Dr. Mercolaより
磁気共鳴画像法(MRI)は、医師が臓器や組織の詳細な画像を見ることができる検査です。MRIマシンは、大きな磁石、電波、コンピューターを使用して、内臓や組織の詳細な断面画像を撮影します。
スキャナーは、テーブル付きのチューブのような形をしており、テーブルはマシンのトンネルの中にスライドして行き、データを収集します。DNAを損傷することが知られている電離放射線を使用するCTスキャンやX線とは異なり、MRIは磁場を使用します。
MRIからの画像は、心臓、肝臓、子宮、腎臓、その他の臓器の異常、腫瘍、嚢胞や特定の臓器問題に関する詳しい情報を医師に提供します。
場合によって、医師は、造影剤または色素を使用して、生成される画像の鮮明度を向上させる、造影MRI検査を求める場合があります。最近の国際的アンケート調査によると、放射線科医の大半は、有毒な造影剤の沈着が発見されたときに患者に知らせることを避けるそうです。
ガドリニウムは、検査症例の約三分の一で選択される造影剤です。体内に注入されるため、MRI画像で詳細が表示できるようになります。しかしながら、これには代償があります。ガドリニウムは非常に有毒な重金属だからです。
毒性を減らすために、ガドリニウムはキレート剤とともに投与されます。ただし、一定の患者に注入されたガドリニウムの25%もが排泄されないことが研究によって示めされており、蓄積物は一部の患者では、ずっと後でも発見されています。
2015年、米国食品医薬品局(FDA)は、ガドリニウムの脳での沈着による健康影響への調査を開始し、潜在的なリスクを下げるためのガドリニウムベースの造影剤(GBCA)の使用に関するガイドラインを公表しました。
二年後、FDAはアップデートを発表しました。 それは、「ガドリニウムの滞留は腎機能が正常な患者の健康への悪影響に直接リンクしていない、」また、「GBCAの利点は潜在的なリスクを上回っている」と述べています。それでも、FDAは新しいクラス警告と一定の安全対策を実施することを求めました。2017年12月19日、FDAは安全性に関する発表で次のように述べました。
「...追加のレビューと医療画像診断薬諮問委員会との協議の後、GBCAを使用したMRI後のガドリニウム滞留について医療専門家や患者に警告するためのいくつかのアクション、および問題を最小限に抑えるためのアクションを求めるつもりです。
それらのアクションには、患者用薬剤ガイドの新版が含まれ、GBCAを受け取る前にすべての患者にそれを読むように求める教育情報の提供があります。また、GBCAの製造業者には、これらの造影剤の安全性をさらに評価するため、ヒトと動物の研究を要求しています...
ガドリニウム滞留リスクの可能性が高い患者にGBCAを選択する際、医療専門家は、薬剤ごとの滞留特性を考慮する必要があります...
これらの患者に含まれるのは、生涯複数回の投与を必要とする患者、妊婦、子供、炎症性疾患の患者です。可能な場合は、繰り返されるGBCA造影検査、特に間隔の短いMRI検査を最小限に抑えてください。」
ただし、MRIセンターが、造影MRI検査を予定している初回患者全員にガドリニウムの投薬ガイドの提示を求められる一方、入院患者は、患者が特に要求しない限り、ガイドを受け取ることを求められてはいません。 FDAの2018年5月16日のアップデートで言及されているかなりややこしい詳細は次のとおりです。
「医療専門家が、効果に関する重大な懸念のために、薬剤ガイドを受け取ることは患者にとって最善ではないと判断する場合、ガイドを患者に提供しないよう指示する場合があります。」
言い換えれば、重金属の毒性が心配であるという理由で、あなたがMRI検査を拒否するかもしれないと医療専門家が考える場合、彼らは安全情報を差し控えることができます。あなたが特にそれを求める場合にだけ、ガイドがあなたに提供されることになります。
FDAはGBCAの使用を制限しないと決定しましたが、欧州医薬品庁のファーマコビジランスおよびリスク評価委員会は、環状型GBCAより安定性が低い(したがって脳に蓄積して腎臓疾患の原因となる可能性が高い)四つの線形型ガドリニウム造影剤の使用を停止することを推奨しました。
同じくらい悩ましい発見は、 放射線科医の58%がスキャンで見つかったガドリニウム沈着の検出を患者に隠すことです。ヘルスイメージング(ウエブサイト) で報告されているように、ガドリニウム沈着の言及を省略するための正当化で、放射線レポート中最も一般的に引用されたものは、「毒性について患者の不必要な不安」を回避することでした。
しかし、これはまた、患者が自分の健康を守る行動をさせないことをも意味します。ガドリニウム毒性の影響を受けているのに、様々な情報から推論をまだしていない場合にとても大切になります。
これまで、GBCAの最大の危険性は、重度の腎臓病を引き起こす副作用と考えられてきました。つまり、GBCA曝露が、皮膚および皮下組織に関係する進行性組織線維症を伴う衰弱性疾患である腎性全身性線維症(NSF)を引き起こすのです。これを避けるために、腎臓病のある人には、 ガドリニウムにキレートを付与した安定性の向上した造影剤を使用する必要があります。
ただし、腎臓に問題がない場合でも、ガドリニウムが脳内(および全身)に蓄積する可能性があるという事実は、これまで認識されていなかった重大な危険性の可能性につながります。たとえば、GBCAの使用は、二つの脳領域(歯状核と淡蒼球)の過敏症にリンクされており、その影響はまだ不明です。
歯状核の高信号化は、以前は多発性硬化(MS)症に関連付けられていましたが、最近の研究によると、この高信号化は、MS患者が受けることの多い複数回の造影MRIスキャンの結果であるかもしれません。一方、淡蒼球の高信号化は肝機能障害に関連しています。
2016年の論文「ヒトの体内のガドリニウム:障害群」で、研究者たちは、体内のGBCA沈着を新しい疾患カテゴリーとみなすべきだと提案しています。 彼らは次のように述べています。
「2014年初め、神田らによる調査は、GBCAを繰り返し投与した後、腎機能が正常な患者のT-2強調画像で脳組織の高信号化が起こることを示しました…
これは多くの放射線科医を驚かせました。というのも、腎機能が正常な患者ではガドリニウムの沈着は起こらないと多くの人が考えていたためです。この沈着の結果、脳のさまざまな領域の主に歯状核と淡蒼球で、T1強調画像の信号強度が増加します…
私たちの知る限り、ギビーらによって初めて報告された骨沈着も、神田らによって初めて報告された脳沈着も、一般に認められている病気に関連付けられていません。そこで、これらのストレージエンティティを「ガドリニウムストレージ疾患」と命名することを提案します。
個別の調査手段に沿って、患者擁護グループが形成され、GBCAの投与後に個々のメンバーが重度の疾患を経験したと報告するオンラインプレゼンスがあります。
これらの患者の何人かは、尿中のガドリニウムの継続的な上昇によって示されるように、彼らのシステムにおけるガドリニウムの持続的な存在を報告しています。全員が、胴体と四肢の両方で痛みを含むさまざまな症状を経験しています。四肢の関連場所では、皮膚の肥厚と変色に関連しています。
これらの物理的特徴は、NSFについて報告されているものと似ていますが、深刻度は低くなっています。私たちの予備調査により、この現象は真の疾患プロセスであると確信しました。「ガドリニウム沈着疾患」と命名することを提案します。」
研究者は、「ガドリニウム沈着症」のその他の一般的な兆候や症状に注目し続けています。たとえば、持続性頭痛、骨、関節、腱および靭帯の痛み(しばしば鋭いピンや針による痛み、切断または火傷の痛みと表現される)、手足のこわばり、脳霧(もうろう状態)、軟組織の肥厚化などで、それらは、「NSFで観察される硬化や赤みはなく、やや海綿状またはゴム状に見えるもの」です。
チャック・ノリスは、妻ジーナの健康を回復するための努力に200万ドル近くを費やしたが、ほとんど改善がないと主張しています。キレート療法でさえ成功が限られているのです。
重金属は、産業、農業、医療、技術各分野の汚染から環境全体に広く分布しています。重金属毒性は、腎臓、神経、心血管、骨格、内分泌への損傷など、深刻な健康への影響の可能性が実証されています。
中毒を最もよく連想させる重金属は、ヒ素、鉛、 水銀 、 カドミウムであり、これらは環境汚染で最も一般的に見られる重金属でもあります。重金属中毒の症状は、影響を受ける臓器系によって異なります。
科学者は、重金属がフリーラジカルの形成に続く酸化ストレスも増加させることを発見しました。重金属毒性のテストには、累積暴露の血液、尿、髪と爪の分析が含まれます。
解毒が困難な場合があり、適切なケアで行う必要があります。これについていくつかの記事を書きました。詳細については、「 重金属解毒の三つの柱」 と 「ウォルシュ解毒プログラムを参照してください。」
ここで重要なことは、絶対に必要な場合を除き、造影MRIスキャンの使用を避けることです。多くの場合、医師は完全を期するためにこれらの検査を命じたうえで、法的観点から自分自身を守るようにします。
そういう場合、単に検査を造影剤で行うことを拒否してください。必要ならば、異なる視点を提供できる他の医師に相談してください。
これは、複数のMRI検査が行われるMSなどの症状がある場合に特に重要です。また、造影剤を使う複数のMRI検査は、間隔を開けずに行うほど危険になることを忘れないでください。
医療診断処置は、慎重に使用することを常にお勧めしていますが、特定の検査を受けることが適切で有用な場合もあります。
多くの人が気付いていないのは、これらの処置の料金は、実施場所によって大幅に異なる可能性があるということです。病院は、診断や外来患者の処置のための最も高価な選択肢である傾向があり、時には大きなマージンを取られます。
自立型診断センターは、多くの場合病院が請求する費用の何分の一かで、X線、MRIなどのサービスが受けられる代替施設です。たとえば、研究室です。プライベートイメージングセンターは、特定の病院と提携しておらず、24時間営業のスタッフが必要な病院放射線センターとは対照的に、通常は月曜日から金曜日の営業時間となっています。
多くの場合、病院は24時間年中無休の運用コストを相殺するために、サービスに対してより高い料金を請求します。また、病院は、MRIのようなハイテク診断に法外な費用を請求して、他の費用が回収できないサービスを補う場合があります。それに、病院はメディケアや他のサードパーティの保険会社に「施設使用料」を請求することを許可されており、これがさらに価格上昇につながります。
したがって、MRIが必要であることがわかったとしても、他を当たることを恐れないでください。お住まいの地域の診断センターに数回電話をかけるだけで、同じサービスに対して 病院が請求する金額を最大85%節約できます 。
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