運動後の食事として何が最適でしょうか?

運動後に食べるべきか

早分かり -

  • 運動後の食事は運動による全体的健康のメリットに影響することがあり、運動後に何を食べるかは重要な検討事項です。健康を最適化することは、パフォーマンスを最適化するのとは異なります。これらの二つの目的の最終到達点は競合し合い、異なる戦略を取る必要があります
  • 最適なのは14時間から18時間絶食し、空腹状態で運動することです。運動後まもなく、豊富な高品質のタンパク質と非でんぷん系の野菜の炭水化物を食べてその日の主食とし、強力なmTOR刺激剤であるロイシンとアルギニンを必ず数グラム摂り込むようにすることです
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Dr. Mercolaより

運動後の食事は運動による全体的健康のメリットに影響することがあり、運動後に何を食べるかは重要な検討事項です。例えば、ある研究によると、運動後に炭水化物を最小限にすると、カロリー摂取をただ減らすだけよりインスリン感度がよくなり、インスリン感度を最適化するのはよい健康の維持に欠かせないことです。

しかし、健康を最適化することはパフォーマンスを最適化することと同じではないことに気づくことが重要です。これらの二つの目的の最終到達点は競合し合い、異なる戦略を取る必要があります。言い換えると、運動選手としての記録と長寿を同時に最適化することはできず — いずれの目標を達成しようとしているかを決める必要があります。

自分の目標が全体的な健康と長寿なら、運動後の推奨は筋力トレーニングでもカーディオでも高強度集中運動(HIIT)でも同じ、豊富なタンパク質を食べ、でんぷん系の炭水化物を避けるとよいのです。この点について以下に詳しく説明します。

しかし肉体的パフォーマンスを最大限に発揮するのが目標で、瞬発的なタイプの運動に取り組む競技選手は運動後の食事で(精製糖ではなく)でんぷん系炭水化物をたくさん食べる必要があります。

従って、以下の内容を読み進めるに連れ、私がお勧めする内容は運動選手の爆発的パフォーマンスではなく、主に健康と長寿を増進することに注目していることを覚えておいてください。

時間帯制限の食べ方がオートファジーを活性化する

最適には、基本から始めるため、朝の運動の前に可能な限り長時間絶食することが必要です。毎日14時間から18時間は絶食するすなわち一日分の食事を6時間から8時間の枠内に済ませる時間帯制限型の食生活をお勧めします。

絶食状態で運動すると、筋力運動かカーディオ/HIITかに関わらずオート ファジー — 身体が損傷した細胞を消化し、次に新たな健康な細胞の拡散を促す自浄作用 - を最大化します。.運動がきついほど、オートファジーをさらに活性化させます。

次に、運動後まもなく、豊富な高品質のタンパク質と非でんぷん系の野菜の炭水化物を食べてその日の主食とし、強力なmTOR刺激剤であるロイシンとアルギニンを必ず数グラム摂り込むようにすることです。

オートファジーとmTORは周期的に活性化させる必要がある

オートファジーの最適化こそ全般的健康と長寿のためのカギを握る戦略です。しかし、オートファジーを常時活性化させておく必要がないことを認識することが重要です。

mTORの活性化を恐れるという私が犯した過ちを避けることが重要です。陰陽の原理と同じでmTORの活性化はオートファジーの対極として必要なことです。その活性化は筋肉質量の増加と細胞膜用の脂肪、DNAのためのヌクレオチド構築のために必須のことです。これにより以下のような生命維持に欠かせない分子も活性化します:

  • ミトコンドリアの生合成を増加させるPGC-1α
  • 微小循環を増加させるHIF-1 α
  • 抗酸化物質を補充するNADPH
  • 必要なときに抗酸化物質生産を活性化するFOXO-3

さらに詳しいことは私のお気に入りの科学誌Nature Reviews Molecular Cell Biologyに掲載された、デビッド・サバティニの「mTOR at the Nexus of Nutrition, Growth, Ageing and Disease」(栄養と成長、老化、病気の連鎖に存在する)という優秀な批評的考察論文をご参照ください。

要約すると、絶食するとオートファジーが活性化され、身体は損傷した細胞内部の構成要素を排出できるようになります。絶食中に運動するとさらにオートファジーが最大化されます。実際に14時間から18時間以上絶食中に運動すると、2日から3日断食しているのと同じ程度のオートファジーを活性化できる可能性が高まります。これが行われるのは、AMPKとNAD+の増加、mTORの阻害によります。

絶食中に運動した後タンパク質を補うと、mTORが活性化され、このためオートファジーが停止し、再構築プロセスが始まります。これら二つのプロセスは健康を最適化し、問題を避けるには、周期的に活性化する必要があります。

絶食して運動するメリット

絶食中運動することの一つの有意義な効能は長寿ですが、そのほかにもすぐメリットが得られることがあります。例:

2015年に公表されたある研究は、朝食を食べずに空腹の状態で運動した女性たちのほうが朝食を食べ(この実験ではシリアル系の食事)てから運動した女性たちより、その日の午後三時ごろの作業記憶力がよく、晩になってから精神的疲労や緊張の報告例が少ないことを発見しました。他の研究も空腹状態での運動が認知機能を高めることを証明しました。

絶食して運動すると特に、体脂肪が強制的に落ちるので、脂肪削減効果がよいことが判明しました。その理由は体脂肪の代謝プロセスは交感神経系(SNS)が制御し、SNSは運動および食物欠如により活性化するからです。

絶食とエクササイズを組み合わせると、細胞因子や触媒(環状AMP及びAMPキナーゼ)の効果を最大限に生かし、脂肪やグリコーゲンを代謝し、エネルギーを作り出すことができます。

2012年、ある研究は絶食状態での有酸素運動が総体重と体脂肪率ともに削減するが、食事してから運動すると体重しか減らないことを確認しました。

The Journal of Nutritionの2019年8月号に掲載されたある研究からも、絶食して運動するとその日の残りの時間に食べる量が減ることで、全体的なエネルギーが不足するので — この実験では平均400キロカロリーが一日に不足 -、減量のためによくなることが判明しました。

運動と絶食を合わせると急激な酸化ストレスが掛かるので、逆説的に聞こえますが、筋肉に効能があります。2015年のある研究によると、運動中に生産される反応性酸素(ROS)は実際には、発生したフリーラジカルを中性化するのを助ける抗酸化物質の体内での発現を高めます。この論文によると、「ROSは筋肉の表現型の運動に誘発された適合にも関わっているようである。」

絶食状態で運動すると脳由来神経栄養因子(BDNF)と筋原性制御因子(MRF)を増加させるので脳や神経運動、筋線維を生物学的に若く維持するのも助けます。BDNFは脳幹細胞に新生ニューロンに変換するようにという信号を送ることを意味するニューロンの生成を制御する一方、MRFは筋肉の発達と再生のために基幹的な機能をします。

The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolismの2019年10月号に掲載されたある研究は、運動するときは食のタイミングが「運動への急性代謝応答」に影響することを特定しました。具体的には、絶食状態で運動するとグルコースとインスリン感度がよくなり、食後のインスリン濃度が減ります。

オートファジーは筋肉の成長も促し、さらに筋肉こそ体内で最大のグルコース貯蔵器官なので、筋肉質量が増えると血中を循環するグルコースが減ることを意味し(筋肉にグルコースが貯蔵されるから)、この点もインスリン抵抗性を低くするのを助けます。

時間制限型の食事と短時間でも集中的な強度運動の効果が組み合わさり、テストステロン濃度も高くなり、抑うつな気分にさせなくすることも証明されました。

運動後の最適な栄養素

一般論としては、運動後身体は窒素が乏しくなっており、筋肉は疲れ切っています。運動後に適正な栄養素を補給すると、筋肉の異化プロセスを止め、リサイクルプロセスを修復と成長にシフトさせるため決定的な要因です。高品質の動物性タンパク質から得るアミノ酸はこのプロセスのために本質的です。健康的な栄養源の例:

  • ホェイタンパク質(加工度が最小限であり、有機の草で育ったホルモン処理されていない畜牛のもの)
  • 野放し飼育の鶏の有機玉子
  • 草で育ったバイソン、ラム、ビーフ

前半でもご説明した通り、この種の食事には数グラムのロイシンとアルギニン(mTOR刺激剤)を摂取するようにしましょう。ロイシン(筋肉タンパク質の代謝を調節するのを助ける)が最も豊富な栄養源はこれまでにホェイプロテインです。その他の栄養源からじゅうぶんにロイシンを取りにくいのが現実です。

体内タンパク質を維持するために必要な平均的ロイシンの用量は毎日1~3グラムです。しかし、同化経路を最適化するには、研究が示す通り一日に8~16gのロイシンを分けて摂る必要があるようです。

最小の8グラムを得るには玉子15個を食べる必要があります。しかし、ホェイには約10%のロイシンが含まれます(タンパク質100 gにロイシンが10 g)。従って、ホェイプロテイン80 gからロイシンを8 g得られます。

アルギニンはmTORも活性化し、タンパク質の合成と筋肉の発達を増進する一酸化窒素の前駆物質です。このアミノ酸はかぼちゃの種、七面鳥や鶏、ビーフ、玉子に豊富です。野菜の炭水化物(穀類や砂糖ではない)も回復用食事を成す重要な部分です。非でんぷん系炭水化物の有益な栄養源の例:

  • ほぼあらゆる野菜(糖分が高いニンジンやビートは制限する)
  • 濃緑葉物野菜
  • レモンやライム、パッションフルーツ、アプリコット、プラム、マスクメロン、ラズベリーなどの低果糖フルーツ。リンゴやスイカ、梨など高果糖フルーツは避ける

繰り返すと、目標が運動選手としての記録で、瞬発的運動をする場合、回復用食事に燃焼が速い若干のでんぷん系炭水化物を含めるとよいです。運動後に少々時間が経つと筋肉痛が起きるのを治したい場合、「筋肉痛予防のための12種類の食品」をご参照ください。

運動後の食事を正しいタイミングで食べる

食べるタイミングが食べる物と同じくらい重要なことを忘れないでください。運動後にタイミングよく筋肉に栄養を補給し損ねると、異化プロセスが進みすぎ、筋肉損傷の恐れがあります。

カーディオまたはHIIT運動の後は、45分から60分待ってから高品質タンパク質と野菜系の炭水化物を消費しましょう。一例としてほうれん草サラダと若干の鶏肉にホェイプロテイン一食分が挙げられます。

耐久運動の後に食事をするとよい最適な時間は運動を終えてから15分から30分経ってからで、こうすると損傷した筋肉が修復されやすくなります。

コラーゲンはNADPHを増やし酸化損傷を抑える

もう一つの実に貴重な回復用食品はコラーゲンです。私の「2018 interview with Mark Sisson」に詳しく説明されているように、コラーゲンは軟組織の負傷や腱、靭帯、軟骨、筋膜の修復を助けます。

筋肉の負傷を治して回復させるのは容易ですが、結合組織のためには非常に特定の原材料すなわち、ゼラチンや骨だし汁などの動物性コラーゲンが必須です。このコラーゲン材料はこの結合組織の母材になるため身体に同化されるアミノ酸です。

コラーゲンはグリシンやプロリン、ヒドロキシプロリンが豊富ですが、分岐鎖アミノ酸は比較的少ないです。この理由により、コラーゲンはmTORを大きく刺激しないので、タンパク質の過剰用量リスクなく多く摂り込むことができます。シソン氏は、軟組織が負傷した場合は一日約40 gを摂るように勧めますが、この用量はタンパク質摂取量には含めないということを勧めます。

コラーゲンはさらにNOXスーパーオキシドの生成を阻止し、NADPHを増加させることにより酸化損傷を抑えるのも助けます。NADPHは抗酸化物質が酸化された後復旧させるための電子の還元性貯蔵物質として利用されます。NADPHは体内でステロイドホルモンや脂肪ができるためにも必要です。

上のビデオで私はコラーゲンアイスクリームの作り方を実演しています。このレシピを見つけたときにはスムーズなサーブアイスクリームを作るつもりはありませんでしたが、味はそのものであることに気づきました。このレシピをおまけのおやつとして試してみませんか! 以下にそのレシピを要約します:

角氷を小型のミキサーに半分ほど入れ、有機放し飼い玉子2個の黄身、アボカド1個、生のカカオバター(カカオニブではない)を約15 g、MCTオイルを大さじ1~5杯(オプションとして、最初は小さじ1から始め、だんだん増やす)、水酸化酪酸メチル(HMB、ロイシンの代謝生成物でロイシンと同じ機能をする)、コラーゲンタンパク質2~3スクープ。ミキサーに浄水を加えて満たす。よく攪拌してスプーンでいただく。