間もなく汗センサーが脱水状態かを知らせてくれるようになります

Fact Checked(事実確認)
汗をかく男

早分かり -

  • シンシナティ大学のジェイスン・ヘイケンフェルド氏は小型の柔らかい着脱式パッチを使って汗の中の複数の化学物質濃度を測定する技術の特許を取得したので、今後脱水状態を検出したり、糖尿病や精神の健康、嚢胞性繊維症を非侵撃的に診断できるようになるでしょう
  • センサーは汗の中のグルコースをすぐに測定するとはいえ、グルコースは血中グルコース測定時点より30分から60分遅れて分泌されるので、つまりこのセンサーでは糖尿病患者が血中グルコースを監視する価値はありません。しかし糖尿病の早期発見のための非侵撃的手段にはなるかもしれません
  • 着脱式センサーは汗の中のコルチゾール濃度を監視できます。この尺度は医者が精神分裂症を含む精神異常が疑われる患者において早期発見するために使用できます
  • 汗測定デバイスは保湿レベルの監視にも有用であり、保湿レベルは最適な健康や認知力、運動の成果のために欠かせません。ザック・ブッシュ博士が説明するように、細胞の保湿は命のために欠かせないことで、繊維質や電解質などの細胞膜を通る電荷に影響し、EMFの毒性を下げるような戦略に注意すれば達成できます
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Dr. Mercolaより

パーソナル化ヘルスケアとパーソナル化医療は道義的に用いられていますが、これらは異なるものです。パーソナル化医療とはがん治療の目安を得るために腫瘍マーカーを定義するなどの異常に固有の療法を開発するための遺伝子情報を使用することを意味します。

パーソナル化ヘルスケアとはこれより広義の概念であり、パーソナル化医療を含むばかりではなく、他の生体情報も含み、リスク予測を助けたり、処置への患者の応答性を見るのに有用です。両方とも成功率を高める処置計画を作成するために科学者らが取り組むに従いおおいに注目を集めてきました。

急速によくなりつつある着脱式センサーのデザイン

2016年初、Nature誌にの分子組成を読み出す小型センサーを開発したカリフォルニア大学バークレー校のある材料科学者が開発した独特なデバイスを特集した記事が載りました。センサーは結果をスマートフォンのAppへ送ります。

開発した科学者はセンサーをリストバンドやヘッドバンドに埋め込み式に設計し、着用者に早期警告が出せるようにしました。このセンサーは一回に汗の一成分しか測れず、結果を伝送できない他のデバイスに対して進歩したことを示しています。

この開発前まで、センサーを取り外して化学分析する必要があったので、リアルタイム測定にはとても不利な影響がありました。この着脱式デバイスは汗と接触するとグルコース、乳酸、ナトリウム、カリウム、体温を検出します。

シンシナティ大学のジェイスン・ヘイケンフェルド氏は、センサーにより電子回路を手首に巻ける程度まで超小型化できたので、この開発は画期的な業績であるとしています。

2018年末までにヘイケンフェルド氏は2つまたはそれ以上の測定値を電子的に相関分析可能な着脱式汗センサーに関する特許を取得しました。Eccrine Systems Inc.社がこの発明を実施し、汗センサーデバイスから得られるデータの相関分析をして、刺激されて出た汗の中に分泌された薬剤の薬物動態特性を特定します。

新汗センサーで複数の化学物質を測定可能に

発汗率、塩化物、グルコース、乳酸の濃度、pHをリアルタイムで把握できる、新デバイス開発はScience Advances 誌に公表されました。これらの濃度に基づいて医者は着用者が糖尿病や嚢胞性繊維症があるか、脱水状態にあるか、酸素濃度が低いかを知ることができます。

この新製品は無線式で電池無し、問題の監視と診断能力が改善し、小型のソフトパッチに格納されています。この研究に関わっていなかったオーストリアのリンツにあるヨハネス・ケプラー大学マーティン・カルテンブルナー工学教授は、「すべての機能を一つのデバイスに統合した初の」ケースのようです。「この論文に記載の技術水準は非常に先進です」とコメントしています。

このデバイスの底の微細な穴から汗をに取り込み、そこから複雑なマイクロチャンネルのネットワークが汗を超小型受容部分に通します。各受容部分に汗の中の化学物質と反応するセンサーが入っています。電源は無く、皮膚に貫通するものはありません。

経時的に化学物質を1種類または複数でも追跡できる融通性のあるシステムに科学者らは設計しました。言い換えると、マラソン走者の乳酸濃度を追跡するように設定したり、皮膚にとてもよく密着するので水泳選手は実績を追跡できるかもしれません。このチャンネルシステムは電子回路からは分離されているので、デバイスの耐用期間が延びます。

即時血中グルコース測定値について相関性は未確定

米国における糖尿病患者ほぼ3000万人について、汗で血中グルコース濃度を監視できる可能性があり、侵撃的監視のニーズが減るでしょう。今日までに最も先端の着脱式センサーは血中グルコース監視に小さい針を使用しているソフトパッチです。

糖尿病患者は食べる食品によっては、ほぼ即座に血糖値に大きく影響が出るので、汗を使用するデバイス開発に研究者らは取り組んできました。しかし現時点までに血中グルコース値を反映するメトリックの定義はできていません。

最新の汗分析デバイスは汗の中のグルコースを測定しますが、測定結果は通常測った時点から30分から60分経たないと測定値が出力されません。このタイムラグは重篤な低血糖症や高血糖症の人を助けるには長すぎますが、糖尿病のスクリーニングには有用かもしれません。イリノイ州ノースウェスタン大学の生医学エンジニア、ジョン・ロジャーズ氏はこのデバイス構築の中心人物です。

ロジャーズ氏は協力者とともに脳卒中からリハビリ中の患者の腎機能特定や回復度を見ることを目的に尿素とクレアチニンを測定するセンサーを開発中です。他のラボはうつ病を含む精神病においては重要な化学物質を測定するセンサーを開発中です。

ロジャーズ氏はこのデバイスを日常用に間もなく統合できると楽観視しています。2016年に比色分析を利用した現行デバイスの初期バージョンについて説明していましたが、数週間でGatoradeとこの技術の適合について交渉していました。

日常的ストレスホルモンの測定でいくつもの異常の特定が容易になる

着脱式バイオセンサーはコルチゾール分泌量を非侵撃的に監視する一つの方法でもあります。汗を利用し、正確な試料の投入によりデバイスはそれぞれの精度で微量液体を首尾よく測定できます。コルチゾールはストレスへの闘争逃避応答があるとき副腎から分泌されるホルモンです。

これが慢性的に分泌されると健康リスクに晒されます。自然なストレス応答では鼓動が増え、血圧が上がり、体力が出て、これらはすべて肉体的に負荷が掛かっている時には必要な現象です。しかしこのシステムが故障すると、不安やうつ、心臓病、体重増加、記憶障害、集中力障害などのリスクが増えます。

学習阻害、記憶阻害、免疫機能低下、骨密度低下につながるのでコルチゾールは「公衆衛生の敵ナンバー1」 であるという人もいます。.これらの異常のいずれも寿命を縮めるかもしれません。

興味深いことに、オーストラリア熱帯地方の健康と医療研究所の精神医学神経科学研究所の研究員らは、精神病患者は朝起床後にコルチゾールが平均値に及ばないことを実証しました。すなわち、精神分裂病リスクのある人を特定するために容易に測定されるバイオマーカーが存在することが示されています。

全体的健康に欠かせない保湿

保湿は全体的健康のために必須の要因であり、新型汗分析センサーが追跡できる有意な測定値の一つです。日中他の液体に頼ることは可能でしょうが、水こそ保湿のために最適です。

フルーツジュースや野菜ジュース、さらにコーヒーやティーさえ含む他の飲み物は不要な中身のないカロリーを付加しますが、これは砂糖やミルクなどをどれほど添加するかによって異なります。どの細胞や組織、器官も正常に機能するには水が必要なので、生存のため身体は水に依存しています。身体は細胞へ栄養素を運び、細菌を排出し、便秘を防止するのに液体を利用します。

高齢者は渇きの感覚が弱まっているので、よく高齢者は液体を十分にとらず脱水症のリスクにさらされます。 場合によっては薬で体液が失われたり、体力低下、低血圧、めまい、混乱もあります。

保湿すると疲れが減り、耐久力がよくなるので、肉体的な成果が上がります。 16減量がなかなかできず困ってきた方の場合、慢性的に脱水状態なのかもしれません。.水をもっと飲むようにするとよい結果が出やすくなるかもしれません。脱水状態は気分にも影響するので、規則的に保湿状態を維持することで落ち着きと建設的情緒を改善できるでしょう。

細胞の保湿が健康のカギ

(英語版のみ)

ザック・ブッシュ医学博士と行ったあるインタビューの抜粋をお見せしています。ここでは水の重要性と飲むだけでは細胞をよく保湿するには不十分なことを話し合っています。ブッシュ博士は内科、内分泌、代謝と3つの医学会認定資格のほかホスピスケアと治療せずに苦痛を軽減するペインケアについても資格を持つ医師、研究家であり、専門知識が卓越して豊富な方です。

興味の焦点を栄養と自然医療に切り替えるまではがん研究者でした。腸は保湿周期の基幹的部分なので、腸の内壁から血流へ水がいかに吸収され、これが次に細胞にいかに吸収されるかということが問題になります。

単純な真実として、一日中じゅうぶん水を飲んでも細胞まで水が行き渡るには足りないことがあります。身体の2/3は水分でできており、この水分の66 %から70 %は細胞とリンパ系にあります。加齢に従い身体は血管系から細胞に水分を取り込む能力が失われていきます。

ブッシュ氏は自分で行った研究に基づいて、細胞が保湿されていれば、加齢が遅延し、潜在的に若返ることが可能であろうと考えています。その理由は、水は身体が利用して毒素や自然に発生した酸化物質を対外へ排出する重要なメカニズムであることです。ブッシュ氏はさらに、酸素も細胞間水分の加水分解による水素と酸素への分解により得られるはずであるとも主張します。

ブッシュ氏のクリニックでは、患者の保湿度を、体脂肪を測定するのに使うインピーダンスとある意味では同じ手法で位相角を計測して同定しています。位相角値は一時的状況による影響を受けず、体内の長期的状況を示す尺度です。

不要に多く水を飲まずに保湿する方法

水を飲むことは保湿の一手法にすぎないので、位相角は飲む水の量を増やさずによくすることができることを銘記してください。細胞膜全体に十分な電荷がない限り、身体から余分の水が排出されるはずです。

このためには、テラハイドライトフミン化合物を摂り込んでマクロ被膜を支持し、細胞間保湿を促すことをブッシュ氏は推奨し、電磁場への暴露は細胞間の緊密な連結システムを損傷するので電磁場暴露を減らすように強く勧めます。