄を見るスクリーニングマーカーでもあり、突然心臓死リスクのとてもわかりやすい指標です。
女性にとって、健康なGGTレベルは約9U/L(1リットル当たり単位)です。しかし一般に「通常の」GGT検査の女性の最高値は40~45 U/Lです。疾病障害研究所(Disorders Institute)と血色素症基金のジェリー・キーニグ前会長によると、GGTが30 U/Lを超える女性はがんや自己免疫疾患のリスクが高いです。男性の場合16 U/Lが最適ですが、検査会社によっては正常範囲が65~70 U/Lであることもあります。
最後に、上記の点と等しく重要な点は、トランスフェリン飽和度%検査もフェリチン高濃度状態がよくわかります。最適なのはこの値が30から40%であるべきです。40%を超えると、鉄過負荷状態であり、おそらくミトコンドリアを損傷しており、現実問題として対策を取らなければなりません。
鉄濃度が高すぎれば、最も簡単で最も効果的な方策は輸血することです。成人男子の場合、鉄濃度が正常に戻ってから年に2~3回献血するとよいでしょう。輸血できない場合、医師から治療としての瀉血処方を受けることはできます。
さらに、ビタミンCは鉄の吸収を促すので、ビタミンCが多い食品と鉄が多い食品を食べ合わせないことです。アルコールも食事から摂る鉄分の吸収を促すので、飲まないのが無難です。一方、カルシウムは鉄と結合し、吸収を制限するので、鉄濃度が高い傾向にある限り、カルシウムが豊富な食品を鉄が豊富な食品と食べ合わせると助かります。
研究者らは鉄のキレート化方策を視野に入れますが、私はお勧めしません。例えば、フィチン酸塩やフィチン酸(IP6ともいう)を使って鉄吸収を阻害し、鉄の錯体を排出すると亜鉛欠乏等他のミネラル不足になりがちです。これよりずっと安全な代替策はクルクミンです。クルクミンは強力な鉄のキレート化物質として機能し、鉄が多い限り有用なサプリメントです。
血清フェリチンが増えるβ型地中海貧血の私は、フェリチン濃度を健康的濃度に維持するため治療的採血を頻繁に利用せざるを得ませんでした。その後二年ほど経た現在、採血処置をしておらず、最適なデトックスプログラムのみを行い、フェリチンが通常35から40 ng/mLを維持しています。
このプログラムについての本を書ければよいと思っていますが、2020年やおそらく2021年までは無理だと見込んでいます。というのも、世界で最も卓越した専門家数人と協力して進めており、目的は世界初の最もよいプログラムを生み出すことだからです。
デビッド・パールマター博士(神経学者、「Grain Brain」や「Brain Maker」の著者)によると、インスリン抵抗性を促すものは結局はすべてアルツハイマー病リスクを高めます。これに加え、私ならミトコンドリア機能を促進する方策がリスクを下げることを追記させていただきます。2014年に、ブレデセン氏はアルツハイマー病の予防と処置のためのライフスタイル選択の効果を実証した論文を公表しました。
36個の健康的なライフスタイルのパラメータを高めることで、10人のアルツハイマー病患者のうち9人を同氏は逆転させることができました。これらのパラメータには運動、ケトン食、ビタミンDやホルモンの最適化、よく寝ること、瞑想、デトックス、グルテンと加工食品を一切食べなくすることを含みます。このプログラムを詳しく説明している同氏の論文全文をウェブからダウンロードできます。次に私が最も有用で重要であると考えるライフスタイル戦略をいくつか取り上げます:
1. 本物の食品、最適なのは有機を食べる
2. 炭水化物ではなく健康的脂肪を摂る
3. 空腹時インスリン濃度を3未満に維持する
4. オメガ3レベルの最適化 — 最適なのは年一回オメガ3指数検査を受けて健康的範囲にあることを確認する。オメガ3指数は8%を超え、オメガ6:3比は0.5~3.0であること。
5. 硝酸塩が豊富な物をよく食べる — ビートやその他、アルグラ等の硝酸塩が豊富な食品から脳にとてもよい効果が得られ、アルツハイマー病と闘うために強力な味方になります。
6. 腸内フローラを最適化する
7. 間歇的絶食 — 間歇的絶食は脂肪をいかに燃やせばよいか、さらにアルツハイマー病の主な寄与要因でもあるインスリン/レプチン抵抗性を修復する方法を肉体が覚え始める強力な起爆剤になります。努力して食べない時間を延ばし、一日のうち20時間絶食する間歇的断食を一か月続けられたら、柔軟な代謝ができるような体質になっており、脂肪を主な燃料として代謝するようになっています。次に、5日間水だけの強力な断食に進むことができます。
8. 終日規則的かつ一貫して動き回る
9. マグネシウム濃度の最適化
10. 日常適度に陽に当たることでビタミンD濃度を最適化する
11. ビタミンB12が豊富な食品を食べる
12. 水銀を回避し体から解消する
13. アルミニウムを避け体から解消する
14. スタチンや抗コリン性薬物を避ける
15. 危険な電磁場(携帯電話、WiFiルーター、モデム)への暴露を制限する
16. 睡眠の最適化
17. 心に挑戦する課題を毎日作る
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