アロマセラピーは不安軽減に有用かもしれない

エッセンシャルオイル

早分かり -

  • 多くの自然なエッセンシャルオイルには不安を起こさせない効能があり、これにはスィートオレンジ。ベルガモットラベンダーが含まれます
  • 不安症状のある人のためのアロマセラピーに関する体系的レビューは、ほとんどの研究で不安を鎮めるプラスの効果があることを示しています
  • エッセンシャルオイルは室内用ディフューザーを使って間接的に吸入でき、さらに皮膚にマッサージして浸み込ませる(担体油に希釈する)、あるいはエッセンシャルオイル吸引器を使って直接吸い込むこともできます
  • アロマセラピーはさらに痛みの軽減や吐き気、嘔吐、記憶力、偏頭痛にもよいことが示されています
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Dr. Mercolaより

アロマセラピーはエッセンシャルオイルを利用して不安を減らすなどすることで肉体的健康や幸福感を支えます。エッセンシャルオイルは高濃縮した花および植物の生体活性がある揮発性化合物です。エッセンシャルオイルは多くの意味で植物のエキスであり、少量でも治療効果があります。

花や外皮、葉、樹脂に含まれるエッセンシャルオイルは吸入して様々な良い効果が得られます。全米ホーリスティックアロマセラピー協会(NAHA)がこう説明しています:

「アロマセラピーは生理学的、心理学的、精神的プロセスを統合して身体内部の癒しプロセスを増進することを目指します。」

エッセンシャルオイルの種類に応じてさまざまなアロマセラピーの応用法がありますが、最も有望な研究分野は不安に関するものであり、エッセンシャルオイルには抗不安薬のような副作用がなく、症状を和らげる効果があるかもしれないことを研究が示しています。

アロマセラピーで自然に不安を軽くできるかもしれない

米国の推計4000万人の成人は現実的な脅威がないのに不安を抱き、不要なストレスや感情的苦痛を抱いています。

残念なことに、不安で苦しんでいるほとんどの人は何もしないか、医薬品に頼っています。その多くは効果がなく、健康と心の健全性をさらに悪化することもあります。よく処方されるものにはベンゾジアゼピン系の薬アティバン、ザナックス、バリウムが挙げられます。

これらの抗不安薬の多くは、オピオイド(ヘロイン)やカンナビノイド(大麻)と同じように、γ-アミノ酪酸(GABA)と呼ばれる神経伝達物質の作用を増強することにより、鎮静作用を発揮します。

その次に、満足感を得る脳内のホルモンであるドーパミンを活性化させます。脳内の同じ「報酬経路」が両方の種類の薬物によって使用されるので、それらは同様に依存性につながる可能性があり、また、記憶喪失、股関節骨折、思考障害、めまいのような副作用を引き起こすこともあります。

皮肉なことに、こうした不安治療薬の多くは投与を止めた後で極度の不安状態を引き起こします。その一部は、治療が正当であると診断された元の症状よりはるかに悪くなります。安全で自然な、不安の代替対策が必要なことは明らかであり、アロマセラピーは試す価値があるそうした対策の一つかもしれません。研究からこういうことがわかっています:

  • 不安症状がある人に対するアロマセラピーの不安鎮静(不安を起こさせない)効果を調査した16件のランダム化対照試験を系統的に批判検討したある論文が、ほとんどの研究は不安を落ち着けるプラスの効能がある(しかも副作用は皆無)ことを示しました。
  • ベルガモットエッセンシャルオイルによるアロマセラピーを手術前に行った人は対照群よりはるかに手術前の不安が軽減していました。
  • スイートオレンジオイルは人の不安を起こさせない効能があることがわかっており、アロマセラピストが精神安定剤としてよく使用するのは頷けます。
  • オレンジとラベンダーの香りに包まれると歯の治療を待つ患者の不安が減り、気分がよくなりました。
  • 歯科クリニックでオレンジの香りを嗅いだ女性は対照群より不安が少なく、気分がよく、よく落ち着いていました。研究者らは「オレンジの香りに包まれると弛緩効果が得られる」と結論しました。

不安にもっともよく効くのはどのエッセンシャルオイルでしょうか? (およびその使用法)

この自然な不安軽減方法にご興味があれば、以下のエッセンシャルオイルのうちどれでも手始めに試す価値があります。以下はすべて人気がある不安阻止オイルです:

ラベンダー (Lavandula angustifolia)

バラ(Rosa damascena)

オレンジ (Citrus sinensis)

ベルガモット(Citrus aurantium)

レモン (Citrus limon)

サンダルウッド (Santalum album)

クラリーセージ (Salvia sclarea)

ローマカモミール (Anthemis nobilis)

バラの香りのゼラニウム (Pelargonium spp.)

アロマセラピーの使い方はいくつもあります。症状が重い人は経験豊かなアロマセラピストに相談すれば指導してくれるでしょう。特定のエッセンシャルオイルは光過敏症(皮膚が日光に過敏になる)やアレルギー反応を起こす場合があるほか、それ以外のものは妊婦が使用しないほうがよいので、エッセンシャルオイルについて使用前に熟知する必要があります。それでも自宅で以下の方法でエッセンシャルオイルを試みることはできます:

  • 室内ディフューザーを使うあるいは傍にに数滴を落としてエッセンシャルオイルを間接的に吸入する
  • お湯(副鼻洞頭痛の治療によく使われる)に1滴エッセンシャルオイルを落とし、自分専用の吸入器を使用する直接吸入
  • アロマセラピー・マッサージ。エッセンシャルオイルを担体油で希釈し、皮膚にマッサージして刷り込む
  • ローション、バスソルトあるいはガーゼ類と組み合わせることにより、皮膚に芳香油を浸透させる

不安は当然のことながらアロマセラピーの応用の一例にすぎません。その他利用が可能なもの:

  • 偏頭痛にグリーンアップルの芳香 — この香りは偏頭痛をとても和らげることをある研究が発見しました。自分が楽しめるその他の芳香でも効能はあるかもしれないので、アロマセラピストに相談するのがよいかもしれません。
  • ペパーミントで記憶力改善 — ペパーミントの芳香も記憶力をよくし、注意力を上げることがわかっています。
  • 吐き気、嘔吐 — ペパーミントオイルとジンジャーオイル、スペアミントオイル、ラベンダーオイルのミックス。
  • 鎮痛に聴くラベンダー — ラベンダー アロマセラピーは針を刺した後の痛みを和らげることは知られています。

その他の自然な抗不安治療

例えば、エネルギー心理学技法の一つ感情解放テクニック(EFT)も身体の日常生活の中の避けられないストレス要因への応答性を調整してくれるので非常に効果的かもしれません。こうしたストレス要因には実際にあるものと想像上のものがあり、後者が不安の原因として大きな部分を占める場合もあります。

EFTは鍼と同様、経路点という見えない経路に沿う体内の生命エネルギーの流れコンセプトに基づいています。EFTは指先でこの系路を軽く叩き、身体のツボを刺激します。必要ではありませんが、好きならEFTと アロマセラピーを同時にすることができるでしょう。

EETは、自分自身で、または認定セラピストによる直接指導またはSkype、FaceTime、Googleハングアウトなどのオンラインビデオサービスで指導を受けることができます。次のビデオでは、EFTセラピストのジュリー・シフマン氏がストレスと不安を軽減するEFTについて説明します。誰でも自宅でEFTの実践方法を学ぶことができますが、持続的不安のような深刻な問題に対しては自己治療は危険であり、推奨されません。

EFTが事実と全く異なり、うまくいかないと誤って結論づけることがあるので、危険です。重大な問題や複雑な問題がある場合は誰かに手順を案内してもらうのが必要です。奥深く根付いた重大な問題を軽減するタップのスキルを身につけるには通常何年もの訓練が必要だからです。

食生活 — 不安があれば、腸内フローラに栄養を与える方法をよく調べる価値があり、その最適な方法は有益な細菌が自然に豊富に含まれる伝統的に発酵食品を日常的に食べることです。滅菌品では自然なプロバイオティクスのすべてではなくてもほとんどが殺されてしまうので同じ効果は得られません。

発酵野菜(漬物)などの伝統的な発酵食品で滅菌処理していない食品を探すか、手作りすることもできあります。食事にオキアミ油のような動物性のオメガ3脂肪の高品質摂取源を含むことをお勧めします。オメガ3脂肪のEPAとDHAは情緒安定のために基幹的な機能を果たし、ある研究は、オメガ3を食べた学生の不安が20%も劇的に減少したことを示しました。

運動 — 運動は、新たなニューロンの生成以外にも、鎮静効果がある神経伝達物質GABAを分泌させるニューロンも含め、セロトニンやドーパミン、ノレピネフリン等の強力な脳内化学物質濃度を上げるので、ストレスの影響を一部和らげてくれます。

また、運動熱心な人の多くは、運動後に「ランナーズハイ」とも呼ばれる、多幸感を得る状態になることもあります。心拍数を上げて体を動かすことがとても良いことだと感じるようになると、良い意味で病みつきになる可能性があります。

不安に苦しむ方は包括的な運動プログラムを始めるのがよいでしょう – 少々きつい運動をする限りほぼどんな肉体活動もプラスの効果がある可能性大です。それでも、最近、100件以上の研究を見直したデューク大学の研究者らが公表した批評的論文は、ヨガが精神衛生に特に有益であるかもしれないことを発見していますが、私はピークフィットネスや筋力トレーニングのような高強度インターバルトレーニングを、ヨガやファウンデーショントレーニングなどの柔軟性と体幹を鍛える運動に加えることもお勧めします。