Dr. Mercolaより
ポール・ジャミネット PhD はMITとバークレーの天文物理学者ですが健康や食生活にとても興味を持つ方で、従来式の医療では解決できないような健康の支障を体験した後この興味をもつようになりました。
同氏とDr.ロン・ローズデール M.D.は「安全なでんぷん」なら健康改善になるかいなかに関してネット上で活発な議論 を展開したことがあります。
Dr.ジャミネットはじゃがいもやご飯等から摂るでんぷんの炭水化物は健康的な「安全なでんぷん」であり、全く食べなくなると「グルコース欠乏」につながると考えています。
Dr.ローズデールはこれに反論します。
Dr.ローズデールによるとあらゆる砂糖や砂糖に変換されるすべての食品は有害な影響があるので食べない方がよいと考えています。
毎日1合のお米に相当する炭水化物はたいした量には思えない一方、特に糖尿病や心臓病の人にとって健康の観点では大きな差を生むと同氏は主張しています。
Dr.ジャミネットのウェブサイトを見るとわかる通り、Dr.ローズデールの仮説に反対しており、グルコースは確かに有益な機能をすると考えます。私たち人間のグリコーゲン備蓄量はたいした量ではなく、これが枯渇すると身体が機能するために必要なグルコースを提供する他の器官にストレスが及ぶ可能性があります。
私が見るところ、この点はたいていの人には全く問題にならないことで、ほとんどはDr.ジャミネットの標準で50%を炭水化物から摂るカロリーを20~30%に減らすと示唆しているレベルには到底及ばないほど食べているからです。
鍵を握るのは炭水化物の代りにアボカドやココナッツオイル、玉子の黄身、生の草を食べさせた有機牛のミルクから作った有機バター、オリーブやナッツ等ヘルシーな脂肪を摂ることです。
オメガ6/3比を崩す高度に加工され遺伝子操作されたオメガ6オイル(とうもろこし、カノーラ、大豆等)を使わないことです。当然トランス脂肪は全く避けるべきですが、よくあるアドバイスに反し、 飽和脂肪は健康によいです。
Dr.ジャミネットの著作にまとめられているような食事Perfect Health Diet(完璧な健康的食事)は確かに健康によく、たいていの人は健康への効能をそこから読み取ることができるでしょう。
同氏は継続的に進化し、修正し、文献を根拠にしてご自分の推奨を慎重に説得力あるものにしていることは私の気に入っている点です。
もしあなたが食事を利用して寿命を延ばすことを試そうと思うなら、Dr.ローズデールの食事(さらに炭水化物を抑えるタイプ)がカロリー制限の生物学的影響を模倣していることがわかっています—これはシンシア・ケニヨン(Cynthia Kenyon)さん等の研究家が明らかにしたようなカロリー自体を実際に減らすことなく寿命を延ばす方法と同じです。
Dr.ローズデール が次のように説明していますが私もこれは正しいと思います:
「現在明らかになりつつある事実は、(非繊維質の)炭水化物を徹底的に抑える高脂肪食生活は高炭水化物低脂肪食生活よりはるかに勝るものであって、 これならより深遠な健康への効能を実現できる。」[強調は私が付けました]
人間は極めて長寿のヘルシーな生活を送るようには必ずしも生物学的に「回路設計」されているわけではないことを把握しておくことは重要です。人間というものは ヘルシーな再生産のための回路設計がなされており、再生産年代を過ぎると、自然と延命に関して実際にはどうでもよくなるようにできているものなのです…
しかしDr.ローズデールが指摘する通り、子孫を生むために十分健康に身体を維持するための自然の秘訣に関して私たちが把握していることを応用し、その秘訣を使って生殖年代以降の人生に生かすことができます。
これを行うために私たちが行うべきことは長寿と延命に関連する先端科学を実際に生かすことで、この中でも大幅に炭水化物を制限するという科学は最も顕著な効果のあるものです。
ジャミネット氏とローズデール氏の主な論争点の一つはそれより下がるとダメージが生じるような血中グルコース濃度が存在するか否かに関してです。
Dr.ジャミネットの主張は(Dr.ローズデールによるとこれが間違いだそうで)グルコース濃度が低すぎると健康に害がありうる「グルコース欠乏症」になりうるという点があります。
Dr.ローズデールによると:
「…ジャミネット氏が呈示している他の記事に基づいて導きだされる根拠とは、グルコースの急増が計測されなかった以上、140 mg/dlを超したはずがないというありえない想定のみに基づいていることです。
さらにその「根拠」は、血液と血漿グルコースの間の変換という点に関して間違っています。」
Dr.ローズデールは、グルコース消費が疑いなく血中グルコース濃度を急増させ、インスリンとレプチンを増加させ、従って耐性を促進するのだから、グルコースの消費は 必ず ある程度のダメージ増加 や死亡率増加に関連していると指摘しています。
「私の考えでは、呈示されている関連研究に基づいてただ一つ結論づけられることは、各研究の筆者らと同じであって、空腹時と2時間のグルコースが100 mg/dl?、105 mg/dl?といったような一定値より高いことはある程度のダメージや死亡率増加と相関性があり、この程度はジャミネット氏が安全圏だとする140 mg/dLよりはるかに低い値です。」と同氏は説明しています。
さらに、
「自然なことを行うだけで望みが持てると単に考えることはできない」 とDr.ローズデールは説明しています。「生殖年代を過ぎたら死ぬのは当たり前です。科学しか当てにできるものはなく、特に老化の生物学が生殖年代以降の長寿を実現する方法を示しています…
インスリンとレプチンの増加は老化に関連するほぼすべての慢性病の早期発症や実際の老化加速において主な役割を演じていると私が思っている極めて重篤な帰結をもたらすことが反復して実証されています。
自然が私たちのことに気を掛けるのはそこまで、つまり子孫を作れるだけ健康でいられるようにすること、その後自然は私たちのことなどどうでもよいのです。死ぬのは当たり前のことですが、その自然な成り行きを避けるためにこの記事を読んでいるわけです。
ヘルシーでいるために私が行い、唱えていることに対して気のとがめは一切なく、子孫を作った後で長寿で幸せに若々しく生きられることは追求する価値があります。」
その反面、Dr.ジャミネットは人間はある程度の右旋糖が必要であり、その根拠は特定のでんぷん系食品由来のグルコースは粘膜を作り、小腸のバリア保全、免疫機能(約80%は腸内に存在する)のために必要であるという考えに基づいています。
Dr.ジャミネットによると:
「極めて低炭水化物の、特にタンパク質摂取が制限されている場合、粘膜の生産が大幅に減少する可能性があり、このために腸内粘膜とバリアーの統合性に支障をきたすことはありえます。」
しかしでんぷんと砂糖が病原菌の餌であること、大腸病では果糖の吸収不良がよくあることをを把握しておくことは重要です。繊維質が豊富なでんぷん系の食物は大腸障害がある人にとっては問題になりやすいです。
Dr.ジャミネットは大腸障害がある人に右旋糖やお米のシロップをよく勧めます。しかし病原体は多様なので一つの汎用的で安全な処方というのは存在しません。この点は同氏も把握しています。
「炭水化物無しの食事はグルコース欠乏やケトーシスをある種の病原体が好むことからして潜在的に問題があり、どんな所与の炭水化物摂取源についても、必ずそれを餌にする病原体が一つは存在します。」
ジャミネットとローズデール両氏と似たもう一つの食事にDr.ナターシャ・キャンベル・マクブライド(Natasha Campbell-McBride)が開発したGAPS食というのがあります。
Dr.ジャミネットによると一部の人々は同氏のいう「安全なでんぷん」(じゃがいもとご飯)をGAPS食に加えて食べ始めてから健康がよくなった(これは腸を癒し腸内細菌叢のバランスを取り戻すことを特に目指すもの)と報告していたそうです。
「GAPSは誰かの質問に対する答えの中で出てきた概念です。GAPS食を実践している二人から私たちのお勧めに加えてでんぷんも摂ったら健康がよくなり、慢性的に続いてきた腸の障害がなくなり真菌感染症もなくなったと報告を受けました。
当然私はその二人がDr キャンベル・マクブライドの忠告にどこまで忠実に従っていたかは全くわかりませんが、その人たちの例はあなたが最後の二段落に書いている内容を言い表しています。病理はそれぞれ固有であり、食事は個人別のニーズに合わせなければなりません」 と同氏は説明しています。
「私はDr キャンベル・マクブライドをとても尊敬しており、多くの人が同氏のダイエットプログラムでよくなったことを把握しています。私が同氏のダイエットプログラムや貴重な実績をこけおとしにするつもりだったなどと誰も思っていないことを祈っています。
Wise Traditionsで同氏の話の一部を聴く機会に恵まれまして、そのカンファレンスで私が見た最も貴重な話であったと思います。」
血中グルコースを慢性的に増加させるとインスリンとレプチンを増加させ、結局はインスリンと レプチン抵抗を強めることになることは明らかです。インスリンとレプチン抵抗を 防止 することが最適な健康と長寿を求める限りおそらく最も重要な要因だと思います。
これを前提にして、砂糖と炭水化物を減らす 程度 は個人別に全く異なります。さらに個人別の生化学的相違があるのである食習慣は他の人よりあなた自身にはもっと効能がある場合もあります。
肝心な点は砂糖、穀類やでんぷんを食べるとインスリン抵抗 をある程度高めるが、食べる量によってこれも異なるということです。
確固とした科学的根拠がある食事プランをお求めの方には、Dr.ジャミネットの著作Perfect Health Dietをお勧めします。目標の目安としては毎日の食事のうち50~70%を健康に良い脂肪から取ることです。これで、炭水化物の摂取が大幅に減るでしょう。
ほとんどの人は食事にはるかに多くの穀類や豆由来の炭水化物を消費しているのでこのアプローチに従って健康が大いによくなることでしょうし、どんなに少なくても削減できれば正しい方向に向かう第一歩です。
しかし、こうしたダイエットを次のレベルにまで進めたい人はDr.ローズデールの示唆を参考にし、ほぼすべての非繊維質炭水化物を食べないようにするとよいです。このことは実際に行うのは難しいかもしれませんが、とてもよい成果を見込めます。
どんな食生活を選ぶにしても、自分の食べているものが自分独自の生化学的、遺伝学的条件に合うものかどうかについて答えが返ってきますから自分の身体に耳を傾けましょう。このフィードバックによく注意し、ダイエットプログラムを適切に調整してください。
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