骨粗しょう症の予防方法

骨粗しょう症の予防方法

早分かり -

  • 国際的に、骨粗しょう症は60歳の女性10人に1人、70歳の女性10人に2人、80歳の女性10人に4人、90歳の女性3人に2人に発生しています。欧州全体で男性の蔓延率は6.7%~6.9%あります
  • 骨粗しょう症に処方されるビスフォスフォネート薬は骨を脆弱にし、非定型骨折リスクが高くなる微小クラックを発生させることが証明されました
  • 健康な骨形成と強度のために必須の栄養素にはビタミンD、ビタミンK1、K2、カルシウム、マグネシウム、コラーゲン、ホウ素、ストロンチウムが挙げられれます
  • ほとんどの荷重に耐える運動では骨形成を促すほどじゅうぶんな骨形成荷重を生みません。体重の4.2倍の荷重がないと骨形成が誘発されないことが研究からわかっています。血流制限トレーニングは骨の健康にメリットがあるかもしれないだけではなく、高齢者や重い重量物を持ち上げられない人ができることです
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Dr. Mercolaより

国際骨粗しょう症財団によると、骨粗しょう症は60歳の女性10人にほぼ1人、70歳の女性10人に2人、80歳の女性10人に4人、90歳の女性3人に2人に発生しています。全年齢階層で女性のほうが男性より多く蔓延しています。欧州全体で男性の蔓延率は6.7%~6.9%あります。

骨粗しょう症 — 脆い骨 — により転んで骨折するリスクが伴い、特に股関節骨折は高齢者の死亡率を高めるので特に悪い意味でよく知られています。

骨粗しょう症を予防する最適な方法とは?

カリフォルニア大学骨粗しょう症プログラム長デボラ・M・カドー医学博士は骨粗しょう症、治療、老化に伴う骨折リスクの軽減のために自分で行える予防措置について講義を行いました。同氏によると骨折には修正不可能なリスク要因と修正しうるリスク要因の二つが存在します。

修正不可能なリスク要因には年齢、性別、人種、家系の既往症、骨折の既往歴、閉経 (女性の場合)が含まれます。修正しうるリスク要因には食生活ビタミンD欠乏、平衡感覚、喫煙や運動不足、アルコールの飲み過ぎなどのライフスタイルの選択が挙げられます。骨減少症についてのStatPearlの論文で説明されているように、医学的要因もこのリスクを高めます。

骨減少症と骨粗しょう症のリスクが高くなる医学的異常には、「副甲状腺機能亢進症、拒食症、吸収不良症候群、甲状腺機能亢進症、慢性的腎不全、性腺機能低下症、無月経/希発月経、早期閉経、カルシウムやビタミンDの欠乏に至る慢性的異常」を含みます。

骨損失を誘発するまたは悪化させる薬には「過剰なグルココルチコイド/長期的ステロイド治療、バルプロ酸、プロトンポンプ阻害薬、抗てんかん薬、化学療法薬」を含みます。トリクロサンという化学物質も骨粗しょう症リスクを高めることが実証されました。2019年7月10日に私の記事「歯磨きペーストで骨粗鬆症になりうるのか?」でこの点について説明しました。

カドー氏はフォサマックなどのビスフォスフォネート薬投与である主流の従来療法にも言及しています。同氏はこの薬を飲むべきかどうかについてはアドバイスしませんが、この薬独自の危険が存在することを指摘しています。

これには大腿骨骨折リスク増大 — まさしく予防したいことが含まれます。実際に2011年以来、フォサマックにはパッケージに非定型的大腿骨骨折に関する警告が同梱されています。

ビスフォスフォネート薬は顎の骨壊死(顎の骨の崩壊)、目の炎症、肝臓損傷、心房細動リスク倍増、食道がん、 腎臓毒性、低カルシウム血症(低血中カルシウム濃度)を起こすこともわかっています。

私の見解ではこうした薬は根本原因に対処しないので避けるべきです。ビスフォスフォネート薬は骨を厚くしますが、力学的には弱体化させます。

ビスフォスフォネート薬は骨折リスクを高める

この根拠は2017年のビスフォスフォネート薬で処置を受けた股関節骨折患者10人、骨折のみの14試料(この薬の処置を受けなかった患者の股関節骨折)、さらに骨折のない対照群からの14試料を基に粒子加速器を利用して骨試料の内部構造をかつてないほど仔細な画像を生成して把握した、ある研究が示しました。その結果:

「ビスフォスフォネート薬の処置を受けた骨は処置を受けなかった股関節骨折の骨より強度が28%、骨折のない対照群の骨より強度が48%低く、ビスフォスフォネート薬の処置を受けた骨は処置を受けなかった股関節骨折の骨より微小クラックが24%、骨折なしの骨より51%多かった。

ビスフォスフォネート薬の処置は検査した試料においては検出しうる力学的メリットはなかった。むしろこの薬により骨強度がたいへん低下した。

この強度低下の原因は微小クラックの増加と骨量や微小構造に検出しうる改善がないことであると考えられる。本予備研究からビスフォスフォネート薬により誘発された微小クラック蓄積が大きく臨床的な影響を及ぼすことが示された。」

栄養を摂って健康な骨づくり

骨は新たな骨細胞が追加され、古い物を廃棄するプロセスを繰り返している生きた組織です。20代後半までは新しい骨は古い骨が除去されるより速く付加されます。

「ピーク骨質量」は骨がどれほど大きく強くなれるかの指標です。ピーク骨質量には通常25~30歳で達し、それ以降は骨形成より骨吸収のほうが速くなります。

したがって健康な骨を維持するための基礎は健全な代謝機能です。特に骨の健康には特定の栄養素が必須なので、一般的に食生活こそ主要な検討対象なのです。

Natural Medicine Journalに掲載された論文「Naturopathic Approaches to Preventing and Treating Osteoporosis」(骨粗しょう症の予防と処置への自然療法アプローチ)で説明されているように、「強い骨を作り維持するために十分な栄養素を得るための最適な方法は一貫して健康的な食品を摂ること」です。骨の健康のために最も必須の栄養素は次のものです:

ビタミンD — ビタミンDは健康な骨のために重要なカルシウムとリンの吸収を調節します。

ビタミンK1 — ビタミンK1すなわちフィロキノンは植物や緑の野菜に含まれます。このビタミンは血栓形成のために決定的な機能をするほか、研究から骨の健康にも必須であることがわかっています。オステオカルシンは骨芽細胞(骨形成の基の細胞)が生産するたんぱく質で、骨内部で骨形成プロセスにおいて主な成分として使用されています。

しかし、オステオカルシンは効果を発揮できるためには「カルボン酸塩化」されなければなりません。ビタミンK1はオステオカルシンのカルボン酸塩生成の触媒機能をする酵素の補助因子として機能します。Metabolismに掲載された2017年のある論文は「骨芽細胞の骨細胞への転換を促しているようであり、破骨細胞形成のプロセスを制限もしている」と説明しています。

ビタミンK2 — ビタミンK2すなわちメノキノンは腸内細菌が合成し、カルシウム、マグネシウム、ビタミンDと相乗効果を出して強く健康な骨を形成します。

ビタミンK2はカルシウムを骨に運び、軟組織や器官、間接空間に堆積しないようにしています。ビタミンK2はカルシウムを骨の母材に結合させるために必須の、骨芽細胞が生産するたんぱく質ホルモン、オステオカルシンも活性化します。

カルシウム — カルシウムはビタミンK2、マグネシウム、ビタミンDと相乗効果を生み、正常に機能するためにはこれら3要素がなければなりません。

ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、ビタミンK2はカルシウムが動脈ではなく正しい場所 - 骨 - に至るようにします。ビタミンK2不足状態で高用量のカルシウムサプリメントを飲めば動脈硬化につながります。草で育った牛乳の生ヨーグルトは、骨損失を少なくできることが研究で実証されたカルシウムの宝庫です。詳しい説明は私の「Eat More Yogurt and Avoid Osteoporosis」(もっとヨーグルトを食べて骨粗しょう症を予防する)をご覧ください。

マグネシウム — マグネシウムはカルシウム、ビタミンK2、ビタミンDと相乗効果を上げ、カルシウムの吸収を助けます。

コラーゲン — コラーゲンは骨を強くし、骨粗しょう症をよくすることはすでにわかっています。

ホウ素 — 微量ミネラルのホウ素が最も高濃度で存在するのは骨と歯のエナメル質です。Natural Medicine Journalによると、ホウ素はカルシウム、マグネシウム、リンの排出を削減するので「健康な骨の機能のために必須であるよう」です。 ホウ素が骨形成にいかに寄与するかについてはまだあまりよく把握されていないので、ほかにもメリットがありそうです。

ストロンチウム — カルシウムに似た特徴があるもう一つの微量ミネラルで、骨形成と骨強度にも欠かせないものと考えられています。現状では、利用に効能があることが科学的に裏付けられた二種類のストロンチウム化合物はラネル酸ストロンチウム(サプリメントとしては存在しない)とクエン酸ストロンチウムです。

2017年に公表されたある研究では、メラトニン5 mg、クエン酸ストロンチウム450 mg、ビタミンK2 60 μg、ビタミンD 2,000 IUを毎日一年間摂った閉経後の骨粗しょう症がある女性の腰椎骨密度が偽薬群より4.3%増加したことを特定しました。.大腿骨頸の骨密度は2.2%増加しました。

ほとんどの筋力トレーニングでは効果がない理由

中度からきつい高衝撃性筋力トレーニングが骨の健康にメリットがあるという考えを裏付ける根拠は存在しますが、高齢者や骨粗しょう症の人には重いウェートリフティングは適しません。低衝撃性筋力トレーニングや有酸素運動、ウォーキングでは骨損失に対してほとんどあるいはまったく効果がないことはすでに証明されています。

荷重に耐える運動の問題はほとんどの場合骨形成を促すだけの荷重を生まないことです。研究から体重の4.2倍の荷重がないと骨形成が誘発されないことがわかっています。従来式の筋トレではとても及びません。

この点については少し考えてみればわかります。もし体重が約75kgあるとすると、ほぼ300kgを超す重量挙げが必要になることを意味します。その半分の重量でさえ持ち上げられる体重が約72kgの人はほとんどいないようです。

骨形成荷重 — 強い骨のための秘訣

オステオストロングという私が現在試験中のシステムが存在し、これは身体を特定の姿勢にして、リスクも怪我もなくこれほどの大きさの力をほぼすべての人が生み出せるようになり、一年間で骨密度が一貫して増加し続けることがわかっています。

オステオストロングのまたの名を骨形成荷重療法といい、これを提供しているトレーニングセンターかクリニックに行く必要があるでしょう。この技術は骨密度を増やすように考案されています。

2015年にJournal of Osteoporosis & Physical Activityに掲載されたある研究では、骨減少症と骨粗しょう症の女性 (どの女性もそのための薬を飲んでいない)が 骨形成荷重負荷筋力トレーニングを24週間行ったら、股関節の骨密度が14.9%、背骨の骨密度は16.6% 増加しました。

血流制限トレーニングが骨によいかもしれない

骨の健康にメリットがあるかもしれないだけではなく、高齢者や重い重量物を持ち上げられない人にとって可能であるように思われる代替手段は、血流制限トレーニングです血流制限トレーニングは普通なら一回しか持ち上げられない自己最大重量の20%~30%だけを使って行える筋力運動を可能にする一種の画期的な生体効果があり、最大限のメリットを得ることができます。

これは筋力トレーニングをしつつ、運動している四肢の静脈血の心臓への還流(動脈血ではなく)を制限します。これは運動している腕や脚に血流を少々制限するバンドを巻きます。

軽量で鍛えつつ腕や脚に血液が残らざるを得ないようにすることで、筋肉内の代謝変化が促され、これが負傷リスクがなく強度を高められます。

未だあまり多く研究されていませんが、数本の研究が骨代謝に効果的であることを示しています。血流制限トレーニングの骨代謝に対する効果を分析した170本の記事について行ったある2018年の体系的レビューにこう説明されています:

「いくつかの母集団に関し、血流制限トレーニングで骨形成マーカー(骨固有アルカリフォスファターゼなど)の発現が増加し、骨吸収マーカー(I型コラーゲンのアミノ終端テロペプチドなど)が減少することを4本の研究のみが示した。」

2012年のある論文、「Blood Flow Restriction: Rationale for Improving Bone」(血流制限:骨改善のための合理性)が次の仮説を提唱しています:

「これまでに行われた研究は血流制限しながらのトレーニングは筋肉内部の適合を促す画期的手段になるだけではなく、以前は高強度/衝撃性運動でしか効果がないと考えられていた骨にも効果があるという仮説を裏付けている。

したがってこれまでに確認され提唱された骨形成の応答の背後にある主な仕組みは、静脈閉塞による骨髄内圧と間質液流の増加によるものであるという仮説を提唱する。」