B12欠乏の兆候とB12の最大のメリットについて知る

ビタミンB12

早分かり -

  • 最近妊婦が子供の最適な健康を確かにする方法について新たな情報が提供されました:ビタミンB12不足にならないように注意すること
  • 妊娠中にビタミンB12が欠乏していた母親の赤ちゃんは成人してからの2型糖尿病やその他の重大な代謝の問題が発症する確率が高くなるようです
  • B12低濃度の症状には記憶障害、息切れ、抑うつ状態、皮膚の黄味、すべすべした舌、四肢末端のチクチク感が挙げられます
  • ビタミンB12は食品やサプリメントで取らなければならない必須栄養素です
  • ビタミンB12は葉酸塩や炭水化物、脂肪の代謝を補助し、赤血球の形成を助け、副腎皮質ホルモンを生産し、その他多くの機能に関わっています
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Dr. Mercolaより

最近妊婦に子供の最適な健康を確実にする方法について新たな情報が提供されました:ビタミンB12を十分に摂るように注意すること。

妊娠中にビタミンB12が欠乏していた母親の赤ちゃんは、成人してから2型糖尿病やその他の重大な代謝の問題が発症する確率が高くなることをある最近の研究が解明しました。

「あの倦怠感」や体力が全身から抜けた感じがあるとしたら、ビタミンB12欠乏であることに気がついていないようです。何年も気がつかないままに過ぎ去ることもありえます。

しかし息切れ、 味覚や臭覚の損失、うっくつ感、四肢末端のチクチク感などの見かけは無関係ないくつかの症状があれば、B12濃度検査を受けたほうがよいことを意味します。

興味深いことに、感情的にも心理的にも不安定であることで定評のあったメリー・トッド・リンカーンさんには、こうした症状以外にもいくつか、科学者らが現在では彼女の行動の原因であったと考えている症状がありました。当時の医師らはビタミンB関連の疾患である悪性貧血と呼んでいました。

玉子や牛乳、チーズ、ヨーグルト、肉、魚、鶏肉など動物性食品によく含まれるビタミンB12(コバラミン)はサプリメントでも得られ、朝食用シリアル製品に添加されています。体内では作れず、外部から補給しなければならないので「必須」栄養素と呼ばれます。

B12が必要な理由は?

ビタミンB12は全身の多くの機能のために欠かせません。その機能:

副腎皮質ホルモンの生産

葉酸塩の代謝

脂肪と炭水化物の代謝

赤血球の形成

鉄の吸収補助

適正な循環

健康な生殖能力の促進

消化促進

神経系機能の支持

神経の成長と機能の最適化

ビタミンB12の消費すべき量は?

米国国立衛生研究所(NIH)の一日のビタミンB12補給摂取量は子供の成熟に伴い増分的に上昇する用量となっています:

  • 14歳以上では2.4 μg
  • 妊婦では2.6 μg
  • 授乳中は2.8 μg

しかし多くの人が十分摂れていません。この一種類のビタミンが少なくとも部分的には、赤血球、神経のほかにもDNAの生産にも必要であると、Harvard Healthに説明されています:

「そこにこそ問題がある:ビタミンB12を十分に摂れていない人がいる一方、摂れていても吸収できない人もいる。その結果、ビタミンB12欠乏は比較的よく見られ、特に高齢者に多い。

米国のNational Health and Nutrition Examination Survey(全国健康栄養調査)による推定では、50歳以上の3.2 %はB12濃度が深刻なまでに低く、最大20 %が欠乏状態すれすれのレベルにあるとみられる。」

ビタミンB12は水溶性なのでその過剰摂取を心配する必要はなく、The Washington Postによると「身体は必要な分を吸収し、残りを排出する」のです。

B12 欠乏による悪循環

今回取り上げた研究の主執筆者でイギリスのワーウィック大学医学校のポヌサミ・サラバナン臨床准教授は、B12が不足している妊婦は体格指数(BMI)が高く、生まれる子の出生時体重が低い傾向にあることを科学者らがすでに把握していると、言っています。

いくつかの研究がこうした母親から生まれた赤ちゃんはインスリン抵抗性も子供としては大きく、これが成人してから2型糖尿病になる体質にしていることを明らかにしました。

B12低濃度の母親から生まれた赤ちゃんの症状がレプチン - 実際に満腹感を得る実感を生み出す「満腹ホルモン」ともいいう - と何か関係があるのではないかと、その研究チームは考えました。

食べるのを終えるタイミング察知は健康的体重を維持するために決定的な要因であることを研究が示しています。体重過剰な人のレプチン濃度が高まると満腹感が減り、まだ空腹だと「感じる」ので食べ過ぎてばかりいるようになって問題になります。この現象をレプチン抵抗性といいます。

適正量の食事をしても空腹感が満たされないので悪循環になります。つまり徐々に体重が増えていき、さらにレプチン抵抗性になるので、インスリン抵抗性も高まります。同時に2型糖尿病リスクが急増します。

研究からわかっている他の事実

サラバナンさんのチームはビタミンB12濃度を検査するため新生児と母親の血液サンプル91本を分析しました。同時に、母子の脂肪細胞試料と83個の胎盤から得た試料も分析しました。

想像つく通り、その科学者らはビタミンB12が足りない母親の赤ちゃんはレプチンが異常に高いことを特定しました。サラバナンさんがこう説明しています:

「母体から供給される栄養環境しだいで新生児の生涯の健康状態が決まる。

栄養不足のあるいは栄養過多の母親から生まれた子供は2型糖尿病などの健康の問題のリスクが高いことは周知であり、さらに母親のB12欠乏が脂肪代謝に影響し、このリスクに寄与することも把握している。このため、脂肪細胞のホルモン、レプチンについて調べることにした。」

その科学者らはB12が妊婦に適量ないと、赤ちゃんのレプチン遺伝子をプログラムするこのホルモンによくない影響が及ぶと仮説を立てました。研究者らはこの結果の決定メカニズムを把握していませんが、二三のことについては想像されています。

協同執筆者のアダイカラ・アントニスニル准教授・客員研究生は、ビタミンB12不足が胎児に脂肪を蓄積し、レプチンを増大させるか、あるいはB12欠乏によりレプチンを作り出す母親の遺伝子が変異するかのどちらかであると言っています。

B12は遺伝子のオンオフを左右するメチレーション反応に関わっているので、おそらく後者のほうが可能性が高いです。研究者らが正しいとすれば、現在の米国における妊婦の推奨B12濃度はもっと高く設定する必要があります。

ビタミンB12欠乏の兆候

成人の四分の一はビタミンB12低濃度状態にあります。低B12の特長的な症状は倦怠感であり、これはエネルギーを供給できるほど十分な血中酸素がないことを意味します。Health Eternallyは次のように説明しています:

「技術的にはビタミンB12自体に「実際の」エネルギーが含まれているのではない。しかし、倦怠感が出たり虚弱になることが周知の巨赤芽球性貧血では、B12を急増させることで、世界の全エネルギーがみなぎったような感じになるのは確かである!

それはビタミンB12が全身に酸素を運んでいる赤血球の生産に必須のものだからである。酸素が無ければ、死ぬ! 従って酸素化された血液がいかにエネルギーに満ちて活気を実感させるかがについて把握しやすい。」

心配性やうつ病はB12不足が、脳の快楽中枢に連関する脳内化学物質であり神経伝達物質のセロトニンと記憶力と気分を司る気分調節因子ドーパミンを阻害するので、発生することもあります。

何らかの介入なしでは、B12不足が精神分裂や妄想、幻覚にさえつながることがあります。その他の兆候:

手や脚、足にしびれやチクチクする「ピンや針の」ような感覚がすれば神経損傷が考えられます。

皮膚の黄味は赤血球の劣化の兆候であり、この劣化の過程で黄色い色素を放出するために皮膚が黄色くなります。

味覚芽を含んでいる舌乳頭の「突起」が削減され、腫れた「滑らかな」舌。

B12処置を受けたある患者はこれが完治しました。

低B12に関連している血中酸素が不足している兆候である、不安定な、ぐらつく、眩暈のような感覚。

B12欠乏による視神経損傷が原因で起きるぼやけあるいは、物がぶれて見える、あるいは視野に影が指す。

記憶障害、その他の潜在的原因がない場合、この状態は赤信号です。

ビタミンB12欠乏の原因は何か?

B12欠乏の主な原因は医者が見過ごすこともあり、いくつもあります。B12欠乏リスクがある人の例:

B12は動物性食品由来なので菜食主義者やベーガン。

B12は肝臓に貯蔵されるのでアルコールをよく飲む人。

身体がB12を吸収できなくなるクローン病やセリアック病などの自己免疫疾患のある人。

B12を含むビタミンB群が約15 %少なく、毎日コーヒーをカップ4杯以上飲む人はコーヒーを多く飲まない人よりなりやすい。

胃のバイパス手術を受けたことがあり、このため消化系が変化した人はこの要因がある可能性が高いです。

笑気ともいう一酸化窒素に暴露された人。この物質は体内のB12備蓄を枯渇させます。

高齢者。加齢に伴い内因子の生産能力が逓減するので。

内因子はB12吸収のために必須の胃細胞が作るタンパク質です。

細菌のピロリ菌(Helicobacter pylori)も内因子を破壊するので、B12の吸収を阻害します。

制酸剤を飲んでいる人。これは経時的にB12吸収を阻害する傾向が出る薬。

B12吸収に干渉するメトフォルミンを低血糖対策に飲んでいる人。

プレバシドやネキシウムなどのプロトンポンプ阻害薬あるいはペプシドやザンタックなどのH2遮断薬を飲んでいる人。

ビタミンB12は動物性食品のみに自然な形態で存在しています。ベーガンは食用酵母、ココナッツオイルや強化ココナッツミルクをよく摂り、B12摂取量を増やすことが推奨されますが、厳格なベーガン食または菜食主義食生活でさえお勧めできません。欠乏のために脳に異常をきたす事例があります。

欠乏はビタミンB1の毎週投与または高用量のB12サプリメントで補正可能であり、軽微ななら標準サプリメントやビタミンB12が豊富な食品を多く食べることで対応できます。特定の食品に含まれるB12について詳しい一覧はNIHのサイトをご覧ください。