Dr. Mercolaより
口内の健康がいかに全身の健康に影響するかをよく把握できていない人が多いのは残念なことです。口内の細菌の微妙なバランスは腸内細菌叢と同じく健康のために重要です。例えば、軟組織と骨に及ぶ歯周病はポルフィロモナス・ジンジバリスという口内グラム陰性嫌気性細菌が増加して発生します。
虫歯はストレプトコッカス・ムタンスによる反面、この細菌は免疫応答を阻害します。歯周病が2型糖尿病につながり、一日2回歯を磨かないと認知症リスクが65 %増加することをある研究が実証しました。口内衛生がよければ肺炎リスクも40 %低くなります。抗菌マウスウォッシュやリンスも口内フローラに重篤な影響を及ぼします。
全米歯科協会(ADA)による最近のある声明の中で、口内衛生と虫歯や、歯垢が歯や歯茎の際に溜まると発症する歯茎の病気の削減のために、フロシングが重要であると再度強調していました。ADAによればフロス等の歯間器具は歯と歯茎の手入れのために必須だそうです。
しかし研究からはすでに、デンタルフロスを使用すると実際にはペルフルオロアルキル及びポリフルオロアルキル類(PFAS)という、食品のパッケージ、家庭用品さらに職場で使用される一群の工業用に人工で生産されている持続的化学物質への暴露が増大することが判明しています。
サイレント・スプリング研究所が主催し、カリフォルニア州バークリーの公衆衛生研究所と協力して行ったある研究の結果から、フロシング等特定の行動がPFAS類の体内濃度を高めることがわかっています。
Oral-B Glideデンタルフロスの使用と高濃度PFASへの暴露の相関性を示した初の研究であったと研究者らは考えています — この暴露においては、防水物質と油脂耐性物質がいくつもの健康の問題につながる。この研究はJournal of Exposure Science and Environmental EpidemiologyのPFAS特集に掲載されました。
PFAS含有パッケージ入りの製品や食品から直接暴露が増大することを過去の研究が実証済みです。化学物質は環境内に持続的に残留するので、屋内空気や埃あるいは汚染された飲料水によっても暴露されます。
PFAS化合物がOral-B Glideフロスに使用されていることを科学者らはすでに把握していましたが、上記の研究に参加していなかったミシガン州立大学食品科学・毒性学のコートニー・カリグナン助教授はこうした事実は予想していたよるはるかに重要であるとしています。Buzzfeedへの回答の中でOral BとCrestブランドオーナーであるプロクター&ギャンブルは全製品は安全であると答えました。
血中濃度の他にも、デンタルフロスの化学的組成も研究者らは解析したら、6つのブランドからPFAS化合物があることを示すマーカーであるフッ素が検出されました。陽性と出た製品:
CVS Health Ease Between Super Slip ワックス処理デンタルフロス
Safeway Signature Care ハッカワックス処理コンフォートフロス
Crest Glide Deep Cleanクールミントフロス
Colgate Total デンタルフロス ミント
Oral-B Glide プロヘルスミント
Glide プロヘルスオリジナル
上記の研究に参加していなかった別の専門家が、フッ素化合物はフッ素も含め歯用製品に添加されることがあると指摘しています。しかし、サイレント・スプリング研究所の研究の執筆者 カティ・ボロノウ氏はどの製品も歯の健康のためにフッ素化合物を含めているとは広告されていなかったそうです。
ボロノウ氏はその研究の目的が汚染された飲料水や職場でのPFAS化合物汚染以外にも化学物質がいかに体内に吸収されるかを把握することであったと強調します。
近年まで大部分のPFAS化学物質はよくPFCとか全フッ素置換化合物と呼ばれていました。PFASは今では化学結合の中で最も強力なものに含まれるフッ素=炭素結合鎖を特徴とする全化学物質を含むために、学界や意思決定者レベルで使われるようになりました。
PFASの安定性とはすなわち環境でも体内でも永続することを意味し、口語的には「永久化学物質」として知られるようになりました。また、数種類のがんやコレステロール増加、肝臓への悪影響を含むいくつもの潜在的健康への危害が科学研究からわかりはじめています。
PFASは近年かなりの動揺を起こしました。本稿を書いていた年の前年中だけでも、ミネソタ州は3Mを被告とする訴訟判決を下し、EPA(米国環境庁)は報道陣を締め出してPFASサミットを開催し、トランプ政権は「PRの悪夢」を引き起こしかねないと考えPFASが公衆衛生に及ぼすインパクトに関するデータを抹消しようとしました。
この種の人工化学物質は難燃剤フォーム、食品のパッケージ、化粧品を含む多くの製品に含まれています。全米で30以上のコミュニティーに給水している水源は危険な高濃度のPFAS化学物質、染みのつかない、水とは興味深い関係を示す化学物質で汚染されています。
この化学物質は水に引き寄せられるが水に弾かれるので、数千年も水中や空気中、体内で現状のまま残留するという独特の種類の物質です。メーカーはこうした物質がキャンピング用品、カーペット、こびり付かない調理器具に有用であると考えました。
報告書の中でトランプ政権はPFOAの汚染蔓延を詳細に示し、これらの化学物質がEPAの現在の安全閾値より7~10分の1のレベルでも危険であることを示すデータを抹消しようとしました。
飲料水中の現在のPFOA及びPFOSの安全閾値は70 ppt(1兆分の70)ですが、環境保護団体はこれでもまだ高すぎると以前から主張してきました。有毒物質疾患登録局(ATSDR)の報告書にはPFOAとPFOSの濃度を7 pptと11 pptにそれぞれ下げるべきと勧告されています。
ハーバード大学によるある研究は、1650万人のアメリカ人の体内には飲料水により少なくとも一種類のPFAS濃度が検出されており、ほぼ600万人はEPAの現行安全基準以上のPFASを含む飲料水を飲んでいることを特定しました。
EPAがASTDRの勧告に従って安全基準を下げれば、リスクを受けていると正当に考えうるアメリカ人の数は激増するはずです。最高濃度のPFASは工業立地や軍事砲撃演習場、下水処理場近辺の流域から検出されており、民間の井戸も汚染されていました。
デンタルフロスや調理器具に含まれる物質はその製品に留まる可能性が高いと従来から考えられてきました。しかし、有毒化学物質は家庭用品から滲出しており、身体及び環境を汚染していることをいくつもの研究がすでに実証しています。
PFAS化学物質の一つペルフルオロオクタン酸(PFOA、C8とも呼ぶ)が以前考えられていたよりはるかに危険であることが判明しました。DuPont(デュポン)はテフロン調理器具の製造用にPFOAを50年以上製造しています。
この期間圧倒的に害悪が明らかであることが示されてきたにも拘らず、同社はこの化学物質の安全性を防御してきました。DuPontは未だにこの化学物質への暴露による健康の問題に対する説明責任をせず逆らい続けています。
DuPontはC8がいくつもの健康の問題を発生させたという訴因に対抗しているので、この闘争は裁判により審理が進められています。この法廷係争では、DuPontがこの物質の公衆や従業員への危険性を完全に把握していたにも拘らず使用し続けていることの証拠である社内資料が暴露されました。
7年の研究後、その結果はピアレビューを受けた3つ以上の論文で詳細に報告され、C8科学分析パネルはPFOAによる以下のような害悪を特定しました:
PFASに関連する健康リスクは増え続けています。ASTDRのレポートには肝臓、心臓血管、内分泌、免疫、生殖、発生への悪影響がある根拠が含まれています。その他の研究は子宮内で暴露された場合、子の肥満リスクが増加するなど微妙な影響を明らかにしました。
2015年5月に40カ国の科学者200人がマドリッド宣言に署名し、PFAS化学物質の害悪について警告するとともに、暴露による以下のような悪影響を文書化しました:
脂質代謝、免疫系、内分泌系の障害
ホルモン濃度低下及び思春期遅延
ワクチンへの免疫応答低下
複数の器官系統における腫瘍
睾丸がん、腎臓がん
異常神経行動
新生児毒性及び死産
肝臓への毒性
肝不全
甲状腺機能低下症
高コレステロール
誕生時体重減少、身体の小型化
潰瘍性大腸炎
肥満
購入する製品に含まれ私たちが暴露を受ける毒素の政府規制は遅々として進まないので、自分から安全なライフスタイルを選択し、暴露を制限する必要があります。PFAS化学物質と毎日接触する量を制限するように以下のことをご検討ください。
口内衛生 — 有毒化学物質を含まない信頼できるメーカーのデンタルフロスその他歯間ケア製品を使うだけで暴露されなくなります。歯間にスムーズに入る滑らかなベーガン野菜原料のワックスを使っている製品を見つけ出すほか、薬品処理した絹ではなくナイロンを使用している、フッ化物コーティングのない製品を探し求めてください。
オイルプリング — 歯周病リスクを下げ、歯茎を保護するために毎日オイルプリングを行うようにしましょう。オイルプリングのメリットについて詳しくは私の記事「オイルプリングとは?」をご参照ください。
飲料水 — 残念ながら、軍部は軍用飲料水からしかPFOAやPFOS汚染を浄化しようとしておらず、周辺住民に対しては、EPAの閾値70 ppt のPFOAあるいはPFOSを超える濃度が水に含まれない限り何ら処置を行っていません。
さらに、PFASには4,000種類もあり、科学者らは有害な作用についてようやく少しずつ解明し始めた段階です。汚染がどの程度蔓延しているかは不明ですが、まず飲み水が汚染されていると見て間違いありません。
このため、取水部で水をろ過してから家庭内で使用するように強くお勧めします。PFAS水質汚染について詳しくは「水質汚染の新データ隠蔽工作」をご参照ください。
調理器具 — ワッフルアイロンやサンドイッチメーカーを含め全てのこびり付かない器具の使用を止めましょう。危険なPFAS化学物質を使用せずに、鉄や鉛、アルミニウム、カドミウム等その他重金属も使用せず製造された健康によい、くっ付かないセラミック調理器具を探し求めましょう。
食品のパッケージ — 近年、研究者らや科学者らはファストフードやピザレストランの包装や食品店の包装に通常含まれるPFASを含む人間の健康に有害なことが既知の化学物質使用禁止につながるように、増大し続ける毒素への暴露について警告を高めてきました。
「世界で最も有毒なリテーラー」に Safer Chemicals, Healthy Families' Mind the Store(安全な化学物質健康な家族の店舗注意喚起)キャンペーンで失格の格付けを受けた会社名、健康の改善に取り組んでいる会社名が挙がっています。
化粧品 — 一部の化粧品特に、アイシャドウ、ファウンデーション、パウダー、ブロンザー、ブラシにはPFAS化学物質が含まれるリスクが高いです。環境作業部会(EWG)は28ブランドに渡る200弱の品目から13種類のPFAS化学物質を検出しており、これにはメーキャップ、サンスクリーン、シャンプー、シェービングクリームが含まれます。EWG Skin Deep Cosmeticデータベースで確認してから購入することをご検討ください。
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