砂糖がいかに脳の化学的組成を変性させるか

砂糖 脳 化学

早分かり -

  • 過剰な砂糖の消費は他の薬物乱用を想起させるほどの渇望的依存症を発病させることで肥満の蔓延の基礎をなします
  • 砂糖水に1日1時間12日間アクセスできるようにした豚の脳を分析した研究は、砂糖でオピオイドとドーパミン受容体の利用能が減ったことを示しており、これはオピオイドとドーパミンが(脳内で)放出されたことを意味します
  • 受容体の利用能低減は過剰刺激の兆候であり、脳が過度の刺激を受けることで脳を損傷から保護するため、受容体の感度を鈍くすることに見られます。この保護メカニズムの不利な点は、同じレベルの快楽応答を得るにためにさらに多くの物質が必要になることで、これが依存症の発症する主なメカニズムです
  • 毎日砂糖を消費すると空間記憶も損ねるほか、学習や記憶の処理中枢である脳野すなわち海馬のニューロン生成を阻害します
  • 砂糖が多い食生活は意思決定や衝動制御の中枢である前頭前野内の抑止的ニューロンを変性させます。衝動制御生涯や満足感遅延不能以外にも、このような変化は子供や思春期児童の精神衛生の悪化リスクも高めます
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Dr. Mercolaより

あなたが他の大多数の人と同じであれば、日常的に不健康な量の砂糖を消費しているはずです。たとえキャンディーが大好きでなくても、大部分の加工食品から過剰な添加糖を食べています。

BBC Oneのレポート「The Truth About Sugar」(砂糖についての真実)で説明されているように、パッタイ麺一食分には砂糖が小さじ9.5杯分、甘いのと酸っぱいチキンライスパックには同12.5杯分入っており、これはソーダ1缶より多いです。

焼き豆1缶には小さじ6杯の砂糖が含まれ、この量は1日の合計砂糖摂取量とすべきレベルなので、問題につながる食べ物はケーキやクッキー、キャンディー、アイスクリームに限られません。

多くのベビーフーズにも驚くべき量の砂糖が添加されており、子供は生涯砂糖依存症になり、これによる健康上の問題が起きるようになっているわけです。砂糖は依存症にさせるという考えは新しくありません。以前からいくつもの研究が砂糖は他の依存症にさせる物質と同じ機能をすることを証明してきました。

砂糖の依存症にさせる潜在力を分析した最新の研究の1つは、Scientific Reportsの2019年11月号に掲載され、「過度のスクロース消費は肥満蔓延の基礎をなす依存症に似た渇望を発症させる」としています。

砂糖で脳の化学的組成が変性する

ベータオピオイドとドーパミン受容体拮抗薬を与えた後、PET画像処理した研究者らは、スクロースが小型豚においていかに脳の化学的組成を変性させるかを実証しました。小型豚が選ばれたのは、この種の豚には明瞭に区分けされた皮質下領域と前頭前野があるためで、これにより「ヒトの脳機能に直接置き換えて解釈しやすくなる」からです。その研究の筆者らは次のように説明しています:

「12日間スクロースにアクセスさせたら、両方のトレーサーのBPND [特異的結合以外の結合能]が脳線条体、側坐核、視床、偏桃体、帯状皮質、前頭前野において大幅に下落し、受容体減少と整合的である。オピオイドとドーパミン受容体の利用能低下はスクロースの摂取による依存症の説明要因であると考えられる。」

スクロースだけに暴露させた場合でも、カルフェンタニル(ベータオピオイド受容体の拮抗薬)結合率が側坐核と帯状皮質において14%減少し、オピオイド放出と整合的です。

以上のことを単純に言えば、砂糖の消費は脳に自然オピオイドとドーパミンを放出させ、これらの受容体の利用能が低下します。受容体の利用能低減は過剰刺激の兆候であり、脳が過度の刺激を受けることで脳を損傷から保護するため受容体の感度を鈍くすることに視られます。

この保護メカニズムの不利な点は、同じレベルの快楽応答を得るにためにさらに多くの物質が必要になることで、これが依存症の発症する主なメカニズムです。

砂糖は他の依存症になる薬物と同じように脳に悪影響を及ぼす

Scientific Reportsに掲載されたその研究の図4は、カルフェンタニル結合が12日間を通じていかにベースライン濃度から変化したかを示しています。図6はドーパミン受容体に対する選択的拮抗薬であるラクロプリドの変化を示します。

図4: ベースラインから12日間のスクロース水溶液への暴露後までのカルフェンタニル結合ポテンシャルの領域別解析

図4

図6: ベースラインから12日間のスクロース水溶液への暴露後までのラクロプリド結合ポテンシャルの領域別解析

図6

その執筆者らによると、「結果は、スクロースは薬物乱用と同様の報償メカニズムに影響することを明確に示す。」その論文の考察の節ではさらに次のような説明があります:

「口に合う物質としてのスクロース摂取は齧歯類においてはDA [ドーパミン]を分泌させ、依存症を誘発し、特定の状況においてはコカインよりスクロースのほうがはるかに報償効果が高い。このため、齧歯類は餌欠如状態にしなくてもコカインよりスクロースを得ようとしてさらに激しく作業する。

しかし、スクロースの効果はホメオスタシス系とスクロースによる栄養素としての側面と快楽的側面としての作用を区別させると考えられる、快楽報償回路の両方により調節される。

「一気飲み」を促すため1日1時間のスケジュールを選択した。食品摂取の行動面の研究は、食餌制限した実験動物をしばしば標的にするが、本研究のデザインが肥満において活性のあるのと同じ神経メカニズムを必ずしも反映するとはいえない。本研究で使用した豚は食餌制限せず、スクロースアクセスに加え通常の餌の量を与えた。

オピオイド受容体(OR)は食べるプロセスと報償プロセスを調節する構造体において特に、脳内に幅広く発現した。ORsはコカインの報償および摂取再開効果において重要な機能をしている。以前のいくつかの研究では味わいのよい食品がオピオイド放出を刺激することにより快楽感を生むことが判明した。

12日間スクロースへのアクセス後、カルフェンタニル結合が減少したが、これには内生的オピオイド放出およびμOR [ベータオピオイド受容体]への結合、オピオイド結合の増加によるμOR内生化、DA D2/3受容体の活性増大によるμORの異種脱感作など、いくつかの説明が可能である。

健常な男子における急性期の食(一気に多く食べる)行動に関するある研究では、快楽状態の有無いずれの場合にも、着実かつ広範囲な内因性脳内オピオイドの放出をもたらし、オピオイド放出が快楽応答だけではなく代謝的、ホメオスタシス的応答をも反映することが示された。」

過剰な砂糖によるその他の脳内の変化

毎日砂糖を消費すると空間記憶を損ね、学習や記憶の処理中枢である脳野すなわち海馬のニューロン生成を阻害します。

ラットに関する研究でも砂糖を多く摂食生活が意思決定や衝動制御の中枢である前頭前野内の抑止的ニューロンを変性させやすいことがわかっています。衝動制御生涯や満足感遅延不能以外にも、このような変化は子供や思春期児童の精神衛生の悪化リスクも高めます。2015年の研究には次のように記載されています:

「スクロースに暴露したラットは前頭前野機能障害の兆候である文脈に即した、適正な応答ができなくなることを特定した。スクロースに暴露したラットはさらに所定の場所にある物体の認知記憶作業ができなくなり、前頭前野も海馬の機能も障害を受けていることが示された。

脳を調べると、パルブアルブミン免疫反応性GABA性インターニューロンの発現が海馬と前頭前野で減り、思春期のスクロース消費が長期的病理を誘発し、確認された認知力欠損の原因であると考えられる。

以上の結果から、砂糖で甘味を付けた飲料を思春期に多く消費すると神経認知機能も障害を起こし、意思決定や記憶力が低下し、精神異常にさえつながるリスクが高くなる。」

砂糖を全く取らないことは健康改善のための方策

言うまでもなく、砂糖が多い食生活では不要な体脂肪が増え、健康も害しますが、このペースが異常に速いです。上記のBBC番号「The Truth About Sugar」(冒頭のリンク先参照)で説明されていたように、紅茶やコーヒーを1杯当たりティースプーン2杯の砂糖を入れて飲み、しかも肉体活動を増やして余分なカロリーを代謝させないでいる限り、単年度で体重が4.5 kg増える計算になります。

ほとんどの人が毎日これよりはるかに多量の砂糖を消費していることを考えると、肥満が例外ではなく当たり前になってしまった原因をうなづけます。

世界保健機関(WHO)は毎日の砂糖消費を合計カロリー摂取のうち10%、さらによいのは5%に減らすことを勧めています。この量は本気で健康を最適にするつもりなら、1日に砂糖をティースプーン約6杯または25 gまでとすることに匹敵します。

砂糖を1日のカロリー摂取のうち27%から10%程度まで減らすと、10日もすれば健康関連の生体マーカーがよくなることを研究が示している点は喜ばしいことであり、この効果は全体のカロリー摂取量と炭水化物の比率が同じでも得られます。

このことはごく簡単なように聞こえますが、加工食品が主の食生活ではかなり困難です。SugarScience.orgによると、砂糖は60を超える異なる名称で74%の加工食品に隠れています。一覧はSugarScience.orgのページ「Hidden in Plain Sight」をご参照ください。

砂糖を避けようと思うなら、すべてが同じ影響を及ぼすので、そこに掲載されている糖質をすべて避ける必要があります。しかし、とりわけ精製果糖 — 高果糖コーンシロップなど — が最も重大な健康への悪影響があり、肥満や糖尿病の主な促進要因です。

砂糖依存症を断つ方策

糖分への渇望と闘っているなら、間歇的絶食がよいです。最適な効果を得るには、砂糖や野菜以外の炭水化物からのカロリーではなく、野菜と健康的脂肪からのカロリーを摂るように変えると、身体の代謝がリセットされ、脂肪を再び燃料として燃やす体質に変えられます。砂糖が主な燃料として不要になり、砂糖蓄積量が減れば、身体は糖分を渇望しなくなります。

食物渇望の感情的要素に対処できるもう一つの有用なテクニックは、感情解放テクニック(EFT)です。健康と身体の改善のために物理的手順を行おうとしているときに、自分自身に関して否定的な考えや気持ちを持ち続けていると、おそらく成功できません。

伝統的な心理学的手法はたまには有用かもしれませんが、EFTは安価であるのはいうまでもなく、はるかに効果的なソリューションです。食物との関係を変えたいとき、特に自分の感情や自己イメージこそ最大の敵だと感じているなら、私の「free EFT manual(無料EFT説明書)をお読みになり、自分でEFTを試すとよいです。

砂糖渇望を標的にした特定のEFTはターボ・タッピングといいます。詳しい方法についてはThe Epoch Timesの記事「Turbo Tapping: How to Get Rid of Your Soda Addiction」(ターボタッピング:ソーダ依存症を解消する方法)をご参照ください。