糖尿病に効く最適な形態の運動:筋力トレーニングと高強度運動

高強度

早分かり -

  • 2型糖尿病はレプチン及びインスリンの信号伝達及び抵抗性に支障が生じることで発生し、両方とも運動不足やでんぷん系炭水化物、砂糖が多い食生活が原因です
  • しかし、糖尿病管理のため二つの運動が最も効果的なことが判明しており、どんな形態でも肉体的活動はある程度の有益な効果があることはわかっていますが、これらは高強度運動と筋力トレーニングです
  • 高強度インターバルトレーニングも糖尿病リスクを効果的に下げることがわかっています。ある研究では、高齢の2型糖尿病の肥満患者でさえも、高強度インターバルトレーニング(HIIT)を2週間で6回行っただけで、血糖調節がよくなりました
  • これより重要なわけではなくとも同様に重要なのは、毎日の運動以外の動作です。座ってばかりいると血糖やトリグリセリド、コレステロールを処理している筋肉系や細胞系統を含むインスリンが仲介するいくつものシステムが停止ないし阻止されるからです。単に立ち上がるだけでも分子レベルでこれらの系統がすべて活性化します
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Dr. Mercolaより

2型糖尿病はレプチン及びインスリンの信号伝達及び抵抗性の異常により発生し、これらの異常は運動不足やでんぷん系炭水化物あるいは砂糖が多い食生活と直結しています。残念なことに、2型糖尿病と診断されるた多くの人は運命は定まったので、できることはこれを「管理」することしかないと思うように誘導されていることです。

これは単に虚偽でしかありません。低炭水化物高脂肪食に運動や毎日の動作を合わせるのが、このよくある病気から回復するために正しい処方です - 薬剤ではだめなのです。絶食は効果が速く出るもう一つの実績がある療法です。

Medicine & Science in Sports & Exerciseに掲載されたある研究は、適度な運動がグルコースの調節の改善や食後のグルコース急増を抑制することを特定しました。

しかし、糖尿病管理のための運動という点では二つの運動が最も効果的なことが判明しており、どんな形態でも肉体的活動はある程度の有益な効果があることはわかっていますが、これらは高強度運動と筋力トレーニングです。

筋肉に適度な強さがあると糖尿病リスクが低下する

2019年3月号のMayo Clinic Proceedingsに筋力トレーニングと2型糖尿病発生率の関連性について掲載されていました。その研究は20歳から100歳のベースラインで2型糖尿病がない4,681人を募りました。筋力トレーニングをレッグプレスとベンチプレスでテストしました。

平均追跡期間8.3年の間に4.9%が糖尿病になりました。その執筆者らによると:

「中度筋力トレーニングをした参加者は軽度筋力トレーニングをした人と比較して潜在的交絡要因の調整後、2型糖尿病の発病リスクが32%低下していた。

しかしこれより強度の高い筋力トレーニングと2型糖尿病発生率の間に有意な相関性は確認されなかった。

中度の筋力トレーニングは推定CRF [心臓呼吸器系のフィットネス]とは独立的に、2型糖尿病リスクの低下と相関している。筋力トレーニングと2型糖尿病の間の用量応答関係についてさらに研究が必要である。」

筋肉をつけるとグルコースの代謝とインスリン感度がよくなる

この種の研究の3例目が2013年にBioMed Research Internationalに掲載されました。この研究も運動により糖尿病リスクが下がるメカニズムを調査しました。

筋力トレーニングがいかにグルコースの代謝をよくするかは骨格筋の中のグルコース輸送体4型(GLUT4)転座を増大させることによります。GLUT4転座は筋収縮の結果起き、筋肉へのグルコース吸収の適正な調節のために必須です。

すでにご説明した通り、無駄のない筋肉はインスリン感度が高いので、筋力トレーニングはインスリン感度も増加させ、このため代謝の柔軟性を回復させます。インスリンをさらに効率的に使用することにより、身体はグルコースをもっと消費するようになり、血流に回る量が減ります — グルコース制御が改善します。

「筋力トレーニングに応じてエネルギー支出が増加し、運動後の酸素消費はもう一つの有益な効果であると考えられる」と、その研究は説明します。

日常運動していても日々の動作は必須です

筋力トレーニングとHIITが糖尿病の管理のために重要であるとはいえ、それ自体かつそれだけでは不足です。これよりも重要とは言わないまでも運動以外の動作も同じように重要です。その理由は不活発さ、単に座っているだけでは、インスリンが仲介するいくつものシステムを停止や阻害し、これには血糖、トリグリセリド、コレステロールを処理する筋肉系と細胞系が含まれます。

単に立ち上がり、体重を両脚で受けるとこれらの系統すべてが分子レベルで活性化します。実際に、長時間着座は—定期的に運動して元気でい続けていても - これだけで慢性病や早死にの要因です。

数件の研究がこの点を強調しており、いつも座ってばかりいると糖尿病の人には特に有害であることを確認しました。例:

  • ニュージーランドの研究者らが行った2016年のある研究では、毎食後10分散歩すると、一日一回30分運動するより糖尿病患者の血糖制御が改善し、食後の血糖値が22%下がることを特定しました。このことは血糖を効果的に管理するにはもっと動くことが必須であることを物語っています。
  • 28件の研究に関する2016年のあるレビューは運動と全体的な糖尿病リスクの間の反比例関係を特定しました。言い換えると、運動すればするほど、2型糖尿病のリスクが下がります。その研究者らはこの主なメカニズムの一つが運動により筋肉は砂糖をより効果的に消費できることであるとも結論づけています。その研究は、一週間に150分から300分の運動で2型糖尿病リスクが36%下がることを示しました。
  • 2017年にオーストラリアの研究者らが行ったある研究では、(トイレに立つ以外)終日座っている2型糖尿病患者のほうが、30分おきに3分でも立ち上がって動いた人より血中脂肪特性のリスクが大きいことが判明しました。

糖尿病から回復するには、食生活と運動の変化が重要です

糖尿病であれば運動が不可欠なことは明白ですが、肉体活動だけでも異常を改善に向かわせ易いとしても、それだけに治療戦略として頼りきることに私は反対です。インスリン抵抗性とレプチン抵抗性という根本の問題にも対処するべきであり、これらの異常こそ運動不足ばかりではなく、食生活にも直結しています。

インスリン抵抗性(従って2型糖尿病にもいえる)を予防し、逆転させるのに最も効果的方法の一つは周期的なケトン食です。これにより体重に劇的な効果も得られ、身体が脂肪を主な燃料として燃やし始めるので、結局不要な体重を落とすことができるようになります。

一言でいえば、代謝機能とミトコンドリア機能を最適にすれば、ケトン食生活で確実に健康を回復できます。実際に最新科学研究から、高脂肪低正味炭水化物に低・中タンパク質の食生活(言い換えると周期的なケトン食生活を堅持すること)はたいていの人にとって最適です。

耐久スポーツ選手でさえ、従来式の高炭水化物食を避け、ケトン主体食にすると肉体のスタミナや耐久力が増すのでこちらにシフトしています。

銘記すべき点として、ケトン食生活を継続すると潜在的に有害なこともありえるので、私は、身体が脂肪を燃料として効率よく燃やし始めたらケトン食生活を周期的に実行するようにするよう強調します。これは週に二三回は炭水化物とタンパク質を多く食べることで、最適なのは、筋力トレーニングをしている日や部分的絶食を行った日に行うことです。

周期的に炭水化物摂取量を短期間だけ高める、つまり消費量を1日20〜50グラムから100〜150グラムに高めることで、ケトンレベルが劇的に上昇し、血糖値が低下します。

食生活がいかに糖尿病リスクに影響するか

糖尿病の予防や回復のためにいかに食生活が重要かをよく把握するため、インスリン/レプチン抵抗性の基本的機序について少々おさえておく必要があります。

  • レプチンは脂肪細胞で生産されるタンパク質ホルモンです。レプチンの主な機能の一つは食欲と体重の調節です。このホルモンが脳に食べるタイミング、食べる量、食べ終えるタイミング、利用可能なエネルギーの利用について信号を送ります。レプチンはインスリンの信号伝達の精度およびインスリン抵抗性になるかどうかをほぼ決定する要因です。
  • インスリンは血中グルコースの増加にともない分泌されます。砂糖と穀類が血糖値を最も増加させますが、健康的な脂肪はグルコース濃度にほぼ影響しません。血中グルコースが増加するとインスリンが分泌され余分なエネルギーを貯蔵させます。少量がグリコーゲンというでんぷんに似ている物質に貯蔵されますが、大部分は脂肪細胞として主にエネルギー供給のバックアップ用に備蓄されます。

ここに重要な点を区別してください:インスリンの主な機能は血糖値を下げることではなく、余分なエネルギーを今後の必要性のために貯蔵することです。インスリンによる血糖値低下という効果はこのエネルギー貯蔵プロセスの「副作用」であるだけです。

すでにおわかりのとおり、レプチンとインスリンは協働し、食物に応じて健康に害があるか健康をよくする周期のいずれかが生じます。砂糖や穀物を多く食べると、血糖値急増のためインスリンが増え、このため脂肪が貯蔵されることになります。余分な脂肪はレプチンをさらに分泌させます。

レプチン濃度が慢性的に高いとこの問題が生じます。この時点でレプチン抵抗性が発生しており、身体がホルモンによる満足感と食事を終えろという脳への命令をもはや「聞けなく」なります。脂肪が貯蔵され続けるので、体重は増え続け、インスリン抵抗性が定着します。

このため身体は両方のホルモン (レプチンとインスリン)の信号が「聞こえなく」なり、発病し、糖尿病はその一つです。

運動は食後のグルコース急増を下げ、インスリン感度を改善しますが、日々の食事次第で逆方向に作用して努力も虚しく簡単に逆効果になります。口を過剰に動かすことは単にできないわけで、食生活対策こそ糖尿病管理の決定的要素です。

糖尿病と別れを告げる準備はできていますか?

以下のガイドラインに徹すると、2型糖尿病の治療に成功するための三つの必要条件を実現できます:1) インスリン/レプチン感度の回復、2) 体重の正常化、3) 血圧の正常化:

食生活からあらゆる形態の砂糖と穀類を厳格に制限する(または無くす) — タンパク質を過剰に食べないようにしましょう。余計なタンパク質は肝臓で糖質に変換され、これがインスリン抵抗性の管理能力をだめにします。炭水化物が過剰であるより、タンパク質が過剰なほうが健康に有害です。

よい脂肪を食べる — 海洋性オメガ3脂肪は最適な健康のために特に欠かせません。

「Deep Nutrition: Why Your Genes Need Traditional Food」(深い栄養:遺伝子が伝統的食品を必要とする理由)の著者Dr.ケイト・シャナハンによる次のリストも現代の食生活に見られる最適な脂肪と最悪な脂肪を詳しく挙げています。

脂肪

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絶食 — 絶食は糖尿病治療のためのもう一つの強力な戦略でもあります。詳しくは、「The Diabetes Code: Prevent and Reverse Type 2 Diabetes Naturally」(糖尿病のコード:2型糖尿病を自然に予防し逆転させる)の著者Dr. ジェイソン・ファンとのインタビューをご参照ください。

運動して活発に過ごす — いかに始めるかについてよくわからない方は、私のピークフィットネスプログラムに記載のヒントやガイドラインをご参照ください。HIITや筋力トレーニングを運動プログラムに含めること、そして毎日できる限り活発に過ごすことをお忘れなく。

ビタミンD濃度の最適化 — ビタミンD濃度とインスリン抵抗性の相関性が明確に存在すること、ビタミンDは正常なインスリン分泌に必須であり、インスリン感度をよくすることをある研究が実証しました。

腸内細菌を最適化する — 肥満な人の腸内細菌はスマートな人とは異なり、一部の微生物が肥満を促す傾向があることをいくつもの研究が実証しました。幸いにも腸内細菌叢は比較的簡単に最適化できます。伝統的な発酵食品を食べたり、高品質なプロバイオティクスサプリメントを飲むと、善玉菌を体内に復活させることができます。

底流にある感情的問題やストレスに対処する — 感情解放テクニック (EFT)等の非侵撃的手段は有用で効果的です。

毎晩8時間寝る — 睡眠不足は体重増加と糖尿病のリスクをともに高めることが研究からわかっています。2015年のある研究は、日中の眠気や居眠り(睡眠不足の兆候である場合が多い)が2型糖尿病リスクを58%高めることを証明しており、睡眠は大切です。

空腹時インスリンレベルを監視する — このレベルは空腹時血糖値と同様に重要です。空腹時インスリンレベルは2から4の間を維持しましょう。このレベルが高いほどインスリン感度が悪いことを示します。