マグネシウムは主に心臓、筋肉、腎臓をはじめ、ほぼすべての細胞や器官で使用される最も重要なミネラルの一つです。食物からマグネシウムをなかなか十分に摂りにくいと感じている方は、マグネシウムサプリメントで欠乏を補うとよいかもしれません。
市販のなかでもっとも人気があるマグネシウムサプリメントは塩化マグネシウムです。実際にこの製品は効能や効果が高いので、「マグネシウム化合物のつわもの」と呼ばれます。このサプリメントのメリットや使い方やマグネシウムの形態が健康に実際に最適かについて判断できるように以下ご説明します。
塩化マグネシウムはマグネシウムイオン1個と塩素イオン2個が化合した自然の無機化合物です。この化合物は死海などの塩分が多い所から通常抽出されます。
無水物および複合水和物の結晶形態として存在します。無水物の結晶形態のほうが多く存在しており、複合水和物の結晶形態すなわち塩化マグネシウム六水和物は蒸発工程から生産され、通常は浴用や足浴用のマグネシウムフレークとして販売されています。
塩化マグネシウムは第一次世界大戦のとき、フランスの軍医ピエール・デルベが消毒剤として使用したとき初めて医薬用に応用されました。今ではこの化合物はサプリメントとしてマグネシウム欠乏の補完や、全身の健康改善のために利用されています。
塩化マグネシウムサプリメントには元素マグネシウムが12%しか含まれず、酸化マグネシウムやクエン酸マグネシウムなどのマグネシウムサプリメントより少なく見えます。しかし、Magnesium Research誌に掲載されたある研究は、塩化マグネシウムのほうが酸化マグネシウムより有機マグネシウム塩と同じほど生体利用能があるので、吸収性に優れることを示しています。
塩化マグネシウムは体内のマグネシウム濃度を最適にすることができるので、以下のようなメリットがあります:
心臓の健康をよくする
脳、筋肉や神経の機能を最適にする
精神的、肉体的にリラックスできる
骨の健康増進
血糖値を下げる
消化が良くなる
免疫力が強くなる
偏頭痛が起きにくくなる
睡眠の改善
塩化マグネシウムはフリーラジカル解消に有用であり、腫瘍や動脈硬化、前立腺の異常、腸障害、腎結石などいくつもの疾患リスクを下げます。
吸収性がよい塩化マグネシウムはマグネシウムの経皮投与にに利用されています。オイルやローション、浴用パウダーとして利用可能であり、筋肉痛や皮膚の異常を治すために局部的に直接塗れます。
2017年、PLOS ONEに掲載されたある研究によると、塩化マグネシウムは抑うつ状態の管理にも有用です。この研究は軽度から中度の抑うつ状態にある126人の成人を対象にして行いました。被験者は6週間にわたり塩化マグネシウムを飲んだら、中には2週間ですでに気分がよくなりはじめた人もいたほど症状が際立って快方に向かいました。
塩化マグネシウムの効能を数本の研究が試験したところ、ほとんどの研究でよい結果が出ています。例えば2008年に実施されたある研究は、マグネシウム欠乏症の初期2型糖尿病患者において抑うつ状態の治療に対する効能に注目しました。塩化マグネシウムサプリメントを毎日投与したら、抑うつ症状が快方に向かったのでこの化合物が精神安定化作用があることが確認されました。
Journal of Diabetes, Obesity and Metabolismに掲載されたある研究は塩化マグネシウムにはインスリン感度を高めるよい効果があることを確認しました。この研究は体重過剰だが糖尿病ではない患者にマグネシウムサプリメントを経口投与しました。この試験後、空腹時血漿中ブドウ糖とインスリン感度の指数が大幅に改善したので、塩化マグネシウムがインスリン抵抗性と2型糖尿病の阻止に有用なことがわかりました。
イギリスの薬草研究センターが実施した研究は、塩化マグネシウムの経皮投与の効能についても分析しました。この研究では、患者が12週間にわたりマグネシウムの経皮投与を受けましたその結果、塩化マグネシウムは細胞内のマグネシウム濃度を高め、デトックスを促すことが判明しました。
塩化マグネシウムはマグネシウム欠乏対策に効果がありますが、最適なマグネシウムサプリメントであると私は考えていません。
マグネシウムサプリメントとしては、スレオン酸マグネシウムのほうを塩化マグネシウムよりお勧めしています。スレオン酸マグネシウムサプリメントならミトコンドリアの膜を含む細胞膜を通過するので、エネルギー生産量が増えます。さらに、血液脳関門も通過し、記憶力改善に有用です。
塩化マグネシウムよりさらに優れる点は、下剤のような影響がないことです。吸収率が高く、お腹を下すことがなくマグネシウムの濃度を高められます。
その他のマグネシウムサプリメントと同じように、塩化マグネシウムでも便ゆるくなります。また、このサプリメントでは稀に救急処置を要するほどの重篤な副作用が出ることもあります。以下は重篤な副作用の例です:
皮疹、かゆみ、腫れなどのアレルギー反応
胃のもたれなどの不快感
めまい
息切れ
衰弱
重症の下痢
以下のような異常があれば塩化マグネシウムは避けてください:
塩化マグネシウムは以下のような薬と反応し干渉する:
抗生物質
リン酸ナトリウムセルロース
ジゴキシン
スルホン酸ナトリウムポリスチレン
テトラシクリン
ビスフォスフォネート
これらの薬を服用中の場合、塩化マグネシウムを飲む前に医者に相談して自分の状態に合うのか判断してください。
マグネシウム欠乏を補うためにサプリメントだけに頼るのはお勧めできません。体内のマグネシウム濃度を維持するために最適な方法はこれが豊富な健康的食材から摂り込むことです。以下のような緑葉野菜はマグネシウムが豊富です:
ほうれん草
ブロッコリー
寒天の乾物
ケール
芽キャベツ
スイスチャード(不断草)
チンゲン菜
かぶの葉
マグネシウムが豊富なその他の食品には、アボカド、天然捕獲アラスカサーモン、かぼちゃ、甘味無添加のココアがあります。
マグネシウムサプリメントの効果を引き出すにはカルシウム、ビタミンK2、ビタミンDの摂取量を追跡する必要があります。これら4種類の栄養素が相乗効果を上げて最適な健康的メリットを得られるからです。
カルシウムはマグネシウムによる筋肉の弛緩効果を調節します。ただし、カルシウムを摂りすぎると、心臓発作や脳卒中、さらに致死もありえるので、マグネシウムとカルシウムの比を1:1に維持してください。さらに、ビタミンK2を増やすと、過剰なカルシウムによる健康へのリスクが下がり、ビタミンDはカルシウムとマグネシウムの吸収改善に有用です。
栄養素のバランスよく獲り込むことで、ビタミンやミネラルのメリットを得やすくなるだけではなく、バランスの崩れた栄養の取り方による合併症リスクも起きなくなります。
問: 塩化マグネシウムの化学式は?
答: 塩化マグネシウムの化学式は、MgCl2すなわちマグネシウム原子1個と塩素イオン2個からなります。
問: 塩化マグネシウムの利用目的は?
答: 塩化マグネシウムは、マグネシウムの欠乏を補うためのサプリメントとして主に利用されています。局部に塗ると筋肉痛の緩和、皮膚の状態改善、アトピー性皮膚炎の炎症軽減に効きます。
問: 塩化マグネシウムの製法は?
答: Resources, Conservation and Recycling誌に掲載されたある研究によると、海水から取ったにがりを原料に塩化マグネシウムを作るには、焼成石灰石を使い水酸化マグネシウムを沈殿させ、これを塩酸処理して塩化マグネシウムに変えます。
問: 塩化マグネシウムの体内での機序は?
答: 塩化マグネシウムは体内のマグネシウム濃度を高め、神経機能の改善や血糖値の低下、心臓の健康増進、情緒安定を中心としたいくつもの健康的なメリットがあります。
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