ブラシかフロスか? どっちが先か?

デンタルフロス

早分かり -

  • フロスを先にすることを勧める他の歯医者の理由は、その後なら歯垢粒子や剥がれた食物の残骸を歯磨きで除けるというものです
  • さらに、歯をまず磨き、次にゆすぐ前にフロスを使うようにすると、フロスといっしょに歯間の歯磨きの一部が取れるのでよいと言う歯医者もいます
  • ブラシかフロスか、どちらが先でも構いません
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Dr. Mercolaより

アメリカ人のほぼ70 %は1日に少なくとも2回は歯を磨きますが、少なくとも1日に1回はフロスを使う人は40 %しかいません。アメリカ人の20%はフロスを使用しておらず、Delta Dentalのアンケートは、日々のフロスケアと口内衛生の間に強い相関性があることを特定したにもかかわらず、その他の情報源はあまり明確ではありません。

例えばある系統的なレビューからは、ブラシに加えてフロスも使えば練り歯磨きだけより歯周炎が減るかもしれない一方では、フロスに加え練り歯磨きでブラッシングすると、歯垢の僅かな減少に関連するかもしれないとは、かなり「説得力がなく、非常に非現実的」な根拠しか存在しないことを特定しています。

シアトルにあるワシントン大学で構内衛生科学教授のDr.フィリップ・フジョールは患者にフロスするよう勧めますが、、「自分でするフロスの臨床検査からは、虫歯削減効果があることは実証されていない」としています。

明らかに効果があることが示されたのは専門職にフロスしてもらうことです。1.7年間プロに歯を毎日フロスしてもらった子供たちは虫歯リスクが40 %下がりました。つまり歯を適切にフロスするのがカギです。このことを覚えておいて、歯を磨く前かその後にフロスすることが問題になるでしょうか?

ブラシかフロスか: どちらを先にすべきか?

日常規則正しく歯を磨き、フロス処理をするのは歯のケアにおいて基本ですが、どちらを先に行うかは重要でしょうか?これは誰にきくかによって異なります。歯医者の中にはフロスを先に使うことを、歯磨きの後うっかり忘れるリスクを無くせるという理由だけで、勧める人がいます。

フロスを先に勧める他の歯医者の理由は、その後なら歯垢粒子や剥がれた食物の残骸を歯磨きで除けるというものです。さらに歯をまず磨き、次にゆすぐ前にフロスを使うと、フロスといっしょに歯間の歯磨きの一部が付いてくるのでよいと言う歯医者もいます。

フロスすると歯間が「開き」、練り歯磨きが入りやすくなるので、先にフロスするほうがよいという人がいます。「しっかり処理する限りどちらが先でもよい」と、全米歯科協会(ADA)は言います。端的に言うと、自分で好みの方法を維持すればそれでよいことになります。

参考までに、ADAのアンケートではアメリカ人の53 %はフロスを使う前に歯を磨き、47 %がフロスしてから歯を磨きます。

プロのようにフロスする方法

フロスのタイミングより方法が肝心なようです。ADAは完璧なフロスケアのために従うとよい5段階を勧めています:

  • 最初に約45cmのフロスで始めます。中指にこの大部分を巻き取り、残りの部分を反対の手の中指に巻き付けます。
  • フロスを親指と人差し指でしっかり挟みます。
  • フロスを歯間に擦りながらそっと入れます。歯茎にフロスをぶつけないでください。
  • 歯茎の際ではフロスを歯に対して「C」の形に使ってカーブさせます。歯茎と歯の間にフロスを滑らせます。
  • フロスを歯に対してしっかり押さえ、そっと横を擦り上げ下げします。奥歯の裏側も含め、残りの歯も同様にします。

接触し合う二本の歯が生えた子供もすぐにフロスするようお勧めします。ほとんdの子供は10~11歳にならないと正しくフロスを使えないので、親が幼い子供のためにしてやるべきです。

健康的な歯が欲しければ、正しい食べ方をしましょう

オーストラリア古代DNA研究所のアラン・クーパー所長とチームが先史時代の骸骨から得た歯の石灰化した歯垢を分析した結果、食生活の変化が口内細菌をだめにするほどの変化を生むことがわかりました。

食生活の変化と歯の健康に関する限り二大原因は新石器時代(およそ10,000年前)における炭水化物中心の畑作による食生活の開始、次はより現在に近くなった工業精製小麦粉と砂糖(1800年代中ごろ)の導入による変化でした。

石灰化した歯垢から狩猟採集生活から耕作への推移により、「口内フローラが病気関連の構成に変化した」ことを示す「詳細な遺伝子的記録」が得られました。

産業革命期が最もそうなった可能性が高く、虫歯の原因になる細菌が優勢になり、口内フローラの生態系は「顕著に多様性が減って」、これに関してその研究者らは「工業化以降のライフスタイルにおける慢性的口腔(その他の)病気に寄与している可能性が高い」としています。

伝統的食生活をしていた原住民部族はほぼ完ぺきな歯を持ち、ほぼ100%虫歯がなかったことを1900年代に、Dr.ウェストン・A・プライスも発見しその古典的著作「Nutrition and Physical Degeneration」(栄養と肉体的萎縮)に記録しています。

しかしこうした部族に砂糖や白い小麦粉が普及して以来、ご想像がつく通り、健康、完璧な歯は急速に悪化しました。従って明らかに口腔衛生のためのカギの一つは伝統的食生活、つまり私たちの遺伝子的祖先に従う新鮮な未加工野菜や草で育った肉を食べることです。

口内衛生にはビタミンK2

ビタミンK2を投与すると、唾液内の細菌数が減ることを研究が示しています。具体的に言うと、ビタミンK2は虫歯の中の細菌Lactobacillus acidophilusの濃度を323,000から15,000まで削減しました。

正確なメカニズムはまだよく把握されていないが、ビタミンK2が口内衛生において機能することは確かです。ビタミンK2が体内で第二に高濃度である部位は唾液腺で、ビタミンKが唾液の中に分泌されています。ビタミンK2がビタミンDなど他のビタミンと相乗効果を上げて口内衛生をよくするようです。ウェストン・A・プライス財団によると:

「歯には石灰化した組織が三つある:セメント質が歯のコアを成し、エナメル質が表面にあり、象牙質がその下の構造支持体である。象牙質の直下にある軟組織の表面を成す象牙芽細胞という細胞が連続的に新たな象牙質素材を生産し続ける。

虫歯が象牙質に至りこの細胞にまで達すると、この細胞が死ぬ。しかしここの軟組織には新たな象牙芽細胞に分化する幹細胞が含まれており、条件さえ適する限り、この芽細胞が損失した象牙質を再生するようである。

象牙質は骨の中のカルシウムとリンの蓄積を組成する際に機能する、ビタミンK依存型タンパク質のオステオカルシンの発現という歯の組織の中では特別な機能をしている。

歯が急速に発達する幼いラットにおいて、象牙質は骨よりはるかに多くのオステオカルシンを産生することから、オステオカルシンが新たな象牙質の成長のために重要な機能をしていることがわかる。骨の鉱化のために必須のマトリクスGLAタンパク質(MGP)も象牙質に発現する。

ビタミンAとDは象牙芽細胞にオステオカルシンを産生するように信号を送り、おそらくMGPの発現も制御しているようである。ビタミンK2がこれらのタンパク質を活性化してカルシウムと結合できるようにして初めて、鉱物が豊富な象牙質母材を組成しうる。」

この事実は、消化をよくする善玉菌フローラが豊富な発酵野菜で口内フローラも変化するので、興味深いことです。適切な開始培地を使用する限り、発酵野菜はビタミンK2がとても豊富です。発酵野菜を食生活に含めてから私の歯垢は半減し、しかも前よりずっと柔らかくなりました。

健康な歯と歯茎のためのその他の栄養面の要因

ビデオ再生時間: 1:12:05
(英語版のみ)

上のインタビューでDr.ビル・オスムンソンが説明しているように、適切な歯の衛生を維持することは口内や全身の最適な健康のために欠かせません。そのカギは食生活と適正な歯のお手入れです:従来通り正しく歯をみがくこととデンタルフロスを使うことです。

砂糖や加工食品を食べないようにし、発酵野菜を食べると保護してくれる善玉菌が増え、虫歯を起こす細菌の拡散を阻止できます。一般通念とは逆に、「悪玉菌を殺す」ように作られた抗菌剤やアルコール性マウスウォッシュは実際には百害あって一利なしです。

口内フローラは腸内フローラと連動していると同時に、とてもユニークです。最も重要な点として、環境内の有害なウィルスや細菌から保護してくれる保護要素を含んでいます。

「伝統的食事」に含まれる食品を食べ、加工食品や砂糖を避けると同時に、豊富な量のオメガ3脂肪を食べるようにしましょう。たとえ微量のオメガ3脂肪でも歯茎の病気を予防できることが最新研究からわかっています。

私が気に入っている高品質オメガ3脂肪の摂取源はオキアミ油です。ニュージーランド産の特産はちみつマヌカハニーも歯垢を減らす効果があります。マヌカハニーが化学薬品のマウスウォッシュと同じ効果があること — 虫歯と闘う砂糖アルコール、キシリトールよりよく — 歯垢を減らすことを研究者らは特定しました。

口内衛生が全身の健康に影響することを忘れないこと

数千本もの研究が口内疾患と全身疾患の関連性を明らかにしてきました。炎症は「損害を与え」、発病させる要因として働き、歯茎の病気やその他の口内疾患は体内に慢性的な低レベルの炎症を発生させます。

虫歯や歯茎の病気を起こす病原菌が循環系に侵入すると、肝臓からC反応性タンパク質(CRP)が放出され、これが循環系全体を炎症させます。悪化した歯周病や歯茎の病気が致死心臓発作リスクを最大10倍高めます。

若返り歯科学提唱者のDr.ジェリー・クラトラによると、歯周病や歯茎の病気に伴う心臓発作が発生すると十中八九死亡するそうです。歯茎に病気があると700 %も2型糖尿病になりやすくなり、これは口内細菌のバランスが崩れたことによる炎症の影響によります。

従ってブラシと練り歯磨きは大切ですが、確実な歯の健康のために唯一の方法であると思って誤解しないでください。自然食品など多くの自然物質には歯と歯茎の健康を大幅に改善する力もあり、このため身体全体の健康にもよいです。