Dr. Mercolaより
2年前に私はビューテイコ呼吸法に関してパトリック・マッキーウィン氏にインタビューしました。これは間違った呼吸に原因がある多くの健康の問題から回復できる強力な手法です。
最もよくある問題のうち2つは過呼吸 (過換気)と口呼吸であり、両者とも重篤な健康への危害になり、運動中にすると特に有害な問題につながることがあります。
パトリックは最新の著作を著しました:「The Oxygen Advantage: The Simple, Scientifically Proven Breathing Techniques for a Healthier, Slimmer, Faster, and Fitter You」(酸素優位性:より健康でスマート、速く、体調をよくするための簡単で科学的に証明された呼吸テクニック)で同氏は正しい呼吸に転換させるための効能について考察しています。
数分も呼吸停止すれば死ぬであろうことを考えると、確かに私たちは息のし方を知っているように見える反面、私たちはほとんどが健康を危害に晒すようなしかたで実際に呼吸しています。
実際に、呼吸と呼吸作業の全分野は改善の余地が大いにあり、本来すべきこととは逆のこと、つまり大きい深呼吸に実際に焦点を当てる傾向があるヨガやピラテス、瞑想法で勧められる呼吸法についての考えはよく普及しています。
今回取り上げたビデオは、ビューテイコ呼吸法をする人のためのビューテイコのオンライントレーニングコースの一貫であり、喘息、鼻炎、睡眠中無呼吸等の睡眠障害と関連する呼吸機能障害を研究し、呼吸習慣を改善するための科学的根拠を詳しく説明しています。
例えば、このビデオ講義から過剰な呼吸が血中の水素イオン濃度を減らすことがわかりますが、最近数年の間に、生体の健康のためのに水素イオンの価値や重要性を示したいくつもの研究が出てきました。
これは実に、最近私が発見した最も想像を超すほどの新たな健康情報に含まれ、パトリックが教えていることを堅固に科学的に支持します。今後の記事で水素のすばらしい健康への効果の多くのことに係る非常に優れる水素研究に関して私は分析を加える予定です。
慢性呼吸亢進症は米国の市民戦争中に最初に文書に記録されたもので、当時は「むずがゆい心臓」という用語で読んでいました。「過換気症候群」という用語は1937年にケール医師チームが考案しました。
その翌年、別の研究者グループはこの症候群の症状を単に、1~2分のうちに口で深く大きく、20~30回呼吸するだけで再現できることを発見しました。
パトリックが説明するように、過呼吸習慣が定着してしまうと、慢性的になりそのまま継続しやすく、回復するには通常の場合、ある種の再学習テクニック、例えばロシアの医師コンスタンティン・ビューテイコ (本稿の末尾に記述)が考え出した方法などを利用する必要があります。
1957年、Dr. ビューテイコは過呼吸の健康への影響について十年以上研究した結果、「深呼吸の病気」という用語を考え付きました。
当時、医学生だった同氏に与えられた課題の一つが患者の呼吸量監視でした。そこから彼は興味深いことに気が付きました。患者の病気が重くなるほど、呼吸が重くなったのです。
後に、呼吸を普通に戻すと血圧が単に下がることも発見し、こうしてビューティコは自分の高血圧を「治癒」するのに成功しました。
では過換気すなわち「過呼吸」とはどんなものでしょうか。パトリックによると、過換気あるいは過呼吸は「その時点における身体の代謝需要を超した呼吸」と定義されます。機能障害がある呼吸の特徴:
口呼吸
上胸呼吸、息する度に見に見える動きが多くある
頻繁な溜息
安静中にわかるほどのあるいは聞こえる呼吸
話す前に大きく呼吸する
不正呼吸
日常的くしゃみ
大きな息をしながらの欠伸
慢性鼻炎(鼻詰まりや鼻水)
睡眠時無呼吸
慢性過呼吸による悪影響には以下の例をはじめ心臓血管や神経系、呼吸系、筋肉、胃腸、心理的なものが挙げられます:
動悸
不整脈
頻拍症
胸の刺すようなあるいは非典型的痛み
狭心症
手足の冷え性
白蝋病(レイノー病)
頭痛
毛細血管収縮
めまい
目まい
感覚異常(無感覚、くすぐったり、ピンや針に刺されるような感覚)
息切れ、あるいは胸の圧迫感
しつこい咳
筋肉のけいれん痛みや凝り
不安、パニック、恐怖症
アレルギー
飲み込み困難、 球(喉の中の塊)
胃液逆流、胸やけ
ガス、げっぷ、鼓腸、腹部の不快感
虚弱、疲労困憊
集中力や記憶力の障害
睡眠障害(悪夢を含む)
感情的発汗
正常な呼吸容量は安静時1分当たり約4~6ℓであり、これは1分に10~12回に匹敵します。パトリックは呼吸回数に注目せず、そっと静かに呼吸することを教え、「軽く呼吸し正しく呼吸」という言い方をします。
一方では喘息の人の呼吸容量は1分に13~15ℓになる傾向があり、睡眠中無呼吸の人は平均して1分に10~15ℓ呼吸します。
端的に言えば、喘息患者や睡眠中無呼吸の人は過剰に呼吸しています — 多いと正常の3倍 — さらにこうした呼吸障害のパターンは病気の特徴の一つです。
では呼吸障害の原因はそもそも何でしょうか? パトリックによるとほとんどの呼障害吸パターンは現代のライフスタイルに原因があります。現代生活による異常の要因:
加工食品(酸を生じる)
過食
過剰なおしゃべり
ストレス
大きい深呼吸がよいという考え
運動不足
喘息
遺伝、家族の習慣
屋内の高温
今回取り上げた講義で説明されているように、呼吸は主に血中二酸化炭素濃度とpHレベル(これより僅かな程度で酸素)を監視している脳内受容体が調節します。
通常の場合、呼吸が必要だと実感する理由は、身体が酸素を必要としているからであると考えますが、実際には呼吸刺激は余分な二酸化炭素の排出です。しかし二酸化炭素は排ガスなだけではありません。体内でいくつもの重要な機能をします。
身体は常時ある量の二酸化炭素が必要であり、過呼吸の副作用の一つは二酸化炭素が過剰に出ていくことです。二酸化炭素濃度が下がるにつれ、水素イオンも減り、炭酸イオンが過剰になり、血液のpHがアルカリに傾きます。
さて、呼吸が一定時間身体のニーズ以上に過剰になると、たとえ24時間という短時間でも身体は呼吸量を増やすように条件づけられます。これはストレスが生体機能への慢性的影響を及ぼすことになり一つです。
さらに、慢性的に過呼吸していると、極限を身体が超えるまでになってしまい — 少々のストレス要因でも症状を出し、パニック発作や心臓関連の問題かを問わず、これは過呼吸が動脈を収縮させ、これにより脳と心臓(残りの身体にも)への血流が減るからです。
しかし発作のきっかけはストレス要因ではなく、実は慢性的に過剰な呼吸をしていることが主な問題なのです。パニック発作の伝統的療法のひとつは4、5回紙の袋の中で息することで二酸化炭素濃度を上げ、脳への血流を増やすことです。
これより持続的方策は毎日呼吸のし方に対処することです。
過呼吸は二酸化炭素を減らすだけではなく、組織や器官への酸素放出も減らし — 本質的に、過呼吸すると通常考えられているようなことの反対のことが起きます。
これが運動中に口でする過換気はしないほうがよい理由の本質です。端的に言えば、過換気は頸動脈を重篤に縮小させ、脳に行く酸素が半減します。
このため呼吸し過ぎると目まいが起きることがあり、非常に体調のよいマラソン選手でも突然死がありうる仕組みの一つであると考えられます — 通常は心臓停止による。従って、運動中は一貫して鼻だけで息するように心がけてください。
口で空気を吸い込み始めていれば、鼻で息するように戻すため、強度を下げる必要があります。いずれ強度を高めて運動でき、鼻で息することができますが、これは体力レベルがアップしていることを表します!鼻だけで呼吸することも正常な呼吸量を回復するための第一歩です。
Dr. ビューテイコは肺内の二酸化炭素濃度と普通の呼気後に息を止めていられる能力と相関していることを発見しました。ビューテイコ呼吸法は自分の二酸化炭素濃度を推定する簡単なセルフテストを含みます。ストップウォッチを使ってもよいし、自分でその秒数を数えてもよいです。次はその手順です:
1. 脚を組まずに真っすぐ座り、楽に着実に呼吸します。
2. 鼻で小さく静かに息します。息を吐いたら鼻をつまんで空気を入れないようにします。
3. ストップウォッチをスタートし、最初に息したいほどつらくなるまでの時間を測ります。
4. 最初に息したくなったら、呼吸再開し、それまでの時間をメモします。息がしたくなるのは呼吸筋肉の不随意運動として生じることもあるし、胴が揺れたり喉が収縮してくることもあります。
これは息止め競争ではなく — 計測対象は楽に、自然に息を止めていられる長さを計ります。
5. 息を吸うときは鼻から静かに制御して行います。大きく息したいと感じたら、息を止めた時間が長すぎます。
ここで測った時間を「制御一時停止」またはCP(control pause)といい、二酸化炭素に対する身体の耐性を表します。制御一時停止時間が短いとCO2への低耐性、CO2濃度が慢性的に不足していることと相関します。制御一時停止(CP)を自分で評価する目安を次に示します:
まとめると、運動中にCP時間が短いほど、息切れしやすいです。CPが20秒未満の人は呼吸が不安定すぎるので、運動中に絶対口で息をしてはなりません。このことは喘息の方の場合特に重要です。
ここでよい点は、CPが5秒伸びるごとに気分がよくなり、運動にもっと耐えるようになり、この時間を伸ばすには次のビューテイコ呼吸法を運動に取り入れることです。
CPを長くするための最初の手順は次の呼吸停止運動で鼻を解放する方法を身につけることです。たいていの人にこの運動は全く安全ですが、心臓の異常や高血圧、妊娠中、1型糖尿病、パニック発作、その他何らかの重篤な健康の異常がある場合、最初に息したいと感じるときを超えて息を止めようとしないでください。
次の運動を連続して数回行い、各回の間に30~60秒ほど休みを入れます。規則正しく運動しましょう。
背筋を伸ばして座ります。
鼻で浅く息を吸い、短く鼻から息を吐く。
指で鼻をつまみ、息を止める。口を閉じたままにする。
もうこれ以上息を止めていられなくなるまで、頭でそっと頷くか身体を揺らす。(息をどうしてもしたくなるまで鼻をつまむ。)
息を吸う必要があれば、鼻を放し、そっと吸って吐き、口は閉じたままです。
できるかぎり速く息を落ち着ける。
ビューテイコ呼吸法は健康や寿命、生活の質、運動の成果を改善しうる強力で安価な手段です。この呼吸法を生活に取り込むこと、準備できたら運動に取り入れることを強くお勧めします。
運動はゆっくりと進め、口で息せざるを得ない時間を減らすようにしましょう。さらに詳しく知るには、パトリックの優れる著作「The Oxygen Advantage」(酸素優位性)とDVDセットを私は強くお勧めします。
ビューテイコ呼吸法運動ごとの、詳しいのと簡略版の説明があるほか、すぐ参照できる案内、事例研究、科学的説明もあり、酸素優位性プログラムを把握し応用して健康と体調をよくしやすくなります。ビューティコ氏のウェブサイトOxygenAdvantage.comでさらに詳しく説明されています。
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