血圧制御により加齢に伴う脳の損傷を遅延させうる

血圧測定

早分かり -

  • 60歳から90歳のうち95%は脳の灰白質に病変があり、高血圧の人ほど灰白質病変が多く、後年に認知症になるリスクが高い傾向があります
  • 集中的血圧対策で収縮期血圧目標値120 mm Hgにできれば加齢による脳の損傷進行を制限し、認知症リスクが下がることを最近のある研究が示しています
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Dr. Mercolaより

高血圧が制御されなくなると心臓病や脳卒中、腎臓病、認知症などいくつもの重篤な病気のリスクが高くなります。

認知症に関して言えば、以前の研究から高血圧が血流に支障をきたして脳内の調節機能を阻害し、神経損傷さらに機能障害につながることがわかっています。

JAMAの2019年8月号に掲載されたある研究は、集中的血圧対策により脳内の小血管の加齢による共通して起きる変成を遅くすることで脳内小血管の虚血性疾患進行を制限し、これにより認知症リスクが下がるるという結論に達しました。

この異常に対するその他よく使われる用語は「灰白質疾患」とか「華麗性灰白質変性」といいます。60歳から90歳のうち95%は脳の灰白質に病変があることは以前の研究ですでに把握されており、高血圧の人ほど灰白質病変が多く、後年に認知症になるリスクが高い傾向があることをいくつかの研究もすでに実証しましたります。

高血圧がありますか?

血圧測定では2つの数値を測ります。高いほうの数字または最初の数値は収縮期血圧です。より低い数字あるいは第2の数値は拡張期血圧です。例えば血圧が上120↓80 (120/80 mm Hg)なら収縮期の動脈圧120、拡張期動脈圧80を意味します。

収縮期圧は動脈圧の最も高いときの圧力です。心室が心臓周期の初めに収縮したときにこの血圧が生じます。拡張期血圧は、最も低い動脈圧を指し、心臓周期の休止期に生じます。

健康的血圧のガイドラインは過去数年間に疑いたくなるほど頻繁に変更されたので少々変動が激しい目標値のように見受けられます。2014年には 60歳以上の健康な患者の血圧目標値は150/90、18歳から59歳までは140/90でした。

2017年になって米国心臓学会(AHA)と全米心臓学学会(American College of Cardiology)の血圧目標値 120/80を臨床の目安とすることにんりました。高めの血圧あるいは前期高血圧は収縮期血圧120から129の間と定義されています。

ステージ1高血圧は収縮期130と139の間、拡張期80と89の間です。ステージ2高血圧は収縮期140以上、拡張期90以上です。収縮期180や拡張期120超なら高血圧危機と見なします。

Cleveland Clinic Journal of Medicineに2019年に掲載されたある批評的検討論文が説明するように、2017年のガイドラインにより高血圧と診断される成人数が31.9%から45.6%に増加しました。最新ガイドラインも日中着用式計器を身に着け血圧を連続測定するように勧めています。

正しい血圧測定値の読み取り方

高血圧でもないのに誤診されないようにするため、血圧測定値は日々大きく変動すること、一時間でさえ異なることを忘れず、ときどき高い値があってもあまり心配する必要はありません。血圧が常にまたは長期的に高止まりであれば大幅に健康が害されることが考えられます。以下の変数も血圧測定値の妥当性に影響します:

血圧ベルトのサイズ — 体重過剰の人が「平均的」血圧ベルトで測定すれば不正に高い血圧値が出やすいので、医者や医療従事者が自分に合うサイズのベルトを使用していることを確認してください。

腕の位置 — 血圧を腕が胴体と並行状態で測ると測定値が不正に高くなります。血圧の数値は、体に腕が直角になるようにして計るべきです。

ストレス — 医者や病院に行くことに伴うストレスや恐れにより高血圧値が起きるときに「白衣高血圧」と言います。一時的ですが重大な懸念である可能性があります。これが当てはまる方は、ストレスを軽減することが大切です。

上記の状況で高血圧と誤診断されるおそれを減らすために、心を落ち着かせ(診察当日は早めに医療機関に着いて、くつろいでください)、血圧測定中は深呼吸してリラックスしてください。

高血圧のよくある原因

高血圧につながるいくつかの要因は下記だけに限りませんが例を挙げます:

インスリン/レプチン抵抗性 — インスリンやレプチンの濃度が上がるに伴い、血圧が上がります。

尿酸が多い — インスリンやレプチンと同じく、尿酸濃度も高いと高血圧につながるので、高血圧対策で尿酸濃度も正常化する必要があります。明白な事実として尿酸は果糖毒性のマーカーなので、このために効果的な一つの方法は果糖をあまり摂らないようにすることです。

幼児期の栄養失調が成人してから高血圧リスクを高くすることはすでに判明しています。

鉛暴露

大気汚染 — 大気汚染は炎症を起こして血圧を上げます。2019年のある研究によると、「PM2.5に10 µg/m3の濃度以上で暴露されると収縮期と拡張期血圧ともに1–3 mmHg上がり、動脈性高血圧発症比が 1.13に上がる」ことがわかっています。

騒音公害 — 騒音公害は主に自律神経や内分泌(ホルモン)系に悪影響を及ぼすストレス応答を高めて血圧に影響します。

降圧のための主なライフスタイル戦略

私はかつて高めの血圧 — ステージ1や 2 高血圧のこともあった — だったのを薬不要になるライフスタイルの変化により解決しました。その秘訣は食生活とライフスタイルをじゅうぶんに大きく変えることです。

そうはいっても、重篤な高血圧であれば薬に頼り、ライフスタイルの変更と並行して脳卒中を予防するのが賢明でしょう。以下に、血圧を自然に下げるのに有用であると考えられるいくつかヒントがあります。

インスリン抵抗性対策

すでに説明されているように高血圧は通常インスリン抵抗性に関連して起き、インスリン抵抗性は糖分が多すぎる食生活が原因で起きます。インスリン濃度が上がるにつれ血圧も上がります。

これにはいくつかの原因があります。最初にインスリンはマグネシウム吸収量を増やします。インスリン受容体が鈍くなり、細胞がインスリン抵抗性を発すると、マグネシウムを貯蔵できなくなり、尿とともに失われます。

インスリン/レプチン抵抗性が関与しているかを評価するには、空腹時インスリン濃度を測定してください。空腹時インスリン濃度2~3 mcU/mLを目途にしてください。5 mcU/mL以上であれば、インスリン濃度を下げ、高血圧やその他の心臓血管の健康の問題リスクを軽減する必要があります。

いわゆる「正常な」空腹時インスリン濃度は5~25 mcU/mLですが、この「正常な」インスリン範囲が最適であるとは限らないことを把握してください。

果糖を避ける

インスリンが増えるのに加え果糖は尿酸も増やし、これが血管内の一酸化窒素を阻害するので血圧を上げます。(尿酸は実際に果糖代謝産物。)果糖は通常摂取後数分で尿酸を増加させます。

健康な人が健康でい続けたいのであれば、基本原則は総果糖摂取量を一日に25 g以下に抑えることです。インスリン抵抗性があったり高血圧の場合は異常がなくなるまでは総果糖摂取量を一日15 g以下に抑えましょう。

自然食品を食べる

糖分や健康に悪い種油、合成化学品が多い加工食品が主の食生活では高血圧.になるための献立のようなものです。これらを食べる代わりに、理想的な有機栽培の食品を重視した食事にしてみましょう。これではインスリン抵抗性とレプチン抵抗性になるだけではなく、尿酸濃度も高くなります。

非繊維質の炭水化物ではなく、アボカドや生の草で育った有機のミルクから作るバター、有機的解放飼育で育った鶏の卵黄、ココナッツオイル、生のナッツ、例えば、ピーカンナッツやマカデミアナッツ、牧草で育てた肉、放し飼いで育った鶏肉などから摂れる健康的脂肪を食べるようにしましょう。

食物以外にも、食べる時間帯もインスリン感度(したがって血圧)に大きく影響します。間歇的絶食はインスリン/レプチン感受性を正常にするために私が見つけた最も効果的な方法の一つです。これは従来の用語で言うようなダイエットではなく、効率的なエネルギー使用を促すように食べる時間帯を調整することです。

マグネシウム、ナトリウム:カリウム比を最適化する

マグネシウムは炎症の拡大を制し、動脈を解し、動脈硬化を予防し、血流が円滑にして高血圧を予防します。細胞に貯蔵されているマグネシウムは血管を含む筋肉をほぐします。マグネシウムが減りすぎると血管が収縮し、血圧が上がります。

1937年まで遡る研究も含むある科学的批評論文によるとマグネシウム不足は心臓病を最もよく予測させる要因であり、その他の近年の研究は、前臨床期のマグネシウム欠乏が心臓血管の健康に支障をきたすことを示しています。

ナトリウム:カリウム比も重要な要因です。DASHダイエットの主任研究者であり、ジョンズ・ホプキンズ大学のWelch Center for Prevention, Epidemiology and Clinical Researchのセンター長であるローレンス・アペル氏によれば、高血圧をコントロールする鍵は塩分コントロールだけではないそうです。

同氏の考えるところによると、この方程式の主要な部分は、ミネラルのアンバランスであり、すなわち、ほとんどの人はナトリウムを減らし、カリウム、カルシウム、マグネシウムをもっと必要としています。2014年のUSA Todayでのあるインタビューで同氏は 「カリウムが豊富だとナトリウムの影響を弱める」と説明しています。 ナトリウム摂取量を減らすことができない、または減らさない場合は、カリウムを加えることが役立ちます。しかし両方とも行うほうがよいです。」

事実、食生活においてカリウムとナトリウムの比率を適切に維持することは非常に重要であり、高血圧は不均衡が原因で起こる多くの副作用の1つです。加工食品が多い食生活はナトリウム(過多)対カリウム(過少)比が異常に大きく偏ります。加工食品から生鮮食品に替えると、自然に比率が改善します。

オメガ3指数を最適化する

その研究は動物性オメガ3脂肪を健康的血圧のために—特に若い成人のためにも強調しています。

2018年のある研究で血清中オメガ3濃度が最も高い人は血圧が最も低かったです。オメガ3の血清中濃度が最も低い人に比較して、平均的に収縮期血圧は4 mm Hg低く、拡張期血圧は2 mm Hg低下していました。

オメガ3を増やすいちばんの方法は、水銀汚染や他の汚染物質が少ない、脂肪分の多い魚をたくさん食べることです。天然のアラスカサーモン、イワシやアンチョビなどを食べると良いでしょう。代わりに、高品質のオキアミ油サプリメントを飲みましょう。

ビタミンDレベルを最適化する

動脈硬化と高血圧に関連するビタミンD欠乏ももう一つの重要な考慮すべき課題です。エモリー/ジョージア工科大学予測型健康研究所の研究者らによると、概して「健康」と見なされる人でも、ビタミンDが不足すると動脈は本来あるべき状態より硬くなる傾向があります。

そのため血圧は解れない血管が原因で高止まりになります。その研究では血清中ビタミンD 20 ng/ml未満だと高血圧リスクが高くなる欠乏状態と見なされていました。血中のビタミンD濃度が30ng/ml未満は、不十分な状態と考えられました。

以前の研究でも赤道から離れた地域に住む人ほど高血圧のリスクが高くなることが示されています。血圧は夏より冬のほが高い傾向があります。日光に肌をさらすことは、下記を含め、様々に異なるメカニズムによって血圧に影響します:

  • 日光に当たると体内でビタミンDが産生されます。日光に当たらないとビタミンD貯蔵が減り、血圧を上げる副甲状腺ホルモンが増えます。
  • ビタミンDの欠乏はインスリン抵抗性やメタボリックシンドロームとも関連しており、これらにはインスリン抵抗性や高脂血症、トリグリセリド増加、肥満、高血圧を含む場合がある健康の異常と相関性があります。
  • 研究は日光暴露により皮膚内の一酸化窒素が増えることを示しています。これは血管を拡大し、それによって、血圧を下げてくれます。
  • ビタミンDは血圧を調節する身体のレニンアンギオテンシン系(RAS)の抑制効果もあります。ビタミンDが不足するとRASが不適切に活性化し、高血圧につながります。

紫外線暴露もエンドルフィンという歓喜の気持ちを生み痛みを和らげる脳内化学物質の放出も促すと考えられています。エンドルフィンは自然にストレスを軽くし、ストレス管理は高血圧を解消するための重要な要因です。

定期的に運動する

総合的なフィットネスプログラムを行うことで、インスリン感受性を回復し、血圧の正常化に大いに役立ちます。最大の効果を得るには日常的に高強度集中インターバルトレーニングを行うよう私はお勧めします。

私は一酸化窒素ダンプを通して一酸化窒素が増えるだけではなく筋力も増すはるかに卓越した戦略を習得しました。これは血流制約トレーニングであり、間もなくこれについて詳しい説明とビデオを掲載予定です。

筋力トレーニングはインスリン抵抗性がある場合は特に意義があります。それぞれの筋肉を動かすと、その筋肉への血流が増加し、良好な血流がインスリン感受性を増強します。

運動の間には鼻で呼吸をしてください。運動の間に鼻呼吸ではなく口呼吸をしてしまうと、心拍数と血圧が上がり、疲労とめまいが起こることがあります。

+ 出典および参考資料