Dr. Mercolaより
数千年間古代アユルベーダや中国の医療では多用性のある薬草、「若返り剤」として知られるアシュワガンダ(Withania somnifera) は、いくつもの生体活性があるインド原産の植物です。
アシュワガンダは免疫系、代謝、ホルモン系を均衡させ、肉体的ストレスの適合に有用な稀な真のアダプトゲンハーブの一つです。
アダプトゲンの中には本来刺激剤がありますが、アシュワガンダにはこの種のアダプトゲンは含まれていません。毎朝の運動がもっと力強くできるようになり、寝る前に飲むとよく眠れます。さらに副腎皮質のコルチゾール分泌を必要に応じて増減させる「インテリジェントな」調節機能もあり、ストレスや不安の対策になる貴重な賦活剤です。
2012年に掲載されたあるプラセボ対照臨床試験で慢性ストレスの既往歴を持つボランティア参加者が高濃縮全スペクトルアシュワガンダエキス300 mgを毎日60日間摂ったら、偽薬を飲んだ対照群より大きくストレスが軽くなったと言います。
知覚ストレス尺度(PSS)スコアは対照群では60日間に5.5%しか下がらなかったのに対し、アシュワガンダ処置群は44%下がりました。
血液検査でもサプリメントを投与した60日間経過後この処置群では平均27.9%もコルチゾール濃度が下がりましたが、偽薬群は7.9%しか下がりませんでした。
これと似たような結果が出た2009年のある研究で、6週間以上中度から重度の不安症と診断された患者をアシュワガンダの根300 mgで3カ月処置したら、標準心理療法を受けた人に比べて症状が「とても軽くなった」そうです。
ベックうつ病調査(BAI)スコアはアシュワガンダを12週間投与した群では56.5%下がりましたが、心理療法群では30.5%下がりました。
フラボノイドその他の成分はアシュワガンダの強力な特性を生む有効成分です。これには限定することなく次の項目が挙げられます:
• ウィタノライド — この天然ステロイドはいくつかの炎症性疾患や関節炎、喘息、高血圧症、骨粗しょう症、がんを含む数種類の炎症による疾患を起こす経路を阻害します。
アシュワガンダのウィタノライドには免疫系を刺激ないし抑制して感染やがん、その他の病気から守る機能である免疫調節特性もあります。
• ソムニフェリン — アシュワガンダに含まれるアルカロイドの一種で、飲むとリラックスし、安らかに眠れるようになります。筑波大学によるある研究もこのハーブが不眠症や脚不穏症シンドローム等の関連する問題を軽減することを特定しました。
• トリエチレングリコール — アシュワガンダの葉に含まれるこの化合物は睡眠を促し、不眠症対策にもなることがわかっています。
• アシュワガンドライド — アシュワガンダの根に含まれるウィタノライドのダイマー(二量体) — (胃がん、乳がん、中枢神経系がん、大腸がん、肺がんなど)数種類のがんの増殖を阻害します。炎症性プロスタグランジンの産生を促すシクロオキシゲナーゼ-2という酵素の活性と脂質の過酸化を阻害して炎症を抑えます。
不安やストレス以外にアシュワガンダには他の病気にもメリットがあります。アユルベーダ医学で最も重要なハーブの一つと見なされているのにはそれなりの訳があります。重要な点は、このハーブは副作用無しにいくつかの病気や異常を治すのに薬より優れることをいくつもの研究が実証しました。
例えば、アシュワガンダには抗腫瘍作用や造血(血の生産)促進作用があり、心肺、内分泌、中枢神経系のすべてに「ほとんどあるいはまったく関連する毒性無く」効くことをいくつもの研究が実証しました。アシュワガンダにはさらに以下のような効能もあることがわかっています:
すでに正常範囲にある総脂質、コレステロール、トリグリセリド濃度の健康なレベルを維持する
主要GSHレベルを下げて放射線治療の効果を増進。マウスにおいてはパクリタキセル誘発好中球減少症(好中球数不足、白血球の一種)を逆転
骨粗しょう症(骨密度減少)の進行を止める
脳を酸化ストレスから保護し、アルツハイマー病リスクを下げる
脳細胞の劣化を遅延し、脳細胞を損傷から修復、ニューロンネットワークやシナプスを再構築することで記憶力や認知機能を改善する
適正な甲状腺機能を刺激し、無症候性甲状腺機能低下症の治療に効能がある - あるプラセボ対照二盲検では、アシュワガンダを甲状腺機能低下症の患者を標的とした最も普及している薬の数種類と比較しました。その研究には血清甲状腺ホルモン(TSH)が高い参加者50人(18~50歳の間)が参加しました。
降圧効果
炎症の阻止 — 動物実験においては、アシュワガンダが炎症に対してフェニルブタゾンやハイドロコルチゾンよりはるかに効能があることが証明されました
神経機能を酸化から保護する
自然な鎮痛効果がある
肝臓の滋養と保護
産生赤血球数の増加
副腎機能の強化
精力と耐久力の増大
健康な免疫機能の促進
ADHDの治療補助
失禁の改善
インスリン感度の回復を補助するので2型糖尿病治療の補助剤
結膜炎の回復
白斑の治療補助
パーキンソン病の症状緩和
高血糖症の回復
長寿促進
心臓血管の健康増進 — アシュワガンダは血液循環の調節機能により心臓の健康を維持できる血栓の予防を助け、血圧を正常範囲に維持し、心臓に負荷を掛けずストレスを防止する
若々しい皮膚の外観を維持する — アシュワガンダはエストロゲン濃度を増加させるのでコラーゲン産生が増える。このため皮膚は若々しい外観を維持でき、自然皮脂の産生を助ける。コラーゲンは皺や染み、汚点を起こすフリーラジカルとも闘って解消します。
傷が早く治る — アシュワガンダの根の粉を傷に湿布にして着けると局部の治癒に有用。この粉を水に溶かし、どろっとしたペースト状にして傷に塗ります。除菌し、傷みを和らげ、速く治ります
関節炎の処置 — アシュワガンダはアユルベーダ医療の写本にも先端医療においても関節リューマチ(アマヴァータ)や変形性関節症(サンディガータヴァータ)ともに効果的に治癒しうることが説明されています。
男女とも性的健康及び生殖的健康も支持 — 不妊症の男性はアシュワガンダを飲むと男女の生殖機能を制御する黄体形成ホルモンを均衡させます。アシュワガンダは男性のテストステロン濃度を高めるのにも有用で、性欲と性的パフォーマンスともによい効果があります。
また不妊症の男性の精子の質がよくなり、これは部分的に反応性酸素を阻害し、一部は亜鉛や鉄、銅といった必須金属の濃度が高くなったためであるようです。別の研究は、アシュワガンダは必須の性ホルモンを調節することで精子の質を改善することを示しています。
概して健常な女性において、アシュワガンダは性的興奮を増し、潤れ安くなり、オルガズムや全体的性的満足を上げることがわかっています。 さらに、アシュワガンダによるホルモンバランス機能(甲状腺ホルモン、エストロゲン、プロゲステロンを含む)は多嚢胞性卵巣症候群を改善し、閉経期の症状を軽減することが示されました
概して安全でよく受容される無毒なものですが、副作用はありえます。スローンケタリング記念がんセンターはアシュワガンダの副作用を示す症例レポートに含まれる以下の項目を引用しています:
アシュワガンダは甲状腺の異常に効能があるようですが、甲状腺障害があれば注意して、現在服用中の薬を変える必要があるかもしれないので、医師に相談してください。アシュワガンダは次の場合も使用すべきではありません:
高品質製品であることが最も重要なことは言うまでもありません。効果を確実にするには100%有機のアシュワガンダの根で、増粘剤や添加剤、賦形剤が無い製品をお勧めします。
アシュワガンダオイルはいくつもの医療用や実用の用途が可能なアシュワガンダの一形態です。通常はその他のエッセンシャルオイル(や安全な担体油)に混ぜて使います。アシュワガンダオイルには抗酸化性があり、関節炎やリューマチの人の局部鎮痛用に使うことができます。
残念ながら市場には混ぜ物のアシュワガンダ製品が横行しているので買うときはよく注意してください。植物性製品混入物防止制度の公報がインドで生産されている多くのアシュワガンダの根の粉製品と根のエキスに葉や茎、植物の地上部分が混ざっており、これがラベルに表記されていないことを暴露しました。
不安に話を戻すと、現代蔓延しているこの問題の対策には多くの方法があることに気づくことが重要です。薬はほとんど重篤な問題につながるので最後の手段にしておき、最初から頼ってはなりません。
遺伝特性、脳の化学的組成、人格、生活における出来事は不安障害発症に一役演じているようですが、ストレスが共通する発症因子です。不安はストレスに対する正常な応答ですが、人によっては不安に圧倒され、対策が取れなくなり、日常生活に影響するほどにもなります。
その他のいくつもの状況や基本的問題も不安を発症させたり悪化させることがあります。これには(限定することなく)以下が挙げられ、不安障害を解決するのに必要なことのようです:.項目別に詳しく知るにはリンク先をご参照ください:
人生の中の外傷的出来事 — 2015年に公開されたある研究は人生の中の外傷的出来事が不安やうつ病の最大の単一の決定因子であり、次にこれより軽い程度で精神病のある家系やその他の要因が挙がっています。リンク先では単純なタップテクニックで外傷的出来事に対する身体の反応をリセットする方法をご案内しています
マイクロ波放射への暴露 —よくある発生源にはスマートフォンやWi-Fiルーター、携帯電話、スマートメーター、ベビーモニター、携帯電話の電波塔が挙げられます。電磁場は不安やうつ病に直接響くので、その暴露を削減することは不安やうつ病がある方の場合は重要な第一歩です
食品添加物や着色料 - 特に懸念が多い添加物は、 青色1号/2号、緑色3号、オレンジB、赤色3号/40号、黄色5号/6号、保存料の安息香酸ナトリウムです
食品によるGMOとグリフォサートへの暴露— 非有機の大部分の食品は今やグリフォサートに汚染されており、グリフォサートは腸内細菌を害してマウスに不安やうつ病に似た行動が起きることが実証されています。
腸内フローラのアンバランスによる腸機能障害
ビタミンD不足
動物性オメガ3不足 — 研究によるとオメガ3を飲んだ医学生の不安が20%下がりました
マグネシウム不足 — 不安はマグネシウム不足によるいくつもの症状の一つであって、2018年のある論文に説明されています: 「The Role of Magnesium in Neurological Disorders」(神経障害におけるマグネシウムの役割):
「マグネシウムは心理神経内分泌系におけるいくつかの生理プロセスに関わっており、視床下部–下垂体–副腎(HPA)軸を調節するとともに、NMDAグルタミン酸作動性受容体のカルシウム流入を阻害し、ストレスや不安の気持ちが起きなくなる。」
人工甘味料の使用
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