カカオは何の効能があるか?

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ココア

カカオの栄養成分

地球上でもっとも人気がある野生の樹木のひとつはココアそしてチョコレートの原料になるカカオです。カカオとココアは同じものと思う人もいるかもしれませんが正確には異なります。カカオは樹木で、これからココアを生産します(コカはコカインの原料になる常緑の低木なので混同しないでください)。カカオの鞘と中の豆を加工してココアパウダーやココアバターあるいは乾燥して発酵させるとチョコレートができます。

ココアの豆は医用に使え、性欲を促すので古代南米文明間で通貨として機能していました。カサノバがココアを大好きだったという噂もあります。

カカオが食用に加工された物的証拠は1,400 B.C.までさかのぼり、この根拠はホンジュラスで発掘された陶器に付着していたことから得られたもので、大人向けの飲料製造用パルプを発酵させていたようです。甘い種類のものは新世界にヨーロッパ人が上陸して液状のカカオを味わった頃に作られました。彼らは最初はとても嫌いでしたが、誰かが蜂蜜を加えるととてもおいしいことを発見しました17世紀までにこの形態のチョコレートが欧州で流行り、その後世界に伝播しました。今でも世界にはやり続けています。

カカオの組成

カカオの健康メリット

フリーラジカルや抗酸化物質に関しては多くの議論が行われてきたけれども、健康に関してこれらの用語が意味することをあまり把握していない人もいます。太陽光に当たったり、煙草の煙、郊外、除草剤などの有毒化学物質、不健康な食品はすべて体内にフリーラジカルを発生させますが、ストレスなどの要因によっても発生し、健康な組織を損傷します。食品から摂れる抗酸化物質はこのプロセスを逆転させ、有害なフリーラジカルを解消して病気と闘いやすくします。

カカオがここで登場します。生のカカオパウダーには300種類以上の化合物が含まれ、平均的ダークチョコレートの抗酸化パウダーよりほぼ4倍 - ブルーベリーの20倍以上の化合物が含まれます。タンパク質、カルシウム、カロテン、チアミン、リボフラビン、マグネシウム、硫黄、フラボノイド、抗酸化物質、必須脂肪酸も含みます。これらすべての要素の正確な混合比により自然な植物化学物質の効能が発揮され、LDLコレステロールの低下、心臓機能の改善、がんリスク削減など全身に想像以上のメリットを与えます。

フェネチラミンPEAはその一つです。この化合物は誰かに惹かれると脳内に大量に分泌されることはわかっており、また、神経伝達物質である自然な鎮痛やストレス解消効果がある化学物質はエンドルフィンを分泌させ、注意力や集中力を維持し続けられるようになります。

チョコレートはセロトニン分泌を増加させるので、感情や気分に効果があり、憂鬱な気分になってくるとよくチョコレートが食べたくなるのはこのためであるといくつもの研究が実証しました。さらに、うつ病の治療に使われることがある軽微な刺激薬であるテオブロミンという神経伝達物質にもよい効果があります。この物質はリラックス感や満足感といった固有の意気高揚感を生み出す化合物アナンダミドを分泌させます。

チョコレートは自分によくないにちがいないと思う(あまりに、おいしいときにはなおさらそうなんですね?)人のために安心してください:生のカカオ半カップには糖質が1gしか含まれません。この特徴こそカカオの差別化点です。残念ながら、処理や精製中の高温やさまざまなココアやチョコレートの生産のための精製工程でカカオ豆の微量栄養素が壊れ、健康への効果もなくなります。

それだけではなく、高果糖コーンシロップ(HFCS)、砂糖、一部の水素化処理オイルが自然なココアの量を低め、乳製品は抗酸化物質の吸収を実際に阻害するので、栄養面のメリットを求めるのであれば、平均的チョコレート製品ではあまり摂れそうもないです。

カカオの栄養成分

分量:乾燥粉100 g、甘味無添加
  量摂取量 必須日量
充足度(%)*
カロリー 228  
脂肪によるカロリー 115  
総脂質 14 g 21%
飽和脂肪 8 g 40%
トランス脂肪    
コレステロール 0 mg 0%
ナトリウム 21 mg 1%
総炭水化物 58 g 19%
食物繊維 33 g 133%
糖質 2 g  
タンパク質 20 g  
ビタミンA 0% ビタミンC 0%
カルシウム 13% 鉄分 77%

*一日2,000カロリーの食事に対する充足度(%)。摂取カロリーによって一日必要量の充足度は上下する場合があります。

カカオ研究

ある研究によると、ブラックティー、緑茶、赤ワイン、ココアにはそれぞれテアフラビン、没食子酸エピガロカテキン、レスベラトロール、プロシアニジンなどのフェノール系植物化学物質が豊富に含まれ、抗酸化力による化学予防的物質としての機能があると考えられるため、研究が進んでいます。ココアにははるかに多くの総フェノール化学物質が含まれ、最も抗酸化活性があります。この研究結果からココアはティーや赤ワインより健康メリットがあるように考えられます。

別の研究は果物や野菜をよく食べることで冠動脈疾患や脳卒中リスクが下がると同時に、ココアには「天然ポリフェノールが豊富な食品」として同じ関係が特定されました。介入研究からはココアには降圧効果や欠陥機能の改善、グルコース代謝の改善、血小板凝集や癒着の削減効果など、心臓血管の健康にいくつかよい効能があることがほぼわかっています。ココアがよい効能を発揮する想定メカニズムには、一酸化窒素合成酵素の活性化、一酸化窒素の生体利用能改善、抗酸化特性、抗炎症特性があります。

ヘルシーなカカオレシピ

生カカオ・フルーツナッツボンボン

生カカオ・フルーツナッツボンボン

材料

  • ナツメヤシ1カップ
  • ココナッツオイル¼カップ
  • 蜂蜜¼カップ(またはステビア)
  • カルダモンの粉小さじ½
  • シナモン小さじ¼
  • 海塩一つまみ
  • バニラエッセンス小さじ1
  • ココナッツ½カップ
  • 生カカオパウダー½カップ
  • 砕いて浸したナッツ(アーモンド、胡桃、ピーカン)¾カップ
  • ドライフツール¼カップ(レーズン、チェリー、クランベリー)

手順

  1. ナツメヤシをフッドプロセッサーに入れ、高速で10秒処理する。ココナッツオイル、蜂蜜、カルダモン、シナモン、海塩、バニラエッセンスを加え、再度プロセッサーで10秒から20秒またはかこの混合液が完全に混ざり合うまで処理する。
  2. ココナッツとカカオのパウダーを加え、また10秒処理する。大きめのミキシングボウルに移し、砕いたナッツやドライフルーツを加え、よくかき混ぜる。

リリース付きアイスクリームスクーパー(かスプーン)で以上のボンボンをクッキングシートを敷いたお皿やトレイに載せるる。30分以上冷やす。さあ、召し上がれ!

カカオのおもしろい事実

アズテックの人々はカカオを「ヨロテルエズトリ」(心臓血)と名付けました。今では心臓血管系をよくすることがわかっていカカオの心臓へのメリットをすでに把握していたようです。

まとめ

Iココアとカカオには若干の違いがあります:カカオは樹木で、ココアはこれを原料にして製造した製品です。この若干癖になりそうな植物由来物質には想像以上に強力な栄養素が含まれています。生のカカオバターには300以上の植物栄養素が含まれ、普通のダークチョコの抗酸化力よりほぼ4倍があり、タンパク質、カルシウム、カロテン、チアミン、リボフラビン、マグネシウム、硫黄も含みます。これらの特性は高温で破壊されるので、ココアパウダーの製法を把握する必要があるほか、チョコレートを焼く工程について知る必要があります。

カカオには二三の肉体的メリットを挙げるだけでも心臓の健康やコレステロール、ストレスレベル、炎症を改善する効果があります。カカオが脳内に放出する僅かなメリットにはアナンダミドやエンドルフィン、フェニルエチルアミン、セロトニンがあり、すべて「この上ない幸せ感」や「陶酔感」などの言い表し方ができるような感覚を呼び起こします。これらすべてのメリットは泡立ったホットココアや混ぜ物の無いクリーミーなチョコレートバーから得られます。スペインではカカオを「黒い金」(oro nero)と呼んだのも不思議ではありません。