Dr. Mercolaより
大腸がんと結腸直腸がんが同義に使われるのを聞いたことがあるかもしれません。しかしこれらは異なります。直腸結腸がんは結腸と直腸で発生し、大腸がんは大腸でのみ発生します。
歴史的に、大腸がんは50歳以上でしか発生していませんでしたが、これに変化が生じ続けています。米国がん学会による最近のあるレポートによると若年成人の発生率が増えています。
大腸には解剖学的にいうと4つの部分があります: 下行結腸、上行結腸、横行結腸、S状結腸。小腸が栄養分の吸収の主役ですが、大腸は廃棄物の保持、水分の回収、ビタミンKなど特定ビタミン吸収の機能を果たします。
場合によっては結腸全体を指す意味で大腸と一括し、身体が食物を利用する方法を決定付けています。消化は口の中で咀嚼することから始まり、これが喉の下へ移っていきます。飲み込んだ食べ物の雫は食道を下り、胃に入ります。
胃内で胃液が食物を分解し、胃の強力な筋肉が食物がクリーム状の液体になるまでかき回します。この液体が小腸に移動するに伴い、液の中の粒子がさらに小さくなり、膵液、肝臓や脾臓からの消化液と混ざって消化されます。
食物はほぼ6.6mの小腸を経て大腸に入ります。大腸に入る頃は大部分が液体です。大腸は水を吸収し、腸内細菌が残りの固形物を分解し、直腸に保持されてから排便により出ていきます。
私は運動とりわけ高強度インターバルトレーニング(HIIT)を熱心に支持しています。Journal of Physiologyに掲載された近年のある研究によると、高強度活動が直腸結腸がんを生き延びた患者の死亡率削減に寄与することがわかっています。
運動を長期間行うとがん予防になることは過去の研究がすでに実証しましたが、この新研究の結果は、たとえ短時間の瞬発的な運動でもプラスの効果があることを示しています。その研究チームはこの効果の背景にあるメカニズムに着目しました。
その研究のために結腸直腸がんの患者を募集し、HIITの集中トレーニングまたはHIITを4週間12回行うかいずれかを行ってもらいました。研究者らは集中トレーニングをした参加者の班から運動の前、直後、120分後に血液試料を回収しました。
HIITを4週間行った班については研究者らは血液試料を運動前と4週間終了時に採取しました。その血液を結腸直腸がん細胞入りのペトリ皿に添加しました。研究者らは、運動直後に取った血液サンプルがペトリ皿内の大腸がん細胞を減らしたと報告しました。
さらに集中運動後の一時的炎症応答が引き金となったと思われる免疫応答及び炎症応答を変調させるサイトキン信号伝達タンパク質が著しく増加することも発見しました。研究主任で執筆者のジェームズ・デヴィン博士は結果についてコメントしています:
「運動が大腸がん細胞の増殖を阻止するかもしれないことを示すことができた。HIITを急激に行った直後、特に炎症が増大したが、これはがん細胞の削減に係っているという仮説を立てた。
このことは肉体的に活発なライフスタイルが結腸直腸腫瘍の対策として重要かもしれないことを示す。こうした増殖の変化の仕組みを研究し、血液中のバイオマーカーが細胞増殖に影響を及ぼしうるメカニズムを把握することにした。」
米国がん研究所(AICR)出資の世界がん研究基金によると、結腸直腸がんは急速に社会や経済が変化する諸国で増えている栄養の変化を示す明確なマーカーの一つです。Fight Colorectal Cancerのサイトによると、60%の結腸直腸がんによる死亡はスクリーニングにより予防できたはずであり、診断された25%の患者の家系にこの病気が診断されていたそうです。
大腸がんの正確な原因は一つの要因に絞り込まれませんが、研究者らは大腸がん発症リスクを増大させうるいくつかの要因を特定しました。特に環境要因と重なると家系がリスクを増大させることをデータが示しています。
データによるとアフリカ系アメリカ人やアシュケナージユダヤ人は結腸直腸がんの発症率が高いです。赤肉や加工肉が多い食生活、不活発なライフスタイル、喫煙、飲み過ぎ、肥満を含むライフスタイル要因もリスクを高めるかもしれません。
炎症性腸病や結腸直腸がんあるいはポリプ、2型糖尿病の既往歴がある人は結腸直腸がんのリスクも高く鳴り得ます。
抗生物質は腸内フローラを根本的に変成させるだけではなく、抗生物質治療が必要な細菌も炎症性であるかもしれません。このことは大腸がん発症のさらにリスク要因であることを研究が実証しました。この研究は抗生物質が結腸直腸がんリスク増大に関与していることを示した初めての研究ではありません。
結腸直腸がんの症状には、下痢や便秘等排便パターンがしつこく続くことを含みます。便の粘度が変わったり、あるいは便に血が混じっているのに気づくことがあるかもしれません。しかし、便中の血液は必ずしも赤いとは限らず、大腸の出血個所によって違う色である場合があります。
大腸内での出血が多いほど、便中血液は暗い黒になる傾向がありますが、少量であれば便に紛れ込んでしまうかもしれません。痙攣や鼓腸、傷みが時を経てもなかなか治らないしつこい腹部の不快感が感じることがあるかもしれません。
虚弱管、倦怠感、説明のつかない体重減少は結腸直腸がんのその他の症状です。中にはこの病気の初期に一切症状が無い人もいるかもしれません。症状が出る時期はがんのサイズと大腸内の発生個所により異なります。
疾病管理予防センター(CDC)が実施したあるアンケートによると、米国では成人のほぼ80%がじゅうぶん運動していません。週二回2.5時間の適度な強度集中有酸素運動と筋力トレーニングという推奨量の運動をしている人はたった20%です。
今回取り上げた研究がHIITの大腸がん細胞転移に対するメリットを実証しましたが、運動にはその他のいくつものメリットがあります。実際に、運動は長寿のための秘訣かもしれません。European Journal of Preventive Cardiologyに掲載されたある研究は、ストレステストでのパフォーマンスに基づいて年齢を推定しようとしました。
研究者らはは30分座る替わりにウォーキング等の軽い運動すると17%の死亡リスク削減つながることを特定しました。30分座る替わりに適度から激しい運動をするとこのリスクが35%削減されます。運動は記憶力改善にともないうつ病やアルツハイマー病発症率低下にもつながることがわかっています。
実際に、運動はうつ病や不安症の処置を成功させるための秘訣であるようです。運動する人はおそらくセロトニンやドーパミン、ノレピネフリンの増大により幸福感が増えるようです。運動は老化を遅くし、皮膚を改善し、慢性病からの回復が速くなるかもしれません。例えば、運動は変形性関節症を含む関節痛にも効果がありました。日常的なHIITのもう一つのメリットは脂肪代謝改善と減量です。
腸内フローラは結腸直腸がんの治癒と予防のためにも有用です。研究者らはラクトバチルス・ロイテリ菌には大腸がん腫瘍の処置に使える効能があることを特定しました。結腸直腸がんを対象にしたその他の研究は炎症性腸病の診断を含み結腸直腸がんの発生率を増大させるいくつかの要因が存在することを特定しました。
腸内フローラは結腸直腸がんの発症を含め健康全体のために重要な役割をします。ある研究で研究者らは陽電子放射断層撮影(PET)でマウスの腫瘍をスキャンしました。プラセボで処置したマウスよりプロバイオティクスで処置したマウスでは腫瘍が減り、小さくなっていました。
研究者らは腸内細菌が悪性胃腸病において主な機能をすることを明白に示す実験に基づく根拠を発見しました。別の研究でも腸内細菌が腸内ホメオスタシスおよび抗腫瘍応答を促進すると考えられることをデータが示しています。3つ目の批評的検討で、科学者らが細菌性の病原に焦点を当て現状の研究を調査した結果、直腸結腸がんとの関連性があるというエビデンスを提唱しています。
結腸直腸がんは便潜血の一つの原因にすぎません。怖く、重大な問題を示すことかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。便潜血は食道から直腸の間のどこかで出血があることを示します。
血液が鮮明な赤なら直腸や肛門近辺の出血です。別の個所の場合血液が腸内で消化され、便が黒いコーヒーの濾し滓のような色になります。便潜血の可能な原因:
憩室疾患 — これは大腸壁から小さい胞が飛び出した結果ですが、通常は問題につながることはありませんが、出血や感染が起きることがあります。
痔 — 直腸下部の低い位置や肛門の静脈が腫れる症状であり、痔核とも言います。静脈が伸びきって薄くなり刺激を受け、ひび割れて出血することがあるので、痔は直腸出血の最もよくある原因です。
危険になることは稀で二三週間で解消することがよくあります。しかし重篤な異常ではないことを確認するため診察を受けるほうがよいかもしれません。
切れ痔 — あかぎれた唇のひびや切れた紙のように見える肛門内壁を覆う組織の小さい切れや裂け目です。大きく硬い便が通ると切れることがあるかもしれません。
血管異形成 — 血管が脆く、出血に至ることもあるかもしれない異常です。
胃潰瘍 — 胃潰瘍は胃の中や小腸の上端で起きることがあります。ピロリ菌感染が原因で起き、出血個所の口が開くことがあります。アスピリンやイブプロフェン、ナプロキセン等の抗炎症薬を長期使用すると潰瘍になることもあるかもしれません。
ポリプまたはがん — ポリプは良性の出来物ですが、ときとしてはがん性になることがあります。ポリプも結腸直腸がんも裸眼には見えない程度の出血を起こす場合があります。
胃腸炎 — よく粘液や血液の痕跡が混ざった下痢を伴う胃内の感染症です。これはウィルスや細菌または食中毒が原因かもしれないもので、主な症状は下痢ですが、嘔吐や胃痛、脱水症もありえます。
炎症性腸疾患(IBD) — IBDには主に二つの形態、クローン病と潰瘍性大腸炎があります。その状態は過敏性腸症候群とは異なります。よく下痢や痛み、体重損失につながる腸壁を炎症させる慢性病です。
腸の健康は全身に響くので、大腸の健康が腸の健康保護と同じ多くの共通する原則を持つ理由をなします。発酵食品に含まれる繊維質やプロバイオティクスは両者とも病気予防で主な働きをし
、強く健康な腸内フローラを促進します。詳しくは私の以前の記事「腸内フローラはがん予防と治癒のための成果を生むかもしれない」をご参照ください。
大腸ガンにならないために
ビタミンAは大腸がんの予防を助けます
ドライプラムで大腸がんリスクが下がる可能性がある
HIITは2型糖尿病患者の心臓機能をよくする
このウェブサイトの閲覧を続けとクッキーの使用、改訂個人情報保護方針、サービスの提供条件に同意したものとみなされます。
同意する