Dr. Mercolaより
精製糖により引き起こされる生体の損傷よりはるかに深刻な点として、加工サラダオイルによる分子レベルの損傷があります。特に大豆油はいくつかの理由で安全性が疑わしく、加工食品は大豆油をたっぷり含んでいます。
部分的に水素化処理されているか、有機品か、遺伝子操作でリノレン酸を減らしているかに関わらず、大豆油は細胞の機能障害を起こします。遺憾なことですけれども多くの公衆衛生当局はオメガ6が多い大豆油などのサラダオイルはバターやラードなどの飽和動物性脂肪より健康によいと主張しており、この神話は反証があるにも関わらず崩しにくいものでした。
米国で作られている大豆の推定94%はグリフォサート(Monsanto/Bayer社の除草剤ラウンダップ(Roundup)の有効成分)を中心とする洗っても落ちない除草剤に耐えるようにした遺伝子組み換え品(GE)です。その結果、ほとんどの大豆系製品はグリフォサートで汚染されており、毒性がさらに複合的に高まります。
Endocrinology誌に最近掲載されたある研究によると、アメリカで最も普及している調理油である大豆油は以下のような異常と関連する神経や代謝の異常をきたします:
自閉症
アルツハイマー病
不安
抑うつ
肥満
インスリン抵抗性
2型糖尿病
脂肪肝
マウスに行ったその研究は従来の大豆油、リノレン酸が少ないGE大豆油、ココナッツオイルの健康影響を比較しました。Neuroscience Newsは次のように伝えています:
「2015年、同じUCRの研究チームは大豆油がマウスに肥満、糖尿病、インスリン抵抗性、脂肪肝を誘発させることを発見した。2017年のある研究で、同じ研究チームは大豆油がリノレン酸を減らすようにエンジニアリングされている場合、肥満やインスリン抵抗性が減ることを発見した。
しかしこの研究が公表されたとき研究者らは操作されたか操作されていない大豆油の脳への影響に差異を特定していなかったた。具体的には、その科学者らはこのオイルがいくつもの基幹的プロセスを処理する視床下部に明確に影響することを発見した。」
視床下部はホメオスタシスと代謝の中枢であり、ストレス応答やホルモン調節においても機能しています。
その執筆者らによると:大豆食(従来品もGE品も)が視床下部にあるおよそ100個の異なる遺伝子の機能障害を起こし、このなかには心臓に良い効果がある口語的には「愛のホルモン」と呼ばれるオキシトシンの分泌に必須のものも含んでいました。
その他の調節不良になった遺伝子にも、「炎症や神経内分泌的、神経化学的、インスリンシグナル伝達」に関連するものも含みます。ココナッツオイル食は「無視しうる影響」しかありませんでした。
オメガ6リノレン酸を少なくするように設計されているGE大豆油が従来のリノレン酸が多い大豆油と同じ影響を及ぼすことからして、以前から考えられていたように、リノレン酸自体に問題があるとは考えられません。スティグマステロール強化ココナッツオイルで何ら害がなかったので、このもう一つの、疑われてきた大豆の化学物質スティグマステロールも無害であると、その研究は判断しました。
その研究チームは、こうした遺伝子への影響の背後に潜む真犯人を特定するために調べ続けました。一方、共著者でありカリフォルニア・リバーサイド大学のプロジェクト補佐科学者プーナムジョット・ディオールが「大豆油の消費を減らす」よう呼びかけています。
全般的には未発酵大豆、殊に大豆油は健康的だという主張は、未発酵大豆が様々な健康の問題につながることを実証してきた数千本の研究によってすでに覆されています。Dr.カーイラ・ダニエルは著作「The Whole Soy Story」(自然大豆の話)の中で、未発酵大豆による次のような異常の発生を示した研究について詳しく取り上げています:
栄養失調
消化困難
免疫系の障害
甲状腺機能障害
認知力低下
生殖機能障害
不妊症
がん
心臓病
食物アレルギー
これとは反対に、発酵有機大豆はいくつもの重要な健康的メリットがあり、私が食べるようにお勧めする唯一の大豆製品です。健康的選択肢の例:
今回取り上げたEndocrinologyの研究では、遺伝子損傷の原因である大豆の化合物を同定することはできませんでしたが、以下のような問題を起こしうる植物化学物質が大豆には多く含まれます:
フィトエストロゲン(イソフラボン類)のゲニステインとダイゼイン — これらはホルモンのエストロゲンに似た作用をし、時にはエストロゲンを阻害します。イソフラボン類がヒトのエストロゲンに類似しているので、大豆を閉経期症状の治療のために勧める人もいるのはこのためです。
しかし私たちのほとんどは、エストロゲン化合物に暴露され過ぎており、テストステロンが最適レベルより少ないので、女性化させるフィトエストロゲン暴露を制限することが重要であると私は思います。
さらに重要な点としては、イソフラボン類が内分泌機能をかく乱する可能性があり、不妊症につながったり、乳がんを促す可能性があり、後者は重大な懸念事項であることは間違いありません。
フィチン酸塩 — 体内のミネラル吸収を阻害する — フィチン酸が金属イオンと結合するとカルシウムやマグネシウム、鉄、亜鉛など特定のミネラルを吸収できなくなり、これらはすべて体内の最適な生体化学反応のための補助因子です。
このことは肉を食べるとこうしたフィチン酸塩のミネラル阻害機能を制限するので、菜食主義者には特に問題が多いです。フィチン酸は鉄が過剰になりやすい特に閉経後の女性や成人男性のためにメリットがある場合もありますが、体内の鉄分は大きな生体ストレスにつながる強力な酸化剤だからです。
ただし、フィチン酸は鉄の吸収だけに選択的に阻害するのではなく、すべてのミネラル吸収を阻害します。不適切な食生活により多くの人がすでにミネラル欠乏状態にあるので、この点は非常に重要なので忘れないでください。
大豆は穀物やマメ科の中で最もフィチン酸塩が多く、大豆に含まれるフィチン酸塩は特に時間を掛けてゆっくり加熱する料理などの普通にフィチン酸塩が減るはずのテクニックに極めてよく耐えます。長期間発酵させないと大豆のフィチン酸塩成分が大幅に減ることはありません。
酵素阻害剤、タンパク質の消化を悪くする。
血球凝集素、赤血球が凝集しやすくなり、酸素吸収や成長を阻害する。
オメガ6脂肪(リノレン酸)、炎症促進性の物質 — 飽和脂肪の悪玉という誤った見方が原因による大豆油など高度に生成されたサラダオイルを大量に消費しす。このため平均的アメリカ人のオメガ3対オメガ6比を逆転させた、慢性的炎症の主要な悪化要因である影響が及んだのであり、これがもとでほぼあらゆる慢性病の基礎的因子になりました。
サポニンや大豆毒素、レクチン、シュウ酸塩などの「反栄養素」 — 少量の反栄養素なら問題になることはほぼありませんが、多くのアメリカ人が現在消費する大豆と大豆油の量は非常に多いのが問題なのです。
ゴイトロゲン類 — 有機か有機でないかを問わず、すべての未発酵大豆に含まれるゴイトロゲン類は甲状腺ホルモンの合成を阻害し、ヨウ素の代謝に干渉し、甲状腺機能を阻害します。
大豆油の消費を考え直すのにまだ理由が必要な方のために、この点をよくお考え下さい:有機大豆ではなく不健康な栄養特性がある以外にもRoundup(ラウンダップ)で処理されたGE大豆は大量の残留グリフォサートを含みます。
2014年、Food Chemistryに掲載されたある研究によると、様々な大豆品種の成分を比較したところ、グリフォサートはRoundup(ラウンダップ)で処理されたGE大豆とGE大豆に平均で残留グリフォサートが1 kg当たり3.3 mg含まれていました。最も汚染されていたサンプルに1 kg当たり残留グリフォサートが8.8 mgも含まれていました。
それより以前、2010年、Chemical Research in Toxicologyに掲載されたある研究は、残留グリフォサートが1 kg当たり2.03 mgでカエルと鶏の受精卵が奇形をきたすことを特定しました。奇形は主に顔、頭蓋骨、脳、脊髄に発生しました。この研究によると:
「有機大豆は、従来の大豆とGM大豆よりグルコースや果糖、スクロース、麦芽糖などの糖分が多く、はるかに多い総タンパク質、亜鉛、さらに繊維質は少ないといった最も健康的栄養素特性を示した。
有機大豆は従来の大豆とGM大豆より総飽和脂肪量も総オメガ6脂肪酸量も少なかった。GM大豆はグリフォサートとAMPAの残留量が多く、… 従来の大豆と有機大豆のサンプルにはこうした農薬が検出されなかった。
大豆のサンプル毎に定性分析を行うために35種類の栄養および元素の変数を使用したら、GM大豆、従来品、有機大豆の差異を例外なく同定でき、『市販向け準備の整った』大豆の組成特徴に『大きな差がある』ことを実証することができた。」
グリフォサートはひとたび作物に振り撒くと、文字通り植物細胞の中に統合され、洗っても落ちないことを覚えておくことは重要です。しかも、化学業界はグリフォサートは安全であるといまだに主張していますが、いくつもの経路で健康に危害を加える物質であることを実証した研究は増える一方です。
重要な事実として、この化学物質は腸内細菌を破壊することがすでに実証されています。グリフォサートはDNAを損傷し、内分泌かく乱物質として作用することもすでに確定しています。
繰り返すと、大豆油には単体でも他の物と混ぜてもいくつかの健康への害悪があると考えられています:
あらゆる種類の危い脂肪を避けようとするなら、最適な方法は加工食品を止めることです。私の網羅的栄養計画にはこのために有用な情報を載せています。
調理するならココナッツオイルやバター、ラード、ギーから選べば健康的です。さらに、マーガリンやサラダオイルのスプレッドを止め、できれば草で育てた牛のミルクで作った有機バターにすることをお忘れなく。バターは何ら根拠のない悪評を受けてきた健康的な自然食品です。
食生活に含めたいその他の健康的な脂肪にはアボカド、生の乳製品、オリーブオイル、有機の放し飼い玉子、生のナッツ類が挙げられます。オメガ3対オメガ6比のバランスをよくするには、イワシやアンチョビ、サバなどの脂が多い小型の魚あるいは野生捕獲のアラスカ鮭を普段食べない人にはオキアミ油など高品質の動物性オメガ3脂肪が必要です。
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