Dr. Mercolaより
何にでも旬があり、ウィルスにも同じことが当てはまります。普通の風邪かインフルエンザウィルスかを問わず、秋にその季節が始まります。12月までにはウィルスが猛威を振るい2月にピークに達します。しかし、南半球は北半球の大部分が春から夏になる頃、冬になっていくので逆の事情があります。
今世界に広まっている新型コロナウィルス(COVID-19)を把握するにはインフルエンザを起こすウィルスについて基本的なことをおさえておくとよいです。興味深いことに、インフルエンザウィルスとCOVID-19は熱に弱い脂質の層など同じ特徴があります。
「インフルエンザ」という用語は元はイタリア語で「寒さの影響」とか「寒気の影響」という意味でした。しかし、寒い時期に感染率は高いですが、通年で風邪やインフルエンザに感染する可能性があります。
その他の呼吸器ウィルスはインフルエンザの季節に蔓延し、同じような症状を起こします。呼吸器合抱体ウイルス(RSV)は幼児に重度の病気を起こし、米国疾病管理予防センターによれば「65歳以上の呼吸器疾患による最も多い死因」だそうです。
インフルエンザは普通にあり研究も進んでいますが相変わらず致死症を起こし続けています。年によって推定値は変動しますが、CDCの2018/2019年の季節についての推定値によると、インフルエンザに3,550万人が罹り、490,000人が入院、34,200人が死亡しました。しかし、実際には「子供のインフルエンザ死はCDCに報告されるだけで、成人のインフルエンザ死は全国的に報告されていないので」これらは推定値に過ぎません。
疾患と死亡統計の精度をよくするため、研究者らは、インフルエンザによる致死症のほとんどが肺炎によるので、肺炎とインフルエンザによる死亡数に風目します。2018/2019年時のインフルエンザ期にCDCは肺炎とインフルエンザによる致死率が10週間での流行病判断基準に達したかそれを超えたことを特定しました。
2017/2018年期では16週間で流行病判断基準値を超え、4週間では10%を超えていました。これらの数値はゆゆしきものですが、統計は発症した人か診察を受けた人に基づいていることを把握することが重要です。COVID-19でも同じく無症状のままのインフルエンザ保菌者は多くおり、周囲の人に感染させる場合はあります。
Harvard Health Publishingによると、20%から30%の人は無症状のウィルス保菌者であるようで、イギリスのあるコミュニティー対象研究のデータによると、「インフルエンザに感染しても大部分の人は無症状のまま」だそうです。このことは研究者らはCOVID-19について特定している事実と同じです。
新型コロナウィルス潜伏者の約80%は無症状か診察の必要はない程度の軽微な症状が出ています。世界保健機関によると、残り20%については、13.8%に血中酸素飽和度93%以下の重篤な呼吸促迫と定義されている重篤な発症がありました。
ピークの週に10%にも及びうるインフルエンザ死のパーセントとは異なり、COVID-19統計によると世界的な「自宅退去」により世界的発症率が4%から5%に留まっていることが示されています。当然これは国により高率や低率があるので、世界平均値にすぎません。ジョンズ・ホプキンズのマップで統計の変化を追跡できます。
このマップに含まれるのは、報告ベースによるCOVID-19陽性と検査で出た人数であり、発症者や無症状の合計数ではないことを忘れないでください。一人でも死ねば多すぎるのですが、人と距離を保ち、よく手を洗い、ウィルス拡散のし方を把握することで肺炎やインフルエンザによる致死率が低いままで推移するでしょう。
インフルエンザの季節によくみられる医療手段の制約が現在、同じ呼吸器障害を起こすCOVID-19により輪を掛けて高まっています。これらの事実はニュースの見出しや新たなニュースを読むとき把握しておくべき重要な事実です。
環境温度に基づく季節性があるインフルエンザと同じく、科学者らはCOVID-19についても同様であろうと予測しています。研究者らはは中国政府がウィルス拡散の対抗措置を開始した1月24日より前の1月21日から1月23日の感染率を調べました。これにより科学者らはウィルスの自然な制約されない蔓延データを得ることができました。
勃発当初、気温が低く、乾燥した地域では温暖で高湿度の地域より感染者数が多いことを特定しました。2月8日から2月29日までに20症例を超えた14か国のデータは重度が温度と湿度に依存することを明らかに示しています。両方とも高いとその時期の重度は軽いことがわかりました。
温暖な天気で発症率が下がり医療資源制約が軽減するものとみられるかは疑問です。
通常この種のウィルスには季節性がなく、しかも、BBCの報告するように、世界的流行病に季節性のパターンはないように見えます。ストックホルムのカロリンスカ研究所で感染病管理のヤン・アルバート教授は季節性があるかについて調べました:
「Covid-19が結局地域的流行病になるものと予想しています。その頃季節性が現れないとしたら、実に驚くべきことになるでしょう。大きな疑問点はこのウィルスの[季節的]感度が世界的流行病として蔓延し続けなくなるか否かです。確かなことはわかりませんが、おそらく蔓延が収まるであろうという印象は持っています。」
風土病的感染症は長年、人口に移行し続けた病気でした。コロナウィルスの多くはこうした風土病であったし、季節変動に反応してきたので、研究者らは春や夏になればCOVID-19も同様に反応するであろうと期待しています。
世界中の専門家によるこの病気の推定感染率は2.0から2.5、すなわち、一人感染すると2人から2.5人に移ることを意味します。
研究者らが夏に感染率が下がると見る根拠の一つは湿度の上昇です。ドイツの実験臨床感染病研究所(ハノーバー)のウィルス専門家トーマス・ピーチマン氏によると:
「このウィルスの特異的な点は人類が初めて直面したことです。中国のデータに基づく限り、このウィルスは動物から人間に最初に感染してそこから広がったようであると結論しうると考えています。
ウィルスは低温では安定性が高いです。これは冷蔵庫の中で長期保存できる食品と同様です。寒く乾燥した冬にウィルスを含む微小な飛沫は湿度が高いときより空気中に長時間漂います。」
データに基づく限り、インフルエンザと同じく、COVID-19でも女性のほうが男性より生存率が高いです。男女とも同率で感染したように見える一方、致死率は男性のほうが高いです。New York Timesは中国CDCがCOVID-19の致死率が男2.8%、女1.7%であることを示した分析を公表したと報じています。
研究者らはSARSやMERSウィルスの勃発でも同じことを特定しました。感染症に対する免疫応答が女性のほうが優れることにこの性差があるものと一部の専門家はみています。
インフルエンザの予防注射でリスクが下がると思うかもしれませんが、効果は通常50%もありません。予防注射よりビタミンD濃度に注意することで重度や感染度を削減できる可能性が高いです。感染症の増減は3つの要因に基づき、うち2つが免疫系に関するものであると多くの人は考えます:
1981年に遡ると、研究者らは当時インフルエンザ流行の背景に季節的原因があることを提唱していました。公表文献を見直した結果研究者らは、通常夏に頻繁ですが季節的にじゅうぶんビタミンDが生産されても冬になると欠乏することに注目しました。
この欠乏により子供たちは呼吸器感染症に罹り易くなります。さらに成人がインフルエンザウィルスに感染してもビタミンDが不足していると発症しやすいことを特定しました。1981年に提唱された季節的な刺激がビタミンD欠乏に関連しているとその研究者らは結論づけました。
一部の科学者らは、ビタミンDは免疫系に関与する遺伝子を活性化するカテリシジンというもう一つの分子を誘発することを示しました。GrassrootsHealthのサイトに数件の無作為化対照試験により、仕組みに関わらずビタミンDがインフルエンザに罹るリスクを下げることを実証しました。
身体が感染症と闘う能力を完全に支持するには、ビタミンD濃度範囲60~80 ng/mLを標準とし、充足度カットオフを40 ng/mLとすることです。研究により平均的な人が40 ng/mLを達成するためにどれほどの取り組みが必要かを示しているようですが、人によって必要量は異なります。
サプリメントが必要かどうかを知るため検査を受ける必要があります。日常よく日光に当たることがビタミンD濃度の最適化には理想的な方法ですが、北半球では冬にこれはしにくいです。
GrassrootsHealthはあまり高くないビタミンDテストキットをこの団体の消費者出資型研究の一環として提供しており、容易に検査できます。これに申し込めば今後数年間に数百万人を助けられる生命に関わる医学研究の促進に寄与することができます。このキットの売上高は全額がGrassrootsHealthに払い込まれます。私のサイトではこの製品で利益なく奉仕させていただき、読者の利便性のためにご提供しています。
免疫系を支持して感染回数や重度を減らすにはいくつかの方法があります。免疫系は感染からの防御と健康の支持のために第一線の防衛線です。
ビタミンD濃度を最適化し以下に挙げるヒントに加え、よく手を洗い、感染症を生じるウィルスや細菌が広がらないようにする必要があります。手洗いの効果や手法について詳しくは、「The Impact of Effective Handwashing Against Infection」(効果的な手を洗い感染症にインパクト)をご参照ください。
• 栄養 — 過去、免疫系の機能に腸内フローラが果たす役割はよく研究されていました。腸内フローラを支持するため善玉菌によい栄養を与えて注意するのが大切です。
どうしても必要な場合以外は抗生物質を制限し、繊維質の多い食事で腸内フローラに栄養を与え、栄養計画に発酵食品を含めて腸に善玉菌をよく繁殖させることでこの目的を実現できます。砂糖を避け加工食品を一切食べないことです。これらは悪玉菌をはびこらせます。
• 睡眠 — 睡眠阻害は免疫系へのダメージを含み高くつきます。以前私は記事にしましたが、睡眠不足は肥満や認知症、がん、骨粗しょう症リスクを高め、早く老化が進みます。よく寝れない人は「日常の睡眠を最適化するためにいちばん効く33個のヒント」に質のよい睡眠を撮るためのヒントがあります。
• 運動 — 規則的な運動でウィルス感染リスクが下がり、少なくとも一件の研究がその削減率が46%にも及ぶことを示しています。運動すると感染した人でさえ症状が軽くなりました。
運動は免疫系を強くすることは何度も実証されてきたことなので、日常習慣として欠かさないことです。しかし、誰でも運動が好きとは限りません。
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