ケト食でインフルエンザの予防になるか?

ケト食

早分かり -

  • ケト食は長期的に続けると健康によく、ある研究チームは、動物実験でケト食がインフルエンザの発症頻度が減ることを特定し、粘液増産により肺内の免疫応答が改善するので、ウィルスを把捉して拡散を抑制すると推量しています
  • ある動物モデルで補足実験した結果、ケトンや低炭水化物/高脂肪食が個別によい応答を生むのではなく、ケト食生活に本質的にある二つの要因によるものであることがわかりました
  • ケト食を周期的に行うと効果が一段と高まり、食事計画が柔軟になります。三段階手法により正味炭水化物を一日20~50 gに抑え、健康的脂肪を一日摂取エネルギー量の50%から85%とし、タンパク質は正味体質量1 kg当たり約1gに抑えます
  • これらの適切な比率を維持することが身体に体脂肪を効果的に代謝させるために必須です。一度これができるようになったらケト食を周期的にして、週に1、2回は健康的な炭水化物を多めに食べるようにします
  • ケト食するとインスリン抵抗性が削減され、体重の維持または減量がしやすくなります。また、心臓病やがん、糖尿病、アルツハイマー病のリスクも減ります。インスリンが低下することに伴うmTOR濃度低下は老化を遅延し、がんリスクも低くします
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Dr. Mercolaより

インフルエンザウィルスは米国の場合,通年で検出可能ですが普通は秋や冬に一般的に診断されています。正確な発生期間は変動しますが、たいていは10月頃に始まり、1~2月が山で、5月頃ようやく収まります。

この「季節」の間その他の呼吸器疾患ウィルスも蔓延し、リノウィルスや呼吸器合抱体ウイルスなどによるインフルエンザ様の病気を起こす場合があります。その治療となるとインフルエンザウィルスは細菌ではなく、抗生物質では効きません。この病気は伝染し、中度から重度の病気になる場合があります。感染者が咳したり、くしゃみあるいは口を開いて話すだけでも飛散する飛沫が空気中を漂って拡散します。

2018年、CDCは米国人口の平均8%がインフルエンザの季節にインフルエンザに罹ることを特定しました。最も罹り易いのは子供で、高齢者は最も病気になりにくいです。

インフルエンザウィルスの感染症は風邪のウィルスとは異なります。よくある症状は突発的に起き、発熱や筋肉痛、身体の痛み、頭痛、倦怠、咳、喉の炎症がよく起きます。しかし、CDCの報告書にあるように、インフルエンザに罹った人が皆発熱するとは限りません。

ケト食でインフルエンザの予防になりうる

エール大学医学校のあるチームは痛風のマウスにケト食の餌を与えたら炎症が減りました。ケト食はインフルエンザに罹る人間にも同じ効果があると想定しました。インフルエンザは肺の重篤な損傷を起こすことがあるのでこの点は重要です。

そのチームは想定したことを検証するため、小規模な動物実験を行い、処置群に高脂肪、低炭水化物のケト食を与え、対照群に普通の餌を与えました。両群に悪性インフルエンザAを感染させました。4日後、普通の餌を与えたマウスはすべて感染したが、ケト食群では50%が感染しました。

ケト食しつつも感染したマウスは減量幅が小さく、これは動物におけるインフルエンザ感染の兆候です。その研究者らはケト食を与えたマウスは肺内のγδT細胞が拡大していることを発見しました。

その研究で別の段階において、その研究者らはγδT細胞を作らないように遺伝子操作したマウスを使った結果、感染から肺を保護する特化細胞が重要な機能をすることを特定しました。研究結果から、γδT細胞が肺内バリア機能を高めることが示されました。

γδT細胞は肺の内壁を構成しており、粘液の生産を増やし、粘液がウィルスを封じ込め、拡散させないので重要な保護機能をしています。その研究者らはさらに、ケト食が抗ウィルス耐性を増強しすることも発見し、インフルエンザの予防効能があり、罹っても症状を和らげると考えられるという結論に達しました。

次にマウスの免疫系に効果を発揮したのはケトンなのかあるいは高脂肪または低炭水化物、ケト食なのかを解明しようとしました。このためマウスにケトン飲料を飲ませるか高脂肪高炭水化物の餌を食べさせる二つの試験を行いました。

データから飲料では効果がないが、餌により多数のγδT細胞が生産されたがウィルスに対しては保護が増大したわけではないのが明らかになりました。これらの結果に基づいてケト食の各要因が総合してγδT細胞を増産させ、ウィルスからの保護機能を高めるらしいことがわかりました。

注意: 報道関係者にこの研究の執筆者らの少なくともひとりが、インフルエンザに対するワクチン療法は最適な方法であると語ったのですが、実際には注射に頼るよりインフルエンザ予防の効果的方法があり、この点について後半でご説明します。

ケト食にする意味は何か?

慢性病になる人がますます増える中、健康のためには普段の食生活こそ主な要因であることがますます明白になっています。平均的アメリカの食生活は通常余計なタンパク質、加工精製された穀類や炭水化物、精製添加糖から成っています。この種の食生活に浸っているとインスリン抵抗性やレプチン抵抗性になります。

その結果、体重増加や慢性炎症、ミトコンドリアおよび細胞の損傷につながります。ケト食にすればこうしたリスクが減り、全身の健康がよくなります。

標準的ケト食では健康的脂肪を多く摂ります。健康な脂肪から一日のエネルギーの70%から85%、正味体質量1 kg当たり1 gのタンパク質を摂ることを目指しましょう。正味炭水化物は毎日のカロリーの4%から10%を超えないようにします。

日々の運動量に応じ人によってエネルギー需要は異なるので、食べるべき脂肪の量に規定値はありません。脂肪がカロリーの主な摂取源になるようにし、炭水化物やタンパク質はそれでも制限しないと標準的ケト食になりません。

周期的ケト食は柔軟性や便益効果が高い

ケト食を周期的に食べることで食事の健康メリットを高められ、食事計画の柔軟性が増します。この方法を利用するためには主な3つの要素があります:1) 正味炭水化物(総炭水化物から繊維質を控除)を一日に20~50gに制限、2) 一日のカロリーの50%から85%を健康的脂肪から摂り込み、3) タンパク質摂取量を脂肪抜きの体質量1 kg当たり1 gに制限する。

繊維質が豊富で炭水化物を相殺してくれる野菜についてはどれだけ食べてもよいです。穀類からの炭水化物、高果糖フルーツを含むあらゆる形態の糖分を減らします。アボカドココナッツオイル、脂の多い魚やバターなどの動物性ω3脂肪や種子、オリーブ、オリーブオイルを含む健康的な食品を追加してください。

マカダミアナッツとピーカンは健康的脂肪が多くタンパク質が少ないので最適です。有機的解放飼育で育った鶏の卵黄と草で育てた家畜製品にMCTオイルや生のカカオバターはすべて健康的脂肪が得られます。過剰な炭水化物より身体にダメージを与えるトランス脂肪やサラダ油を一切カットしましょう。

身体が脂肪を燃料にするようになるまでは以上の割合を維持しましょう。ケト試験紙でケトーシスになったかがわかり、身体が体脂肪を効果的に代謝するようになるまで数週間から数カ月を要することを忘れないでください。

炭水化物が多すぎるとケトーシスを阻害するので、秤やカップ、栄養トラッカーなどの追跡ツールや計器を利用して限度以内とするよう心掛けてください。身体が体脂肪を効果的に代謝するようになってから、週に一度や二度は炭水化物を多く食べて周期的食事を開始します。

炭水化物を多く摂る日には、正味炭水化物量を3倍増やし、細胞再生と更新の生物学的効果を最大に得るようにします。しかし、消化されにくいでんぷんなどの健康的なものをお勧めしますが、ポテトチップやベーグルは食べないほうが良いです。

じゃがいもや米、パン、パスタを一度料理してから冷やし、再加熱すると消化されにくくなることについては「簡単な工夫で不健康な炭水化物によるダメージを軽減する」をご参照ください。

ケト食は体重管理以上の効果がある

多くの人はケト食中に体力が増し、減量や体重維持しやすくなったと伝えています。これらの効能はケト食がミトコンドリアの健康によく炎症を削減する結果です。身体が脂肪を燃料にするにともない、肝臓はケトンを生産し始め、反応性酸素種や二次的フリーラジカルはほとんど生産しなくなります。

このため細胞、ミトコンドリア被膜、タンパク質やDNAの損傷が軽くなります。こうした炎症軽減は関節リウマチなどの整形的以上を含む慢性痛改善に重要な機能をします。ケト食が神経因性疼痛や炎症性の痛みを減らすことをある研究が特定しました。

老化要因の多くは軽度の炎症が特徴なので、ケト食は早い老化リスクも下げます。中枢神経系への抗炎症効果はてんかんやその他の神経系の異常によい効果があります。これにはアルツハイマー病からの保護やこの病気にともなう言語能力、記憶力、注意力喪失の防止効果もあります。

脳の外傷を負った人や虚血性脳卒中あるいは自閉症の人にケト食がよい効果があることも科学的に実証済みです。動物実験によると、ケト食を16週間与えたら脳への血流が増加し、腸内の善玉菌が豊穣になり、血糖値が下がりました。

インスリン抵抗性や高インスリン血症は高血圧、アテローム硬化などの慢性病の主な促進要因です。インスリン抵抗性が原因のその他の重篤な疾患には心臓病やがん、糖尿病、アルツハイマー病があります。インスリン感度を改善することで、ケト食はこうした異常のリスクを下げ、生理的影響を削減します。

インスリンは、この他にもラパマイシンの哺乳類標的(mTOR)を活性化します。これは古い損傷した細胞を破壊して解消し、健康な細胞に置換する身体の自然な浄化サイクルである自食作用(オートファジー)を制御するための基幹的経路です。この経路は老化やがん発生の抑止に主な機能をしています。

老化を遅延させ、がんリスクを下げるにはmTORを阻害してオートファジー活性化やタンパク質リサイクルを促す必要があります。余剰なタンパク質よりインスリン濃度のほうがmTOR経路を活性化することを忘れないでください。

副作用のないインフルエンザからの自然な保護

免疫系の支持も含む周期的ケト食の健康的効能は、「How to Make Fasting Easier, Safer and More Effective」(簡単で安全かつ効果がさらに上がる絶食方法)に説明しているような間歇的絶食と組み合わせて行うとさらに効果があります。逆に、すでに触れましたがインフルエンザワクチンを避けるべき理由があります。

2019年11月に更新されたCDCデータによると、2018/2019年のA型、B型インフルエンザに対するワクチンの調整後総合効能率が断然低いことを示してします:

全年齢層で29%

生後6カ月から8歳までの子供で48%

9歳から17歳までの子供では7%

18歳から49歳の成人で25%

50歳以上では14%

65歳以上では12 %

このほかにも、ワクチンを受けた人が他者にインフルエンザを移しており、二期連続してワクチンを受けた人はA型インフルエンザウィルスを撒き散らしていました。2014年のコチレーングループが実施したあるメタ分析によると、インフルエンザ1症例の予防のために71人にワクチン接種が必要であると出ています。

インフルエンザワクチンは他のさらに重篤なインフルエンザ感染のリスクも高めます。このワクチンはスタチン薬を服用していると効かず、ギランバレー症候群(GBS)による麻痺等の永続的身体障害も起こす場合があります。ワクチンを受けるとさらに、自然な免疫力が阻害され、その他の重篤事象につながります。

では、インフルエンザを予防するために何がよい方策でしょうか? その答えは、食生活と日光浴を利用して免疫系を強化することから直ちに始めることです。健康な免疫系の維持と獲得のために栄養こそ決定要因です。これには毎日日光に当たると作られるビタミンD3を中心にビタミンやミネラルが豊富な食品や毎日日光浴できない地方の場合は適切なサプリメントにより得られます。

サプリメントを飲み始める前にビタミンD血中濃度を検査して最適な免疫保護的濃度にするため自分の必要量を把握してください。この検査を年に二度受け、数値からして必要であればサプリメントを利用しましょう。

GrassrootsHealthのサイトでは、測定した開始値に基づいて健康的なビタミンD血中濃度にするために必要な用量の推計ができます。最適濃度は通年で60~80 ng/mlを維持することです。

その他の栄養素や食品のアイデアについては、「免疫力強化に最適なヒント」をご参照になり、このインフルエンザシーズンに病気リスクを自然に下げてください。