セロリージュースがなぜ流行る?

Fact Checked(事実確認)
セロリージュース

早分かり -

  • セロリージュースは2019年初よりとてもはやりだしましたが、この野菜は依然から肉料理やジュースによる食事管理のために健康的な追加の食材です。セロリーは最も農薬残留が多い最悪の果物・野菜47種の11位なので、有機物を買いましょう
  • セロリージュースの現象が需要を増大させましたが、天気や土壌由来の病気により収穫高が減り、価格が高騰し、消費者の期待に沿えなくなりました。ニューヨークのジュースバーチェーン店Juice PressのCEOは先行きこのアンバランスが直ると期待しています
  • 毎日の野菜とジュース食管理は、セロリーにはビタミンKが必須日量の40%、モリブデンの日量の11%、重金属のデトックスに身体が利用できる微量ミネラルが摂りやすいので、セロリーを加えると効果があります。セロリーには抗酸化物質やフラボノイドも豊富です
  • アピゲニンは抗ガン力のため注目されているセロリーの中の化合物です。このフラボノイドは細胞の自己死(アポプトーシス)やオートファジー(自食作用)を促すことにより、試験管内でも生体実験でも異なる形のがんを抑止するといわれている抗炎症性、抗菌性、抗ウィルス性が強いです
  • セロリーを食べすぎるとシュウ酸塩の摂りすぎになります。それ自体は無害ですが、シュウ酸塩が過剰に蓄積すると腎臓結石につながることがあります
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Dr. Mercolaより

セロリージュースの流行りはよく世界セロリージュース運動の主催者であると自分をみなしているアンソニー・ウィリアム氏がきっかけであるとされています。この運動はソーシャルメディアやNew York TimesおよびLA Timesなどマスコミの注目を集めました。

涼しく維持し、水をよくやり、良質の土に植える限り自宅で有機セロリーを簡単に栽培できます。市販で最も汚染された野菜のひとつなので有機栽培セロリーを買うのが大切です。

食卓には有機セロリーを選びましょう

毎年、健康と環境の保護を目的としている環境作業グループ(EWG)という非営利団体が産品に含まれる農薬ガイドを公表します。この文書は「The Dirty Dozen」(汚い12種類)といい、セロリーはいつも載っています。

2012年にはセロリーはこのランキングで2位で、サンプルの96%から残留農薬が検出され、ほぼ90%に一種類を超す農薬が含まれることから、最も複数の農薬で汚染されています。2019年までにセロリーはいちごやほうれん草、ケールに追い抜かれ11位になりました。

果物と野菜の試験前に消費者が自宅で行うことが考えられる行動として産品を洗い、皮をむきました。EWGが2004年以来公表してきたThe Shopper’s Guideは40,900個以上のサンプルに基づいて47種類の果物と野菜の汚染ランクを掲載しています。EWGの研究アナリストカーラ・バーンズ氏がこう説明しています:

「農場にまたはその近所で生活したり働いていないほとんどのアメリカ人が主に農薬に接触する経路は食物を通してです。いくつもの研究が農薬を含まない果物と野菜は健康のためになり、このことは妊婦や子供には特に重要であることを証明してきました。」

米国小児科アカデミー(AAP)は子供の暴露を制限すべきであると強調します。農薬に暴露されると精神的発育不良、発生異常の蔓延、注意欠陥障害(ADHD)につながります。そのデータは奇形児、死産、神経発生的影響との関連性も示しています。

EWGは225種類の農薬が野菜や果物から検出された米国農務省の試験を評価しました。フィリップ・ランドリガン博士はボストン大学のグローバル・パブリック・ヘルス・イニシアチブの理事長であり、「Pesticides in the Diets of Infants and Children」(乳幼児の食事の中の農薬」という1993年の米国科学アカデミーによる研究の執筆者の一人です。

同氏は農薬暴露の帰結を強調し、可能な限り処置を実施して子供の暴露を減らすと同時に、新鮮な産品が豊富な食生活を提供し続けることを強調します。

農薬への暴露の危険は成人になっても残る。The Pesticide Action Networkは低用量の長期的毒性がパーキンソン病うつ病不安喘息、特定のがんと関連するとしています。

セロリージュースの流行り: コスト高は皮肉な嵐

ニューヨークのジュースバーチェーン店Juice PressのCEOマイケル・カーシュ氏はジュースのトレンドを追跡しています。2018年に、セロリージュースへの興味が増大していることを察知し、$7で12オンス入り一成分ドリンクを売り出しました。カーシュ氏はThe New York Timesに原料不足と今後について話しています:

「数日のうちにそれが3番目に売れ行きの良いドリンクになり、一成分製品にしては想像していなかったことでした。セロリーには歴史的に印象を受けたことがありません。活力を感じません。大部分が水で豊富な繊維質があります。3か月前に4日間じゅうぶんにセロリージュースを提供できないことがありましたが、5年前は有機アーモンドだったし、7年前はケールが流行りました。通常は、起きたことは是正されます。」

栄養・栄養学学院のスポークスパーソン、バンダナ・シェス氏はこうした流行りはよくソーシャルメディアで広まり、多くの人は健康にすぐ効きそうな物を求めていると同氏は考えるので、惹かれるのであろうと考えます。

異なる流行りの食べ物により食が変化するのは危険であると注意して、こう説明しています:「私のクリニックではさらに並外れた食べ方の症例を目撃しています。長期的に持続しえないものです。」

Duda Farm Fresh Foodsという世界最大のセロリー栽培会社の上級副社長サミー・デゥダ氏がThe New York Timesに、有名人が特定のタイプの野菜ジュースが言いというと、需給がひっ迫することには家族で慣れ親しんできたと話しました。同社の製品ページに掲載されている10アイテムのうち3つは包装されたセロリー1つが新鮮セロリーです。

費用はジューストレンドによる需要だけではなく天候によっても左右されます。The New York Timesは、この商品作物の一部が栽培されるフロリダ州パームビーチの暖かく乾いた秋と西海岸の冷たい湿気の多い冬が成長と収穫に影響した、と伝えていました。

Duda Farmの作物は土壌由来の病気によっても打撃を受けましたが、これが流行りの需要増大に合わさって供給不足になりました。

植物栄養素が健康メリットを高める

いくつもの病気の治癒手段としてセロリーを促進する取り組みが行われてきましたが、科学的根拠からしてあまり多くの病気に効くわけではないことがわかっています。生のセロリー1カップにビタミンKが必須日量の40%、モリブデンの日量の11%、重金属のデトックスに身体が利用できる微量ミネラルが含まれます。

重金属によるこれより深刻な脅威にはカドミウム、水銀、ヒ素、鉛が挙げられます。長期的に暴露されると神経損傷、皮膚がん、腎臓障害骨折につながりやすくなります。

毒性は暴露経路や期間を含むいくつかの要因により異なります。私の以前の記事「The Three Pillars of Heavy Metal Detoxification」(重金属のデトックスの3本柱)にモリブデンの重金属デトックス機序ついて詳しく説明されています。

セロリーには葉酸塩やカリウム、ビタミンB2も豊富です。セロリーの茎は多くに抗炎症性がある抗酸化物質やフィトステロール、フラボノイドフラボンが摂りやすいです。しかし、セロリーに含まれるこれらよりメリットが高い化合物のひとつは抗がん作用があるので注目が出てきたアピゲニンでしょう。

アピゲニンは数種類の果物や野菜、一部の漢方薬草に含まれるフラボノイドの一種です。強力な抗炎症性、抗菌性、抗ウィルス性があり、異なる形態のがんを抑制するという研究結果が増えてきています。このことは免疫応答を刺激するほかにも、アポプトーシスとオートファジーを開始させることにより試験内でも生体実験でも確認されました。

アピゲニンは神経細胞成長を刺激することに関連します。ある動物実験はアピゲニンを注射するか経口で食べると学習能力や記憶力がよくなることがわかりました。いくつかの研究はアピゲニンが人の皮膚細胞中でAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を活性化させることを示しました。

その研究結果は、「アピゲニンが化学保護作用を発揮する機序はおそらく人の角化細胞におけるAMPKの活性化とオートファジーの誘発によるものであると考えられる」ことを示しています。別の公表された研究では、科学者らは酸化ストレスとDNA損傷の調節における抗がん作用に注目しました。記事の続きは以下の通りです:

「アピゲニンの最もよく知られるメカニズムの一つは、p53関連の経路による細胞周期の停止促進とアポプトーシスを誘発する機能である。化学的予防効果におけるアピゲニンのその他の機能には、いくつかの人のがん細胞系列におけるオートファジーの誘発である。」

多量では腎臓機能を阻害するかもしれない

シュウ酸塩が多量にあるわけではなくても、セロリーには約100g当たり11~20 mgが含まれています。シュウ酸塩は動植物性食品ともに含まれ、特にほうれん草やアーモンド、ビートの葉に豊富です。シュウ酸塩は腎臓結石やカルシウム吸収に関連します。

吸収されるシュウ酸塩の量決定に腸内細菌が機能をしています。シュウ酸塩とシュウ酸塩以外を含む食品の組み合わせも、溶解性シュウ酸塩がどれだけ消化管から吸収されるかにも影響します。

シュウ酸カルシウムの腎臓結石はよくある種類です。しかし、結石の原因はシュウ酸塩であり、カルシウム量が多いことによるのではありません。シュウ酸塩は植物が自分を捕食者から守るための化合物です。シュウ酸はカルシウムと結合して生物分解性が減り、非溶解性になるので、腎臓結石のリスクが高まります。

シュウ酸塩は腸内細菌が分解しますが、腸内フローラに支障があるときはこの化合物が血流に入り、腎臓に溜まります。セロリーには約100g当たり11~20 mgが含まれる程度であまり多くありませんが、毎日約450ccのセロリージュースを飲めば少なくない量になります。

セロリージュース約450ccには大きめの セロリーの束1つが必要で、これには茎が10本含まれ、重量は450gを超えます。これほど多量のセロリージュースを飲めば毎日 90 mgものシュウ酸塩を摂ることになります。チョコレートやベリー、ナッツ、マメ科、穀類など他の食品に加わるので、これほどの量なら腎臓結石のリスクが高まるかもしれません。

落ち着けるカモミールティー — 同じ効果があるオプション

ハーブ茶は抗酸化性や抗炎症性があるポリフェノールやフラボノイドが豊富です。最も落ち着けるものの一つはキク科に属すカモミールのティーで、この科には極めて多くの種類のハーブや低木、木々が含まれます。

ティーとして以外にもカモミールは花にある揮発油に含まれる物質を含む多くの健康的効能があるので人気があります。この」花の主要成分の一つがアピゲニンで、主にグリコシドとして含まれます。

成人はお風呂にこの花の揮発油を使用したり、かさかさする皮膚用のクリームとしてや吸引薬、チンキ液として生理痛や睡眠改善に利用できます。カモミールの効能や自家製のチンキ液の作り方については私の以前の記事「What Are the Benefits of Chamomile?」(カモミールの効能は何でしょうか)をお読みください。