海藻サラダには降圧効果がある

海藻サラダ

早分かり -

  • 公表された研究によると、冷やしわかめやゴマわかめともいう海藻サラダには降圧効果があります
  • 多くの降圧処方薬が出回っていますが、副作用が多いので、新たな自然療法のほうが期待できます
  • アメリカ人の3人に1人は高血圧で、世界では一年に9400万人が高血圧のために死亡しています
  • 高血圧の主な合併症には心臓発作、脳卒中、動脈瘤、目の病気、腎臓病、メタボリックシンドローム、血管性認知症、認知力劣化が挙げられます
  • 食用の海藻にはヨウ素, カリウム, カルシウム, 鉄のほかにも、医用に使われているアルギン酸も含まれます
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Dr. Mercolaより

海藻サラダを見直しましたか? 和食レストランや寿司バーでは前菜あるいはつまとして人気のあるメニュー項目になったので、新たなコールスローだとして見る人もいます。冷やしわかめやゴマわかめとも呼ばれる海藻サラダは普通、ごま油とごまに赤トウガラシの粉やお酢、きのこ、寒天を混ぜて食べます。

昆布や海苔、ワカメを含む海産の緑藻を楽しむ人は多くいますが、海藻は世界で最も優れるヨウ素の摂取源でもあります。さらに神経保護、抗炎症効果、抗ウィルス性などの健康的効能があることでも評価されています。

海藻は降圧効果があるため研究されており — 確かに海藻サラダで血圧は下がります。子供の観察研究では、海藻を食べると男子の弛緩期血圧が下がり、女子の収縮期血圧が下がることが示されました。

成人に関しては、American Journal of Hypertensionに掲載されたある研究が、海藻を食べた若干の高血圧がある62人の中年患者の平均血圧が下がったことを特定しました。Marine Drugsに掲載されたある記事も、海藻の降圧効果を示した数本の研究を挙げています。こうした関連性は有望です。

降圧効果がある海藻の活性

高血圧とは動脈壁への長期的血液作用力が高すぎるので健康を害する状態として定義されます。高血圧の治療に用いる多くの市販薬が出回っていますが、副作用がいくつもあります。

このため海藻などの自然療法が重要です。Marine Drugsに掲載されている研究では海藻中の化合物による高血圧への作用として以下が挙げられています:

「ポリフェノールはアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害因子として作用するものとして従来説明されてきた。ACEはアンジオテンシンIをアンジオテンシンIIに変換させる触媒機能をする亜鉛含有メタロプロテイナーゼであって、アンジオテンシンIIは高血圧発病に関わる強力な血管収縮物質である。

ACEはまた、血管拡張物質であるブラディキニンの分解も促進する。この酵素は血圧制御のために決定的機能をする。その結果、この物質の阻害が高血圧管理のための主要な標的となった。

植物エキスから得た数種類のポリフェノール化合物がこの酵素のうち金属因子Zn2+イオン封鎖によってACEの活性を阻害するという報告が存在する。同様に、フロロタンニンはタンパク質や糖タンパク質と結合して錯体を形成する場合がある。この錯体は非競合的特性に従いACEの活性を阻害する。

対照的にカプトプリルなどの市販ACE阻害薬には競合的阻害性がある。実際に数本の研究がフロロフコフロエコールAやジエコール、エコールを含む、エクロンタカバやエクロニアストロニフェラから得られるエキスに含まれるものなど異なるフロロタンニンに対してこうした活性を示すことを確認した。

E.カバやE.ストロニフェラ以外にも、フロロタンニンを含む他の海藻類例えばロメンタリア・カテナタやリトフィラム・オカムリ、アンフェルティオプシス・フラベリフォルミス、フクス・スピラリスなどにも強力なACE阻害活性がある。」

要するに、海藻のポリフェノールは従来式医療で一般的な降圧剤であるACE阻害薬と同じ効果があります。

高血圧は現代病

高血圧はライフスタイルによって促される病気です。高所得国の生活様式、食生活、仕事の変化がもとで発生し始めました。高血圧を促す要因には以下が挙げられます:

不健康な食生活 — 加工食品、トランス脂肪、過度の糖分はそのうち高血圧につながります。

座りがちな生活 — 肉体活動の不足が心臓を弱め、体重を増加させ、ストレスを受けやすくし、さらに高血圧になりやすくなります。

喫煙 — たばこの煙と二次喫煙により動脈が硬化し、高血圧発生確率が高くなります。

飲酒 — 普段アルコールを飲んでばかりいると血圧が大きく高くなります。

ストレス、不安、うつ — これらの異常は短期的に血圧の突発的上昇を起こし、そのうち食べすぎや飲酒しすぎにつながります。

睡眠阻害、慢性的脱水状態 — 活発すぎるライフスタイルのこうした症状は高血圧リスクを高めます。

急性の痛み、薬、刺激性の飲み物 — こうした要因もめまいや息切れを含む、高血圧を起こすことがあります。

高血圧は危険な病気

アメリカ人の3人に1人すなわち7500万人は高血圧です。高血圧であることに気づいていない人が多いですが、この病気は無害ではありません。

世界保健機関によると世界では高血圧で毎年9400万人が死亡しています。メイヨークリニック社による高血圧の主な合併症:

「心臓発作または脳卒中。高血圧は動脈硬化や動脈壁を厚くし(アテローム硬化症)、このため心臓発作や脳卒中その他の合併症につながる。動脈瘤。血圧増加で血管が弱くなり、膨れて瘤を発生させる。動脈瘤が破裂すると死亡につながることがある。

心不全。血管内圧が上がっているところへ血圧を送るため心臓の負荷が増大する。このため血液のポンプ機能を果たす心臓壁が厚くなる(左心室肥大)。その結果場合によっては分厚くなった筋肉は身体の血液需要を賄うほど十分に血液を送り出せなくなり、心不全につながる。

腎臓内部の血管弱化と狭窄化。このため腎不全につながる。目の中の血管が分厚くなったり、狭窄化、あるいは裂ける。このため失明につながる。

メタボリックシンドローム。この症候群は胴囲の増大、高トリグリセリド、高密度リポタンパク質(HDL)コレステロール(善玉コレステロール)の減少、インスリン増加を含む、代謝異常が複合的に表れたもの。こうした異常が糖尿病、心臓病、脳卒中を起こしやすい体質に変える。」

その他の重篤な高血圧の合併症

その他にも認知症や認知力弱化など高血圧にともないますますリスクが高まる重篤な合併症が存在します。高血圧の人は記憶障害や理解力の問題が起きるリスクが高く、そのほかにも動脈の狭窄化や閉塞により脳への血流が減ることによる血管性認知症リスクも高くなります。

Advances in Experimental Medicine and Biology誌で2016年に科学者らが以下のようなことを述べています:

「高血圧と認知症は老化にともなう最も蔓延している損傷の多い二大疾患である。慢性的高血圧は特に中年期においては高年になってからの認知力衰退や障害を起こす高リスク要因である。

高血圧症は脳卒中の主なリスク要因であり、血管性認知症やアルツハイマー病の主な原因である。

高血圧症が認知障害につながることや血圧低下が脳卒中後の認知症リスク低減に寄与しうることは広範囲な疫学的、機械論的根拠により裏付けられているにも拘わらず、他の種類の認知症に対する降圧剤のメリットがあるかは不明である。」

研究者らは現在、高血圧と乳がんの発生の相関性についても研究しています。研究者らは2017年にScientific Reportsで以下のような相関性がある根拠を示しました:

「高血圧と乳がんの発生の相関性に関する観察研究が相反する事実を発見した。信頼区間(Cis) 95%に相当する相対リスク(RR)を特定した観察研究を含めた。そこから高血圧と乳がんの発生の相関性は統計的に有意であることを認めた。

一方、副母集団に関する解析においては、閉経後女子における高血圧と乳がんの発生の相関性を特定した。このメタ分析全体としては高血圧と乳がんの発生の相関性は有意であることを示しており、特に閉経後高血圧女子に該当する。」

高血圧に対する海藻の効能を示す他の研究

海藻が高血圧管理に有用であることを示す根拠はほかにも存在します。Asia Pacific Journal of Clinical Nutrition 2009年号の中で研究者らは海藻には高血圧が主な原因である病気メタボリックシンドロームに対して効能があることを述べています。

「メタボリックシンドロームは世界的に増加しているが、一般的に海藻をよく消費する一部のアジア諸国は特記すべき例外である。メタボリックシンドロームの少なくとも一つの症状がある13人の男性(平均年齢47.4+/-9.9歳)と14人の女性(平均年齢45.6+/-12.2歳)をエクアドルのキトで無作為二重盲検プラセボ対照試験に募集した。

被験者をグループ1 (1か月間プラセボ処置後1か月間4 g/日の海藻 [ウンダリア・ピナティファダ]、ワカメ)とグループ2 (1か月間4 g/日の海藻後、1か月間6 g/日の海藻)に振り分けた。

血圧、体重、胴囲、炎症バイオマーカー、脂質を月一回計測した。日本ではごく普通である4~6 g/日の海藻を食べた場合、メタボリックシンドローム発生率が低いことと相関性があった。」

さらに、Current Hypertension Reviewsによると、食生活に海藻を加えただけでも高血圧処置に有用であることが判明しました。

その研究から海藻や緑葉/黄色の野菜、きのこを含む伝統的日本食を含む食生活が高血圧気味の人の血圧が下がる、または予防できることがわかりました。

海藻にはその他にも効能がある

前記の通り、海藻は必須の栄養素であるヨウ素の摂り易い食材でもあります。実際に、ケルプ(昆布)はヨウ素を最もよく含む食材であり、推奨日量の2,000%も摂れます。ヨウ素は甲状腺を調節し、健康的な毛髪や皮膚、爪を作り、シロキシンとトリヨードチロニンという重要な甲状腺ホルモンの原材料です。

ヨウ素はさらにエネルギー代謝や、脳下垂体に制御される脳内の代謝を調節するために必須であり、、さらに骨格組成のためにも必須の要素です。ヨウ素はさらに発生中の胎児のために欠かせない栄養素でもあります。

妊娠中や授乳中のバランスの取れたヨウ素摂取は有髄化、胎児の中枢神経系の正常な形成、脳細胞発生のために必須です。

食用海藻にはその他の貴重な物質も含まれ、これにはカリウム、カルシウム、鉄、アルギン酸が挙げられます。アルギン酸は海生植物を細菌から自然に保護し、キレート化という反応によって人間の体内で重金属と結合します。つまり海藻は重要なデトックス食料なのです。

アルギン酸が医療では血中重金属を除去するためのキレート剤として利用されることは想像がつきます。アルギン酸は歯型や装具の型製造、傷や火傷用絆創膏の製造にも利用されています。

アルギン酸含有化合物は逆流性食道炎(GERD)の症状がある患者の処置においてGERD薬が効かない場合に食後胃酸滞留を除去できるので利用されています。事実、海藻はいくつかの研究においてこの目的のために制酸剤より効能が優れることが判明しました。アルギン酸は減量にも利用されています。

明らかに自然療法を中心に高血圧のための新たな療法は有望です。したがって海藻サラダをぜひお忘れなく — 食べるなら汚染されていない海から取れた海藻であることをご確認ください。