Dr. Mercolaより
これまでに実施された中で最も大規模な世界的分析によると、敗血症は2017年だけでも5600万人が罹患したうち1100万人が死んだほど世界的に5人に1人が毎年亡くなっている原因です。更新統計が以前の推定値の二倍もあったので、研究者らはこの事実に「警鐘」を鳴らしています。
敗血症は身体が全身感染に対して過剰に反応し、過度の極めて損傷を与える免疫応答するほどの全身感染によって引き起こされる致死的状態です。
迅速に診断し処置しないと、多臓器不全や死亡にまで急性で進行するので、病気になったり入院しているときは、常にこの兆候や症状に注意することは決定的に重要です。
これには、敗血症はインフルエンザの兆候や症状の多くと似た症状を出すので、インフルエンザの疑いがある症例も含みます。実際に私の以前の記事「The Alarming Reason Some People Die From the Flu」(インフルエンザで死ぬ人もいる警戒すべき理由)で説明したように、敗血症はインフルエンザによる主な死因の一つです。
ビタミン C点滴(IV)にハイドロコルチゾンとチアミン(ビタミン B1)も併用する処置が生存率を劇的に高めることが実証されたことは幸いなことです。
この敗血症処置方式はイーストバージニアのセンタラ・ノーフォーク病院で救命救急診療のDr.ポール・マリク医師が開発しました。同氏が行った投与前後に関する遡及的臨床研究では、チアミン200 mgを12時間ごと、アスコルビン酸1,500 mgを6時間ごと、50 mgのハイドロコルチゾンを6時間ごとに2日間投与したら死亡率が40%から8.5%に下がりました。
重要な点は、この処置に副作用は全くなく、安価であり、すぐ入手でき、投与し易いので、事実上リスクフリーであることです。2020年1月9日にウェブに公開されたもっと最近の研究は、マリク法による敗血症処置が小児患者の死亡率も低めたことを伝えています。
その研究はシカゴにあるアン&ロバートHルリー小児病便で実施され、Science Dailyは同研究の初期データが「成人で確認された有望な成果を裏付ける」としています。2014年1月から2019年2月のまでに敗血症ショックが発生した小児患者557人が同研究の対象者になりました。
うち43名がマリク医師のビタミン C-B1-ハイドロコルチゾン処置を受け、181人はハイドロコルチゾンのみで処置され、333人にはどちらの処置もしませんでした。ビタミン Cの処置を受けた患者43名を未処理対照群43名とハイドロコルチゾンのみで処置した患者43名の臨床状況をベースラインとして比較検討しました。
30日時点に、対照群とハイドロコルチゾンのみのグループが死亡率28%だったのに対し、処置群では9%にとどまりました。90日目、対照群の35%とハイドロコルチゾンのみの群の33%が死亡し、処置群では高々14%にとどまりました。
その研究の執筆者らの説明によると、「本研究の結果からHAT [ハイドロコルチゾン、アスコルビン酸、チアミン]療法を臨床処置後まもなく投与する限り、敗血症ショックの発生した小児の死亡率が下がることが示された。」
2009年、IV ビタミン Cがおそらく救命可能な重症豚インフルエンザに対する処置になりうることが証明されました。それ以前すでに多くの研究が様々な感染症に対するビタミン Cの効能を実証していました。
1994年のある無作為二重盲検において、急性呼吸器感染症で入院していた高齢患者にビタミン Cを1日200 mg投与したら、プラセボを受けた患者よりはるかによく回復したことを特定しました。
その執筆者らによると、「これは特に最も重症で試験を開始した症例に当てはまり、その患者の多くは血漿中および白血球中ビタミン C濃度が入院時点に極めて低下していた。」
現在、ビタミン Cをコロナウイルスに対してもテストが開始される予定です。その研究「Vitamin C Infusion for the Treatment of Severe 2019-nCoV Infected Pneumonia」(重症2019-nCoV感染性肺炎の処置に向けたビタミンC点滴)はClinicalTrials.govのサイトに2020年2月11日に公開されたもので、いまだ患者の募集中で開始されていません。この研究説明は次のことを伝えています:
「2019年末、中国の武漢市に説明のつかない肺炎患者が発生した。その後、世界保健機関(WHO)は武漢での肺炎伝染を起こした新型コロナウイルスを2019年新型コロナウイルス(2019-nCoV)、また肺炎の方は重症急性呼吸器感染症(SARI)と公式に命名した。
2020年2月4日までに中国で20,000症例がこのコロナウイルスによる肺炎と診断され、このうち406人はすでに死亡し、154症例が世界中の他国で発見された。死亡症例の多くは高齢患者や重度の既往症がある患者であった。
JAMAに掲載されたSARIの患者41人の統計からすると、13人の患者がICUに搬送されて来たが、このうち11人 (85%)はARDS、3人 (23%)はショック状態であった。うち、10 人(77%)は呼吸支持装置が必要であり、2人 (15%)は膜型人工肺による支持が必要であった。これら13人の患者のうち5人(38%)が結局死亡し、7人(38%)がICUから搬出された。
ウィルス性肺炎は臨床的に予後の見込みが極めて乏しい危険な状態である。アスコルビン酸としても知られるビタミン Cには抗酸化性がある。敗血症になると、敗血症が原因のサイトキンが急増し、肺内では好中球が蓄積し、肺胞毛細血管を破壊する。初期の臨床研究からはビタミン Cがこのプロセスを効果的に防止することが判明している。
さらに、ビタミン Cは好中球の活性と蓄積を阻止し、肺胞表皮水経路の損傷を軽減することで肺胞液の解消に有用である。同時にビタミン Cは好中球活性による血管損傷の生物学的現象である好中球細胞外トラップの形成を阻止する。」
この研究者らは、1日24 gの IV ビタミン Cを1時間7 mLのレートで患者を処置する予定です。対照群は普通の生理食塩水IV投与を受ける予定です。
一次結果の尺度は、入院から28日間で換気支持装置なしでいられる日数になります。二次結果の尺度は、死亡率、ICU処置日数、必要なCPR(心肺機能蘇生法)率、昇圧剤の使用度、呼吸機能、敗血症関連の臓器不全その他になります。
結果は待つしかありませんが、おそらくよい結果が出るはずです。2003年のSARS汎流行のときは、あるフィンランドの研究者がビタミン Cの使用について調べるように提案して次のように説明していました:
「最近新型コロナウイルスが重症急性呼吸器症候群(SARS)の原因として識別された。SARSに効く固有の処置法がない中、ビタミン Cが非特異的効果を数種類のウィルス性呼吸器管感染症に対して持つ可能性について検討すべきである。
ビタミン Cが食細胞の機能やTリンパ球の転換、インターフェロンの生産など免疫系に効果がありうることを示す多くのレポートが存在する。殊に、ビタミン Cは鳥コロナウイルスが原因の感染に対する鶏受精卵の気管培養細胞の抵抗力を強めた。」
同氏はさらに、ある研究がビタミン Cは養鶏若鶏を鳥コロナウイルスから保護し、人間の普通の風邪が早く治るようになり症状も軽くし、肺炎になりにくくすることを示したことを挙げています。残念ながら、ビタミン CはSARSのとき研究された模様がないので、中国が2019-nCoVに対する応用研究を実施中であることには励まされます。
ビタミン Cには強力な健康メリットの説明因子である2つの主な機能があります。まず、強力な抗酸化物質として機能すること。これは酵素反応プロセスのための共通因子として機能します。
風邪やその他の病気に対するビタミン C多量投与の最も周知の前駆者は1954年にノーベル化学賞を受賞したリヌス・カール・ポーリング(1901年~1994年)でした。
こうした事実にも関わらず、同氏の栄養研究は自分の専門分野から大きく外れていると多くに受け止められ、ビタミン Cの勧めは主流の医学界や栄養科学者らから無視や嘲笑されていました — ポーリングの発見実績に対抗するうぬぼれ判事として医療系のブロガーがその先鋒に立っていました。
しかし、その他の者はポーリングが指摘しようとしていたことを採り上げ、今やビタミン Cがよい健康と生命力のためにいかに重要かについて世界に目を覚まさせようとしています。
IV ビタミン C投与事例を何万件も自分で監督した経験があるビタミン Cの国際的に認知度が高い専門家Dr.ロナルド・ハニングヘイクによると、ビタミン Cは感染病のために「実際に最も効く処置手段」であることを考えると、「感染病において確かに非常に利用不足である」といいます。
ハニングヘイク博士と私とのインタビューの中で、同氏は従来式医療がビタミン Cの重要性を認めたがらないできた理由の一つは、実際には、高用量で投与した場合には病原菌を全滅させる強力な酸化剤であるのに、これを単なるビタミンとしてか見なしていないことによるものであることを示していました。
金銭的な要因も絡んでいます。ビタミン Cでは安価すぎて儲からないからです。従来式医療は基本的によい利潤につながらない方策には、悪名が高い通り興味を示しません。
どんな感染症からも発生しうる敗血症に関して言うと、時間がかぎを握ります。敗血症の兆候や症状を熟知し、敗血症かなと思ったら直ちに行動をとることが本当に重要です。
最初は兆候が微妙なのでわかりにくい場合がありますが、敗血症は通常の場合次のような兆候や症状が出ます:以下の症状の多くはひどい風邪かインフルエンザと間違えやすいです。しかし、普通想像するよりあっという間に悪化しやすいです。
悪寒と震えを伴う高熱
心拍の高まり(頻拍症)
息遣いの速まり(多呼吸)
大汗(発汗)
めまい
精神錯乱と見当識障害
ろれつが回らなくなる
下痢、吐き気、嘔吐
呼吸困難、息切れ
重症の筋痛
尿の量が減る
冷たくて湿っぽい皮膚あるいは皮疹
マリク方式敗血症処置は救命手段なので、入院したら必ず主治医に話すのが賢明です。敗血症が入院中に移される二次感染の結果であることは頻繁にあるので、覚悟しておくのが賢明です。
覚悟しておけば、入院中に敗血症になっても臨床チームが希望をすでに聞いてあるのですぐに行動できます。マリク医師によると症状が出て最初の6時間以内にビタミンC溶液を投与すると最適な結果が得られます。処置が遅れるほど、成功確率が低くなります。
担当医がすぐにこの手法を検討したがらなければ、ここに挙げた研究を検討するよう説得しましょう。病院の方針としてこうした処置を拒否する場合が多いでしょうが、成人で病人になった限り、処置法を要求する権利があるのが普通です。私は実際に近々マリク医師に会見し、この戦略を患者が自分の地元の病院で実施させ易くできるプロセスを共同開発できるようになればよいと期待しています。
マリク方式敗血症処置などのビタミン C高用量処置の唯一の禁忌は、遺伝子異常によるグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PD)欠乏です。G6PDはNAD+の「従妹」みたいなもので、還元力を移転させてグルタチオンやビタミンCなどの抗酸化物質が機能し続けるために必要なNADPHの生産に必須の酵素です。
赤血球にミトコンドリアは含まれていないので、還元グルタチオンを供給するための唯一の手段はNADPHから得るしかないところへ、G6PDが無いとこれができなくなるので、赤血球は酸化ストレスを補償するすべを失い破裂します。
幸いにもG6PD欠乏は比較的稀であり、検査可能です。地中海諸国やアフリカ系の人々はG6PD欠乏リスクが他の人より大きいです。世界的にはおそらく4億人がG6PD欠乏になっており、米国ではアフリカ系アメリカ人の男性10人に1人と考えられます。
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