Dr. Mercolaより
不要な体重をそぎ落とし、脂肪対筋肉比を取り戻すことに関しては、高強度インターバルトレーニング(HIIT)に間歇的絶食を組み合わせると、私の知る限り最も効果的戦略になります。
これらの戦略は両方とも身体の脂肪代謝能力を増進し、二つ合わせると結局は身体が脂肪を落とすのを余儀なくされることになります。HIIT運動は従来式運動よりはるかにカロリーを燃やし、短期で体脂肪を代謝できることがすでにわかっています。
私自身が利用し推奨するHIIT方式は30秒全力で食いしばり次に90秒の弛緩という動作を合計8回繰り返すピークフィットネス法です。
超スロー筋トレはすでにマクガフ博士とのインタビューをご紹介したときに取り上げましたが、ピークフィットネス カーディオよりさらに効果があると考えられます。本稿の終わりの方で両方の方式についてまとめます。
HIITの卓越した効果を確認した研究はますます増えてきました。 減量のための高強度運動が対象の最新研究の一つは、肥満300人を3つのグループに分け、次のいずれかを用い一週間に5回運動させました:
運動しなかった対照群を加えました。(高強度グループは私やHIITの専門家が勧める以上に行った点は注目に値します。HIITをするときは回復時間の重要度が増し、週に5回も1回40分行うと、ほとんどの人にかえって効果がないと私は強く思っています。)
6カ月の終わりに運動した3つのグループ全員は体重とウェストサイズが同じ様に減っていました。全体としては、運動した人たちは研究終了時に体重が5~6%減り、これはウェスト外周が4~5 cm減ったのに相当します。
しかし高強度運動した人はグルコース耐性が9 %改善しました。低強度運動した2つのグループのどちらでもグルコース耐性は有意に改善しませんでした。実際にはこれらのグループは全く運動しなかった対照群と同じでした。
この事実は注目すべき相違点です。インスリン受容体の感度を最適化しグルコースとインスリン濃度を正常にすることは、インスリン抵抗性が糖尿病や心臓病を含むたいていの慢性病の要因であることを考えると、運動から得る最も重要なメリットの一つです。
高強度運動は様々なメカニズムによってメリットを発揮すると見られます。まだ他にもわかっていないメカニズムがありそうことはかなり可能性が高いです。
例えば、Cell Metabolismに2012年に掲載されたある研究は、健康でも不活発な人が短時間でも集中的に運動すると、DNAが直ちに変化すること、その一部は特に体脂肪代謝を促進することを示しています。
そこでわかったことは、集中運動が筋肉の中のDNA分子構造や化学組成を変え、収縮により誘発される遺伝子の活性化により、筋肉の遺伝子がもっと強くなるように再プログラミングされることがわかりました。
集中的運動の効果が及ぶその他の遺伝子は脂肪代謝に係っている遺伝子です。この研究は具体的に高強度運動をすると身体は脂肪を解消するタンパク質を増産する遺伝子が直ちに活性化することを示しています。
運動で身体組成が変わり、健康がよくなることはほぼ否定しようのない事実ですが、一人が運動しもう一人は運動しなかった双子についてのある研究は運動の健康的効果に関する納得のいく事例研究です。
Medicine & Science in Sports & Exerciseに掲載されたフィンランド発のその研究には30代前半から半ばの一卵性双生児10組が参加しました。双子は皆16歳から始めそれ以降5年おきに健康データと医療データを提供しました。New York Timesが次のように報じています:
「その研究では家を巣だった後運動習慣が大幅に異なった若い成人の一卵性双生児を対象にした。結局研究者らは片方は定期的に運動し、もう一人は通常の場合仕事や家庭のプレッシャーで運動しなかった男性の一卵性双生児を10組に絞り込んだ。
運動ルーチンの相違はアンケートによると過去三年間にほとんどのケースで生じ始めていた。遺伝子的には同一の双子の体内および脳は想像以上に異なっていた。
座りがちな双子は忍耐力が低く、体脂肪率が高く、インスリン抵抗性の兆候が見られ、代謝の問題が始まっていることを示していた。(興味深いことに、双子らは運動ルーチンの内容に関わらずとても似通った食生活をする傾向があったので、食品の選択が健康の相違につながったとは考えられない。)
双子の脳も違っていた。活発な双子は座りがちな双子より大幅に灰白質が多く、特に運動制御と調整能力の中枢でこれがいえる。」
この研究は運動の有無によって、身体と脳がいかに迅速に改善されるか悪くなるかを強調しています。さらに、潜在的な遺伝的傾向も実際に克服しうることにも焦点を当てています。
高強度インターバルトレーニングは体脂肪を落とすのに最適な運動ですが、間歇的絶食は全体的には減量のために最も効果的です。間歇的絶食方式にはいくつもの種類があるので、人によってどれの方法が自分の状況や気質に最適化を判断するために試してみるとよいです。
体重過剰な人のための私のお勧めは単に毎日の食事を理想的には8時間以内の時間枠に限定することです。すなわち食べていない時間帯にはカロリーが全く入って来ません。水やお茶、コーヒーは飲めますが、ミルクや砂糖を加えて飲むことはできません。
この方法が最も積極的な間歇的絶食方法ですが、最もしやすい方法の一つでもあるようで、当然のことながら、この点はうまく結果を出せるためには大切なことです。
毎日絶食ではちょっとという方は、この方式が長期化すべき食事プログラムではないことを忘れないでください。インスリン抵抗性が治り、正常体重になれば、頻繁に食べる生活に戻すことができます。それまでに身体が脂肪を燃料にする能力を回復しておりこれこそ持続的体重管理のためのカギです。
減量についてのどんな議論も、特定の食品は効果的に逆効果がありジムでりっぱに取り組んでもすべて無駄になるので、何を食べるかに取り組まなければ不備があるでしょう。その研究はこの点に関してとても明確にしています:減量を望むのであれば、加工果糖その他精製糖を避けること。
概して余分な糖分は太らせるのですが、たいていの加工食品に含まれる高果糖コーンシロップなどの果糖がこれまで最悪の種類です。
果糖はアルコールと同じような経路で分解し、エタノールと同じようにミトコンドリア機能と代謝機能を悪化させます。さらに、その他の糖分よりはるかに脂肪に代謝されやすいので、重篤な代謝機能障害も起こします。
例えば、今年前半にMayo Clinic Proceedings に掲載されたあるメタ分析はカロリーが全て等しいわけではないことを確認しました。さらにそのペーパーは糖分が肥満や糖尿病の主な促進要因であることも確認しました、主執筆者ディニコラントニオ氏はこう説明しています:
「肥満につながり、糖尿病につながるカロリーを克服することではないことを把握する必要がある。そのことすべてを変えなければならない。精製炭水化物と添加糖分がインスリン抵抗性と糖尿病につながり、このためインスリン濃度が上がり、肥満を促す。」
私は推奨標準量として一日の果糖消費を25 gまでに抑えるよう強くお勧めします。高血圧や肥満あるいは心臓病などインスリン抵抗性の兆候がある方は、体重その他の健康状態が正常に戻るまでは一日の総果糖消費を15 gに制限するようお勧めします。
これらの推奨の通り行い易くなる最も簡単な方法は加工食品を止め、自然の、最適には有機食品に切り替えることです。すなわち包装された商品に頼らず、新鮮な具から自分で最初から調理することを意味します。調味料やドレッシング、マリナードも多くは果糖がたくさん含まれているので必ず確認しましょう。
運動に話を戻すと、人体は短時間にとても高強度の活動をするように進化し、この種の活動は遺伝子型の一部であり構成要因であるようです。この先祖からの活動を再現しようとするなら豊富に方法があります。
例えば、高強度運動は運動用バイクやエリプティカルマシンでもできるし、高強度運動を筋トレにすることもできます。
カーディオHIITと高強度筋トレは筋肉の疲労に達する程度が主な相違点です。超スロー筋トレの大ファン、ダグ・マクガフ医学博士はこう説明します:
「進化という点で見ると、高強度インターバルトレーニングは狩猟中の状態に似ており、短時間で自分の命を救うために断続的に跳躍するようなものですが、高強度筋トレは自分の能力にほぼ最適に互角な相手との決死のレスリングを行うようなものといえます。大いに疲れる大々的なもがきと言えるでしょう。」
本質的に、高強度筋トレではHIITで得られるすべてのメリットを得られ、これには心臓血管の健康メリットを含みますが、この他にも、筋肉が急速かつ深く疲れます。このため収縮組織の合成が開始されるので、そのメリットとして、いくつもの強力な健康的メリットがある抗炎症性マイオキンの増産が挙げられます。
高強度運動についての最新研究のいくつかがこれらのマイオキン(筋線維が生産する細胞信号伝達タンパク質の一種)にはメタボリックシンドロームやがんと闘う能力があることを特定しました。
片方でも減量の取り組みにプラスになりとても効果的ですが、両方のタイプの高強度運動をご自分の運動に取り込むようお勧めします。以下に、エリプティカル・マシンまたはサイクリング・マシンのいずれかを使って行う典型的なピークフィットネスルーチンがどういうものかを示します:
このルーチンは、始めてから終わるまで20分しか掛かりません。また、「全力」運動に費やす時間はこのうちたった4分です。私の場合は、さらに3から5分くらいクールダウンします。また、心拍数の機能パラメータを使います。
私は、止める前に心拍数を120に落とします。これで、回復に十分な時間が取れます。ぜひ行ってもらいたいのは、何もなしで心拍数を正確に測るのはとても難しいのでこれらの運動をするときに心拍モニターを用いることです。
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