Dr. Mercolaより
フラボノイドはビタミンやミネラルほど認知度は高くありませんが、病気や早死にに対抗しうるうえ、炎症を減らす抗酸化物質としては、どこから摂取できるかを知っておけば健康に劇的な違いを生むことができます。
想像できないかもしれませんが、フラボノイドといっても6,000種類以上あり、その各一に身体への固有のメリットがあります。果物や野菜、ナッツ、ハーブ類に含まれる植物栄養素であるフラボノイドは世界で最もよくある病気の多くを予防する効果があります。知識豊富な消費者ならその一部はますます知られるようになっています。
デンマークとオーストラリアの数人の研究者らによる近年の共同研究及び北アイルランドとフランスからそれぞれ一件ずつの最近の研究が、フラボノイド含有食品を日常食べると、心臓病、がん、全原因死亡リスクが下がることを特定しました。
Nature Communicationsに掲載されたこのデンマーク食生活・がん・健康調査コホートという研究は23年を費やしてデンマーク人53,048の食生活を精査しました。フラボノイドをより多く消費した人はがんや心臓病による死亡率が低いことがわかりました。その科学者らによると:
「フラボノイドを適度に日常消費すると、全原因死亡率、心臓血管病やがん関連の死亡率と反比例する。… フラボノイド総摂取量と死亡率の反比例関係は、非喫煙者より喫煙者をはじめ少ないから適度な飲酒よりも多く飲酒する者において、より強くかつ線型的である...
フルーツや野菜の摂取は心臓血管病(CVD)、がん、全原因死亡リスクを下げ、2013年における全世界の早死に推定人口780万人は一日に800 gに満たないフルーツや野菜消費によることが判明した。」
CDCによると2016年に米国においては心臓病が最大の死因だったそうです。心臓病のリスクも高めるメタボリックシンドロームになる5つのリスク要因のうちの2つを閉める脳卒中と糖尿病が死因としては5位と7位でした。
しかしオーストラリアのエディット・コウワン大学医学・健康科学部の研究者らは、デンマーク食生活・がん・健康調査コーホートから得たデータを分析した結果、リンゴを食べお茶を飲むとがんと心臓病リスクが下がるというレポートによって裏付けました。両者ともフラボノイドを豊富に含みます。
日常的フラボノイド消費と飲酒、喫煙の相関性についても特定されました。喫煙や一日2杯以上を飲むヘビードリンカーの慢性病高リスクはフラボノイドが豊富な食品を食べると最も効能を得られるようであることがわかりました。具体的に、「毎日500 mgのフラボノイドを消費していた参加者はがんや心臓病関連の死亡率が下がって」いました。
しかしそのデンマークの研究でさえ、喫煙や飲酒による悪弊を掲げており、発がん性があるだけではなく、内皮機能や血小板機能にも損害を与え、血栓症や炎症、高血圧等の異常にもつながことを示しています。Healthのある記事も飲み過ぎや吸い過ぎの人を見逃していません:
「フラボノイドが豊富な食品を食べれば飲み過ぎやたばこの吸い過ぎによる悪弊が解消されるわけではないと、研究者らは警鐘を鳴らす。
しかしその研究はこうした習慣があれば慢性病発症リスクを下げるのに有用であるかもしれない。」
エディット・コウワン大学における研究主任のニコラ・ボンドノ氏はフラボノイドが豊富な食品をたくさん食べれば、過度の喫煙や飲酒による損害に勝てるわけではなく、悪習を適度に減らすことで少なくとも助かるはずであると、同意しています。両方の悪習慣ともに血管を損傷させ、炎症を増大するが、フラボノイドの摂取によりこれら両者を特に標的にできることを同氏が強調します。さらにこう説明しています:
「こうしたライフスタイルの変更はとても困難なことを知っており、喫煙を止め、飲酒量を減らすように励ましつつ、フラボノイド消費を増やすのがリスク増大を抑えるのに画期的方法になるのではないかと考えられる。」
ボンドノ氏によるとその研究参加者は一日にフラボノイド500 mgを消費したら病気のリスクが下がったそうです。この成果を複製するよう同氏は勧めます:
「異なる食品や飲料に含まれる各種のフラボノイド化合物を消費することが重要です。これは食生活で容易に実現できます:お茶一杯、リンゴ一個、オレンジ一個、ブルーベリー100 g、ブロッコリ100 gで豊富な種類のフラボノイド化合物及び一日に500 mg以上の総フラボノイドを摂取できます。」
そのデンマークの研究は、一日500 mgのフラボノイドを摂取すると心臓病によい効果があるほか、がん関連の死亡に関しては一日1,000 mgで「危害の確率」が減ることが特定されました。フラボノイド摂取が最適な健康のためによいという点は有意でした:
「フラボノイドの異なる種別毎の閾値を合算するとおよそ総フラボノイド摂取量の閾値になることは、すべての構成要素が重要であり、さらにメリットを得ることができるということと整合的です。興味深いことに、これらの閾値は一日に達成可能な限度範囲にじゅうぶん収まっており、こうした人々にとってお茶やチョコレート、ワイン、リンゴ、梨がフラボノイドの主な食品摂取源でした。」
色の濃いフルーツや野菜さらにダークチョコレート、赤ワイン、お茶は通常十分なフラボノイドを提供してくれます。化学的組成のため名前が似ている6種類のフラボノイド類が存在します。これらの化合物の化学的組成は生体活性や代謝の変化を生むのにも効果があることに着目すること、さらに、この点にこそ健康への優位性を導入しうることは意義があります。The Journal of Nutritional Scienceは次のように説明しています:
「フラボノイドにはいくつもの健康増進効果と関連しており、何種類もの栄養補助食品、医薬品、化粧品に必須の成分です。それはフラボノイドに抗酸化性、抗炎症性、抗変異性、抗ガン性に主な細胞酵素機能を変調する機能が加わるためです。」
この専門誌及びUSDAのフラボノイドデータベースには数種類のフラボノイド及びその亜種が分類されています。その摂取源や健康メリットとともに以下に掲載させていただきます(他の研究からも引用):
フラボン — ルテオリンは抗腫瘍性、抗炎症性があり、酸化ストレスを阻止し、心臓を保護する(メキシコオレガノ、ローズマリーに含まれる)。アピゲニン糖尿病、貧血症、アルツハイマー病、鬱病、不眠症、がんに有益(セロリー、ブロッコリ、シシトウ(ミドリピーマン)、タイム、パセリ、ミント、オレガノ)
フラボノール — ケルセチンとケンフェロールには抗酸化物質が含まれ、血管病リスクを下げます(かぼちゃ、ほうれん草に豊富)。ミリセチンさらに、イソラムネチンは乳がんの腫瘍を阻害する(バナナ、リンゴ、ブルーベリー、桃、梨、緑茶、グレープシード、唐辛子)
フラバン-3-オール — カテキンとエピカテキンには抗菌性があり、3没食子酸エピカテキン、エピガロカテキン、3没食子酸エピガロカテキンは緑茶に最も豊富で、感染を直し、予防することはすでに証明された。テアフラビン、3没食子酸テアフラビン(チョコレートや牛乳)、エピカテキンはインスリン受容体活性剤として機能し、「グルコース利用に対してインスリン強化活性」を作用させると考えられる。
フラバノン — ヘスペレチンあるいはナリンゲニンという強力な抗酸化物質は遺伝子発現を促進し、動物実験では脂肪蓄積(肥満)を軽減し、メタボリックシンドロームの治療に有用なことはわかっている。さらにエリオヂクチオールもある。これらはフリーラジカルを解消します(オレンジやレモン、ぶどう等すべてのかんきつ類に含まれる)
アンソシアニン — シアニジン、デリフィニジン、マルビジン、ペラルゴニジン、ペオニジン、ペツニジン化合物には抗酸化物質が豊富で心臓を保護し、神経を保護し、糖尿病、炎症、肥満を抑制。視力も支持する(クランベリー、ブラックカラント、色の濃いぶどう、さつまいも、ベリー類)
イソフラボン — ゲニスチン、ゲニステイン、ダイゼイン、グリセテイン、ダイジンあるいはフィトエストロゲンは細胞を酸化性DNA損傷から保護する。骨粗鬆症リスクも削減する。研究からは前立腺がんや乳がんの発症減少に寄与すると考えられる(大豆 (非GMOであり、有機であること、最適な健康のためには発酵させる)やマメ科に豊富。消費は適度にすべき)。エストロゲン活性を発揮する。
Harvard Healthのある記事はお茶をよく飲む人は心臓病になりくい一つの理由はお茶の葉に含まれるフラボノイドの効能によるものと考えられるとしています。お茶を飲むメリットの一部特に心臓血管の強化はカテキンやエピカテキン化合物によるものです。具体的にいうと:
「フラボノイドは炎症を鎮静化するのに有用であり、このため動脈内のプラーク形成を削減すると考えられることを研究が示している。緑茶は紅茶よりこれらの化学物質が若干多めに含む ...
短期的研究からはお茶を飲むと血管の応答性が改善されると考えられ、これは血管が肉体的あるいは心理的ストレスにいかによく応答するかの尺度である。紅茶や緑茶を飲むと有害なLDLコレステロール濃度が下がると考えられる … 数件の大規模人口対象の研究は紅茶や緑茶を日常飲む人は心臓発作や脳卒中になりにくいことを示している。」
2019年のある研究はかんきつ類のフラボノイドがいかに活発に機能し、深く作用するかの一例であることを特定しました。特に、フリーラジカルを解消し、インスリン感度とグルコース耐性ともに改善します。さらに脂肪を分解(脂質代謝)し、炎症を軽減し、肥満と闘い、内皮細胞の機能を改善します。これらのことはすべて心臓をより健康に、血糖レベルを改善します。
Journal of Translational Medicineに掲載されたある研究では、フラボノイドが豊富な食品を食べるほど心臓病になりにくく、心臓病の非致死的異常や死亡が減ることが特定されました。PLoS Oneに報告されたあるメタ分析に使用された12本の研究からは、乳がん発症率は食品からフラボノールやフラボンを豊富に摂った女性では「大幅に削減」されたことが報告されています。
フラボノイドがいかに健康によいかを示す一例として、かんきつ類に含まれるヘスペレチンという物質だけでも「抗がん性、抗高血圧性、抗ウィルス性、抗酸化性、抗糖尿性、肝臓保護(肝臓の損傷を阻止)的、抗炎症性」があることで劇的な健康へのメリットがあることがわかっています。
これらの化合物が発揮させる真の薬理学的機構に気づけば、体内のいくつもの部位で病気や感染の処置や予防にいかに重要かは明らかです。
尿を飲む人がいるのはなぜでしょう?
毛穴のぶつぶつを予防し処置する最適な方法
脳を縮小させる食品
がん治療の代謝的手法
このウェブサイトの閲覧を続けとクッキーの使用、改訂個人情報保護方針、サービスの提供条件に同意したものとみなされます。
同意する