あなたが使っているデンタルフロスに有毒なノンスティックコーティングが含まれているでしょうか?

デンタルフロス

早分かり -

  • すべてが研究されたわけでなくても、フロスでお手入れするのは健康な歯茎を作り、歯周病になりにくくするための基本的日常習慣であってきました
  • こびりつかない材質の開発によりフロスでのお手入れがし易くなりましたが、そのため有毒化学物質への暴露は増えました
  • 不要な毒素への暴露を避けるため、あなたがよく使うフロスに有毒化学物質が含まれていないことを確認し、ブランドを変えるか、パルス放出される水を当てて歯間から残骸を取り去るウォーターフロスを使うとよいです
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Dr. Mercolaより

すべてが研究されたわけでなくても、フロスでお手入れするのは健康な歯茎を作り、歯周病になりにくくするための基本的日常習慣であってきました。しかも歯の健康は全身の健康のための基礎です。口腔衛生はしばしば過小評価されている誤解の多い日常ケアの側面であり、全身の健康に大きく影響します。

口は実際に肉体的健康及び精神的健康にとってさえ窓口のようなものです。軟組織と歯は身体の他の部分の状態を反映し、口内フローラは腸内フローラに寄与します。口内衛生に効果的に対処しないと、最適な肉体的健康や運動の成果を達成するのがとても困難になります。

例えば、炎症は発病の周知の原因であり、歯茎の病気やその他の口内の異常が口内軟組織の軽度な炎症につながります。虫歯や歯茎の病気を起こす細菌が炎症した口内組織を通って循環器系に入ると、全身から炎症反応が起きる場合があります。

フロス処理のメリット

フロス処理を日常の歯の衛生に含める影響を調べた長期的研究はこれまで無いので、フロス処理についての研究は乏しいです。しかし歯間の衛生は高く推奨されることで、フロス処理は歯間衛生のための一つの手段です。参加者に一週間に5日フロス処理させた複数の研究からはときどきしたのでは減らなかった歯垢蓄積が削減することがわかりました。

歯間クリーニング器具は歯間に蓄積する残骸や歯垢を除去します。歯間は歯ブラシでは届きにくいです。その他の歯間衛生器具にはようじ、小型で柔軟な歯間ブラシ、撚線フロス、ウォーターフロス、木製の歯垢除去器具があります。

アメリカ人の半分は歯周病すなわち組織や顎の骨を損傷しかねない重大な歯茎の感染症に罹っていることからして、フロス処理により歯垢予防することで、小さな統計的改善にもなるフロス処理を行うよう継続的に推奨する価値があります。

フロス処理のメリットはフロス処理のうまさ次第であることを研究者らが特定しました。言い換えると、自分のテクニックがうまければメリットが上がります。

「Feeling Guilty About Not Flossing? Maybe There's No Need」(フロスしないことに罪の意識? する必要ないかもしれない) (The New York Times)、「A Big Problem With Flossing」(フロス処理に伴う大問題) (CBS News)といった大見出し記事が増えるきっかけになったメタ分析はフロス処理のメリットを反証できませんでした。むしろ、フロス処理が統計的に強い有意性があるメリットを証明できた研究がじゅうぶんにありませんでした。

長年フロス処理が勧められ、行われてきたうえ、適切な研究を待つのみの、よい習慣であると思われます。

日常フロス処理すると歯磨きがとてもよくなり、フロス処理を怠っていた後はしにくいという経験をご自分であるのではないでしょうか。しかし、フロス処理による歯や歯茎、全身の健康メリットがあるにも拘らず、プラスチック、テフロン、全フッ素置換化合物 (PFC)、フッ素化合物等の毒素と知らないうちに多く接触してきた可能性があります。

デンタルフロスにテフロンは含まれるのか?

テフロンコートされたこびりつかない調理器具の危険を私はほぼ十年来執筆してきました。この化学物質はしみがつかない衣類や撥水性衣類、しみがつかないカーペットや家具にも普及しました。

実際に、テフロンは何種類もの製品に使用されている登録商品名です。テフロンのこびりつかい特性を生んでいる化学物質はPTFEとして知られる合成樹脂ポリテトラフルオロエチレンです。

この化学物質は極めて反応性が低く疎水性であり、多くの化学的、機械的条件下で安定しており、水で濡れません。1940年代以来普及しどこでも使われるようになりました。

フロスはナイロン繊維かテフロンから作られます。このポリマーを溶融して細い糸に伸ばし、引張強度をよくする処理が行われます。PTFEは容易に破損せず、切り刻まれない単一繊維です。

テフロンでフロス基材を製造すると、この糸にワックスや風味料をコートし、フロスの品質を変えて風味料を添加します。しかし、フロスの糸には固有の強靭性と耐久性がある一方、PTFEを口内で毎日使用すると化学物質が粘膜を容易に通過して吸収されるので、たいへん懸念のある習慣です。

全フッ素置換化合物は健康に有害

PTFEの製造工程ではC8とも呼ばれるペルフルオロオクタン酸(PFOA)を使用します。PFOAはPTFEの製造に使用されることからテフロン製のフロス繊維にも含まれます。これらの人工化学物質は歯との摩擦を減らし、特に歯間が狭い場合フロス処理が少々容易になります。

この利点には高い代価があります。PTFEもPFOAもPFCに分類され、膀胱や甲状腺、前立腺、精巣、腎臓を含む特定の種類のがんリスクを高めます。テフロンメカ―のDuPontは米国環境保護庁(EPA)から1981年から2001年の間PFCによる人間の健康と環境へのリスクについて報告を怠っていたと非難されました。

EPAはPFOAへの暴露による健康リスクを把握したことに基づいて飲料水に含まれる濃度を監理する健康諮問委員会も設置しました。しかし、DuPontはデンタルフロスやこびりつかない調理器具用にテフロンを生産し続けます。

疾病管理予防センター(CDC)の全国生体監視プログラムでは、検査対象者ほぼ全員の血中からPFOAを検出し、全米で暴露が蔓延していると結論しました。

人に関する研究はPFCへの暴露は胎児の成長に悪影響を及ぼし、生殖力を弱め、免疫系に悪影響を及ぼし、コレステロール濃度を高めることを実証しました。

PFCは極めて強靭であり、体内でも環境でも容易に分解されません。実際には時間と共に蓄積していき、長期的な人間の健康への影響を科学者らは懸念します。PFOA暴露による健康への影響は次のような項目が挙げられます:

卵巣がん

前立腺がん

リンパ腫

生殖力減少

関節炎

多動障害

子供の免疫応答の変性

幼児の筋緊張低下(筋肉の張りが減る)

潰瘍性大腸炎

コレステロールレ増大

妊娠中の高血圧

甲状腺の病気

精巣がん

乳癌

腎臓がん

ゴアテックスコーティングが悪化させる?

一つの撥水性化学物質を別の物質から引き離す取り組みにおいて、ゴアテックス衣類メーカーGore Fabricsは2020年末までに消費者向けアパレルの85 %からPFCを無くす目標を掲げました。このためゴアテックスメーカーはフッ素化合物以外の化学物質を使って製品を防水性かつ防風性にするため急いで対策を進めています。

防水性にするために使われるゴアテックスの化学組成も歯間でデンタルフロスを滑り易くします。歯間からすぐに簡単に細菌を除去して磨けるので、毎日使用する確率が高くなります。

フロスがナイロン製の場合、撥水性ゴアテックス素材でコートし、歯間で滑り易くします。しかし、ゴアテックス化合物にはいまだにPFCが含有されています。

PFCは化学物質としての分類として、200人の科学者が2014年に「マドリッド声明」を発表し、PFCについてさらなる研究を要求し、政府に使用規制を求めました。環境作業部会(EWG)の上級科学者デビッド・アンドリュー氏は「この種類の化学物質は詳しく把握する必要があります。PFOAがいかに有害かを示すのに数十年要しました」と説明しています。

DuPontはテフロンをPFCで製造継続

PFCについての真実はDuPontがこの主の化学物質は発がん性があり、オハイオ州とウェストバージニア州の何万人もの住民の飲料水を有毒にして汚染していたことを隠蔽したため、$1650万の罰金を科されたからこそ初めて暴露されました。

同社は2015年末までにこの化学物質を段階的に廃止することを約しましたが、製品製造に関する企業秘密を保護するように策定された法規に隠れ続けています。

EWGの専門家はDuPontが環境と健康に残した遺産について調査し、「Poisoned Legacy — 10 Years Later, Chemical Safety and Justice for DuPont's Teflon Victims Remain Elusive」(有毒な遺産 - 10年後、デュポンのテフロン犠牲者のために化学的安全性と正義はあいまいなまま)を公表しました。

罰金が科された当時、DuPontはPFCの健康への害を把握していましたが、労働者にも健康管理当局にも地元住民にも危険について通知していませんでした。10年後、EWGの別の調査からアメリカ人がいまだにPFCの生産によるリスクを被っていることを実証しました。

2005年の有毒汚水流出事故の犠牲者である数千人の原告は今ようやく$6億7100万のDuPontによる和解金支払合意によって正義を認められました。その流出事故があった2005年にテフロンの生産子会社になったChemours Co.は和解金の約半額を支払うことに同意しました。両者とも非を認めていません。

しかしこの係争の初期にDuPontは自社で設置した科学者パネルに病気がC8に関連する可能性があるかを調査させました。パネルの科学者らは高コレステロール血症、腎臓がん、精巣がん、潰瘍性大腸炎、甲状腺の病気を含む6つの病気に関連する可能性があるとの結論に達しました。

DuPontが製品にいまだにPFCを使用し続けている理由の一つは業界規制していない1976年に制定された古くしかも不良な内容の化学品安全法です。EWGの研究理事であるルネー・シャープ氏が次のように説明しています:

「PFCは有毒物質管理法の真の改正のためのポスターチャイルドです。この国の雑な化学品規制法の下では、これらの化学品やその他の危険化学物質は安全性証明無しに市販が認可されています。危険な化学物質から公衆を保護するために今すぐ議会は行動を起こすべきです。」

歯を磨く前か磨いた後にフロスを使うべき?

フロス処理するときそのテクニックも重要です。次の短編ビデオでDr.カルロス・ミュールナー氏が少々練習するだけででき、一分もかからないフロスの正しいテクニックを実演しています。日常規則正しく歯を磨き、フロス処理をするのは歯のケアにおいて基本ですが、どちらを先に行うかは重要でしょうか?

これは誰に訊ねるかによって異なります。歯医者の中にはフロスを先に使うことを、歯磨きの後うっかり忘れるリスクを無くせるという理由だけで勧める人がいます。

フロスを先に勧める他の歯医者の理由は、その後なら歯垢粒子や剥がれた食物の残骸を歯磨きで除けるというものです。さらに歯をまず磨き、次にゆすぐ前にフロスを使うようにするとフロスに伴い歯間の歯磨きの一部が付いてくるのでよいと言う歯医者もいます。

しかしフロスを先にすると歯間が「開き」歯磨きが入り易くなるのでよいという人もいます。全米歯科協会(ADA)の場合はこう言います:「しっかり処理する限りどちらが先でもよい。」

端的に言うと、自分で好みの方法を維持すればそれでよいことになります。参考までに、ADAのアンケートではアメリカ人の53 %はフロスを使う前に歯を磨き、47 %がフロスしてから歯を磨きます。

テフロンコートされたPFC汚染デンタルフロスを健康な物に替えましょう

市販のどのデンタルフロスにもPFCやPTFE、PFOAが含まれているとは限りませんが、メーカーは含まれていても製品に表示する必要がありません。これらの健康を害する化学物質と接触を減らすなら、以下の方法を検討しましょう:

  • フロスメーカーに問い合わせる。オンライン検索でその答えが見つかれば電話する必要はありませんが、見つからなければメーカーに電話して問いただすべきです。化学物質を使用しない会社なら誇り高く伝えるでしょうし、使用している会社なら次のような声明を付記した言い逃れをするでしょう:「テフロンのような化合物が一部に含まれ必ずしもすべてのフロスに含まれているわけではなく — この多くは自社技術と見なされます。」
  • 自分が買う物は有毒化学物質を使用していない物に切り替えましょう。どのフロスにすればよいかわからなければ私のブランドDr. Mercolaフロスを検討してください。このフロスならコーティングは100 %植物性ワックスであり、フッ素化合物は無く、動物性原料の成分は一切無く、環境に適合しています。
  • ウォーターフロスに切り替えましょう。これは小型の器具で圧縮した水を歯茎と歯に吹き付け、プラークや残骸、細菌を歯茎と歯の境目や歯間から洗い流します。