Dr. Mercolaより
ルテイン — 玉子の黄身、アボカド、アブラナ科の野菜、濃緑葉野菜に含まれるカロテノイド — は視力をよくする特性があることは周知です。研究からもその神経保護的品質、記憶力改善、知能の強化が示されています。Senior Resource Guideに次のような報告がありました:
「ルテインはキサントフィルの亜綱で、流動性や脳細胞間の通信、イオン交換、酸素の拡散、膜の安定性、酸化や炎症の防止などの固有の細胞膜特性を持つ分極化分子構造を持つ。
他のキサントフィルのようにルテインは神経組織に蓄積する。実際に、ルテインは人間の脳に蓄積するカロテノイドの大部分を占め、脳にルテインが高濃度で存在することはその神経保護的意義を示す。
ルテインは脳に蓄積し、細胞膜に埋め込まれる。細胞膜の中でルテインは脳細胞のニューロン構造と機能を保護する。ルテインは脳の灰白質に分布するが、研究者らは側頭皮質および前頭前野、海馬に存在することを検出した。ルテインは一生の間脳に蓄積するので、脳の健康に生涯的効能があると考えられる。」
体内でルテインは作られないので、食事から摂るしかありません。残念ながら、多くの人は十分に野菜や玉子を食べていないがために、十分なルテインが摂れていません。
その名が示す通り、ルテインは網膜の中心にある小さい部分黄斑に高濃度に分布しており、詳細な中央部分の視力のために必須のものです。網膜の色素(網膜の黄色味はこのため)と目のレンズにも分布しています。
疫学的研究から目の中のルテインとゼアキサンチンの濃度と加齢黄斑変性(AMD) - 高齢者の視力喪失や白内障の主な原因 - の間には負の相関性があることがわかっています。
2013年の論文「The Role of Lutein in Eye-Related Disease」(目関連の疾患におけるルテインの機能)においては、ルテインとゼアキサンチン(目の中に高濃度で存在するもう一種のカロテノイド)はブルーライトや酸素フリーラジカルが原因による損傷を修復することで加齢に伴う目の萎縮を予防するのを助けます。ブルーライトは目の損傷の大半の原因であり、ルテインはブルーライトを選択的に吸収します。
この論文によると、「ルテインを毎日食事から6~20 mg摂ると白内障や加齢黄斑変性などの目の障害リスクが低減することと関連づけられた。」
2019年、PLOS ONEに掲載されたある最近の科学的レビューによると、ルテインを一日に10 mgまたは20 mgを摂った人はサプリメントを摂らなかった人より黄斑色素の光学的密度(MPOD)が高く、視覚が鋭く、コントラスト感度がよいことを特定しました。
網膜の中心にある黄色い点である黄斑の色素は有害なブルライトから網膜を保護する「目の中のサングラス」として機能します。黄斑色素が濃いほどAMDの発生リスクが低くなります。MPODが大きいほど全体的に視覚の性能がよくなることにも関連付けられる。
2019年のPLOS ONEに掲載されたレビューの執筆者らによると、「手元の根拠による限り、ルテインはAMD患者のために効能があり、用量を高めるとMPODを短期的に増加させうる。」ルテインはタイミングよく投与、すると網膜剥離による細胞死を防止すること、夜間の視力をよくすることもわかっています。
さらに最近の研究からも、ルテインが脳の健康のために重要な機能をし、神経萎縮性疾患さえ予防しうることがわかっています。2012年の論文「Neuroprotective Effects of Lutein in the Retina」(網膜内ルテインの神経保護効果)が説明しているように、ルテインは以下のような問題を防止するので脳にメリットがあります:
ルテインとゼアキサンチンは脳の白質の完全性維持を助けることもわかっており、加齢にともなう劣化リスクを低くします。
25~45歳の成人60人を対象にした、2017年のある研究によると、中年期にルテイン濃度が高い人ほど低いレベルの人より神経応答が若々しいことがわかっています。
MPODを測定してカロテノイドの状態を評価したところ、脳内のルテインレベルと強く相関することがわかりました。ほとんどの研究は認知力低下がすでに始まった後の食生活の影響に焦点を当ててきました。
この研究では、認知力低下のプロセスは通常予想できるよりはるかに早い時期に始まることが証明されたので、ルテインに予防的効果がありそうかを評価しようとしました。その研究者らによると、認知力の低下は30歳代から始まることもあるといいます。
ルテインは若い人のためにもメリットがあることがわかっています。あるこの種の研究で、健常な18~30歳の成人は、ルテインとゼアキサンチンのサプリメントを一年間飲んだら脳の機能がよくなりました。空間的記憶力、合理的思考能力、複雑な注意力がとてもよくなりました。
その他数本の研究が以上の事実を裏付けています。例えば、ジョージア大学のある研究では、高齢者(平均72歳)に毎日10 mgのルテイン、2 mgのゼアキサンチンを一年間摂らせたら脳機能を維持できましたが、プラセボを飲んだ対照群の語彙学習能力と単語記憶力は研究期間中劣化していきました。
この保護効果を生むと考えられているメカニズムは脳内の血流増加でした。認知力に及ぶルテインの効果を調べたいくつものその他の研究は網膜にルテインとゼアキサンチンが豊富に存在すると、以下のことが改善されることを証明しました:
ルテインは視力や認知力の最適化以外にもその他の方法で健康を促すことが見つかっています。例えば、各種の研究が次のことを発見しました:
カロチノイドのベータカロチン、ルテイン、リコペンが豊富な食事をすると、低密度脂質たんぱく質(LDL)コレステロールの酸化耐性がよくなります。血漿カロチノイド濃度が高いとDNAの損傷度が低下することも確認されています。
ルテインとゼアキサンチンをビタミンEとともに摂ると、肺機能および呼吸器系の健康をよくするようです。
ルテイン、ゼアキサンチン、ビタミンE、βクリプトキサンチン、リコペン、αカロチンおよびβカロチン等の抗酸化物の血漿濃度が高いとうっ血性心不全の重度が軽くなります。
血漿中のカロチノイド濃度が高いと前立腺がんリスクも低くなります。
ルテインとリコペンは酸化ストレスが原因の網膜色素上皮(RPE)細胞の損失リスクを減らし、未分化RPE細胞内の細胞成長を阻止することにより目の健康をよくします。
ルテインはオートファジーを誘発させることが示されており、身体を特定のストレスから保護すると考えられます。
ルテインとゼアキサンチンは若い健康な成人の骨密度を増加させることもわかっています。ルテインは骨吸収を抑止することにより骨の鉱化と形成を刺激するようです。
ルテインは、主に緑の葉物野菜に含まれており、ケールやホウレンソウはルテインが豊富な食品リストの上位に入ります。ルテインはオレンジ色や黄色のフルーツや野菜にも含まれています。ルテイン(lutein)という言葉は黄色を意味するラテン語の「luteus」が語源です。
一般的には濃緑葉野菜に含まれる総カロチノイド濃度のうちの15 %~47 %はルテインです。以下にルテインが特に豊富な食品をご紹介します。その大部分はルテインより少ないがゼアキサンチンも含みます。
ルテイン(やゼアキサンチンなどその他のカロチノイド)は熱で損傷を受けやすいので、最適なのはこれらの自然食品をできる限り生に近い状態でいただくのがよいのです。これらの作用が強くなる食品に含まれる付属的微量栄養素も破損され易いです。
ルテインやゼアキサンチンの規定推奨値としての標準用量は定まっていませんが、ルテインの用量が一日に10 mg、ゼアキサンチンが一日に2 mgあれば、健康的効能があることを研究が実証しています。
ルテインとその他のカロチノイドは脂溶性なので、最適な吸収のためには、食事に健康的脂肪を加えることをお忘れなく。例えば、玉子二三個 — ルテインと健康的脂肪を両方とも含む — をサラダに加えると、食事全体から吸収できるカロチノイド量が9倍も増えることが研究により実証されています。
最適なのは、有機栽培の草を食べて育った平飼いの卵を選ぶことです。このような玉子は栄養価が高いだけではなく、草で育った玉子を選ぶことで農薬との接触や遺伝子操作組織も回避することができます。私は6羽の鶏を飼育しており、普段は毎日玉子を5個食べます — 生の黄身をスムージーに混ぜ、白身は肉といっしょに調理しています。
市販の玉子の大部分は高密度家畜飼養経営体(CAFO)産で、鶏が草地で草を自然につつくことができない条件下で飼育されています。通常、こうした鶏はコーンと大豆の餌を与えられ、その大部分が遺伝子操作品です。CAFOの玉子はサルモネラ菌汚染による食中毒をはるかに起こしやすいです。
都市部の方なら地元のヘルシーフード店で通常は高品質な地元産の玉子を見つけられます。地元の農産物市場は新鮮な放し飼い玉子のもう一つの摂取源です。Cornucopia.orgは有機品の消費者にとって重要な22の判定基準に基づいて玉子メーカーを格付け、有用な有機玉子のスコアカードを提供しています。
黄身の色を見ると玉子が放し飼いかどうかの区別がつきます。放し飼いで草で育った鶏の玉子の黄身は明るいオレンジ色をしており、ルテインやゼアキサンチンを多く含むことを示します。野菜からルテインの吸収量を増やすために、もう一つの方法は生の有機バターか、オリーブオイルやココナッツオイルなどの健康によい油をサラダに少々加えることです。
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