オメガ3の毎日必要量

Fact Checked(事実確認)
毎日オメガ3はどれだけ必要か

早分かり -

  • オメガ3指数で赤血球細胞膜にある脂肪酸のパーセンテージを測定することで、研究者らは、体内の残りの部分にあるレベルを推定できました。一日に2,000 mgのEPAとDHAトリグリセリドを基材とするサプリメントを摂るとオメガ3指数が上がりリスクレベルが下がります
  • ウィリアム・ハリスPh.D.は研究によって、オメガ3指数が4%未満だと心臓血管の異常が発症するリスクが高くなり、4%~ 8%ではリスクが中程度で、8%を超えると冠動脈疾患リスクが低いと判定しました
  • 他の研究によるデータは、オメガ3脂肪酸レベルとテロメアの短縮化が5年間で反比例することを特定しており、オメガ3が最も多い人はテロメアの短縮化が遅延し、長寿につながることを示しています
  • 植物系オメガ3摂取源は炎症軽減と心臓の健康改善のために必須なEPAとDHAがありません。オキアミと魚油ともにこれらのよい摂取源ですが、魚油には汚染リスクがあり、オキアミにはアスタキサンチンがあるので保存中の安定性に優れます
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Dr. Mercolaより

食事から摂る脂肪はよい健康のために必須です。ある物は食べ過ぎ、他の物は不足がちだと有害ですが、健康的な脂肪がないと身体は正常に機能しません。脂肪は皮膚と髪を健康に維持し、特定のビタミンを吸収し、身体を絶縁して体温を維持するために利用されています。特定の脂肪は体内で作ることができないので摂り入れる必要があります。

脂肪は炎症や血栓の制御をはじめ脳の発達にも必須です。最も危険な種類の食物から摂れる脂肪トランス脂肪はパン類などの焼いた商品や加工食品からです。加工中に健康的なオイルが水素化工程で固形物になり有効期限が延びます。この工程でトランス脂肪が生成されます。

トランス脂肪は何のためにもならずこれを少しで も食べるのは安全ではありません。多価飽和脂肪は必須です、すなわち体内で作られないので食べるしかないのです。その主な二種類はオメガ3とオメガ6脂肪酸です。この番号は脂肪の化学結合を識別します。

両方とも必須ですが、たいていの人は誤った比率で食べており、これが慢性的炎症につながっています。オメガ6は加工食品、コーンオイル、サンフラワーオイル、サフラワーオイルに高濃度に含まれます。オメガ3脂肪とオメガ6脂肪の理想的な比は1対1です。残念ながら典型的な欧米の食事ではこの比が最大1対16にもなります。

この比を低く維持すれば欧米社会に蔓延する慢性病の多くのリスクが減り易くなります。サラダオイルの導入に伴いこれまで100年間でオメガ6脂肪の過剰摂取はほぼ3倍増加しました。研究者らは95%の人についてオメガ3指数を8%から12%の健康的範囲まで増やし易くすると考えられる調製方式を発見したと考えています。

オメガ3指数とは何か?

オメガ3の血中濃度を測定すると慢性病リスクの指標になります。オメガ3は身体にある量を反映するものとして赤血球細胞の上で測定します。ハリス氏が2004年にその検査方法を開発するまえで利用できる分析がありませんでした。赤血球細胞の寿命はおよそ120日なのでこの検査は平均摂取量の尺度になり、オメガ3が多い食事を最近摂っても影響を受けません。

この検査を利用してフラミンハム研究と女性の健康イニシアチブを含む数件の研究から得たデータを評価しました。この指数は赤血球細胞膜に含まれるすべての脂肪酸のパーセントとして表します。ハリス氏が行った研究から得られたデータは健康なオメガ3濃度は8%から12%であることを示しました。

ペンシルベニア州立大学とOmegaQuant Analyticsの研究者らが率いる科学者の国際チームはオメガ3指数を利用して、エイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸((DHA)のサプリメント投与による影響度を見るモデルを作成しました。これらの物質は動物性オメガ3脂肪い含まれる長鎖脂肪酸です。

自己目標のオメガ3指数を達成する

オメガ3の専門家ウィリアム・ハリス博士はオメガ3指数をリスクが低い範囲にじゅうぶん維持すると心臓病になりにくいことを特定しました。しかし研究者らにも消費者にもどれだけのサプリメントが健康的範囲に達するために必要であると考えられるかを特定するのは困難でした。

このチームの目的はEPAと DHAのサプリメント投与がボランティア参加者のオメガ3指数に及ぼす効果を研究することでした。文献を検討し、研究者らはサプリメント投与実験の参加者1,422人から得たデータを、オメガ3指数、性別、年齢、体重、処置期間をすべて記録して、識別しました。

このうち846人にEPAとDHAのサプリメント、576人に偽薬を与えました。分析の結果、研究者らはサプリメント調製方法、用量、ベスラインオメガ3指数がサプリメント投与への応答性を示す指標であることを特定しました。

その科学者らは開発したモデルを研究者らが利用してサプリメントの用量と形態に対する生理的応答性を推定することができると考えます。EPAとDHAのトリグリセリド形態サプリ2 gでエチルエステル形態のサプリよりもオメガ3濃度を上げられることがNutraIngredients-USAに報告されています。

オメガ3 EPAとDHAの利用可能な形態にはトリグリセリド、エチルエステル、リン脂質、遊離脂肪酸があります。ここで取り上げた研究はトリグリセリド形態のオメガ3使用について評価しました。比較までに、エチルエステル形態は処理中にエタノールと化学結合しEPAとDHAがサプリメントに集約されるようにします。

目標レベルを達成することに関連する健康的メリット

オメガ3指数と冠動脈疾患の間に有意な相関性があることをハリス氏は発見しました。その結果に基づいてオメガ3指数4%未満はハイリスク、同指数4%から8%は中リスク、8%を超える濃度の人は冠動脈疾患リスクが低いという見方を同氏はとりました。

これがいかに生じうるのかを把握する取り組みを行ったハリス氏と研究者チームはテロメアの長さと比較したオメガ3の濃度を調査しました。この研究は608人の通院患者を対象にし、研究者らはオメガ3脂肪酸のベースラインレベルとテロメア短縮化の間には5年間で反比例することを特定しました。

その後の研究で研究者らは無作為化比較対照試を行いオメガ3のサプリメント投与によるテロメアの長さと酸化ストレスへの効果を評価しました。この4カ月に渡った研究は体重過剰で座りがちなライフスタイルに該当する138人の中年と老齢者について評価しました。その結果、テロメアの長さはオメガ6:オメガ3比が下がるにつれ伸びることがわかりました。このことはたとえ短期の研究であってもこの比は細胞の老化に影響しうることが示されています。

炎症の軽減と心臓血管の健康改善により以下のようなオメガ3脂肪と関連するその他の健康的メリットにも影響します:

  • 喘息症状の軽減
  • 脳 と目の発達
  • パーキンソン病リスク低下
  • 多発性硬化症リスク低下
  • うつのリスク低下

植物性と動物性オメガ3の相違

オメガ3は植物源にも動物源にも含まれますが、動物源にEPAとDHAがより多く含まれます。生のナッツや種子などの植物源はアルファリノレン酸(ALA)が豊富にあります。これらのオメガ3脂肪は短鎖であり、身体では作られないので必須でもあります。

3つとも健康の維持に必要ですが、植物源のほうがALAが豊富で、動物性源のほうがEPAとDHAが豊富です。

植物源に含まれる短鎖ALAから体内でEPAとDHAは産生されることができますが、効率がよくありません。この変換による量では最適な脳の成長や発達には不足であり、体内のオメガ6による炎症性の影響を軽減できません。

オメガ3を摂るなら魚油ではなくオキアミ油を選ぶ

最適なオメガ3サプリメントは動物性源から得られます。オキアミ油と魚油からはEPAもDHAも得られますが、オキアミは持続可能性があり、魚油は汚染されている確率が高いです。さらに、魚油は加工中にもボトルの栓を開けた後にも起きる酸化による劣化のリスクが高いです。

カナダで市販の魚油を分析した研究者らは49ブランドから得た171種類のサプリメントを分析しました。試料の50%は酸化尺度を超過し、39%が国際標準で安全と考えられるレベルを超えていました。

別の研究チームは米国で試験した25.9%の魚油に酸化脂質の勧告基準の2倍、92.5%から水銀が検出されました。これらの検査はボトルを開ける前にサプリメントに対して行われたことを忘れないことが重要です。蓋を開けると酸素との接触やそれによる酸化損傷が増えます。

オキアミ油は酸化損傷を軽減するアスタキサンチンを含むのでさほど不安定ではありません。汚染度が低いのに加え、オキアミ油は魚油よりはるかに効能があります。ある研究では、 オキアミ油を摂った参加者は同じ結果を生むのに必要だった魚油を摂った人の62.8%の量で済みました。

ビタミンDとオメガ3の関係

ビタミンDとオメガ3にはいくつかの共通点があります。両者とも全身の健康にも心臓血管の健康にも重要な機能をします。さらに、たいていの人は両者とも不足しています。

こうした事情を基にVITAL研究は開始されたのですが、そこでブライガム・アンド・ウィメンズ・ホスピタルの研究者らはビタミンD3またはオメガ3脂肪酸の日常サプリメント摂取による効果の評価に着手しました。その目的はこれらの健康補助食品が心臓血管病もがんもない人が将来そうなるリスクを低下させうるのかどうかについて把握することです。

その研究には米国全体で25,871人の男女を対象にしましたが、データはいまだに編纂、評価中です。関連するある研究で、補助サプリメントの投与により出生時糖尿病の女性患者において炎症と酸化ストレスに効果があることがわかりました。

私の所の従業員は最近GrassrootsHealthという私たちの提携先である独立研究所が提供する二項目テストキットを使用してオメガ3とビタミン D3の測定を試しました。このプロジェクトの参加により研究者らはこれら2種類の必須栄養素がいかに協働して機能するかについてさらに把握する機会を得ました。

その結果は健康に効果が出るようにどんな変更が必要かを見極めるのにも有用です。ここの研究所との協業を通して検査値だけではなく、サプリメントの効能があるかどうかも見極めることができます。その検査は自宅で実施し、完全に自分ででき、医師も検査会社も不要です。試料とアンケートを返送してから、試料を検査所が受領後通常10日から20日以内に結果が出ます。

このテストキットは私は利益なくいかなるかたちでもテストに参加しないので、私の所で便宜上と厚意から販売しています。売上はGrassrootsHealthへそのまま流れます。しかしオメガ3とビタミンDの不足がいかに健康によくないかについて私は強く感じ入っており、 スタッフにこのプロジェクトを不足の特定と最適なサプリメント量の見極め手段として利用するように勧めました。